天御柱学院

「ダージュ、野球のルールは覚えたゾ。どうも１チーム９人で行う競技のようだガ……」
「ゴチャゴチャうるせえんだよ！　人数が足りないときほど燃えるのがケンカってもんだろうが！」
　パラ実の不良のひとり、王大鋸（わん・だーじゅ）（わん・だーじゅ）がバット代わりにチェーンソーを素振りしながら、パートナーであるドラゴニュートのシー・イー（しー・いー）に答えました。野球のルールブックを読んでいたシー・イーは困惑しています。
　波羅蜜多実業高等高校野球部、「波羅蜜多タイタンズ」は解散の危機にさらされています。有望な新入生はライバルチームである「シャンバラ野球軍」に獲られてしまい、タイタンズのメンバーは現在４人しかいないのです。
　タイタンズのメンバーが釘バットや角材を振り回して打撃練習をしているところに、部下を引き連れた大男がやってきました。シャンバラ野球軍を率いる「監督番長」です。この男はパラ実四天王のひとりで、試合に勝つことよりも相手チームのメンバーをたたきのめすことに生き甲斐を感じていると言われています。
「ふふふ、ワンくん、君もそんな弱小球団ではなく、我がシャンバラ野球団に入らないかね？　たった４人では守備も満足にできまい？」
「やかましい！　てめぇのようなヘッポコチームなんざ、俺たち４人で充分だぜ！」
「ほほう……言い切ったな？　では次の日曜日、試合で決着をつけようではないか」
「よっしゃ！　四天王、覚悟しておけよ！」
　監督番長はにやりと笑いました。直後に手下がタイタンズのメンバーに襲いかかります。
「では次の日曜日を楽しみにしておるよ……そうそう、そいつらは昨日で我が野球軍を退部しておる。つまり君たちを襲ったのはシャンバラ野球軍とは関係のない不良生徒ということだ。ふはは、ふはははは！！」
　乱闘が終わって、立っていたのはダージュとシー・イーだけでした。
「どうする、ダージュ？　さすがに２人では満塁状態になったとき困るゾ」
「畜生、監督番長め！　こうなったらなんとか新入生から助っ人を集めるしかねえな」

ようこそ、波羅蜜多実業高等高校（通称パラ実）へ！
パラ実は個性を重視する自由闊達な校風ですが、まずは部活動でその生活の一端を体験してください。
国際化社会にもひるまず切り込むたくましい生徒を育てるべく、波羅蜜多実業高等高校は理想の教育を追求していきます。

・あえて正々堂々と挑まないと意味がない

・乱闘には乱闘だ

・四天王になりたい

・勝負以外のところで参加したい