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開け、魔法の本 ~大樹の成績を救え?~

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シナリオガイド

学園生に迫るテスト。さあ、魔法の力で切り抜けよう(?)
シナリオ名:開け、魔法の本 ~大樹の成績を救え?~ / 担当マスター: 風間 皇介


「っだぁー! 全然分かんねぇぇぇぇ!!」

 世間ではバレンタインだ何だと浮かれているこの時期、そんな気分とは無縁な声がシンクの村にある篁家に響き渡りました。
 叫び声の主、篁家三男の篁 大樹(たかむら・だいき)はテーブルにペンを放り出すと椅子に背中を預けて天井を見上げます。
「もう中断? 大樹、最近ペースが落ちてるんじゃないの?」
「そうは言ってもよ、どんどん難しくなってくんだから仕方ねぇだろ」
「そういう時は一旦飛ばして、分かる問題からやっていけばいいのよ」
「どれもこれも分かんねぇから困ってんだよ。いいよなぁ、天音は楽勝そうで」
 そう言いながら大樹がテーブルの反対側でノートを広げている篁家六女、篁 天音(たかむら・あまね)に視線を移します。
 この二人は蒼空学園中等部の三年生。そう、つまり今は中等部最後の学年末試験を控えている大事な時期でした。
 成績優秀な天音に対し、お世辞にも頭が良いとは言えない大樹は目の前にある問題集に苦戦しながら取り組んで行く毎日。
 ただでさえ勉強よりも体を動かす事の方が好きな彼にとって、今の期間は拷問とも言えるものでした。

「……大樹、叫び声が外まで聞こえてたぞ。周りの迷惑になるから止めておけ」
 家に帰って来た篁家四女の篁 月夜(たかむら・つくよ)が開口一番、大樹を窘めます。その手には小ぶりな荷物が抱えられていました。
「月夜姉ぇ、そいつは?」
「そこで配達の人とたまたま会って受け取った。父さん達からの荷物らしい」
「親父達? 確かこの前聖良姉ぇから連絡があった時はシボラだっつってなかったっけ」
「そうよね。お父さん達が行くだけならまだしも、荷物を送ってくるなんて――あ、今はカナンまで戻ってるみたいね」
 荷物に挟まっていた手紙を軽く読んだ天音が二人に文面を見せます。
 そこにはマホロバを目指して旅立った父と、長女の篁 聖良(たかむら・せいら)の近況が書かれていました。
 それによると二人は一旦シボラまで着いたものの、状況が変わって現在はカナンに滞在しているとの事でした。
「カナンって、今は結構大変な事になってるわよね。シボラ程じゃないけど、よく無事に届いたものだわ」
「多分実力のある冒険者に預けたんだと思う。父さんの人脈は不思議な所があるから……」
 父親への謎を深める天音と月夜の横で、大樹が荷物の梱包を解いていきました。中からは古ぼけた装丁の本が一冊姿を現します。
「何だこりゃ。どのページも真っ白だぞ」
「本当ね。こっちに何か書いてないかしら」
 天音が手紙の続きを読み上げます。そこにはこの本を手に入れた経緯と内容が書かれていました。曰く――

・旅先で助けた商人からお礼として貰った本である
・本はシャンバラ地方の洞窟から見つかった物で、特定の精霊が宿る事で持ち主に取って必要な内容が浮かび上がるらしい
・その精霊はまだ洞窟にいるが、本に宿らせるには倒さないといけないので商人や調査メンバーには無理だったとの事

「『――なので、透矢あたりなら修行ついでに調査の手伝いに行ってみるのもいいだろう』だって。透矢兄さんが帰ってきたら渡して――」
「……これだ」
「え?」
「こいつがあれば試験の問題や答えが分かるって事じゃねぇか!」
 言うが早いか大樹は自分の部屋へと戻り、洞窟探索の道具を用意すると玄関へと駆け出しました。
 荷物の中には例の本もしっかり入っています。
「って訳で今日の勉強は終わりだ! 行ってくるぜ!」

「……行っちゃったけど、どうする? 月夜姉さん」
「放っておく訳にもいかないだろう。……父さんも困った事をしてくれる」

 こうして三人は本が見つかったという洞窟へと向かう事にしました。
 果たして、大樹の思惑通りに学年末試験の問題が浮かび上がってくれるのでしょうか……?

