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種族を超えた友情 ~その心を救え~

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種族を超えた友情 ~その心を救え~

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シナリオガイド

動物達が謎の凶暴化。さあ、彼らを救い出そう!
シナリオ名:種族を超えた友情 ~その心を救え~ / 担当マスター: 風間 皇介

「も〜、隼斗がいつまで経っても帰ろうとしないからこんな時間になっちゃったじゃない!」

 ある日の夕暮れ、シンクの南に広がる山の空を、篁 雪乃(たかむら・ゆきの)が箒に乗りながら飛んでいました。
 彼女の怒りは後ろに捕まっているパートナーの篁 隼斗(たかむら・はやと)に向けられています。
 二人は休日である今日、シンク南の山中にある広場で動物達と戯れていました。今はその帰りです。
 広場にはかつて地球とパラミタが繋がった直後にパラミタの調査に訪れ、そして犠牲となった調査隊の慰霊碑があります。
 理由は不明ですが、慰霊碑には動物達が大人しくなる特性がありました。おかげで広場は動物好きの者にとっての隠れた憩いの場。
 ビーストマスターである隼斗にとっても例外では無く、休みの日にはよく足を運ぶお気に入りの場所でした。
「ごめんごめん。でもさ、何だかんだで雪乃も楽しんでただろ?」
「う……それはそうだけど〜」
 後ろからの指摘に雪乃は思わず口をつぐみます。
 結局両成敗という事にしてシンクに到着した二人が降り立つと、近くで村人と話をしていた村長が駆け寄って来ました。
「ああ、隼斗君に雪乃ちゃん。君達も山に行ってたのか。……大丈夫だったかい?」
「? 大丈夫って何の事? 村長さん」
「いや、実はね――」
 村長の話では、昨日から今日にかけて山に入った人が突然動物達に襲われる事件が発生したとの事でした。
 襲ってきたのは野犬や狼のような獣達だけでは無く、普段は大人しい動物達もがまるで凶暴化したかのように襲ってきたそうです。
 幸いまだ軽傷者だけで済んでいるものの、このままでは村の安全に差し障りがあるのでハンター達に駆除を依頼したという話です。
「駆除……ですか? 凶暴化している理由も分からないのに殺すのは可哀想じゃ……」
「そうは言うがね隼斗君。山に入って、暴れているパラミタオオワシを見たっていう人もいるんだ。放っておくのも危険だろう」
「パラミタオオワシって……もしかして、翼に緑っぽいラインが入ってる奴ですか?」
「さぁ、それは……どうなんだい?」
 村長が先ほどまで話していた村人に確認を取り、相手も肯定するように頷きました。それを見て隼斗の顔色が変わります。
「そんな馬鹿な! レラは無闇に人を襲うような奴じゃありませんよ!」
 レラというのは南の山に住む鳥型巨獣、パラミタオオワシの子供の名前でした。
 隼斗にとってはパラミタに来てすぐに出会ったかけがえの無い友です。
「しかしねぇ。実際に襲われている人がいる以上、私は村の皆を護らなければならないんだよ」
「だからって……。くっ!」
「隼斗!」
 再び山へと向かおうとする隼斗を雪乃が呼び止めます。しかし、その前に彼の肩を村長が掴んでいました。
「待ちたまえ! 今、ただでさえ山は危険なんだ。ましてやもう日も暮れるというのに行かせる訳にはいかない」
「でも!」
「駄目だ。村長として許可出来ない。……今日は家に帰りなさい」
「…………」
 結局、隼斗は山へと向かう事は出来ませんでした。肩を落とし、とぼとぼと家路をたどっていきます。
 雪乃は何と声をかけたらいいか分からず、その場に立ち尽くしてしまいました。
 そばにいる村長と先ほどの村人の会話が自然と耳に入ってきます。
「それで、本当に怪しい人影を見たのかね?」
「えぇ。すぐにいなくなりましたけど、何人かの男の人達が。それから、こんな物が――」
「……ふむ、カード入れか。その男達が落としていった物だろうな。何か入っていれば手がかりになったんだろうが……」
(あれ、あのマークって……)



