嘆きの邂逅~離宮編~(第4回/全6回) リアクション公開中! |
シナリオガイド友を信じ進め、契約者達!
シナリオ名:嘆きの邂逅~離宮編~(第4回/全6回) / 担当マスター:
川岸満里亜
「そういえば、ソフィアは戻ってこないかもって話だったけど……」 〇 〇 〇 「お疲れのところすみません、地上への転送をお願いしたいのですが」 離宮南塔の天幕が張られた仮眠用のスペースでソフィア・フリークスは休んでいるはずでした。 ソフィアに、怪我や病気の為に緊急的に地上に戻さなければならない人物の転送を頼んでいたのですが……。 その場所にいるはずだったソフィアと、パートナー契約を結んだ桐生 円(きりゅう・まどか)の姿がありません。 手洗いだろうと判断して、転送を頼もうとした百合園生は一先ず総指揮官の神楽崎 優子(かぐらざき・ゆうこ)の元に報告に戻りました。 「ここ……どこ?」 調査や攻略が進められている中。 天幕でソフィアと2人きりになった瞬間に、円はテレポートで奇妙な部屋に連れて来られていました。 「使用人居住区の地下よ。鏖殺寺院が極秘に作った地下研究室。その他、離宮全体の地下施設の制圧は済んでいるの。地下道を通じて、どこにでも人造人間を送ることができる」 言って、ソフィアは持っていたライトで部屋の中を照らしていきます。 「で、何でボクをこんな所に連れてきたの?」 「あなたが人質だからよ」 「……契約したのもそれが理由?」 「そうね」 何の表情も表さず、ソフィアは幾つかのスイッチを入れていきます。 部屋全体に光が灯り、機械が稼動していきます。 突然のことに驚いている円の方を見て、静かにソフィアは語ります。 「あなたは百合園では問題児のようだけれど、分校の設立に協力したり、白百合団で学んだりしているそうね。本部の部長、副部長あたりはどうだかわからないけれど、ここの指揮官にあなたを殺すようなことが出来るかしら? つまり、契約を結んだ私のことを殺せはしないはず」 「何が目的?」 「ヴァイシャリーの主力と、邪魔立てする契約者達を1人でも多くここに閉じ込めて殲滅すること。そして、離宮を浮上させ一帯を制圧すること」 その可能性を、ソフィアが敵である可能性を考えていなかったわけではありません。 でも、円は彼女を信じてみてもいいと思っていました。『悪人ではない』『自分が正しいと思っている行動を取る人』そして、嫌いじゃない性格だと思ったから、契約してもいいと思って契約したのです。 「私も、あなたの性格、嫌いじゃないわ」 ソフィアは瞳を煌かせながら言葉を続けます。 「そう、私は私が信じる人、願う未来の為に動いている。あの女――ラズィーヤ・ヴァイシャリー(らずぃーや・う゛ぁいしゃりー)も、私がこう動く可能性は理解していたはず。でも、誰にも説明はしてないわよね。それはね、ヴァイシャリーを守るために、ここに下りた者達を犠牲にしてもいいと考えているからなのよ。ほら、自分や血縁者、パートナーは視察にも絶対下りてこないでしょ?」 ソフィアはまた一つ、部屋の中のスイッチを押しました。 機械音が響いていきます。 「私を信じてもいいといったあなたが、私の信じる人を一緒に信じてくれるというのなら、私はあなたをパートナーとしてきちんと認めようと思う」 ソフィアは円を真っ直ぐに見ます。 「この部屋に出入り口はないわ。精密機械を狂わす電波を放ったから外部との連絡もとれはしない。だけど、あなたを拘束したりはしないでおくわね」 そして軽く笑みを見せました。 「そう、私の封印はね、私の体内にあるの。私を殺して離宮の封印を全て解除する以外に、全員が地上に戻る方法はないわ」 『機器類が…誤作動を……している。妨害電波かなにかが、の影響と思…れる』 通信機から、神楽崎優子の声が途切れながら響いてきました。 通信機だけではなく、離宮に存在する機器類が正常に作動しなくなっているようです。 使用人居住区の集会所に留まっている者達は、通信機が使えるうちに救援要請を出すべきか迷います。 誰かが。 そう、敵側に知能を持つ者がいたら。その者が、集会所の破壊を命じたら。敵に囲まれている自分達に逃げ場はないのです。 「あった、地下への入り口だ」 国頭 武尊(くにがみ・たける)が小声で言い、皆が集まります。敷物を剥がした下に、地下への入り口がありました。 「嫌な音がするね……」 鬼院 尋人(きいん・ひろと)が、床に耳を当てて言いました。 「人造人間製造室なんかがあったりして、はは」 清泉 北都(いずみ・ほくと)が、冗談を言いますが、冗談ではなく真実かもしれません。 「そういうものがこの離宮にあるとしたら……そう、地下かもな」 武尊が慎重に、地下への扉を開け放ちました。人か、それとも魔道生物か、多くの何かが稼動している音が響いてきます。 『皆、覚悟…決めてほしい』 通信機から、神楽崎優子の声が流れてきます。 『ここに下り…来た者達は、地上の人々を守るという意思を持った同志だ。自らの怪我…恐れぬものは、仲間の怪我をも恐…るな』 途切れ途切れだけれど、内容は解ります。 『我々は一つの存在だ。体…いくつあろうが、1つの意思…共有する者達だ。体の一部が傷つ…ば痛みを感じるが、倒れる……その意志は無くなりはしない』 緊迫した口調で、彼女の言葉は続きます。 『意志の無…者は即刻陣へ戻れ。隠れて夜明けを待っていろ。進むものは仲間…信じ、振り返るな。今、我々に戻れる場所はない』 担当マスターより▼担当マスター ▼マスターコメント
こちらのシナリオは、百合園女学院のキャンペーンシナリオですが、優先学園はありません(男性も会議や作戦にご参加いただけます)。 ▼サンプルアクション ・会議をする ・怪しい人物に証拠をつきつける ・守りたい人がいる ・攻めに出る ・全力で巻き込まれる(追加募集参加者用) ▼予約受付締切日 (予約枠が残っている為延長されています) 2010年06月07日10:30まで ▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました) 2010年06月08日10:30まで ▼アクション締切日(既に締切を迎えました) 2010年06月12日10:30まで ▼リアクション公開予定日(現在公開中です) 2010年06月25日 |
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