担当マスターより

▼担当マスター

風間 皇介

▼マスターコメント

 皆さんこんにちは。風間 皇介のシナリオ第三弾となります。
 今回は不思議な本を完成させる為にこれまた不思議な精霊達と戦う話になります。
 学校外にある洞窟が舞台の為、抽選上の有利不利はありません。どの学校の方もどうぞご参加下さい。


 まず最初に、今回のみの特別ルールです。
 あいさつ掲示板で初回に発言した際にダイスがゾロ目の方は大樹と同じ魔法の本(白紙)を持っている形になります。
 ゾロ目で無い・発言をしていない場合は不所持になります。
 (MC・LCに関わらずPCの初回の発言が対象です。本所持の場合、MC・LCどなたが所持していても構いません)
 本を所持している方は本が完成した際にどの様な内容が浮かび上がって欲しいかをアクション内にご記入下さい。
 ただし、今回のシナリオはコメディ要素が多分に含まれます。実際に望んだ形で浮かび上がるかどうかは……お察し下さい。
 (たまたまゾロ目になったけど知りたい内容が無いという場合は書かなくても結構です。その場合、本を所持しているだけという形になります)
 また、本は当シナリオ内でのみ有効な物です。データ付きアイテムとして配布される物ではありませんので、こちらもご容赦下さい。
 なお、風間は元々ダブルアクションの判定は緩い方ですが、この件は当然ダブルアクションにはせず、下記アクションとは別に採用となります。
 ご安心下さい。



 では改めて状況説明を。
 主な参加目的は「洞窟の調査に来ていた」「大樹達の友人として」「自分もたまたま本を手に入れた」等になります。
 こちらは好きに決定して下さい。
 例によって篁家のNPC達との関係設定も自由です。NPCの詳細はマスターページをご覧下さい。

 今回の洞窟は主に三つの場所に分かれます。(便宜上の名称は『心』『技』『体』です)どれか一つにご参加下さい。
 それぞれの洞窟は十分な広さがあるので、特に崩落等に気をつける必要はありません。
 なお、倒す=所有者全員の本に精霊が宿る事になります。

 <『心』:同行者・篁 月夜>
 こちらは幽霊の様な精霊達で、そのままでは姿を捉える事は出来ません。
 また、精霊達はPC達の『弱点』を突く攻撃をしてきます。
 (例:雷→対象PCの周囲に雷を起こす 猫舌→どこからとも無く熱いお茶が口めがけて襲い掛かる 等)
 攻撃の際に精霊達は姿を現します。その隙を狙って攻撃して下さい。
 単独で弱点に対処する事も不可能ではありませんが、精霊への攻撃まで手が回らない可能性があります。
 MCやLC、他のPCと協力した方が対処はし易いでしょう。

 <『技』:同行者・篁 天音>
 こちらは大根に小さな手足が生えた様な精霊達で、一匹一匹は小さいものの非常に数が多いです。
 また、各色ごとに弱点属性を持っていて、それ以外の属性で攻撃すると逆に増殖します。
 それぞれ反応して近寄ってくる動作があるので、上手く対象の色だけを誘導して纏めて倒すと効率が良いでしょう。
 (無属性の打撃でも倒せない事はありませんが、耐性があるので時間がかかります)
 以下は精霊のデータです「色(攻撃属性・弱点属性)誘導方法」
 ・赤(炎・氷) 動く物(特にひらひらした物)に反応する
 ・青(氷・雷) 匂い(特に甘い匂い)に反応する
 ・黄(雷・炎) 音(特に音楽や歌声)に反応する
 ・白(光・闇) 強い光に反応する
 ・黒(闇・光) 闇の気に反応する

 <『体』:同行者・篁 大樹>
 こちらは人型の精霊で、二匹だけですがそれぞれ10mくらいの大きさがあり、耐久力があります。ただし、頭はそれ程良くは無いようです。
 また、属性攻撃に強い耐性を持ち、さらに自己治癒能力もあります。攻撃方法はパンチ、踏みつけ等一般的な人型の物です。
 倒すには協力して回復以上のダメージを与えて行く必要があるでしょう。



 本は完成するのか。したとして、その内容は希望通りの物なのか。皆さんの手でその結末を作り上げて下さい。

▼サンプルアクション

・【1】月夜と共に『心』の精霊と戦う

・【2】天音と共に『技』の精霊と戦う

・【3】大樹と共に『体』の精霊と戦う

・【4】他の参加者の本を奪う

▼予約受付締切日 (予約枠が残っている為延長されています)

2011年01月29日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2011年01月30日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2011年02月03日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2011年02月18日


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