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無人島物語

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シナリオガイド

夏だ! 海だ! 難破しようぜ……!?
シナリオ名:無人島物語 / 担当マスター: 車 修理

突然ですが、悲しいお知らせです。

それはある夏の日のことでした。
あなたたちが乗っていた豪華客船『ダイパニック号』は、パラミタ内海のはるか沖合いで氷山に衝突し沈没してしまいました。

ここで重要なことは、なぜ夏場の暖流の海に氷山があったかなどという瑣末(?)な問題ではなく、せっかくの優雅な船上パーティーが中止となってしまったことなのです。
とても残念ですが、自然の摂理には逆らえません。

突然の海難事故。
夕日が水平線の彼方へと傾き始める中、乗組員、乗客総員での避難が始まりました。
避難用のボートの収容人数は少なく、乗れる人数は決まっています。
まず逃げるのは子供、女性、老人、そして男性です。一般人の……。

契約者たちはさらにその後。
力なき一般人たちを守り道を譲るのは、強力な異能の力を持つ者として定めなのでした。

「やれやれ。陸まで遠泳するなんて聞いてないぞ。水着持ってくるの忘れたんだが……どうするんだ、これ?」

救助要請の灯火を点した最後のボートが無事に去っていくのを見送ってから、沈みゆく客船に取り残されたあなたたちは顔を見合わせ苦笑します。
復旧作業も空しく、すでに船体の大部分は大破し海中に姿を消していました。海の藻屑となるのに時間はかからないでしょう。

「ああ、やっぱり無料に碌なことはない。自由参加という謳い文句についつられて船上パーティーにうっかりやってきた自分がうかつだったわ」
「お祭り好きだもんな、お前……。って、俺もか……」

海水は早くも膝の辺りまで達していました。仕方ない、風変わりな海水浴だと思って荒波の中泳いで帰るか……。契約者なら何とかなるだろうし……。ため息交じりにそう決意したときでした。

「ところでさ……。今TVで天気予報をやってるんだけど……、シャンバラで発生した台風が、この辺りを直撃するってさ」
「……え?」

この状況下でものん気に携帯端末でアニメを見ていた契約者の一人が、硬直した笑みを浮かべて言いました。

「予報では、12時間以内にこの海域に急接近するそうだよ」
「それでか……。風がかなり強くなってきた。ボートで逃げ出した一般人たち、無事に漁船にでも拾われるといいけど」
「誰か、救難信号を受信してくれるでしょ、まあ多分……。……っていうか、船沈没してるのに、何でタブレットでアニメ見てるの!? 馬鹿なの? 死ぬの!?」
「録画予約してくるの忘れたんだよ! ……いや待て、今議論すべきところはそこじゃなくて……! ああああああ、このタブレット買ったばかりなのに海水で水浸しに……。電波届きやすいように独自改造してあるからメーカー保証も利かないし、もうダメだあああああ……!」
「お前が待て。そんなことを言っている場合じゃなくてだな。……雨も降ってきたし、ちょっとやばいかも。これは嵐に遭遇するよ」
「……」
「……」

いつの間にやら日が暮れ、辺りを漆黒の闇が包み始めます。波の音だけが不気味に響く、夜の海……。
彼方から暴風雨を伴った分厚い雲がゆっくりとこちらに近づいてくるのを気配を凝らして確認すると、彼らは互いに親指を立てて誓い合います。

