天御柱学院

「あれ？　珍しいね、何やってるの？」

　２人暮らしの共同部屋。買い物から帰ったプリム・リリムはムッキー・プリンプト（以下むきプリ君）の背中に声を掛けました。むきプリ君は、すっかり生業と化したホレグスリ作りでもなく趣味の肉体改造でもなく、大人しくパソコンの前に座っています。小さく見える普通サイズのデスクチェアに、むきむきの肉体が押し込まれていました。

「チラシを作っているのだ！　バレンタインパーティーのな！」
「は？　バレンタインパーティー？　誰が？　ムッキーが？」

　振り向きもせずにイキイキと答えるむきプリ君に、プリムは理解が追いつきません。
　イベントを企画してホレグスリをばらまく→ボコられる。
　誘拐騒動を起こしてホレグスリをばらまく→ボコられる。
　身体前面にオイルを塗って海でナンパする→誰にも相手にされない。
　という経緯を辿ってきたむきプリ君がパーティーを開いたとして誰が来るというのでしょう。しかも、よりによってバレンタインとは。
　ボコりに来る正義の使者は来るかもしれません。ホレグスリを求めてやってくる者もいるでしょう。
　ですが、むきプリ君が夢想するハーレムの実現は、どう贔屓目に見ても無理のような気がします。

「ああそうだ！　プリム……、学校でこんな話をした事はないか？　今日、いくつチョコもらった。お母さんから１個もらった、当然カウント。そう、その日にもらったチョコの数を競うという報告だ。絶対に負けられない戦いが、そこにはある！！」
「何か最後のフレーズ、どっかで聞いたことあるんだけど……」
　主にサッカー中継とかで。
　むきプリ君はその些細なツッコミをしっかりと聞いた上で聞かなかった事にし、先を続けます。

「今回はこれまでとは少し違うぞ。表向きは普通にパーティーを行う。ホレグスリのホの字も出さない、主催の俺の名も隠す！　顔も隠す！　バレンタインパーティーだ。客の女は主催者に義理でもチョコを渡してくれるだろう。もらったチョコの数だけは誰にも負けない！　と、自信を持って言えるようになるのだ！　」

　出来上がった画面をプリントアウトし、むきプリ君はぺろん、とその紙を取り上げます。
「ネットでも大々的に宣伝するぞ！」

　そこには、空京の高級ホテルの名前が書かれていました。あ、入ったことある場所だ、と思いながらプリムはチラシを読んでみました。

『♪バレンタインパーティーのお知らせ(○ゝω・)ﾉ♪
　
　空京でバレンタインを楽しもう☆
　たくさんの超高級料理バイキング！
　ゴヂバのチョコレートケーキも食べ放題☆

　彼氏彼女を誘っても、友達同士やソロでの参加も歓迎するよ！
　
　楽しい場所なんだから武器とか持ってきちゃダメだぞっ♪　参加費：１０００Ｇ』


「………………………………」
　あまりの詐欺っぷりに、プリムは言葉を失いました。
「高級料理って、ゴヂバって……、このお金どうしたの？」
　言葉を取り戻しました。とりあえず、ひとつひとつ気になったことを確認することにします。
「もちろん借金だ！　今更多少増えたところで変わらないからな！！！」
「………………………………」
　パートナーやめようかな、とプリムはちょっと思いました。
「参加費から少しは回収できるしな」
　それはそうかもしれませんが。
「女の子のフリしても女の子はチョコくれないよ？」
「今は友チョコというものもあるだろう！　お裾分けと言って持ってくるのではないか？」
「……それなら、くれるのは男子でもいいんだ」
「……！！！！　男は断る！！　俺の魅力に惹かれてしまうのはどうしようもない事だとは思う。そう考えると非常に申し訳ないが……お断りさせてもらうぞ！！」

「…………」
　それは一体、どこから現れる自信なのでしょうか。
（仮に女の子がチョコを持ってきたとして……、その場でムッキーを見たら、みんな持って帰るんじゃないかな？）
　そんな事を思いながら。

　　　　　　　　　　　　　◇◇◇◇◇◇

　…………ということで、空京ではむきプリ君が妙な集会を開くことにしたようです。
　ですが、この日はばれんたいん。
　恋をする人々にとって、大切すぎるほどに大切な日。
　むきプリ君に関わりさえしなければ、思い出に残る１日になるでしょう。
　恋を成就させたり、恋を終わらせたり、デートをしたり、あるいは恋のお手伝いをしたり――

