天御柱学院

「教授、この先にも部屋がありますね。かなり年代が過ぎているのか、朽ちている物も多いですが……」
　シャンバラに数多くある古代の遺跡。その一つを調査している研究者達がいました。
　彼らはマジックアイテムの研究を専門とするザクソン教授を中心としたグループです。
　今回遺跡を訪れたのもその一環で、発掘された物の中に特殊な効果を持つ品が混ざっていないかを調べるのが目的でした。
「やはりここは古王国時代か、それよりも前に作られた可能性が高いのぅ」
「ならマジックアイテムが眠っているかも知れませんね。どんな物があるか楽しみですよ」
　調査メンバーの中で一番若い男が嬉しそうに次の部屋に遺されている物を調べて行きます。
　彼はザクソンの下で働く様になってからこれまでずっと研究所内での手伝いに従事していた為、今日が初めての遺跡調査です。
　――なのでやる気だけは一番あるのですが、そういう時こそ人はミスをし易いものです。
「ん？　これは、銅板か……少し欠けてるけど、不思議な紋様だ。きっと価値があるぞ……！」
「これ、迂闊に手を出しては――」
　ザクソンが注意を促しますが時既に遅し。男が銅板を掴んで動かしてしまった事により、遺跡の壁が光り始めました。
「な、何なんですか？　これは！？　……うわぁっ！」
　驚いた男が銅板を取り落とします。
　そこに描かれている紋様が仄かに光ったかと思うと、部屋の外に次々と鳥やスケルトン、スライムといった姿の生物が現れました。
「銅板に反応して出て来たじゃと……？　まさか、マジックアイテムにより生み出された魔法生物か？」
　ザクソンがその姿を見ながら考えます。しかし、その時間も長くはありませんでした。壁の光が強くなり、やがてそれは実体を伴って部屋を覆ってしまったのです。
「むぅ……なんと強力な防壁じゃ。これでは外に出る事も叶わぬか。さて、どうした物かの……」
　
　
「……じーさんの救助依頼？」
　ツァンダ南東にある小さな村、シンクにある一軒家に住む篁家。
　その三男の篁　大樹（たかむら・だいき）が長男の篁　透矢（たかむら・とうや）に聞き返しました。
「あぁ、どうも遺跡調査でトラブルがあったらしい。結界みたいな物に取り囲まれて、脱出が出来ないそうだ」
　学園から告知されている依頼を見ながら透矢が答えます。
　それによると、教授達調査メンバーは現在、自分達が調査していた部屋に閉じ込められているそうです。
　幸い携帯電話は通じたので外部と連絡は取れましたが、このまま出られない状態が続くと食料等の問題が発生します。
　なので内部から脱出を試みると同時に、外でも救助作業を行って欲しいとの事でした。
「教授には色々と世話になってるし、それを抜きにしても放っておく訳には行かないからな。俺達も力になりに行こう」
　ザクソン達を助ける為に家を出て行く透矢達。数時間後、同じく救助活動に参加する者達が遺跡の前へと集まり始めました。
　
　
　――さぁ、皆さんの力で結界を破り、彼らを無事に救い出す事が出来るでしょうか？

　皆さんこんにちは。風間　皇介のシナリオ第七弾となります。
　今回は遺跡の一室に閉じ込められた研究者達を助け出す話です。
　抽選上の有利不利はありません。どの学校の方もどうぞご参加下さい。
　
　　
　主な参加動機は「各学校から救助依頼を受けた」「篁家から聞いた」「知り合いの研究者から連絡を受けた」等になります。
　（今回、悪役ＰＣに対する制限は特にありません）
　
　
　では状況説明を。
　今回は大きく二つに分かれます。
　なお、以下の情報は基本的に遺跡突入時点ではＰＣは知りません。
　ですが、対象を発見したり実際に戦ってみる事で簡単に気付けます。
　
　
１：魔法生物の撃破
　
　マジックアイテムの仕掛けが発動した事により、遺跡内部に三種類の魔法生物が召喚されました。
　この魔法生物達は結界の守護と外敵の排除を目的としています。
　同一種類を全て倒す事で結界が一段階弱まるのですが、魔法生物達は古代の製作者により非常に強い特性が与えられています。
　それは、パラミタ人の攻撃ではダメージを受けないという事です。
　動きを鈍らせたり衝撃で吹き飛ばしたりは出来るのですが、それによって傷つく事はありません。
　サイコキネシスで岩をぶつける等、他の要因を利用しても同じです。
　ダメージを与えられるのは地球人（ＭＣ）の攻撃に限ります。
　なので、ＭＣが攻撃役となり、ＬＣがそれをサポートするのが一番良いでしょう。
　
　ＬＣの補足です。
　・英霊、強化人間など地球に縁がある種族でもパラミタ人扱いです。
　・魔鎧は単体では他の種族同様ダメージは与えられません。ただし、ＭＣが装備して魔鎧のスキルを使う分には有効です。
　・奈落人は憑依先の種族に準じます。ＭＣに憑依した場合はダメージを与えられますが、ＬＣに憑依した場合は無効です。
　
　相手となる魔法生物は三種類存在します。
　それぞれ得意な物、苦手な物があるのでそれを考慮して戦う相手を選ぶと良いでしょう。
　なお、スキルや戦い方次第では敵の耐性を無視してダメージを与える事も可能です。色々と工夫してみて下さい。
　
　１：スケルトン
　　刺突系の攻撃に強く、打撃系の攻撃に弱いです。また、一部の属性も弱点としています。
　
　２：鳥
　　飛行しているので近接系の攻撃は不利となります。弓や銃等の飛び道具なら戦いやすいでしょう。
　
　３：スライム
　　スケルトンとは逆で打撃系に強く、斬撃系や刺突系に弱いです。
　
　　
２：守護石の破壊
　
　結界は三種類の魔法生物だけでなく、遺跡に散らばっている守護石によっても強化されています。
　それを探し出し、破壊するのがこちらの役目です。
　なお、守護石は魔法生物とは違い、パラミタ人（ＬＣ）でも破壊出来ます。
　
　守護石は全部で五種類あり、それぞれ白・黒・青・赤・黄です。
　同じ色の守護石を全て破壊する事で結界が一段階弱まります。
　それぞれの色に応じた攻撃をすれば破壊出来ます。
　その法則は色から推測して頂きますが、全く捻っていません。正解は簡単に分かると思います。
　



　登場ＮＰＣは父と長女聖良を除く篁家と、ザクソン教授です。
　ただし、ザクソンは電話や結界越しに会話は出来ますが、それ以外の行動は取れません。
　また、篁家は戦局やアクション次第では本文中に登場しない場合もあります。
　
　ＮＰＣについての補足はマスターページにあります。そちらもご参照下さい。
　いつもどおり、篁家に対する交友関係もご自由にどうぞ。
　
　・透矢、花梨　　　　：対スケルトン組に参加します。
　・隼斗、雪乃　　　　：対鳥組に参加します。
　・大樹、月夜、天音：対スライム組に参加します。
　・八雲、光奈　　　　：守護石破壊組に参加します。



　結界を全て破り、研究者達を救う事が出来るのか。その答えは貴方がた一人ひとりの手に委ねられています。

・【１】スケルトンと戦う

・【２】鳥と戦う

・【３】スライムと戦う

・【４】守護石の破壊に向かう