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伝説の教師の新伝説~ 風雲・パラ実協奏曲【2/3】 ~

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シナリオガイド【イコン参加可】

防災訓練を真面目にやるぜ。と思ったら襲撃にウィルス拡散!? 当然、ヒャッハー! だよな?
シナリオ名:伝説の教師の新伝説~ 風雲・パラ実協奏曲【2/3】 ~ / 担当マスター: 車 修理

「三日後に、この分校で防災訓練が行われる。事件はそこで起こるのよ」

 薄暗闇の中、吉井 真理子(よしい・まりこ)はそう語り始めたのでした。

「先日の異次元に存在する“光条世界”の使者による機晶技術のエネルギーダウンを教訓として、この分校でも防災避難訓練が行われることになったらしいわ。なんだか、普通の学校みたいでしょう。でも、訓練じゃなくて実践なのよ。少なくとも、あの特命教師たちにとってはね」

 ここは、キマクとツァンダの境近くにあるパラ実の極西分校。
 収穫祭とイコン格闘大会も無事に終わり、校内は一見平穏なようなそうでないようなもどかしい雰囲気に包まれていました。
 導入された決闘システムにより、序列づけと競争に慣らされた生徒たちは、本来の荒々しい気性を内に秘めつつも一応真面目な学校生活を送っています。
 赴任してきた特命教師たちも教育熱心であり、秩序も保たれ何の問題もなく極西分校は普通の学校として機能しているようでした。
 表向きは。

「私が知る限りでは、当日には極西分校周辺だけじゃなく、キマク一帯で機晶技術が使えなくなった、と想定して行動することになるわ。付近の一般人たちも協力してくれるようだけど、生活に何がしかの支障が出ると思うから、注意しておいてね。だって、訓練と称して本当に奴等は機晶エネルギーを人力で妨害できないかと考えているんだから。実際に機器類が使えなくなるかもしれない」

 分校のどこかにある地下の教室で、真理子はそう告げてきます。監獄のような格子のはまった教室内はシンと静まり返っていました。
 騙されてパラ実の農業科講師として登録されてしまっていた真理子は、パートナーの吉井 ゲルバッキー(よしい・げるばっきー)とともにイヤイヤながら分校で授業を続けていたのですが、校内の雰囲気に違和感を覚え探りを入れ始めた途端、特命教師たちに密かに取り押さえられ、この地下教室へと連れてこられてしまったのでした。
 真理子は、特命教師たちの秘密をある程度知ってしまったから閉じ込められてしまったらしいのです。同時にそれは、殺されたりもっとひどい目にあうことは、とりあえずないであろうと予測させるものでした。
 もちろん、彼女は黙っているつもりは全くなく、特命教師たちに倍返しつきで脱出をするつもりなのです。そのことは、先日救出に来てくれた人たちにも返事をしていたのでした。
 真理子は、この地下教室に一緒に閉じ込められている生徒たちと共に、特命教師たちを倒す計画を立てていました。
 牢のような教室とはいえ、最低限の衣食住は保障されています。そこで共同生活をしているうちに、彼らの絆は固く結ばれていたのでした。
 だからこそ、と彼女は言います。防災訓練の当日に別の場所で何か事件が起こっても、それに対して自分たちが関与できることはできないのだ、と。ちょうど騒ぎが起きているであろう真っ最中に、彼女らは特命教師たちと対峙するのです。

「私たちはこれから、校内の決闘システムを利用して、特命教師たちと決闘をするわ。ゲルバッキーが分校で一生懸命ためたポイントを全て賭けてね」
「……」

 そんなことだろうと思ったよ、とゲルバッキーは呆れつつも同意します。

「決闘の種目には、学業も含まれているのよ。農業の奥深さを教えてあげましょう」

 学科と実技で。
 実は真理子、実家が麹屋のため農大では発酵を学んでいた方なので、農業には一家言あるのです。どうして銀行勤めしていたのでしょうか。
 それはさておき。
 イコンを使って、荒れ果てたシャンバラ大荒野を見渡す限り畑に変えてやるのだと、真理子はニンマリと笑みを浮かべました。
 枯れた土を耕して、苗を植える。促成栽培の果実を育てて先に収穫したほうの勝ち、というなんとも無茶な勝負を挑むつもりのようでした。