　あなたは、どんなばれんたいんを過ごしますか？

お久しぶりです。沢樹一海です。
むきプリ君について初見の方もいらっしゃると思いますので簡単に説明しますと、

「ホレグスリという媚薬を作ってばらまいている筋肉」です。それだけ把握していれば十分です。

ホレグスリの効果については、マスターページをご覧ください。

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☆重要☆

ガイド本文は単に「空京の一部でこんなことをやってます」という意味でしかありません。
ガイドの雰囲気はコメディになっていますが、コレはコレとして、普通にバレンタインを楽しんでください。
カップルや友人同士のほのぼのとしたアクションもふつーにお待ちしております。こちらは「四季の彩り・春」及び「ぷち」のほのぼのパートが参考になると思います。
過ごす場所も、シャンバラ内であれば基本、特に限定しません。

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ホテルでパーティーに参加したい場合は、以下をご参照ください。↓

☆ストーリーと舞台☆
大量にチョコを貰いたいむきプリ君が、空京で（表向きは普通の）パーティーを開くようです。
ちなみにむきプリ君は当日、女装をして来場者を迎える予定です。バレるとは微塵も思っていません。

このパーティーでは「筋肉を見なかった事にして普通にパーティーを楽しむ」ことも出来ます。
この場合→筋肉関連の事に直接巻き込まれる事はありません（傍観くらいならあるかもしれませんが）。安心して普通にバレンタインを楽しんでください。

他、むきプリ君（とプリム）に絡むことが出来ます。
むきプリ君（プリースト、クラスレベル３０）、プリム（メイガス、クラスレベル２６）
です。※マスペに書かれているのもクラスレベルです。

好きなようにボコ……いえ、絡んでください。大体何でもありです。空気扱いでも勿論構いません。余程の事がない限り、ホテルにいると思います。
ガイドのチラシ（ネット広告）に武器持ち込み不可的なことが書いてありますが、これはむきプリ君の願望なので無視してもいいです。ただし、前提として『会場に来るまでは招待主の正体が分からない』というのがありますので、その辺りはご留意下さい。
　　　　　
参加費についてはシナリオ上の設定であり、実際に所持金から減るとかそういう事はありません。

尚、このシナリオに誘えるＮＰＣですが、
ファーシー・ラドレクト
アクア・ベリル
ラス・リージュン
ピノ・リージュン
他、私のマスペに載っている「現在生存している」名前付きキャラクターが登場可能です。ファーシー達４人は、空京にいます。ファーシーとピノがチラシ（ネット広告）を見て他の２人を引っ張ってきました。別にずっと４人固まっているわけではありませんので、個別アクションも可能です。
彼女達と現在面識がない、という方でもお気軽にどうぞです。

公式ＮＰＣでは上記に加え『キャンペーンシナリオ・グランドシナリオの結果、自由に動ける公式ＮＰＣ』が誘えます。現在の公式ＮＰＣについては、
２０２２年　蒼フロ総選挙！
を参照ください。

公式ＮＰＣを登場させたい場合、登場させたい公式ＮＰＣの人数だけ、ＬＣを追加参加させてください（そのＬＣは参加しません）。
ＬＣが公式ＮＰＣとデートなどを行いたい場合も同様ですが、この場合ＬＣのアクションはＭＣのアクション欄にお書き頂き、ＮＰＣのアクションは追加したＬＣ欄にお書き下さい。
また、ＭＣのアクションに一筆「ＬＣがＮＰＣとデートします」とお書き添え下さい。
この場合、ＭＣがリアクションに登場しなくなりますのでご了承ください。

また、公式ＮＰＣであっても、

・封印されている
・死亡している
・ナラカなどすぐに来ることの出来ない場所にいる

などの場合は呼び出せません。

個別で公式ＮＰＣを登場させる場合は、どうしても描写量が多くなる為の措置となります。ご了承ください。

尚、リアクションの公開予定日は３月９日になります。予めご了承の上ご参加ください

それでは、よろしくお願いいたします。

・好きな人との時間を過ごす。

・友達と楽しく！

・むきプリ君をボコる。