「あたし達で先回りしちゃえばいいのよ!」
 家に帰り、どこか思いつめた顔をしている隼斗に対し、雪乃がそう言い放ちました。
 凶暴化の理由が何であれ、慰霊碑のそばでなら動物達も大人しくなるはず。ならハンターに駆除される前にそこへ連れて行けばいい。
 それが彼女の言い分でした。
「悪くはないと思うけど……もし治らなかったらどうする気?」
「う〜ん……その時はその時で」
「……雪乃らしいね」
「放っといてよ! とにかく、あたしの友達で手伝ってくれそうな人達にお願いしたからね。お兄ちゃん達にも電話したから、明日皆で山に行くわよ」
「兄さんと花梨姉さんにも? でも二人は泊りがけで出掛けてるだろ」
「うん。すぐ帰ってくるのは無理だから、代わりにお兄ちゃん達の知り合いにも頼んでみるって。だから隼斗、一人で勝手に山に行っちゃ駄目だよ」
「……分かったよ。それにしても、そうやってしっかりしてるとまるでお姉さんみたいだねぇ」
「何よそれ! あたしは本当にお姉さんでしょ〜!」
 中等部、下手をしたら初等部の学生にしか見えない雪乃が1歳年下である隼斗をポカポカと叩き続けます。
 隼斗はそれを軽くいなしながらも、頭では山のどこかにいるであろう友、レラの身を案じていたのでした。



 翌朝、パジャマ姿の雪乃が眠そうな目をこすりながらリビングへと降りてきました。
 台所へ行こうと静まり返ったリビングを歩いていると、テーブルに一枚のメモが置かれているのを見つけました。そこにはこう書かれています。

『ごめん、やっぱり先に行く。 隼斗』

「……は、隼斗の……バカァァァァァァ!!」
 まだ朝も早い篁家に、彼女の怒声が響き渡ったのでした―― 

担当マスターより

▼担当マスター

風間 皇介

▼マスターコメント

 皆さんこんにちは。風間 皇介のシナリオ第二弾となります。
 今回は謎の凶暴化を遂げた動物達を救う、或いはその動物達から村を護るお話です。
 物語の場所柄蒼空学園生が参加有利となりますが、他の学校の方もどうぞご参加下さい。

 物語が繰り広げられるのはツァンダの南東にある小さな村シンクと、その南に広がる山の中になります。
 山といってもそれほど木々に遮られている訳でも無く、標高も小山程度で移動に苦労する事はありません。
 また、村に近い為に携帯電話などの連絡手段も問題なく使用出来ます。

 次に参加される方々の立場ですが、大きく分けて二つあります。

 <ハンター>
 主な目的は「村に危害を加えそうな動物の捕獲、或いは駆除」です。
 参加理由は好きに決定してもらって構いません。また、必要なら猟銃も貸し出されます。
 ちなみにシンクの村長は前日から村やツァンダにハンター募集の告知を出し、いくつかの機関やギルドにも依頼をしています。
 ハンターの皆さんには報酬の為、村人を護る為など、様々な参加理由があると思います。極力そちらもご記入下さい。
 また、後述する他の参加者による妨害が行われる可能性もあります。
 彼らの妨害に屈するのか、退けるのか、或いは相手方の事情を知って共闘するのか。それには各自の参加理由・信念が関係してくるでしょう。
 
