天御柱学院

　真新しい制服に、ぴかぴかの勉強道具。入学式が終わってしまえば、いつまでもワクワクした気分ではいられない。
　今までとは生活環境も勉強内容も大幅に変わってしまい、新生活に馴染めない人もいれば入試を終えて新たな目標を見つけられない人、勉強についていくのがやっとで友達作りどころじゃない人もいれば、そつなくこなして学園生活を満喫している人もいるだろう。
　そんな新入生たちを対象に行われるイベントは、リフレッシュを兼ねたものでなければならない。
　いつもならばどこへ行こうかと頭を悩ませるところだが、ジェイダス・観世院（じぇいだす・かんぜいん）とハイナ・ウィルソン（はいな・うぃるそん）がお互いに持つ独特の日本文化への愛情が切っ掛けで意気投合したことにより、今回は葦原明倫館と薔薇の学舎の交流会も兼ねた新入生歓迎会を開催することとなった。

　先輩として初仕事を任せられたフェンリル・ランドール（ふぇんりる・らんどーる）は、丹羽　匡壱（にわ・きょういち）と共に行き先の候補を絞る。校長同士は日本文化が好きでも、生徒までがそうとは限らない。ここは１つ、初夏にぴったりな場所での校外学習にしようかと案が出た。
　建物に遮られることなく続く青い空の下、夏に向けて生い茂るたくさんの草花に水浴びには少し早いが綺麗な湖。薄暗い森を進めば、どこに繋がっているのかわからない洞穴もあって、気分転換はもちろん新入生の好奇心を満たすには十分だろう。
　ただ、街とも学園とも違うその場所は安全とは限らない。綺麗な花はその香りで動物を興奮させ、野生の生き物が襲いかかってくるかもしれないし、手強い魔物が確認されていないものの低レベルの魔物は潜んでいる可能性がある。
「でもま、きっと骨のある新入生に違いないから心配いらないよな！」
「いや、むしろ新入生のために罠を仕掛けるべきだろう。これはあくまで校外学習、浮かれて参加する行事でもあるまい」
　新入生が強く逞しく学園生活を送れるように……そんな先輩からの思いを込めるべきだと主張するゲイル・フォード（げいる・ふぉーど）は、罠の数々を説明する。乗り気の匡壱を止めるように、フェンリルが口を挟んだ。
「おい、校外学習でも歓迎会であることは事実なんだ。あまり危険な目に遭わせるのは……」
「ピクニックって言って連れ出すわけでもなし、コレは俺ら先輩の愛だよ愛！」
　いい笑顔をする２人を前に、いつしかフェンリルも説得されてしまいトラップの配置に協力をすることになった。
　こうして、先輩たちの愛がぎっしりと詰まった新入生歓迎会は、葦原明倫館と薔薇の学舎の合同で行うことになったのです。



　そんな先輩の思惑など知りもしない新入生たちは、引率に従い素直に広大な大地へと向かいました。現地に用意されているという昼食を楽しみにしている生徒もいれば、広い場所で思いっきり手合わせが出来ることを楽しみにしている生徒もいるようです。
　よく晴れた、自然の中で青春を謳歌するにはぴったりの昼下がり。新入生たちには昼食兼自由行動の時間が与えられました。
「うんうん。これだけ自然豊かなら、食べ盛りの生徒たちにも十分食料がいきわたるでござる」
　生徒兼講師として葦原明倫館に通う真田　佐保（さなだ・さほ）は、草原を一望出来る丘に立ち周囲を確認します。匡壱たちが何か企んでいるらしいとは軽く耳にしたものの、今は新入生を歓迎する宴が出来ることを喜んでいるようです。
「ちょい待ち。まさか用意された昼食って……自給自足ってことか？　そんなことしてたら遊ぶ時間がなくなっちまうぜ」
　ウインクを飛ばし佐保のご機嫌を伺おうとしたカールハインツ・ベッケンバウワー（かーるはいんつ・べっけんばうわー）だが、同年代に見えても講師を務める彼女には相手にしてもらえず頭を掻く。仕方無く佐保が嬉しそうに見つめる広大な自然へと目を移し『昼食は現地に用意されている』と言われた意味をしっかりと理解した。店もなく、特別キャンプ場のような何かも見あたらない。つまり、この自由時間の間に材料などを確保しなければ学園に戻るまで何も口にすることは出来ないのでしょう。
　しかし、もう１人の薔薇の学舎の新入生アルネ・ブレプスは先輩たちを見やり微笑みます。
「今回はボクらが歓迎される立場なんですから、とーぜんっ！　先輩方が用意してくださるんですよね？」
「何を甘いことを言ってるでありんす！　わっちらは新入生の成長を祈るだけ、試練は新入生で越えるのよ」
　間髪入れずにハイナがツッコミを入れることで、新入生たちには諦めにも似た声が漏れ聞こえる。出来れば女子生徒と触れ合える機会を大切にしたいカールハインツも、諦めて湖へと足を伸ばした。
「はあ……そんじゃま、観念してオレは湖にでも行ってみるかな。魚くらいなら捕れんだろ」
「しっかたないなぁ。それじゃあボクはカーくんを手伝ってあげようかな。キミって不器用そうだし」
「人のことをなんだと思って……つか変なあだ名をつけるのはやめてくれないもんかね」

