「おいおめえら! 準備はできたか」
「へい!」
数十人の男が、線路付近で隠れていました。
バイクや馬など、それぞれ何かに乗っています。
彼らは、魔列車が来るのを待っていました。
「来たぞ! よし、行け!」
男達は、走る列車に襲いかかりました。
今日の列車には多くの乗客が乗っていました。
彼らは皆客車で椅子に座っていました。
「あ、あれは何だ!?」
乗客たちが異変に気づきました。
彼らの乗っている列車は、先ほどの男たちに囲まれています。
「俺たちは強盗だ! 列車を止めやがれ!」
強盗達は、列車を追いかけながら叫びました。
実は、今日の列車には現金輸送の貨物車がついていました。
巨大な金庫に現金が詰まっています。
彼らはこれを狙っていたのです。
もちろん、列車は要求を聞かず、走り続けました。
「ちっ! しかたねえ、てめえら攻撃開始だ!」
強盗達は号令とともに列車に向かって銃撃を開始しました。
彼らは運転手を狙いました。
「ぐわっ!」
列車はガクンと音を立てて急停止してしまいました。
運転手が負傷してしまったのです。
「さあてめえら! めぼしいもんは全部奪い取っちまえ! 応援も呼んでこい!」
「応援って、向こうで線路爆破させた奴らですか?」
「ああ、念のため爆破させたが必要なかったな。アジトに居る奴らも呼んで来い! 金庫は爆破しろ!何も残すな!」
強盗は止まった列車へ近づいていきます。
客車内の乗客はパニックになってしまいました。
その中で、危険を察した乗客が携帯でなんとか救助要請をしました。
しかしそこは周りに何もない場所で、救助には時間がかかりそうです。