「イコンって、戦闘に使うだけじゃないのよ。農機具としても非常に優秀なの」
「……」
「ところで、誰かイコン乗りはいないのかしら。私、イコン持ってないし」
「分校内の決闘を取り仕切っている『決闘委員会』が常に公平であることを願っているよ」
「ふふ。あの連中はね、筋金入りなのよ。後からやってきた特命教師たちに遠慮するはずがないじゃない」

 以前から、分校内の秩序を決闘によって保ってきた『決闘委員会』は、特命教師たちと共存しているだけだ、と真理子は確信していました。彼らもまた、特命教師たちの力を利用しようとしている……。

「ま、なるようになるでしょ。後は、他の人たちに任せておきましょう」

 真理子は気楽に言います。
 さて、ぼちぼちパラ実らしく喧嘩を始めましょうか。
 



 その頃、その極西分校では、一部の教員たちがやる気を出していました。

「防災訓練を行うことができるのは、非常にいい傾向だといえるだろう。秩序を守り規律正しい学校生活を送ってこそ、学生の本分である学業にも熱心に取り組めるということだ。諸君、一致団結頑張って成功させよう!」

 これまで、ヒャッハー! しかしたことがなかったため、そもそも学校と呼べるのかどうかすら怪しかったパラ実に一条に光が差し込んできた、と古参の教員たちは感涙にむせび泣く有様です。
 不良たちに悩まされ続けてきた極西分校の教員たちの間では、更正に力を注ぐ特命教師たちの評価は上々なのでした。

「はじめまして、パラ実生の諸君! 高時給で雇われたからには、私の仕事に一切の手抜きは無いと思うことね!」

 今回の防災イベントの監督として、葦原明倫館から父母清 粥(ふぼきよし・かゆ)が出張してきていました。
 学校は違えど、機晶技術のエネルギーダウンによる対応訓練という行事は他人事ではありません。また同じ状況に陥ったら、葦原明倫館とて無事に済むわけがないのです。
 校長のハイナ・ウィルソン(はいな・うぃるそん)には、訓練の様子をしっかり見届けて応用できるように言いつけられています。

「いいこと? 誰も言わないから、私が言ってあげるわ。お金は命より重いの! でも、いざ災害がやってくると、とんでもない額の損失をこうむるのよ。すなわち、それは命を失ったのと同じことよ! 失敗は許されないと肝に銘じて取り組むことね!」

 壇上に立った粥は、ビシリ! と喝を入れます。

 いつ機晶エネルギーダウンが起きても大丈夫なように、機晶技術が使えないでいる状況で行動しろ!
 機晶姫とギフトは活動が停止した要救助者に徹しろ! 何をされても動いたら駄目だ!
 あと機晶技術を用いたものを扱うのも駄目だ! ついでに電気製品も一切禁ずる!

「ヒャッハー!」

 お祭りか何かと勘違いしたのか、生徒たちは歓声を上げます。巫女姿のロリっ娘に興奮気味なのでした。
 本当に大丈夫なのでしょうか。



「防災訓練では、分校内の通信機器および照明類は、全て使えなくなります。夜間は真っ暗になりますが、ヒャッハー! してはいけませんわよ」

 今日も教壇に立つエンヘドゥ・ニヌア(えんへどぅ・にぬあ)は、生徒たちを見回しながら威厳をこめた口調で注意を促していました。
 教育実習でこの極西分校へとやってきた彼女は、そのままなし崩し的に生徒たちの面倒を見続けることになってしまっていたのです。
 おおむねやる気のないパラ実の教師たちに面倒な雑事まで押し付けられた格好ですが、むしろ彼女にとっては大歓迎のようです。嬉々として生徒たちの指導をしているうちに、教師としての経験も積み立派になっているのでした。
 本業は王女ですが、しばらく様子を見守るとしましょう。

