天御柱学院

　２０２４年春。
　卒業、進級、進学、就職。
　多くの若者が新たなスタートを切る時期です。
「生徒会執行部としての白百合団が、無くなってしまいます。わたくしは……」
　白百合団班長のイングリット・ネルソン（いんぐりっと・ねるそん）は一人、大荒野に訪れていました。
　彼女は先日、白百合団の副団長であるティリア・イリアーノに呼び出され、新たに発足する百合園警備団の生徒部の代表を目指さないかと言われていたのです。
　４月からしばらくの間は元白百合団の役員が代表を務めますが、専攻科２年生になるティリアもそろそろ学生としての活動は引退して、就職を見据えた活動をしていきたいとのことです。
　先の事件で、イングリットは自分の班長としての未熟さ、浅はかさを痛感しました。
「武具を手に、能力を用いて守る皆の代表になる、ということは……」
　勝手な行動は出来ないということ。
　イングリットは、古流武術バリツを愛し、自らを鍛え、力を試すことを楽しみとしています。
　このまま、趣味を、楽しいことをし続けて生きていくのか。心の思うまま、快楽を得る為に力を求めるのか。
　誰かの為に、何かの為に、能力を用いて生きていくのか。その為の力を求めていくのか。
　それとも普通の百合園生の様に、良家に嫁ぐことを目指すのか――。
　自分の進む道を、進路を決めなければいけない時が、イングリットにも訪れていました。
「百合園警備団に加わって代表を目指すのならば、こういった行動は慎まなければなりなせわね」
　強者を求めて大荒野を巡るのも今日で最後になるのだろうか……そんなことを考えながら歩いていたイングリットは……。
「ヒャッハー！」
「ちょうと良いところにいたな！！　バリツ・イングリット！」
　突如、爆音と共に近づいてきた改造バイクに囲まれてしまいました。
「俺ら、パラ実を卒業して、盗賊団を結成することにしたんだ」
「で、今、卒業の御礼回りしてるってわけさ！」
「てめぇにも、色々世話になったからなァ。存分に礼をさせてもらうぜェ！」
「ヒャッハー！」
　男達は次々に声を上げると、一斉にイングリットに突進してきました。
「一対一でしたら、何人でもお受けしますわ……ですがっ」
　乗り物に乗り、武器を手にしたパラ実生数十人が相手では、かなり分が悪いです。
「ヒャッハー、盗賊団としての最初の仕事だ。身ぐるみ剥いで、可愛がった後は、骨まで売り払ってやるぜ！」
「ヒャッハー！！」
「くっ……」
　イングリットは必死に、パラ実生達の攻撃を躱していきます。

　ヴァイシャリー家、広間。
　白百合団の設立者である錦織　百合子（にしきおり・ゆりこ）は、最近ヴァイシャリー家に頻繁に訪れています。
　ヴァイシャリー家現当主の息子であり、パートナーのミケーレ・ヴァイシャリーとの結婚の日取りが正式に決まったため、結婚式の準備と、ヴァイシャリー家のしきたりを学びに訪れているのです。
「百合園生の就職先と言えば、良家に嫁ぐことですし、静香さんにもお付き合いされている方がいるそうですが……ラズィーヤさん自身はまだ、お相手もいらっしゃらないのですか？」
　ソファーに腰かけて、ラズィーヤ・ヴァイシャリー（らずぃーや・う゛ぁいしゃりー）を前に百合子は爽やかな笑みを見せました。
「わたくしの結婚は切り札になるかもしれませんから、そう簡単には決められませんわ。婿養子を貰って、ずっとここで暮らしていくことも考えているのですよ」
　ラズィーヤもまた、美しい笑みを百合子に向けました。
「お婿もよろしいですけれど、政治家として空京に出たらどうです？　小姑としての仕事は何もありませんわよ」
「ヴァイシャリーには、あなたを含め教育が必要な娘達が沢山いますから、うふふ」
「教育でしたら、教師の私にお任せくださって構いませんのよ」
　にこにこ、２人は微笑み合っています。
「そうそう、シャンバラの為の最後の仕事として、関係強化のために地球お嫁にいかれては？」
「地球へは、お兄様の子供が嫁げばよいのです」
　ラズィーヤの兄のうち、現当主の長男は地球で生活をしています。年頃の子供もいるようです。
「ラズィーヤさんにお相手が見つかるより先に、姪孫ができてしまいそうですね。“おばあさん”と呼ばれてしまいますわよ」
「わたくしにとっての姪孫は、あなたにとっての姪孫ということにもなるのでしょう？　うふふふ」
「おほほほ」
　２人の笑い声が大広間に響きます。
　この２人が一緒にいる時には、何故か男性陣は誰も近づいてきません……。

