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狼の試練

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シナリオガイド

狼獣人の集落に伝わる戦士の試練。そこに待ち受けるものとは――!
シナリオ名:狼の試練 / 担当マスター: 夜光ヤナギ

 かつては魔獣として猛威を振るい、しかしながら獣人へと生まれ変わったガオルヴを追う旅を終えて、リーズ・クオルヴェル(りーず・くおるう゛ぇる)は自分の故郷であるツァンダ東の森の集落――クオルヴェルの集落へと戻ってきていました。
 村長の娘としていずれは集落を背負って立つ身である彼女。いまは一人の戦士として、集落を守るために鍛錬を積む毎日です。

 そんな、ある日のこと――

 集落の奥にあるとある一軒家。
 その場に呼び出されたリーズは、話の内容を聞いて首をかしげました。
「試練?」
「ああ、そうだ」
 リーズの父であり、同時に集落を纏めあげる村長のアールド・クオルヴェルが厳かに言います。歳も食ってきて少ししわの寄った目元で、真剣な眼差しでリーズを見つめていました。
「と、言いますと……」
「お前も知っているだろう? 我がクオルヴェルの集落に伝わる戦士の関門『狼の試練』」
「はい。そりゃあもう、存分に」
 リーズは少し肩をすくめました。
 知らないはずがありません。幼いころから、両親からだけでなく、村の数々の年寄りたちから何度も聞かされてきたのですから。
(……その言い伝え方が単なるホラーにしか聞こえないのはどうかと思うけどね)
 夜も更けているというのに部屋の中には蝋燭一本しか立てず、
『その洞穴にはいると――』
『ゴ、ゴクリ……』
『こーんな化けものがああああぁぁぁ!』
『ギャアアアアアァァ』
 などと、集落の幼い子供たちを一斉に脅かすのはいかがなものか。
 伝説や伝承の話を聞かせてくれる村のオババといえば、毎年それが楽しみで蝋燭の明かりの角度まで練習しているという。
(下手すりゃトラウマもんよ。ったく……)
 子供の頃の嫌な思い出を思い返して、ため息をつくリーズ。
「なにか言ったか?」
「いーえ、別に」
「……?」
 首を傾げるアールドでしたが、リーズは誤魔化すようにひらひらと手を振りました。
「ま、まあいいじゃない。とにかく……それで? その『狼の試練』がどうかしたの? 確かアレってその時がくるまでは近づいちゃいけないっていう神聖なものなんじゃなかったの?」
 そう。
 だからこそ、年寄りたちから話を聞かされて以来、これまでリーズは一度もその試練の場所に近づこうとはしなかったのでした。
「うむ。その通りだ。つまり――」
「つまり?」
「その時が来たということだ」
「………………」
「………………」
「え、こんな感じで告げられるの?」
「なにか文句でもあるか?」
 しーんとした空気を割ったリーズの容赦ない一言に、アールドはムッとなりました。
「だ、だってぇ、こういうのって普通……『よくぞ来たリーズよ。これより汝は狼の試練に向かうのだ』……みたいな感じで、もうちょっと厳かにするもんなんじゃ」
「何百年も続いてる慣習みたいなものだ。今さらそんなことしたところで面倒くさくて敵わんぞ」
「……ひどい」
「だからせめて最初ぐらいはそれっぽく言ってやったではないか。文句言うな」
「ぶーぶー」
 リーズは不服そうに口を尖らせます。
 『狼の試練』は集落の女戦士が受ける伝統的な試練。彼女はもう少しこう、格好良い感じを想像していたようで、拍子抜けだったのでしょう。
「そうですよ、リーズ。文句を言っても仕方ありません」
「母さん……」
 部屋の隅から現れたのは、リーズの母であるリベラ・クオルヴェルでした。
 彼女はいつも浮かべている柔和な笑顔で、リーズにほほえみかけます。
「それにリーズ。この人はこう言ってますけど、『狼の試練』は確かに神聖な戦士の通過儀礼。生半可な気持ちでは試練に打ち勝つことは出来ませんよ」
「…………」
 ゆるんでいたリーズの気が、リベラの言葉で引き締まります。
「そうよね。例えどれだけホラーテイストで語られようと、どれだけ村長が職務怠慢ばりにやる気がなかろうと、試練は試練! これを突破すれば、晴れてわたしも一人前の戦士ってわけね!」
「そうよその通りよリーズ! それでこそ私の娘! やる気が違うわやる気が!」
「任せといて母さん! このリーズ・クオルヴェル! クオルヴェルの名において、必ずや狼の試練に打ち勝つから!」
 リーズは母と一緒に拳を振り上げて、さっそく試練の洞窟に向けて家を飛び出していこうとしました。
「あー、リーズ! 一応言っておくが、『狼の試練』はお前のこれまでの人脈や信頼も試されるんだぞ! だから必ずたくさんの仲間を連れていくように――」
 すでにアールドの目の前にはリーズの姿はなく、彼女の疾走が残した土煙だけが残されていました。
 ため息をつく、集落の長。
「……あいつ、本当に大丈夫なんだろうな」
「大丈夫ですよ、あなた。だって、私とあなたの娘なんですから……」
「うーむ、しかし、洞窟には“アレ”がいるからな……」
「ああ、アレ……元気にしているでしょうか」
「元気すぎるぐらいだろうな、多分」
 色々と不安を抱えたまま、アールドはとにかく娘の無事(?)を祈るしかありませんでした。


