天御柱学院

　
「ねえねえそこのお姉さん、オレと一緒にデートしな〜い？」
「ちょっと耀助、真面目に手伝いなさい！」

　葦原島、妖怪の山麓にて。

　仁科　耀助（にしな・ようすけ）と龍杜　那由他（たつもり・なゆた）はお祭りの運営を手伝っていました。



　現在、妖怪の山は紅葉真っ盛り。
　木々は色付き、赤や黄色の綺麗なグラデーションを見せています。

　それを見に、たくさんの人が葦原島を訪れていました。



　山の麓では「紅葉祭（もみじまつり）」が開催され、昼間からたくさんの屋台が並べられています。
　屋台はたこ焼き、射的、りんご飴等の一般的なものから、季節の食材を使った料理を並べているもの。
　更には、紅葉や秋の味覚を象ったお土産品、アクセサリーなどを売っている屋台も。

　ですが、屋台の中には人間に化けた妖怪狐が開いているものがあるようです。
　お祭り本部には、既に何件もの被害報告が。内容はお釣りでもらった小銭が葉っぱになったり、たこ焼きを食べようとしたら石になったり、等等。

　そしてお客が騙された事に気付く頃には、その屋台は忽然と姿を消していました。
　どうやら化け狐は幻術の類も使うようです。

　化け狐の対策に、迷子や怪我人の相手と、本部のスタッフは大忙し。どうやら人手が足りていない様子。
　本部テントの脇には「ボランティア求む。賄いは栗ごはんと焼き芋が出ます」と書かれた看板もあります。



　
　耀助達はお祭り本部で、怪我をした男性の治療を手伝っていました。
　この男性、何度も転んだのか、手や足に幾つもの擦り傷ができています。
　耀助が訳を聞くと、男性は怯えた顔で話し始めます。


「紅葉を見に山の奥に行ったんだけどよ……途中で子供の泣き声が聞こえてさ。気になって声のするほうに行ったんだよ。
　んで子供を見つけたんだけど……そいつ、足が無くてひょろひょろっとした白いもんが代わりについてたんだ。
　あ、あれは絶対幽霊に違いねぇっ！」


　そう言って肩を抱く男性。

　そしてどうやら、幽霊を見たのは彼だけでは無いようです。
　祭りのあちこちで山に幽霊が出たという噂が飛び交っていました。　


　中には、そんな噂を聞きつけ「肝試し」をやろうと言い出す者達までいるようです。


「なーおっちゃん、その幽霊って女の子だった？」

「あ？　あぁ、そうだったと思うが」

「そうかそうか！　それなら是非とも会いに行かないとな！」
「行くのはいいけど、ちゃんとこっちの手伝いが終わってからよ？」

　那由他が指差す先には、本部テントに並ぶ怪我人やその他の行列が。
　これでは、幽霊に会いに行くのは日が暮れてからになりそうです。

こんにちは、ＲＥＤです。
この度は「紅葉祭といたずら狐」のシナリオガイドをご覧頂き、ありがとうございます。

このシナリオでは、プレイヤーの皆さんはお好きな行動を取っていただいて構いません。
紅葉を見に行くのも、屋台を回るのも、夜中に肝試しに行くのもＯＫです！
もちろんボランティアの参加も募集しております。

■妖怪の山について
　内部には化け狐だけでなく、天狗、河童、化け狸等の妖怪の他、幽霊や仙人、宇宙人までもが住んでいるという噂があります。

　麓は比較的安全ですが、奥地には人を喰う妖怪が住んでいるといわれています。
　また夜は妖怪達が活発化するようです。夜中に山に踏み入るのは危険が伴います。

　人間が整地した道はありませんが、獣道や人型の妖怪が作った道があるため、それなりに歩きやすいようです。

■妖怪について
　妖怪の種類は様々で、天狗に河童、化け狐や化け狸など、沢山の種類が居ます。
　性格も人と話すのが好きな者から、臆病な者まで、個体により異なります。
　また、中には力比べが好きな妖怪や、退屈で遊び相手を探している妖怪もいるため、注意が必要です。

■屋台について
　昼間から深夜近くまでたくさんの屋台が並んでいます。
　ちなみに葦原島には軍人も多く住んでいる為、射的等はちょっとした対策も取られているようです。

■屋台の化け狐について
　化け狐は幻術を使ってうまく紛れ込んでいるようで、普通の人から見ればただの人間の屋台にしか見えません。
　捕まえるには幻術をどう見破るかが鍵になるでしょう。
　また、この手の妖怪は驚くと「尻尾を出す」という噂も……。

・屋台巡り

・妖怪の山で肝試し