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争乱の葦原島(後編)

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シナリオガイド

それぞれの思惑。少年と少女の運命。
シナリオ名:争乱の葦原島(後編) / 担当マスター: 泉 楽

 葦原島城下町、そして夜加洲地方で起きた暴動は、契約者たちの尽力により、どうにか沈静化しました。
 しかし、それは一時のことだと彼らには分かっていました。
 葦原島の中央にある妖怪の山――そこの地中深くに、「フィンブルヴェト」なる装置が埋められているというのです。
「フィンブルヴェト」は、オーソンらニルヴァーナの民が作ったロストテクノロジーの一つです。その効果は定かではありませんが、オーソンや漁火(いさりび)の話を纏めると、複数のエネルギーを活性化させ、より大きなエネルギーを生み出すことが出来るようです。
 しかし「フィンブルヴェト」には重大な欠陥がありました。全ての生物が影響を受けてしまうのです。葦原島全土で起きている暴動は、これが原因と見られています。

   

*   *   *


「放っておけば再び暴動が起きるどころか、今度はミシャグジが復活するというわけでありんすか」
 ハイナ・ウィルソン(はいな・うぃるそん)は、契約者たちからの報告を受け、眉間に皺を寄せました。
「はい。漁火は、フィンブルヴェトの力でミシャグジにエネルギーをチャージしているようです」
 丹羽 匡壱(にわ・きょういち)は答えました。更に、
「一方でオーソンは、フィンブルヴェトのエネルギーを吸い取って回っているようです」
「葦原島のため――ということは、ないでありんしょうなあ」
「あいつに限って」
 どんな理由かは分かりませんが、オーソンのことです、自分の計画のために動いているのでしょう。
 しかし、オーソンに任せておけば、ミシャグジの復活や、暴動を抑え込めるのも確かです。
「俺としては、フィンブルヴェトを壊すのが一番いいと思うんですが」
「出来るでありんすか?」
「――妖怪の山を壊してもいいなら」
「それは――どうでありんしょうなあ」
 妖怪の山に棲む「神さま」ことオルカムイは、対処方法を三つ上げています。
 一、山を掘り返して探す。しかし、これは時間もかかる困難な作業です。
 二、山を破壊する。ただし、山に棲む妖怪たちを葦原島全土に放つことになります。
 三、オルカムイに頼んで山と外界を遮断する。――これが一番いいような気もしますが、山へ出入りすることは完全に出来なくなるでしょう。
「もう一つ、方法はあります。しかし――」
 漁火は言いました。自分を殺せば、止めることが出来るかもしれないと。しかしそれは、今の漁火の体の持ち主、ベルナデット・オッド(べるなでっと・おっど)の死をも意味します。
「その上、妖怪の山の妖怪たちがまた暴れ始めているようです。こちらも討伐が必要かもしれません」
「さて――どうしたものか」
 ハイナは苦虫を噛み潰したような顔になりました。


 真田 佐保(さなだ・さほ)は、捕えた九十九 雷火(つくも・らいか)らの尋問を受け持っていました。彼女は、漁火やオーソンの協力者がいるかもしれないと考えていました。
 その正体と計画を暴くには、どうしたらいいだろうかと仲間に相談を持ち掛けることにしました。


 夜加洲にいる北門 平太(ほくもん・へいた)は、漁火が現れたことを聞いて、喜びました。しかも今、彼女には発信器が付けられているといいます。
 ただし有効範囲には限りがあるため、近づかなければ細かい位置までは分かりません。それでも今までよりはずっと楽に見つけられるはずです。
 しかし問題は、彼女をどうやって捕えるかということなのです。もう一人のパートナーである宮本 武蔵(みやもと・むさし)は、平太に危機が迫れば、喜んで戦ってくれるでしょう。ですが、ベルナデット・オッドまで守ってくれる保証はありません。
「うわあああ、どうしよう!?」
 頭を抱えていると、ゲイル・フォード(げいる・ふぉーど)がやってきて言いました。
「何人かと一緒に偵察に行き、漁火やオーソンの動向を探ってもらいたい」
「僕が、ですか?」
 オーソンはともかく、漁火に関しては願ったりです。寸の間考え、平太は答えました。
「――やります」

