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兄の仇はローレライ!?

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兄の仇はローレライ!?

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シナリオガイド

少女の兄が乗った船はローレライに沈没させられた。それは本当なのか?
シナリオ名:兄の仇はローレライ!? / 担当マスター:

 ――パラミタ内海海岸。

「破ぁ!」
「……遅い。止まって見える、わ……よ」

 百合園女学院の新制服に身を包んだイングリット・ネルソン(いんぐりっと・ねるそん)は裂帛の気合いと共に、同じく百合園女学院の新制服を纏うパッフェル・シャウラ(ぱっふぇる・しゃうら)へと肉薄します。
 パッフェルが構えるのはライフルです。イングリットは狙われないよう不規則にジグザグに動きます。
 小気味いい音と共にライフルから発射されたのはBB弾でした。それはイングリットの急所に綺麗にヒットしました。

「……今ので、あなたは5回……死んで、る。狙いを付け、られない……よう動いてる、努力は認める……けど、左右に動くより……距離を詰め、た方が却っていい……場合もある、わ」
「ありがとうございますわ。流石は十二星華いちの射撃の名手ですわ。あなたの射撃をかいくぐれない限り、バリツの間合いに入ることなど到底できませんもの」
「…………褒めても、何も出ない……けど、ありがと。私も、サバゲーの練習に……なっているから、おあいこ……よ」

 イングリットはかのイギリスの名探偵が宿敵を倒した際に使ったといわれる古武術バリツを使うお嬢様で、日夜修行に励んでいます。
 一方パッフェルの趣味はサバゲーで、時間を見つけては様々なシチュエーションで訓練を積んでいます。
 今回は海岸線で訓練していますが、イングリットがパッフェルに頼み込んで訓練に同行していました。

「見つけたわ! 兄の仇!!」

 2人が休憩を取ろうとした時、少女の怒声が聞こえてきました。
 声のする方を見ると、岩場の上に美しい黄金色の髪を湛える美少女ながら、その身体は海鳥の姿をしたローレライが居ました。
 別名セイレーンとも呼ばれています。
 そのローレライと対峙し、ロングボウを構える少女の姿がありました。
 先程の怒声は、どうやらこの少女が発したようです。

「あのローレライは……」
「……知り合い、なの?」
「ええ。音痴を治したことがあるのですわ。わたくしのお友達ですもの、悪いローレライではございません」
「……音痴、のローレライ……ね……!?」

「私、ニンゲンの船は沈没させていない」
「嘘よ! 生き残った人の話だと、歌声が聞こえてきたと言っていたわ! 海で歌を唄うモンスターなんてローレライくらいしかいないじゃない! だから私はローレライを皆殺しにしてやるわ!!」

 少女が矢を放とうとした瞬間、パッフェルは自らの体内にしまわれている光条兵器・星銃パワーランチャーを顕現させると、見事に矢のみを撃ち抜きました。

「ローレライ、今ですわ! 今こそ特訓の成果を!」

 イングリットの声を聞いたローレライは胸に手――といっても海鳥の翼ですが――を当てると、高らかに歌い始めました。
 ローレライは生まれながら、人を惹き付ける魔力を帯びた歌を唄うことができると言われています。しかし、この音痴だったローレライの歌声にはその魔力はごくわずかしかありませんでした。
 決して上手いとは言えませんが、心に染み渡る歌声を前に、少女の戦意はゆっくりと消えていきました。

 パッフェル達がその場に駆け付け、イングリットがこのローレライは安全であることを保証すると、少女はようやく落ち着きました。
 少女の名前はアイラといい、彼女の兄はパラミタ内海で漁船の船員をしていました。
 しかし、数ヶ月前に兄の乗った船は沈没してしまい、兄は帰らぬ人となってしまいました。
 アイラが辛うじて生き残った船員から話を聞くと、何でも歌声が聞こえて船が沈んだといいます。

