シナリオガイド
始まりの時か、最後の時か。決めるのはあなた次第。そして、隠された少女の記憶とは……。
シナリオ名:≪猫耳メイドの機晶姫≫の失われた記憶 / 担当マスター:
虎@雪
タシガン空峡沿岸部のツァンダに所属する街、≪ヴィ・デ・クル≫。
この街の小ぢんまりとした喫茶店で、あなたはのんびりとした午後のひと時を過ごしていました。
すると、アルバイトの青年が躊躇気味に話かけてきます。
「すいません。ちょっといいですか?」
注文した品物はすでに目の前にあります。
どうやら、個人的な用件であなたは話しかけてきたようです。
「僕は早見 騨(はやみ だん)と言います。実は今一人ではどうしようもない問題を抱えていて、誰か協力してくる人を探しているんです」
聞くだけでも聞いてみようかと、あなたは騨に話を促します。
「問題というのはうちの店で働いているメイドのあゆむについてなんです。あゆむは過去の記憶がなく、そのことで時々寂しそうな表情をしているんです」
騨は話します。
先日、あゆむは多くの生徒達と共に、親子丼を騨のために作りました。おかげで、騨とあゆむは家族同然になれたのです。
しかし同時に、本当の家族についてあゆむは考え、悩むようになりました。
あゆむ本人はそんなことは一言も漏らさず、笑顔を見せてくれます。
でも騨はあゆむの笑顔を見るたびに、胸が締め付けられる思いでした。
「僕はあゆむの家族として、何か力になりたいんです!」
騨は独自の調査で、あゆむの≪機晶石≫が保管されていた廃墟の地下に研究施設があり、そこに記録が残されていることを突き止めました。
しかし、研究施設のデータは一人の機晶姫の女の子キリエによって管理されており、閲覧することができませんでした。
そして騨はそのキリエに「あい(私)の願いを叶えてくれまでデータは見せられんちょよ」と、追い返されてしまったのです。
キリエの願いを叶えるために協力してほしいと、騨は頼んできました。
すると、あなたの背後の席に座っていた、シャンバラ教導団所属弓彩 妃美(ゆみさき きみ)が話に割り込んできます。
「だからあんな古臭いモデル、さっさと停止させちゃえばいいのよ。……まぁ、可愛いのはわかるけどねぇ〜」
妃美は騨の調査に同行した際に遭遇したキリエの姿を思い出すと、恍惚の眼差しで天井を見つめていました。
騨が前髪を掻きます。
「あのね。すでに話したけど、無理矢理停止させたら機密保持のためにデータが消えちゃうんだ。だから、穏便にあの子の願いを叶えようと話し合ったでしょ」
「はいはい。そうでしたね。でもなんだか面倒だよね」
「それと、誘拐は犯罪だからね……」
注意され、妃美は口を窄めて不服そうにしていた。
騨が深くため息を吐きます。
「とにかく、あの子はそう長くは身体が持たないと言っているんです。だから、すぐにでも動いてくれる人の助けが必要なんです!」
「ん? ってことは騨少年。キリエちゃんが動かなくなったらお持ち帰――」
「却下」
騨に強く言われ、妃美は完全にふてくされてテーブルにぐたりと突っ伏します。
その時、喫茶店の扉が勢いよく開け放たれ、買出しに行っていた≪猫耳メイドの機晶姫≫あゆむが戻ってきました。
「あゆむ、ただいま帰宅しましたっ!」
喫茶店にいた全員の視線があゆむに集まります。
あゆむは客であるあなたを見つけると、慌てて振り上げていた手を降ろして、顔を真っ赤にしていました。
廃墟に置き去りにされて少女の記憶。
一緒に探してあげてはいかがでしょうか。
担当マスターより
▼担当マスター
虎@雪
▼マスターコメント
虎@雪(とらっとゆき)です。よろしくお願いいたします。
今回で六回目のシナリオになります。
初めに、参加制限は特にありませんので、どうぞお気軽にご参加ください。
舞台は『夢は≪猫耳メイドの機晶姫≫でしょう!?』で登場した廃墟です。
昔は皆が憧れるような豪邸でしたが、現在は今にも崩れそうで誰も近づこうとしない廃れた建物です。
今回のやるべきことは、データ管理をしている機晶姫キリエの願いである「最後を迎える前に楽しい一時を過ごしたい」という想いを叶えてあげることです。
具体的な内容に関しては以降を参考にしていただき、
掲示板等で他の参加者様と相談しながら、アクションを決めていただければと思います。
