空京の北に広がる荒野。
そこに、突如として現れたのは大怪獣でした。
空京から、遥か彼方にかすんで見える巨大な姿。
「ご、ご覧くださいっ! 怪物ですっ! 怪獣ですっ!! 大怪獣ですっっ!!」
ヘリに乗ったTVクルー達によって画面に映し出された大怪獣は、
不恰好なマントヒヒのように見えました。
全長は100m強。
全身を覆う黒毛。
目は無く、のっぺらな顔に突き出された巨大な口と角。
悠然と構えた前傾姿勢。
その体のあちこちには、奇妙な形でコブが盛り上がっています。
コブの部分は毛が禿げており、そこに覗いていたのは表皮ではなく鱗でした。
と――。
開かれた大きな口。
放たれた咆哮が、荒野のだだっ広い空間を揺らしました。
咆哮によって、ガクンと揺れたTVクルー達のヘリ。
「――っ!? あ、あれれれ!?」
ヘリは、急に浮力を失い、真っ逆さまに落ちていきます。
目まぐるしく変化する画面に、時々、慌てふためいたクルー達の姿が映り――
そんな慌しい一瞬の後。
ヘリは、ドスン、と落下を止めました。
奇跡的に真下の小さな林の木々に引っかかったようです。
そして、逆さまになった映像の中。
大怪獣は、大地を震わせ、痩せた木々や地面を踏み砕きながら
彼方に栄える空京の街へ、ゆっくりと迫っているのでした。
一方。
大怪獣が接近してきているという情報に空京の人々が騒然とし始めた頃。
「ごめんなさぁぁいーっ!
大怪獣が復活しちゃったんですうーーっっ!!」
空京の近くに、突如として姿を現したのは、
星槍の巫女エメネアと、南東の孤島ゴアドーに行っていたはずの生徒達でした。
「星槍も奪われてしまったままですが――
大怪獣ゴアドーは、必ず封印しなければいけませんっ!
で、でも、わたし一人では駄目なんですう……
皆さん、力を貸してくださいーーっ!」
●封印について
空京の北部に現れた大怪獣ゴアドーを封印するためには。
エメネアが操る星の力をゴアドーへと、一気に流し込む必要があります。
そのためには、
ゴアドーの体の各場所へ印となる”力の欠片”を打ち込まなければなりません。
ゴアドーに打ち込まなければいけないポイントは、
頭、両腕、両足、腹にあります。
力の欠片はエメネアが、希望者の方々の体へ宿らせます。
力の欠片を怪獣へ打ち込むには、
怪獣によじ登り、そのポイントに直接触れなければいけません。
また、打ち込むべき正確なポイントは、力の欠片を身に宿すことによって”見える”ようになります。
ちなみに、
一人が一度に宿せる力の欠片は一つまで、です。
●ゴアドーの能力について
・咆哮
ゴアドーの咆哮は、一定距離の空間を揺らがせる特殊なものです。
そのため、近くを飛ぶものは必ず落下してしまうそうです。
・怪人
鱗からドラゴニュートのような怪人を生み出すそうです。
●状況
今から向かうと、ゴアドーと対峙するのは空京の近くにある峡谷の辺りになります。
このまま行けばゴアドーは峡谷を通るので
峡谷の上からゴアドーの背中へ飛び乗る事が出来そうです。