　先輩や教職員が見守る校外学習。新入生たちは無事に昼食をとって、平穏な自由時間を過ごすことが出来るのでしょうか？

このシナリオでは、葦原明倫館と薔薇の学舎の生徒が受かりやすくなっています。

【場所について】
草原
自生の香草やミニ野菜があり、火をおこすには十分の広さがあります。
怪我や食あたりに効く薬草もありますが、中には毒草も混ざっているかも……？
森
薪や果物がありますが、枝はとても硬くなっています。収穫には剣があるとスムーズかもしれません。
無理に果物をもぎ取ると、木の精霊が怒り出すなんて噂もあるようです。
ＮＰＣ：匡壱、佐保
湖
おいしい水と魚が捕れます。先輩たちによると、伝説の生き物がいるとかいないとか。
ＮＰＣ：カールハインツ、アルネ
洞穴
小動物が出入りしているのが見えます。ここを攻めれば肉類が手に入りそうです。
もしかしたら、ねぼすけな熊など大きなお腹を空かせた生き物ともご対面するかもしれません。
ＮＰＣ：ゲイル、フェンリル

上記ＮＰＣ以外は、草原の一角にある簡易休憩所付近でまったりしています。
問題が起こりそうな場合はそれぞれの場所へ駆けつけますが、基本的に草原以外の場所へ呼び出すことは出来ません。


【条件】
薔薇学＆葦原の新歓を成功させるには、昼食パーティの材料を集めて下さい。
手分けをして材料を入手するために、掲示板を利用して行動を相談しましょう。その際、このシナリオ限定ルールとして、
葦原の新入生は甲賀薬師の書（薬草毒草を判別するだけでなく、植物関連に詳しくなります）
薔薇学の新入生は剣技の練習用武器（刃は潰してあるので、刺すよりも重さや力技で叩ききる剣です）
以上を持っていること前提で相談して頂いて構いません。

また、他校の参加制限はありませんが特殊アイテムを持参出来るのは上記２校の新入生のみです。
先輩キャラ、他校キャラはアイテムやスキルを装備する通常の形式でご参加下さい。

植物には、ＲＰＧによく出てくる状態異常（毒・麻痺・眠りなど）の効果があるものがあります。
これらは葦原の新入生アイテムで対応出来ますが、薔薇学生は単独だと対応出来ません。
木や岩に道をふさがれた場合は薔薇学生の剣で切り倒したりテコにして動かすことは可能ですが、葦原新入生の力だけでは移動させることが出来ません。
上手くパーティーを組んで、失敗を回避出来るようにしてみてくださいね。


また、これらの協力をせずマイペースに過ごすと言うのもありです。
本を読んだり絵画を楽しんだりも出来ますが、誰かが魔物に追われて逃げ込んでくる、なんてこともあるかもしれません。
あまり気を抜かないほうが良さそうです。

先輩たちは基本的に新入生のサポートにあたるので、１人でいる生徒に声をかけたり楽に進めるように支えるだけで、代わりに収穫したり魔物を倒したりすることは出来ません。逆に全力で新入生の邪魔をすることは可能です。


なお、匡壱も言っている通り、この４カ所にははた迷惑な先輩の愛がぎっしりと詰まっています。
落とし穴や巨大ねずみ取りのような可愛らしいものから、暴れ馬や低レベルモンスターなど様々なトラブルがありそうです。
先輩に上手く甘えてみるもよし、新入生同士で討伐隊を組むもよし。収穫へ向かう際は気をつけてくださいね！


【ＮＰＣについて】
召還出来るＮＰＣは、薔薇の学舎に所属する公式と浅野個人のＮＰＣとなります。ガイドに登場していないＮＰＣで召還可能なのは、
薔薇学：ルドルフ・エリオ・ラドゥ・ウェルチ・直・ヴィスタ　のみで、葦原のＮＰＣはガイド登場キャラのみ可能です。
※但し、関係性は称号で確認出来る物のみとします。その他ＮＰＣに関しては登場しませんのでご注意下さい。

・洞穴に行く

・草原でまったり

・料理を頑張る！