「今回の訓練は、付近の一般住人たちも協力してくれますわ。ご好意に感謝しつつ、いつ大災害が起こっても迅速かつ的確に対処できるように、皆さんで頑張りましょうね!」
「は〜い!」

 教室のパラ実生たちは、素直に返事をします。もう、完全に飼い慣らされてしまったのでしょうか。

(くくく……。いい生徒のフリをしておいてやるよ。今のうちだけはな)

 極西分校の不良グループのリーダーにして金ワッペン保有者の山田 武雷庵(やまだ ぶらいあん)は、従順そうにしながらも、腹の底ではほくそ笑んでいました。
 以前の騒動では、大勢のモヒカンや不良を率いて教師たちに対抗した彼は、今回もまた大暴れの機会を待っていたのです。決闘システムで分校内での勢力を大きくし子分もたくさん引き連れています。
 一見、校内の規則を守り大人しくなったフリをしていましたが、その凶暴な本性と捻じ曲がった性格とパラ実生としての牙を失ったわけではなかったのです。

(あの先コー、ちょろいな。ちょっと俺たちに協力してもらうか)

 山田武雷庵は、教室内の仲間たちと密かに目配せをしあいます。彼には彼なりの計画がありました。
 なんと、彼はあろうことかエンヘドゥを人質に取って、校内秩序の崩壊を目論んでいたのです。邪魔な特命教師たちを分校から追い出してやるつもりでした。
 これまでヒャッハー! しかしてこなかった山田武雷庵は、実は世事に疎くエンヘドゥの正体を知りませんでした。しかし、他の教員たちが彼女に腫れ物でも触るかのように接しているのはわかっていました。ただ胸が大きいだけの女ではなく、何かある。野生的な本能で分校内の弱点を探り当てていたのでした。
 後は、喧嘩や暴力を禁じる『決闘委員会』をどうかわすか、ですが。

「防災訓練では、大災害に乗じてテロリストが付近の町や学校を占拠するというケースも想定において実施されますわ。傭兵崩れのならず者たちも町を破壊し始めます。もちろん全て演技ですが、真剣に取り組みましょう。私たちは契約者として一般人たちを無事に避難させることになります」
「は〜い!」

 山田武雷庵は、目を純粋っぽくキラキラさせながら元気よく返事しました。

(当然俺たちは、テロリストの役だな。防災訓練を訓練じゃなく、本物の災害に変えてやるよ。闇夜に乗じてヒャッハー! だぜ)
 
 果たして、計画は成功するのでしょうか。





「なるほど、防災訓練ね。そう来たか」

 蒼空学園の校長室では、馬場 正子(ばんば・しょうこ)が極西分校からの報告を聞いて小さく肩をすくめるまねをしました。
 先日、収穫祭を見学しに行った彼女は、何も言わず何もせずに蒼空学園に戻り、また通常の業務をこなしていましたが、忘れていたわけでも見逃していたわけでもありません。
 注意深く動向を探り、多忙の合間を縫って情報集めをしていたのです。
 ツァンダ周辺の生活圏を一斉に妨害する。
 特命教師の真王寺 写楽斎(しんのうじ しゃらくさい)が、それくらいできる研究室を密かに構えていることは聞いていました。
 混乱を引き起こすことくらいは予想がつきます。
 防災訓練をその口実にするのは、かなり苦しい気がします。そんな暴挙が許されるはずもありません。

 写楽斎が勤める、軍需産業『バビロン』が、よからぬ連中に大量に武器を卸したという報告も届いていました。なりを潜めていたテロリストたちが、このあたりに続々と終結しています。

「あの特命教師め。とうとう表立って一騒動起こすつもりらしい。自分たちはアリーナ席でニヤニヤと高みの見物か。暗闇を作って襲撃を誘導するとは、立派な戦争行為だな」

 事前に察知したからには、何事もなかったかのように混乱を鎮圧するのは難しいことではありません。
 正子の元には、腕利きの契約者たちがたくさんいるのです。善良な一般市民たちに不安を与える前に始末してしまいましょう。
 彼女は、作戦を練り始めました。



