空京大学

「さて、座って話を聞くだけというのも飽きたじゃろう？」

　他校からの生徒も交えた特別講義、講師であるアーデルハイト・ワルプルギス（あーでるはいと・わるぷるぎす）はそう前置きして、にやりと微笑みました。
　何かとびっきりのイベントを思いついた、企み顔。
　ざわめく生徒たちに、アーデルハイトは笑みを崩さぬまま宣言しました。

「百聞は一見如かず、とはよく言うたものでの。やはり、身をもって学んだことというのはどんな座学よりも身につくものじゃ」

　今日の講義のテーマは、ハーブや薬効のある木の実といった、いわゆる薬草に関すること。
　魔術儀式においても重要な役割を持つことの多い上、野外での応急処置などにも使えるので魔法使いでなくとも学んでおきたい授業です。
　実地、というからにはかなり暑くなってきた陽射しの中、イルミンスールの森か、それとも遠出して野山を探索しなければならないのか。
　そんな生徒たちの不安を察したのか、アーデルハイトはチョークを手に取りながら言います。

「なに、こんな暑い中野山でただ薬草を集めようというわけではない。どうせなら少し涼みながら学んだ方が覚えもよくなるじゃろう」

　かかっ、と黒板の上をチョークが走ります。
　『パラミタ内海に生息するハーブの効能について』

「ハーブには水中で生息するものもある。野山にあるものに比べて珍しい部類に分類されるものじゃ。
　今回はこれらのハーブについて学んでもらう」

　アーデルハイトの言った内容をまとめると
　・パラミタ内海に生息する薬草を採取、観察し、使用方法を学ぶ
　・水中にはモンスターも潜んでいるため、戦闘準備は怠らないこと
　・なお、他校生との交流もかねるので、授業が恙無く終わった後にはご褒美としてバーベキューが行われること

　多少危険は付きまとうとはいえ、海水浴もできてバーベキューまで楽しめる破格の授業内容です。
　さあ、この授業、希望するもしないも、あなた次第です。

　はじめまして、この度新しくＧＭに就任いたしました星積　椿と申します。
　このシナリオが処女作となります。どうぞよろしくお願いいたします。

　さて、このシナリオの目的は「パラミタ内海に潜り、海中でのみ生息するハーブを採取すること」です。

　水中での戦闘がメインとなります。
　なお、ハーブ採取する方にはアーデルハイトから水中でも呼吸ができるようになる丸薬を渡されますので、呼吸に関しては問題ありません。
　泳げなくても、溺れる心配はありませんのでご安心ください。

　また、ハーブ採取後にはバーベキューが用意されています。
　こちらの設置作業やバーベキューを豪華にするために釣りをすることも可能です。

　曲がりなりにも授業ですので、ハーブ採取もバーベキュー設置も何もしない、海でひと夏のロマンスを、という生徒にはアーデルハイトから容赦なくお仕置きが飛んできますのでご注意ください。

・ハーブを採取するため海中に行く

・バーベキューの準備をする

・バーベキューのために釣りをする