「だから私はずっとあなたを、ローレライを追っていたの……」
「私も追われているのは分かっていたから、何とか話を聞いてもらおうと音痴を治したの」

 少なくとも誤解は解けたようです。

「……ちょっと待って。話を聞く限りだと……不可解だ、わ」

 黙ってアイラとローレライの話を聞いていたパッフェルがそう切り出しました。

「……確かに、ローレライの歌声には人を……魅了する力がある、けれど……それは、魅了された結果……岩礁に乗り上げたり、岸壁にぶつかって……沈没するのであって、ローレライ自身に……船を沈める力は、ないわ」
「じゃぁ、兄は……ローレライではなく……」
「……ええ、他のモンスター、に船を沈め……られた、と考える……べき、ね」
「ローレライの仕業に仕立てるくらいですから、相当狡猾なモンスターかも知れませんわね」

 パッフェルの推測にアイラは項垂れました。ずっとローレライの仕業だと思っていたのですから無理もありません。
 彼女だけではありません。兄の乗っていた漁船の生き残りもローレライの仕業だと思っていたくらいです。
 イングリットの言葉に、パッフェルはこくんと軽く頷きました。

「……そんなモンスター、野放しには……出来ない、わ。私達で……退治するわ、よ」
「そ、そんな……そこまでしてもらわなくても」
「良いのですわ。わたくしはこのローレライのお友達ですもの。お友達の冤罪はきっちり晴らしますわ!」


 数時間後、パッフェルの名前で各校の掲示板に「海のモンスター退治」の依頼が貼り出されました。

担当マスターより

▼担当マスター

▼マスターコメント

 初めまして、ゲームマスターの羊と言います。
 今回始めてのシナリオ担当になります、拙い事も多いですがこれからよろしくお願いします。

 このシナリオは少女アイラの兄の乗った船を沈没させた、謎のモンスターを退治するのが目的です。
 依頼主のパッフェルが百合園女学院の生徒なので百合園生が参加しやすくなっていますが、全学校に依頼を出していますので、どの学校の生徒も気軽に参加できます。

 なお、シナリオガイド中に登場したローレライは、県田 静GMのシナリオローレライの音痴を治そう!に登場したローレライですが、面識はなくても問題なくアクションは掛けられますのでご安心下さい。

 パッフェルとイングリットは中型の帆船を借りて、アイラの兄の船が沈没した海域まで行き、モンスターを誘き寄せようと考えています。
 シナリオに参加された方は、基本的にはこの帆船に乗っています。
 水上バイクや機晶モーターボートを所有していれば、船に乗らない、という選択も可能です。
 また、小型飛空艇や空飛ぶ箒といった飛行可能な乗り物の連続飛行可能時間は、このシナリオでは3時間とさせていただきます。

 イングリットとパッフェルが同行しますが、イングリットは今回は帆船の舵取りに専念します。
 パッフェルは星銃パワーランチャーで甲板から援護射撃を行います。


 ここからはプレイヤー情報になり、PCは原則知らない情報になります。
 ただ、「予想」や「アタリを付けて」というようにアクションに組み込まれるのは問題ございません。

 アイラの兄の乗った漁船を沈没させたのは、スキュラというモンスターです。
 スキュラは、上半身は美しい女性ですが、下半身は魚の尾と、6つの犬の頭と12本の犬の足を持つ姿をしています。
 尾によって水中や水上では小型飛空艇の2倍程度の速度で移動でき、犬の頭は地獄の番犬(ヘルハウンド)で、とても獰猛でそれぞれの口から火の玉を吐きます。
 また、スキュラ自身、ネクロマンサーのスキルを使う強敵です。


 スキュラをどのように誘き寄せ、戦うかを皆さんで相談して決められると良いと思います。

▼サンプルアクション

・船を沈めた本当のモンスターと戦う!

・パッフェル達と別行動を取る

・真の敵以外の敵にも注意する

▼予約受付締切日 (予約枠が残っている為延長されています)

2011年09月19日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2011年09月20日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2011年09月24日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2011年10月05日


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