 
 さて、その頃。

「……あれ?」

 蒼空学園生の遠山 陽菜都(とおやま・ひなつ)は、寮の自室でパソコンを前に茫然自失としていました。
 宿題のレポートのため資料を集めていたのですが、彼女のパソコン内のフォルダからデータがごっそりと消えてなくなってしまっていたのです。
 メモリの中には、彼女の私生活がひっそりと綴られた写真つき日記や、ちょっと恥ずかしい厨二病ポエムがたくさん入っていたのです。消去した覚えはないのですが、どこへ行ってしまったのでしょうか。

「故障……なのかな? メーカー保証はまだ残っているはずだけど」
「……私のスマホも、中身が空になっていたわ」

 近くの部屋にいた雅羅・サンダース三世(まさら・さんだーすざさーど)も、顔色を変えて訪ねてきました。
 好奇心でダウンロードしたいくつかの乙女ゲーのアプリがセーブデータごとなくなっていたようでした。ヒロインの名前は、雅羅。自分の名前でずいぶんと熱中して育ててしまったのは不覚の極みです。二次元の男子とあんなことやこんな展開になっているところを他人に見られたら、もう町を歩けません。

「オタクで詳しい子に相談したら、ウィルスに侵されてるんじゃないかって」
「おかしいわね。セキュリティは効いているはずなのに」

 陽菜都は首を傾げますが、それどころでないことは悟っていました。早く何とかしないと、アイデンティティがピンチです。黒歴史としてトラウマになるかもしれません。
 聞くところによると、彼女らだけではなく、他の生徒たちのパソコンもウィルスに侵入されているらしいのです。データが盗み取られただけではなく、挙動もおかしく暴走しています。

「一体、誰の仕業なの!?」
「発信元は、パラ実の極西分校らしいわ。情報の一時的遮断が目的なのか、携帯端末を狂わせるウィルスが撒き散らされているんだって」

 雅羅はあまり詳しくありませんが、クラスメイトのオタク娘が、今必死で修復に取り掛かってくれているところとか。その子は女子にしてはかなりの技量らしいのですが、ウィルスを撒き散らした犯人に全く歯が立たない様子。相手の目的もわからず、なすすべもなく諦めの空気が流れていました。

「殴り込みよ!」

 雅羅が真顔で言います。データが拡散される前に事件解決しないと、死にます! 社会的に! 少なくとも、彼女はそう思い込んでいるようです。

「パラ実かぁ……。モヒカンがいっぱい出てきたらどうしよう」

 陽菜都も渋々ながら同行することを決心しました。とはいえ、どうしたものか。
 何が起こっているのかは、彼女たちはまだわかっていませんでした。



 一方、蒼空学園にあるXルートサーバーのデータセンターは、いつになく忙しく対応に追われていました。
 ツァンダ一帯に、ネットを介してコンピューターウィルスがばら撒かれ始めたのです。強固で堅牢なシステムが警告を発し続けていました。

「まさか、ルートサーバーに攻撃を仕掛けてくる人物がパラミタにいたなんて、予想もしていませんでしたわ」

 サーバーの管理者であるルミーナ・レバレッジ(るみーな・ればれっじ)は、スタッフたちと協力して全力で障害の切り分け作業に取り掛かっていました。
 ウィルスの正体を見極め直前で遮断したものの、一般用途のパソコンや携帯端末ではひとたまりも無いでしょう。サーバーを介さずに無線で発信されたものもあるらしく、すでに学園内では携帯端末の使用に支障をきたしているという報告が入ってきていました。
 端末用のセキュリティバッチを作るだけで大忙しです。今夜は徹夜になるでしょう。
 あの御神楽 環菜(みかぐら・かんな)が支配するインフラネットワークに喧嘩を売ってくるとはいい度胸です。彼女の名前を知らないわけでもないでしょうに、よほど自信があるのでしょうか。