「……じゃあ、またな。三日後に空京のいつものバーで落ち合おう」
「いつものバーってどこだよ。まあいいか、せいぜい生き延びようぜ。グッドラック」

そして……。
嵐の迫る大海原の真っ只中で、彼らは客船もろとも高波に飲まれて姿を消したのでした。




 
「私がいたらこうなることくらい予想はついていたのに……。ごめんね、みんな……ぐすっ……」
 二日後……。
 台風一過の晴れ渡った青空の下、船上パーティーに参加していて事故に巻き込まれた蒼空学園生の災厄少女雅羅・サンダース三世(まさら・さんだーすざさーど)は、一人浜辺で膝を抱えて座りながらうぐうぐと泣いているのでありました。もうですね……、これ想定の範囲内すぎて涙が止まりませんよ。
 雅羅は、『ダイパニック号』の沈没後、暴風雨の中必死で陸を目指しましたが、案の定荒海に飲まれて皆とはぐれてしまい、気がつけば見知らぬ孤島へと流れ着いていたのでした。
 そこは、パラミタ内海にひっそりと人知れず浮かんでいた無人島。彼女は、その浜辺に打ち上げられ、いつ来るとも知れぬ救援を待っているのでありました。
 持ち物はすべて流されてしまい、辺りには誰一人いません。浜辺に大きく「SOS」の文字を描いたものの何の反応もないのでありました。
 不安と失意の中、よろよろと一通り見て回ったところ、目に付いたのは密林と断崖絶壁くらいのものでした。後悔と孤独が募るばかりで食べ物を探す気力も沸いてきません。
「やっぱり私は来るべきじゃなかったのよ……。ううう……、お腹すいたよぅ……」
 雅羅は、気づいていませんでした。
 この島に漂着したのが彼女だけではないということを。



「わぁ……! 無人島だぁ……!」
 雅羅がいる浜の反対側の絶壁の上で海を眺めていたルシア・ミュー・アルテミス(るしあ・みゅーあるてみす)は嬉しそうに声を上げました。
 ルシアは、なんとなく誘われるままに船上パーティーにやってきていたのでした。物珍しげにきょろきょろしているうちに、乗っていた船は沈んでしまい、なんとなくこの島に流されて来てしまったようでした。
 気がついたら遭難してしまいましたが、特に気落ちした様子もありません。美しく輝く青い海に目を奪われ満足げです。
 これから何が起こるのか、楽しみな表情で両手を広げ海原に向かって叫びます。
「やっほー!」
「……あまり羽目を外しすぎると、あとで恥ずかしい思いをすると思うわ。案外、誰かが見てるかもしれないし」
 この島の密林を探索していた夏來 香菜(なつき・かな)が、食べられそうな木の実を持って帰ってきました。
 彼女もまたルシアとともにこの島に漂着したのですが、意外にも逞しく衣食住の準備を整え始めています。
「帰らなくてもいいの? みんな心配してるわよ」
「うん、ごめんね。でも、こんな機会めったにないもの。キャンプの用意もできてるし、しばらく町の喧騒を離れてのんびりと暮らしたいなぁ……なんて。わがままかしら……」
「まあ、私も途中ではぐれた暴れん坊を見つけないといけないわけだし、もしかしたら他に遭難者がいるかもしれないし、滞在してもいいんだけど」
 香菜は、荒波に飲まれて行方をくらませてしまったパートナーの消息が気にかかるようでしたが、開き直った様子で微笑みます。
「果物を採ってきたから一緒に食べよ。そのうち、のこのこと私たちの前に姿を見せると思うわ、あの男も」
「ありがとう。後で一緒に密林を探検しようね。他にいっぱい食べ物も見つかるかもしれないし」
「完全にこの無人島に住む気満々じゃない、あなた……」
 ため息をつきながらも、満更ではない口調の香菜。
 二人だけの無人島生活が始まる、のでしょうか……?