担当マスターより

▼担当マスター

泉 楽

▼マスターコメント

お待たせしました。「争乱の葦原島(後編)」シナリオガイドをお届けします。
今回のメインは、ずばり漁火です。
フィンブルヴェトは妖怪の山にありますが、漁火曰く、彼女を殺さない限りそれを止めることは出来ません。しかし、本来の体の持ち主であるベルナデット・オッドを救うには、漁火を生かしたまま妖怪の山の頂上へ連れていかなければいけません。
その上、妖怪の山ではまたぞろ妖怪たちが暴れているようです。頂上への道を確保する必要もあるでしょう。

漁火関連のアクションをかける方は、彼女を「どうするか」具体的に記入してください。
漁火を連れて登山する必要はありません。無事捕え、逃亡されることもなく、妖怪の山で頂上への道が確保された場合、漁火をオルカムイの元へ連れていくことに成功した、とします。


前回の反乱の後始末をすることもできます。九十九 雷火や他の捕えられた人間を取り調べるのも可。まだ暴動の火は燻っていますから、見回りということでも構いません。
彼を含め、捕えられた人間は城下町の牢内にいます。身元が確かな明倫館もしくは他校の生徒は、佐保の許可を取れば尋問も出来ます。


以下、NPCの情報と公表できる内容です。
▼漁火:ガイドの時点では、夜加洲地方にいると思われます。オーソンの行動を阻止し、ミシャグジを復活させようと考えています。
<漁火の仲間>の称号を持つPCさんは、すんなり会うことが出来ます(逆に称号を付けていない場合、会えない可能性もあります)。
明倫館側の人間は、発信器があるため、ある程度の場所を把握できているとします。これは、近づけば近づくほど精度が増します(例:城下町にいる場合、東の方にいるらしいことが分かる程度。夜加洲か、別の地域かの判断はつかない)。これはダブルアクションを避けるためで、漁火を追うだけの場合はほぼ確実に見つけることができます。

シャムシエル・サビク:漁火と行動を共にしていることが多いですが、前編〜後編シナリオガイド時点ではオーソンを仇として探している模様。ただしオーソンはシャムシエルを操ることができるため、なかなか近づけません。

▼オーソン:フィンブルヴェトで活性化したエネルギーを次々に吸い取っている模様。前編では夜加洲地方に現れましたが、後編では分かりません。彼に任せておけば、ミシャグジの復活を妨げることは可能です。

▼オルカムイ:妖怪の山の頂上で、漁火が連れて来られるのを待っています。このままでは葦原島全体が危険なため、どうすべきか迷っているようでもあります。

▼九十九 雷火:城下町の反乱の首謀者です。現在は牢内にいます。

▼ハイナ・ウィルソン:城下町にいます。葦原島全体の指揮を執っているので移動する予定はありません。

▼真田 佐保:城下町にいます。九十九 雷火らの尋問を行う予定です。

▼丹羽 匡壱:妖怪の山の道を確保する予定です。皆さんのアクション次第では、別の行動を取るかもしれません。

▼ゲイル・フォード:夜加洲にいて、指揮を執っています。

▼北門 平太:ゲイル・フォードの指揮の下、漁火もしくはオーソンを探しています。本人は漁火を見つけ、どうにかして妖怪の山へ連れていきたいと考えていますが、その手段までは思いついていません。


なお、前回、捕まっていると指示されたPCさんは、その状態で始めてください。その際、MCさん、LCさんが別行動を取ることは問題ありません。(自分だけで動いても可、仲間が助けるために動いても可)


今回も<漁火の欠片>を使用することが出来ます。詳しい効果はマスターページをご参照ください。
他の欠片も使用できますが、効果は「別の欠片を持っている相手を知ることが出来る」のみです。(例:<超獣の欠片>を持っていると、<漁火の欠片>が近づいたときに分かる)
称号に欠片の名前を付けてご参加ください。称号がついていれば、自動的に「持っているもの」と判断します。(逆についていない場合、持っていないと判断することもあります。ご注意ください)

初めての方はとっつきにくいかもしれませんが、歓迎しますので途中からでもぜひご参加ください。
それでは皆様のご参加をお待ちしております。

▼サンプルアクション

・九十九雷火や他の人物の取り調べをする

・漁火を捕える

・オーソンの邪魔をする

・フィンブルヴェトを探す

・妖怪の山で頂上への道を確保する

▼予約受付締切日 (予約枠が残っている為延長されています)

2013年08月08日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2013年08月09日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2013年08月13日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2013年08月28日


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