「……」

 一応、報告しておこう、と電話を取りかけたルミーナはすぐに受話器を置きます。
 環菜には、もうじき子供が生まれるのに、余計な仕事をさせたくありませんでした。

「発信元は、パラ実の極西分校ですわね。馬場校長がおっしゃっていた、例の特命教師たちの仕業なのでしょう。ですが、なんのために……?」

 いずれにしろ、放っておくわけにはいきません。
 災いは根元から断つ必要があります。極西分校で活動してくれる生徒はいるでしょうか。

「校長先生。お話が……」

 ルミーナは、馬場正子に連絡を入れていました。後は、彼女の指示を仰ぐのです。

 事件は、ひっそりと大胆に始まっていたのでした。
 


担当マスターより

▼担当マスター

車 修理

▼マスターコメント

初めての方もお馴染みの方も、こんにちわ。
車修理です。いつもお世話になっております。
まだまだ続けますので、引き続きよろしくお願いいたします。

キャンペーンシナリオ、『伝説の教師の新伝説』の第二話になります。前回からさほど時間は経っていません。
ツァンダに近い、パラ実の極西分校が舞台のお話です。第一話の内容を全く知らなくても参加できます。

ガイド内に、異次元に存在する“光条世界”の使者による機晶技術のエネルギーダウンの事件が記されていますが、グランドシナリオの内容とは全く関係ありませんし、世界観に何の影響もありません。


◆前回のあらすじ……みたいなもの
 極西分校で収穫祭が行われ、イベントの一つとしてイコン格闘大会が開かれました。
 パラ実にしてはまともな学校らしく、生徒たちもヒャッハー! していないので不審に思った生徒たちと、以前の騒ぎで分校と関わりのあった臨時教師が内情を探りに行きました。
 また、馬場正子は、特命教師を名乗る真王寺写楽斎に警戒心を抱いており、彼と仲間たちの動向を注視するために、イコン格闘大会の見学に行っていました。
 特命教師たちは、複合軍需産業『バビロン』から派遣されてきた武器商人たちで、極西分校と生徒たちを使って、よく売れる兵器の開発と実験をしようとしていたのでした。
 一方、これまでは普通のパラ実同様ヒャッハー! していた分校で曲がりなりにも秩序が保たれているのは、全てのいさかいを決闘で決着をつける『決闘システム』に従うことが規則となっていたからでした。
 決闘を取り仕切る『決闘委員会』という、お面姿の謎の集団が校内を厳しく監視しており、騒動は起こらないように強力に管理されているようです。
 分校生たちは、ワッペンの色によって階級付けされ、階級:金、黒、赤、青、黄、白で、金が一番偉く白は一番下っ端と、明らかに格差がつけられています。上位ワッペン保有者はよい待遇が与えられるため、大半の生徒たちは少しでも上へ行こうと今なお決闘で争い続けています。
 以前から、分校生たちに農業を教えに来ていた吉井真理子は、よからぬ秘密を掴んだからか、密かに特命教師たちに捕まり、地下教室に閉じ込められています。仕返しをするための機会を伺っているところです。


◆防災訓練?
 今回は、極西分校で大災害に備えての防災避難訓練が行われます。
『機晶エネルギーダウン』を想定しての訓練とは、つまり機晶技術が使われたものが一切使用できなくなるという前提で実施されることになります。
 ツァンダ一帯の生活システムが停止し、その混乱に乗じてテロリストたちが町を襲撃する、という筋書きの中で、一般人たちを助け自分たちも戦いあるいは避難することが目的とされています。
 訓練は48時間にわたって行われる過酷なスケジュールで、脱落者が出るものと想定されています。近隣の住人たちも参加して手伝ってくれる大規模なものですが、誰がいつの間にどうやって協力を取り付けることができたのかは明らかにされていません。
 極西分校内では、いくつかのグループに分かれて行動するようです。訓練をやり遂げたグループのメンバーには、ランクアップが約束されており、生徒たちも乗り気のようです。
 ガイド内の父母清粥が述べているように、いくつかの制約が課されています。