 一方……。
『ダイパニック号』の沈没とはまったく無関係で、偶然この無人島にやってきていた無謀な冒険者がいました。
 伝説の『美容にいい果実』の噂を聞きつけて旅をしていたトラベラーの吉井 真理子(よしい・まりこ)が、紆余曲折の末一足先にこの無人島に辿り着いていたのです。自作のイカダで。
 クラスは貧弱ですが、やる気満々です。お肌の色つやと体脂肪が気になるお年頃。なんとしてでも伝説の果実を持って帰るつもりなのでした。
「洞窟見つけたんだけど、一緒に探検してみない?」
<どうして僕がこんなところに……?>
 無理やり一緒に連れてこられたパートナーの吉井 ゲルバッキー(よしい・げるばっきー)は呆気に取られたまま、放っておくわけにもいかずに渋々つきあう羽目になります。
<……ん? 誰かいるぞ……?>
 そのゲルバッキーが、波の打ち寄せる洞窟の入り口近くに倒れている女の子を見つけて近寄っていきます。
「あれ、この子は……?」
 真理子は目を丸くします。
 荒波に打ち上げられ気を失っていたのは、百合園学園の戦うお嬢様イングリット・ネルソン(いんぐりっと・ねるそん)だったのです。
 すでに海中で鮫とでも一戦交えてきたのか、ところどころぼろぼろで、この島に流れ着くまでの苦労がわかるようでした。
 彼女もまた、船上パーティーから沈没事件に巻き込まれ無人島に流されてきたのです。
「昨晩この島にも台風が上陸したみたいだったけど、まさか泳いできたってわけないわよね……」
 激しい暴風雨に見舞われ岩場の陰に潜んで一晩やりすごした真理子は、ぐっしょりと塗れた制服姿のイングリットをそっと抱き上げて不安げに呟きます。
「一体、何があったのよ……? もしかしたら、まだ他に誰かいるかも……」



 かくして、彼らの無人島での運命はどうなってしまうのでしょうか……?


担当マスターより

▼担当マスター

車 修理

▼マスターコメント

 初めての方も、そうでない方もご機嫌いかがでしょうか。
 こっそりと戻ってきました、車 修理です。

 夏はやっぱり海だよね! というわけで、今回は無人島に漂着するお話です。
 事態は結構緊迫していますが、まったりモードも用意しています。
 あらゆる展開に対応します。ガイドをよく読んで検討してください。


◆ここに至るまで
 あなたたちは、船上パーティーに招待され海難事故に巻き込まれました。
 豪華客船『ダイパニック号』は沈没し、さらに想定外の台風の急接近で遭難し無人島に漂着します。
 台風は、二日ほどかけてパラミタを通過していきました。
 持ち物はすべて波に流され、あなたたちは身一つでこの島に上陸します。島に到着したときは、台風一過の快晴です。
 装備欄を変更する必要はありませんが、このシナリオ中は持ち物は全て使えないものと考えてください。
 もちろん、携帯電話やTV、ラジオなど文明の利器の類はありません。
 

◆無人島について
 パラミタ内海に人知れず浮かぶ、地図には載っていない小さな島です。
 南側は浜辺、北側には断崖絶壁がそびえ、島の大半は密林で覆われています。
 人は誰も住んでいませんが、密林には野生の動物がいるようです。木の実やキノコも生えていたりします。
 断崖絶壁の陰に隠れた岩場の奥に洞窟があります。内部構造は未確認です。
 島の近くには、鮫や海モンスターが群れを成して泳いでおり、不用意に近寄ると襲われます。


◆避難した一般人たちは……?
 島に漂着した契約者たちは、その後の彼らの行方を知りません。心配はしているのですが、この島に流れ着いた様子はなく他に手がかりもありません。
 実は、彼らは偶然付近を航行していた正体不明の巡視艇に救出され無事に陸地に到着していますので安心してください。
 操縦していたのは雇われの船員たちで、現在ヴァイシャリーの北東にあるパラミタ内海に面した小さな港に停泊しています。
 

◆参加について
 どの学校の生徒も参加できます。
 無人島で遊ぶもよし、救出を待つもよし、探検するもよし。
 アイテムの持込はできませんが、島ではさまざまな工夫を凝らし、道具を作ることはできます。
 誰にも邪魔されない時間をすごすことができます。