　各校では卒業式が行われ、その後空京で、合同の謝恩会が開かれるそうです。
　謝恩会終了後、白百合団の団長であった風見　瑠奈（かざみ・るな）はパートナーと地球に向かうそうです。

こちらのシナリオでは、主にパラミタの学園を卒業した方の進路と、百合園女学院の在校生達のこれからについて描かせていただきます。
抽選では百合園生が受かりやすくなっていますが、他校の方も大歓迎です。是非、皆様のこれからについて語ってください！

シナリオの舞台及び、関われる出来事、ＮＰＣは、ガイドとマスターコメントに描かれているものだけとなります。
行動が複数書かれていた場合、いずれか１つを選ばせていただき、そのシーンのみ描写させていただきます。

■皆様の就職先や、４月からの活動（部活、サークル）について、教えてください
百合園卒業生の可能な就職先として、私からは以下をご案内いたします。

・百合園女学院職員
・ヴァイシャリー警察
・ヴァイシャリー家使用人
・花嫁修業（ヴァイシャリー家に住み込んで学ぶ）
・シャンバラ宮殿女官
・シャンバラ宮殿要人侍女（特定の人物指名は不可）
・エリュシオン帝国第七龍騎士団

上記に関しては、素行等に大きな問題がなければ内定しているとしていただいて構いません。
実績によって、こちらで役職をつけさせていただく可能性があります。

百合園の在校生の方は、委員会、サークル、部活などの活動を始めたとしていただいても構いません。
ただ、武具を用いる活動につきましては、学校長、理事の他、生徒会（全校生徒）の承認が必要とさせていただきます。
武具を用いる団体の設立を希望される場合は、代表の方がアクション締切の２４時間前までに、シナリオの掲示板に、団体名と、活動内容と、活動方針をお書きください。
グループ設立に関して、百合園所属ＰＣ（アクション締切時点に、プロフィールが百合園所属である方）のアクションでの反対意見が賛成意見を上回った場合、否認されたという形にさせていただきます。
意見に関しては１アクションとはカウントしません。応援したい活動や、待ったをかけたい活動がある方はアクション欄にご意見をお書きくださいませ。

また、生徒会選挙の開催については未定ですが、少なくとも今年中に以下の新役職の補欠選挙は行う予定です。
百合園警備団生徒部の部長と百合園警備団生徒部副部長（共に名称未決定）へ、立候補される方は、今回のシナリオで宣言と方針を述べていただければと思います。

■百合園関連ＮＰＣの進路、４月からの所属
桜井静香…百合園校長継続
ラズィーヤ・ヴァイシャリー…変わらず
パッフェル・シャウラ…ロイヤルガード所属
泉美緒…百合園短大
イングリット・ネルソン…百合園短大
神楽崎優子…ロイヤルガード所属。宮殿で女王に仕える
アレナ・ミセファヌス…優子の補佐。女王の侍女継続
ゼスタ・レイラン…優子の補佐。パラ実、百合園の講師（薔薇の学舎卒業）
ファビオ・ヴィベルディ…ヴァイシャリー警察刑事部長就任
風見瑠奈…地球の大学に編入
サーラ・マルデーラ…瑠奈と一緒に地球の大学に編入（シストの世話役）
ティリア・イリアーノ…百合園女学院、専攻科所属
モニカ・フレッディ…百合園女学院、専攻科所属
ミケーレ・ヴァイシャリー…地球の大学院に所属しながら、外交活動
錦織百合子…地球とシャンバラで教師として活動。ミケーレの補佐
シスト・ヴァイシャリー…別名で地球の大学に通う

それでは皆様のアクションを楽しみにお待ちしております！

・謝恩会で進路について語る

・○○に挨拶

・お礼回りだヒャッハー！