  :いつ機晶エネルギーダウンが起きても大丈夫なように、機晶技術が使えないでいる状況で行動できるようにする。
  :機晶姫とギフトは活動が停止した要救助者に徹すること。動いてはいけない。
  :機晶技術を用いたものを扱うのことはできない。電気製品の使用も一切禁ずる。

 防災訓練に参加するフリをしてひと暴れしてやろうと目論んでいる生徒たちもいるようです。

 この訓練には、極西分校生だけではなく、広く参加者が募られています。運営スタッフとして、あるいはパラ実生たちとともに訓練に参加することができます。
 父母清粥が懸念するように、機晶技術のエネルギーダウンによる生活システムの混乱は、他人事ではないのです。もしもう一度起これば、パラミタの全ての学校が支障をきたすでしょう。
 今回の訓練データは、きっと後日役に立つときが来るはずです。手伝っておいて損は無いかもしれません。
 
 ※機晶姫とギフトは、実際に動けないわけではありませんが、動いているところを発見されないよう気をつけましょう。見つかった場合は、死体役をやらされることになるかもしれません。

 
◆闇夜に乗じてヒャッハー! 
 馬場校長は、今回の避難訓練には、本当に凶悪な襲撃者が現れるであろうことを予想しています。そして、それは外れてはいません。
 分校生たちだけではなく、武装したテロリストたちが隙をうかがっています。多くの教師たちは、彼らを演出効果のために雇われたエキストラだと思っており警戒していません。
 正子は、付近の一般市民たちの不安を煽らないよう、何事も無かったかのように暴徒たちを鎮圧してしまおうと考えています。
 訓練そのものを中止させるつもりはありません。災害のための訓練は生徒たちだけではなく、一般市民たちに取っても重要であることを知っているからです。曲がりなりにも真面目に訓練が実施させるのなら、口を挟むつもりはありません。
 このことを念頭に、暴徒だけを地味に静かに排除してくれるメンバーを募っています。


◆プライベート端末が困ったことになっている件  
 特命教師たちは、試作のウィルス実験をしています。
 戦争においては、システムのシャットダウンも十分に効果的です。改良を重ねて商品化しようと研究を重ねています。
 今回は、その一部が漏れ出した形で、ツァンダ一帯にコンピューターウィルスがばら撒かれています。
 ルミーナが管理するXルートサーバーに混乱はありませんでしたが、無線を使っての端末には大きな被害が出ています。
 内部データが抜き取られ、別の場所に拡散されます。動きもおかしくなっています。
 発信元のコンピューターを破壊すれば、今なら間に合うかもしれません。発信元のサーバールームは頑丈な建物と警備員たちによって守られています。

 もしかしたら、あなたの端末も被害を受けているかもしれません。
 恥ずかしい黒歴史の日記など、残念なデータを公開したい方がいましたら、被害を受けたフリをして拡散することができます。


◆真理子とゲルバッキーは何をやっているのさ?
 前回、脱出の機会があったにもかかわらず地下教室に残っている真理子は、一緒に閉じ込められていた生徒たちと一緒に特命教師に倍返しするために、準備を進めていました。
 地下教室の生徒たち全員、と教師たちで決闘を行うつもりです。
 計画はシンプルで、まずは普通に脱出騒ぎを起こし、特命教師に暴行を働くことになるでしょう。
 暴力禁止の校内では『決闘委員会』が仲裁に入りますので、そのまま決闘に持ち込むつもりのようです。
 彼女が指導した生徒たちは、農業科に関してはびっしりと仕込まれています。特命教師たちの身包みをはいで地下教室へと転落させようと考えています。
 あとは、彼らが勝負から逃げないためにもうひと工夫が必要なのですが……。


◆決闘システムとは
 前回のガイドでも記しましたが、再度お伝えします。

 かつて、極西分校で大規模な騒動が起こった際、収束時に決められたルールがありました。

『・ケンカは決してしてはならない
 ・決闘制度を作り、ケンカに発展しそうな事態は決闘で解決する事
 ・決闘する場合はお互いの校章(ワッペン)を外して重ねさせることで成立・成立したら日時、場所を決めてそこで決闘する事
 ・言うことを聞かない者は体罰』

