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【●】葦原島に巣食うモノ 第一回

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シナリオガイド

最初からクライマックス!? 最悪の事態に陥った葦原の町を救え!
シナリオ名:【●】葦原島に巣食うモノ 第一回 / 担当マスター: 泉 楽

 幾重にも張り巡らされていた鎖が断ち切られ。
 その向こうに鎮座していた古い古い“玉”は砕かれました。


 ● ○

 シャンバラ西南部に浮かぶ葦原島。
 城下町では着物に身を包んだ人々が、いつもと変わらぬ平穏な日常を過ごしていました。
 
「カタル」
 門を通り、城下町に足を踏み入れたオウェンは、横を歩く少年に低く声を掛けました。
 黒髪の少年カタルが、右目を隠すように巻かれた布に触れながら静かに首を振ります。
「間に合いません――来ます」
 
 瞬間――、
 
 大地が激しく揺れ、平和な風景が傾げました。
 まるで葦原島全体が揺れ動いているような大地震の中、人々の悲鳴や建物の軋む音が響きます。
 そして。

 唐突に地面から、幾本もの太い触手が噴出しました。

「ヒッ――ギャ、ァアアア!!?」

 触手たちは、その先端を十字に割ったような巨大な口で人々に襲い掛かります。
 カタルたちは、触手をかろうじてやり過ごしながら城下町は駆けていきました。
「これが1万年以上前の化け物……の、ほんの一部かい。しかし、パラミタ大陸の力が弱っているとはいえ、復活が早すぎるんじゃ……?」
 カタル、オウェンと共にやってきたヤハルが表情を強張らせます。
「意図的に封印を『解いた』者が居る、と考えて良いだろう。そうであれば、我々だけでは手に負えんかもしれん」
「だったら、僕は残ろう」
 ヤハルが言います。
「この町には契約者たちが居るはずだ。化け物が何であるかを伝え、協力してくれる人を探すよ。救える人を救いながらね」
「ヤハル。今、重要なのは――」
「だけど、目の前の人たちだって見過ごせないよ」
 でしょ、と言い残し、人助けへと走っていったヤハルを渋面で見やってから、オウェンは抑揚のない声をカタルに向けました。
「分かっているな、カタル。お前の役目は、アレを封じることだ。それが父の罪を雪ぐことになる」
「分かっています。私の命は、ただそれだけのためにあるのですから」
 そう、カタルは静かに言ったのでした。


 ○ ●

「くっ――皆、無事でありんすか!?」
 ハイナ・ウィルソン(はいな・うぃるそん)は契約者たちへと問いかけました。
 近々、行われる第二回葦原明倫館御前試合の準備のため、明倫館内の広場に集まっていたのです。
 御前試合の賞品である古い剣を胸に抱えたハイナが見たのは――所々に巨大な触手が生えた城下町の風景でした。
 そして、その中央。
 幾つもの建物を吹き飛ばし、巨大な蛇の頭部が姿を現しました。
「あれは……一体……?」
 ハイナは呆然と呟きました。


 ○ ○

 茶屋の一室で女は言いました。
「はい、ご苦労さん」
 渡された玉の欠片を手に、笑みを浮かべます。
 彼女に欠片を渡した男の目は虚ろとしています。
「さァて、一応の『守り』も置いたことだし、あたしの仕事はここまで。後は、好きに腹を満たしてもらえばいい」
 外で響く悲鳴を聞きながら、女はゆっくりとした動作で茶を啜りました。
 木組みの窓の向こう――身悶えした巨大な大蛇の体からは、数本の“人の腕のようなもの”が生え出していました。


担当マスターより

▼担当マスター

泉 楽

▼マスターコメント

明倫館の皆様、ご無沙汰しております。泉 楽です。この度、明倫館のキャンペーンシナリオを担当することになりました。全三回の予定となっております。
第一回では、葦原の町を襲っている化け物を無事に封じることが出来るかどうかが大きな焦点となります。
平和を取り戻すことが出来れば、第二回では御前試合などが行われる予定です。なお、参加者は明倫館に限りません。明倫館以外の生徒は、何の理由で葦原を訪れていたかを書いて頂ければ、アクションにも反映されるかもしれません。
以下、NPCなどの情報です。


■町と“化物”
地面から幾本もの太い触手が生え、住民たちを襲っています。どうやら住民たちを喰らおうとしているようです。
一際巨大なのは、地面から伸びる大蛇の形をしているもので、見えている限りでも全長は100メートルを超えています。
大蛇はその体の所々に、巨大な人間の腕のようなものを生やしています。

町では、ヤハルが、
『カタルたちが化け物を封印するために【地下洞穴】へ向かったこと』
『協力してくれる人には地下洞穴へ向かって欲しいということ』
『地下洞穴へ向かうための道』
を色んな人に伝えています。


■化物の封印
カタル達は、この“化物”を封じるため、葦原明倫館の地下へ向かいます。
明倫館の地下は以前の騒動で崩壊していますが、彼らは、その更に地下へ向かう道を知っているようです。


■地下洞穴
深く巨大な洞穴です。
無数の橋が折り重なるように掛けられており、幾つもの古い社が、それに支えられる形で宙に造られています。
この橋と社を経て、洞穴の奥深くへと進んで行った先に、化物を封じる事の出来る場所があると言います。
所々に下げられた提灯や置かれた灯籠には不思議な光が灯っており、多少薄暗いものの、明かりは十分にあります。
特別な力が働いている場所のようで、この洞穴内では飛行することが出来ません。

こちらには奇妙な面を被った忍者っぽい者たちが潜んでおり、行く手を阻んできます。
身のこなしは素早く、暗器による攻撃や幻術などを扱ってきます。

カタルらはそこそこ戦えるものの、それほど強くはありません。


■“女”
何らかの方法で人を操り、大蛇を復活させた元凶のようです。
化け物に襲われる葦原の町を楽しむように、茶屋で茶を飲んでいます。
洞穴入口方面から現れた怪しい人物の情報を辿っていくなどすれば、彼女と接触することが可能です。
また、『偶然』といった形で出会うことも可能とします。


■NPCについて
▼ハイナ・ウィルソン
 城下町で住民たちを助けるために指揮を取っています。

▼カタル
 感情の起伏が無い、物静かな少年です。
 右眼を隠すように、呪の綴られた布を巻いています。
 棒術を使うようですが、身体能力はそれほど高くありません。
 “化け物”を封じるために、地下洞穴の奥へ向かっています。

▼オウェン
 表情に冷酷さが見える中年男性です。
 あまり口数は多く無く、誰に対しても厳しい態度であたります。
 特にカタルに対しては冷たさが増します。
 どうやらカタルを守ると共に、カタルを見張る役目でもあるようです。
 棒術を使います。
 “化け物”を封じるために、地下洞穴の奥へ向かっています。

▼ヤハル
 温和な表情をした眼鏡の青年です。
 誰に対しても気さくに話してくれます。
 オウェンと同じくカタルの御目付け役のようです。
 銃を使いますが、扱いはそれほど上手くありません。
 城下町で触手から人々を救おうとしながら、契約者たちに状況を説明して回ります。

 それでは皆様のご参加をお待ちしております。

▼サンプルアクション

・カタル、オウェンと地下へ向かう

・町で化け物から住民を守る

・“女”と接触したい!

・“女”の仲間になる

・大蛇と戦う!

▼予約受付締切日 (既に締切を迎えました)

2012年02月18日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2012年02月19日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2012年02月23日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2012年03月08日


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