 <隼斗と雪乃に協力する>
 こちらは更に細かく分かれますが、全体の目的は「動物を殺す事無く、正気に戻らせる」事です。
 雪乃が友人達に電話で協力を要請し、更に兄弟である篁 透矢と篁 花梨(※)も知り合いに協力を願い出ています。
 (※ 前作「救助隊出動! 〜子供達を救え〜」登場NPC。今回の作戦に直接参加はしません)
 NPCとの友人関係は自由に設定可能です。参考までに彼らの学年は以下の様になります。
 篁隼斗:高等部2年  篁雪乃:高等部3年  篁透矢・篁花梨:大学部1年(全員蒼空学園)

 それでは、各グループの説明を。
 まずは雪乃(魔女・ウィザード)と共に凶暴化した動物達の対処を行うグループ。
 このグループの主な目的は「凶暴化した動物を慰霊碑のそばまで連れて行く」事です。
 慰霊碑には動物を大人しくさせる特性があり、前日に隼斗と雪乃が襲われていない事から凶暴化した動物にも有効であると思われます。
 気絶させて慰霊碑まで運ぶ、何らかの手段で誘導するなどの方法で動物達を連れて行って下さい。

 次に、隼斗を追いかけ、支援するグループ。
 残念な事にレラもまた凶暴化の被害者となっていました。
 しかも巨獣だからでしょうか。暴れ具合は尋常では無く、このまま慰霊碑に連れて行ってもすぐに元に戻るかは分かりません。
 隼斗はなんとか正気に戻そうとレラに呼びかけますが、レラは隼斗にすら攻撃をしてきます。
 皆さんは隼斗を護る、或いはレラを気絶させるなどして、この戦いを悲しい結末へと向かわせない様にして下さい。

 三つ目は怪しい人影の調査をするグループ。
 現場近くにいたという怪しい人影。
 その男達が落としたと思われるカード入れには最近ツァンダにオープンしたペットショップの社章が描かれていました。
 このペットショップは地球で業績を伸ばし、つい先日ツァンダにパラミタ1号店を出店したばかりです。
 状況から見て今回の事件と無関係とは思えません。調査と、場合によっては何かしら対処をする必要があるでしょう。

 最後に、ハンター達を妨害するグループ。
 ハンター達は基本的に凶暴化した動物達の駆除を行おうとしています。
 そこで、雪乃達が動物達を正気に戻らせるまで、彼らの行動を妨害して時間稼ぎをする必要があります。
 ただし、村にとはいえ、彼らは正式な依頼を受けて雇われた立場です。正面から力技で妨害を試みるとこちらが悪者となるでしょう。
 説得するといった正攻法から演技や嘘情報で騙す搦め手、不意打ちといったギリギリの方法など、様々な『平和的な』手段で対処して下さい。
 ちなみにハンターの項で説明しましたが、彼らにも様々な参加理由があります。
 その目的次第で有利、不利な方法があるでしょう。必要であれば、主にどういった相手を狙うかも指定して下さい。
 なお、ハンターには様々な腕・立場の人物がいますが、その中でも一人、特に腕に覚えのある人物がいます。

 ○ウォーレン・マクガイア:38歳シャンバラ人。冷徹かつ現実的な性格で今回は報奨金目的で参加。地球人にはあまり良い感情を抱いていない。慰霊碑の存在は知っているが、その特性は眉唾物だと思い、信じていない。

 彼は前述の手段で言うなら、説得はまず不可能でしょう。
 また、凶暴化した動物がいた場合は容赦なく射殺します。有効な対処法を考えて事に当たってください。



 村の脅威は排除されるのか。また、隼斗達は無事にレラの心を救う事が出来るのか。その結末は貴方の手に委ねられています。

▼サンプルアクション

・【1】隼斗を手助けし、レラを止める

・【2】雪乃を手助けし、凶暴化した獣を慰霊碑の辺りに集める

・【3】ペットショップを調査する

・【4】ハンターの駆除を妨害する

・【5】村に雇われたハンターとして、凶暴化した動物達を駆除する

▼予約受付締切日 (予約枠が残っている為延長されています)

2010年12月28日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2010年12月29日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2011年01月02日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2011年01月18日


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