 この簡単なルールが、どこをどう間違えられたものか、分校生らは新たな戦いの方法を生み出してしまいました。
 決闘システムの常用化と、ワッペンの色分けによる階級制です。
 彼らは、専用の機器を使い決闘を続けています。多くの生徒がちが中毒症状のようになってしまっています。
 この決闘システムを取り仕切っているのが、『決闘委員会』です。彼らの正体は謎に包まれており、委員会としての教室も拠点もありません。
 特命教師たちが赴任してくる以前から分校内に存在しており、非常に厳格でフェアであるとされています。


◆で、やっぱりPCたちは何をすればいいのさ?
 防災訓練に参加して、一般人たちと一緒に協力し合い真面目にスキルを高めて後のためのデータとする。地味に役立つのか。
 運営や指導にあたるか、闇夜に乗じてヒャッハー! するか。
 馬場校長の要請に応じて、危険な連中を排除するか。
 訓練など眼中に無く、引き続き校内で決闘し上位色のワッペンを獲得するか。
 真理子の決闘の手助けをするのか。
 ルミーナの手伝いをして、ウィルスの根元を断ちにいくのか。
 それとも、どさくさに紛れて自分の恥ずかしい秘密のフォルダを公開してしまうのか。もちろんパートナーのものでも可。
 その他、あらゆる展開を用意していますので、遠慮せずにどしどしアクションをお寄せください。

*『伝説の〜』称号を持つキャラクターは、このシナリオで臨時教師として参加できます。もちろん、それ以外の立ち居地で参加することも可能です。


◆イコンでの参加について
 今回は、イコン参加可能シナリオです。イコンを持ち込んでもかまいません。
 ただし、防災訓練に参加する場合は、実際の性能および機能に関わらずイコンは動作させられない設定になります。イコン突然停止からの脱出など非常時の対応をしてもらうことになります。このあたり、紳士協定でご協力お願いいたします。
 訓練妨害のためにイコンで襲撃を試みた場合、後ほど、馬場校長にヒャッハー! されるかもしれません。
 真理子のパートでは、訓練と全く関係の無い場面のため、イコンの使用に制限はありません。
 
 

◆NPCについて
 :真理子は、ガイドの通り決闘のための計画を進めます。成功するかどうかはわかりません。

 :ゲルバッキーは、何も無ければ再び校内でランクアップの作業に取り掛かります。金ワッペンに昇格するかもしれません。手下を大勢引き連れて、真理子の脱出の手伝いをするようです。

 :馬場正子は、分校へとやってくることはありません。騒動の鎮圧などは有志に任せて、蒼学の校長室で様子を見る事になりそうです。

 :エンヘドゥと粥は、生徒たちと一緒に防災訓練に参加します。主に、一般市民の救助をするようです。粥はデータ収集もするようです。エンヘドゥは、彼女を狙う人物の存在には気づいていません。

 :雅羅と陽菜都は、奪われたデータを取り返しに、あるいは消去しに、極西分校へと殴りこんできます。肝心のウィルスサーバーの場所は全然知らないため、校内をあてもなくさ迷うことになります。彼女らの痛々しいデータを見たい方は、アクションにその旨ご記入ください。あなたの端末に拡散配信されることでしょう。

 :ルミーナは、Xルートサーバーのデータセンターで復旧作業です。派手な活躍は一切ありませんが、手伝いたい方がおられましたらどうぞ。


表記されている以外のNPCは登場しません。

▼サンプルアクション

・防災訓練でヒャッハー! しない。

・防災訓練でヒャッハー!

・防災訓練でヒャッハー! する連中をヒャッハー! してやる。

・分校内で活動する。

・ウィルスを撒き散らした犯人に殴り込みをかける。

・恥ずかしいフォルダを公開してしまう。

▼予約受付締切日 (予約枠が残っている為延長されています)

2014年01月25日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2014年01月26日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2014年01月30日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2014年02月13日


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