◆具体的な内容について
○まず初めに
機晶姫キリエにとっては、これが久しぶりの他人との触れ合いです。
そして最後の……『お別れ会』となるかもしれません。
最大限、キリエにとっても、皆さんにとっても楽しい一日になって欲しいです。
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○早見 騨――の行動
『お別れ会』と言えば……
『素敵な贈り物』、『美味しい食事』、『楽しい催し』、などが思いつきます。
――ですが、まずは大掃除が必要です。
掃除や草むしりを行いながら、古い建物なので破損箇所を修復。
それから飾りつけを施し、ようやく舞台が整います。
廃墟全体ではなく、会場となる大広間だけでも綺麗になれば、キリエは充分喜んでくれるでしょう。
そのため、騨は皆さんと共に会場の用意を行う予定です。
飾りつけが済めば、後は皆で思う存分楽しい一時を過ごすだけです。
なお、大広間には≪首なしの豪傑騎士≫が存在しています。
しかし、現在は立ち上がることすらできない状態で、キリエはそれを悲しんでいる様子でした。
廃墟の裏手の庭園に生息している≪腐敗の魔草≫。
周囲の生物の生命力を吸収して育つこの植物が、どうやら≪首なしの豪傑騎士≫の生命活動に影響しているようです。
(どうやらキリエと≪首なしの豪傑騎士≫は、あゆむの過去に深い関わりがあるようです)
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○弓彩 妃美――の行動
かつては色とりどりの花が咲き乱れ、見事な彫像と緑葉のアーチが訪れる人の心を和ませていた廃墟の裏手の庭園。
しかし、現在は成人男性の身の丈ほどまで生長した草木が生い茂り、見る影もありません。
そんなジャングルのような庭園に、弓彩 妃美は思惑を胸に抱いて向かいます。
(庭園を綺麗にして花を植えまくれば喜んでもらえるかな。
そしたらキリエちゃんは私のことを……フフフ)
庭園には常時毒や麻痺の花粉を撒き散らす植物が存在します。
【風術】などが使えると安心です。
また、視界が悪い庭園の中には≪食人植物グルフ≫が潜んでおり、迂闊に足を踏み入れると丸呑みされてしまいます。
注意深く進むことが大切です。
炎はとても効果的です。
ただし、やたらと燃え広がるので、廃墟への引火を警戒しないといけません。
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以下、事前に情報入手が可能な内容です。
知っているか否かは各人の自由になります。
アクションの生かしていただければと思います。
メモ.1
キリエはちゃんとした施設で治療を受ければ、廃墟を抜け出して新しい人生を歩むことも可能です。
騨は必死に生きることを勧めましが、本人はそれを望みませんでした。
思い出が詰まったこの地を離れるより、このまま深い眠りにつきたいと話しています。
≪首なしの豪傑騎士≫なら説得できるかもしれませんが、喋るための口がありません。
メモ.2
庭園のどこかに、古い騎士の墓がひっそりと存在しているようです。
その周囲には≪腐敗の魔草≫が集まっているらしいのですが……。
メモ.3
騨はあゆむの記憶に関して、内容を確認してから伝えようと考えています。
もし辛い過去なら、伝えることであゆむが苦しむことを避けたいからです。
一方、妃美は辛い記憶でも受け止めるべきだと考えました。
そしてキリエと≪首なしの豪傑騎士≫に、今のあゆむを会わせるべきと主張しました。
しかし、結局騨の意見を飲んで、あゆむには留守番を頼むことになりました。
▼サンプルアクション
・演奏をする
・綺麗なドレスを作る。
・古い騎士の墓を見つける
・庭園の雑草駆除を行う
▼予約受付締切日
(予約枠が残っている為延長されています)
2012年01月28日10:30まで
▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)
2012年01月29日10:30まで
▼アクション締切日(既に締切を迎えました)
2012年02月02日10:30まで
▼リアクション公開予定日(現在公開中です)
2012年02月16日