 海難事故は、その日の晩のTVでニュースになります。
 助けに行きたい人もいるでしょう。しかし気をつけてください。台風が上陸しています。対策を立てておかないと、二重遭難になります。

 台風が去った後の捜索においては、この無人島の発見は困難なものとします。近海には似たような島もあり、遭難者たちがどこに漂着したのかもわかりづらいです。
 内海は広く、やみくもに探す場合[1D6+1:2〜7]日経過します。掲示板のサイコロのどちらか小さいほうの出目に+1した数が捜索日数です。望む方はダイスを振ってみてください。
 
 台風が去った今、契約者たちなら捜索隊を待つまでもなく陸まで泳いで帰れます。到着までに三〜四日ほど時間がかかりひどく疲れますが、溺れ死ぬことはないでしょうし、その方が早いかもしれません。どこの岸に辿り着くかは運任せになります。
 わざと溺れて救出されたい人がいても構いません。人工呼吸が必要になるかもしれませんので蘇生の準備しておきましょうね。

 
◆NPCについて
 雅羅は、島の浜辺をうろうろしています。ようやく気を取り直して食べ物を採りに海に入り、大タコの触手に襲われたりするかもしれません。ああ、心配です。
 ルシアと香菜は、密林でキャンプしています。彼女らは順応性が高く、放っておくと島になじんで野生化してしまい(?)帰ってこなくなるかもしれません。
 真理子とゲルバッキーとイングリットは洞窟を探検します。果たして、伝説の果実を見つけることはできるのでしょうか。ちなみに、真理子が乗ってきたイカダは嵐で流されてしまいました。
 香菜が探しているキロスは、まだ海にいます。この海域の主である頬傷のある巨大なシャチのモンスターと戦い勝利の末子分にして海の王として君臨しています。彼は海モンスターを引き連れて、島でくつろぐリア充(?)たちや助けに来た救援隊を襲撃するかもしれません。

*ガイドでは登場していませんが、沈没した『ダイパニック号』のオーナーは、リナ・グレイという名で、カナンに住む一般人の少女です。資産家の両親が早くに亡くなり莫大な遺産を受け継ぎましたが、色々と苦労している様子。彼女が、船上パーティーに招待してくれたのですが、沈没の後は救出されています。
 彼女は、念のため記載しただけで関係する特殊なアクションがあった場合のみ登場します。基本はスルーで問題ありません。

 現在のところ、無人島への救援部隊は正式には結成されていませんし、救助要請も発せられていません。
 一般人たちは無事救出されましたが、契約者たちは特にその必要もなく、島での遊びに飽きたらそのうち自力で帰ってくるだろうと大勢が思っています。
 救援部隊を取り仕切ってみたい方は是非積極的にアクションをかけて下さい。

 ところで。
 百合園学園の桜井静香は、今年の臨海学校のキャンプ地にパラミタ内海を検討しており、少し前から付近の安全確認と現場確保のため密かに調査の船を派遣していたらしいという噂を、あなたたちは耳にします。
 静香は、忙しくて事件にかかわれない他のNPCたちとは違い、ただ一人今回の海難事故をとても心配しています。
 不吉な海難事故が起こったパラミタ内海に生徒たちを行かせていいものか、調査してくれる人を探しています。頼めば、静香が保有している巡視艇を貸してくれるでしょう。
 あれ、でもこの巡視艇って、もしかしてあの……?
 
 
 なお、表記されている以外のNPCは登場しません。


▼サンプルアクション

・無人島で遊ぶ。

・洞窟探検ついでにちょっと戦ってみたり。

・ヒャッハー! 無人島を襲撃してやるぜぇ!

・遭難者の救援に向かう。

・ところで……。『ダイパニック号』は何故沈んだのか……? 海難事故の謎を追う!

▼予約受付締切日 (予約枠が残っている為延長されています)

2013年07月13日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2013年07月14日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2013年07月18日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2013年08月01日


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