 獣人の集落に伝わる戦士の通過儀礼、その名も『狼の試練』!
 リーズはその試練に打ち勝つため、まずは仲間を集うことにしました。
 皆さんの力で、彼女をぜひ助けてあげてください!


担当マスターより

▼担当マスター

夜光ヤナギ

▼マスターコメント

初めましての方は初めまして。
そうでない方はお世話になっております。
蒸し暑くなってきた毎日に夏を感じるMS、夜光ヤナギです。

【内容補足】
今回のシナリオは、獣人シリーズ第6弾となります。
しかしシナリオそのものは単独でリリースしているものです。
初心者の方もそうでない方も、お気軽にご参加くださいませ。

獣人シリーズ(リーズ編)は今作で完結を予定しております(あくまで予定ですが)。
もしかするとリーズも誰かとパートナーとなる、かもしれませんね。

●狼の試練
クオルヴェルの集落に伝わる、戦士の通過儀礼です。
集落の戦士は一人前と認められるために、この通過儀礼をクリアしなければならず、そうすることではじめて集落を守る戦士となり得ます。
集落の奥にある洞窟がその試練の場所であり、村の子供たちは小さい頃からその試練のことについて聞かされます。
ただし、不用意に入っては困りものでなので(もちろん封印はされていますが)、子供は近づいてはいけないということを厳しく教えられているようです。
その始まりは何時とも知れず、数百年前とも言われています。
洞窟の中は当時の魔力によって異空のダンジョンへと繋がっているらしく、ひとたび足を踏み入れると遺跡のような建物の中へと飛ばされてしまうようです。
そこには数々の仕掛け(という名のイタズラ?)があるらしく、それらを突破して最奥部へたどり着くのが目的という話です。
ちなみに、ダンジョンにはモンスターも存在しているようです。
巨大な蜘蛛に吸血コウモリ。盾と剣を装備したスケルトンナイトの姿も確認されているようですね。

●アレって?
要するに「ご先祖様」のことです。
狼の試練のダンジョンはいわば、古代の遺跡への挑戦のようなものになっています。
そしてそこに待ち受けるのは、かつてクオルヴェルの集落を支えてきた村の伝説的なご先祖様たちの魂です(古代の魔力によってご先祖様たちの姿が再現されている、とも考えられますが、詳しいことは分かっていないようです)。
ダンジョンの仕掛けやモンスターはそんなご先祖様たちが仕掛けたもののようで、中にはややこしい性格をした性悪なやつもいるとかいないとか……。
集落の戦士にとって、死してこの試練の一員のとなることは名誉なことのようです。

●NPCについて
【リーズ・クオルヴェル】(獣人)
 気の強い娘で、ツァンダの狼獣人の集落『クオルヴェルの集落』で女ながらに戦っていた戦士。
 集落の長の一人娘でもあり、集落の英雄であるゼノ・クオルヴェルの孫であることを誇りに思っている。
 常に祖父ゼノの言葉を胸に秘めており、それが彼女の戦いへの原動力である。
 現在は、とある獣人(ガウル)を探す旅を終え、集落で平穏な日々を送っている。
 背中に背負っていた祖父の形見の剣はとある獣人に譲ったらしく、普段は愛用の長剣で戦う。

※以上はアクションを考える上での参考情報です。あくまで参考となるものなので、必ずしもMCやLC自体がそれを知っている前提でなければならない、ということはありませんのでご安心下さい。(もちろん、周知を前提にされても結構です)

▼サンプルアクション

・リーズを手伝う

・勝手にダンジョンに単独潜入

・いつの間にかダンジョン内で迷っていた

・集落でリーズたちの帰りを待つ

▼予約受付締切日 (既に締切を迎えました)

2012年07月01日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2012年07月02日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2012年07月06日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2012年07月28日


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