天御柱学院

「ようやく開店ですね、店長！！」
「うむ」
　はしゃぐタングートの料理人　花魄（たんぐーとのりょうりにん・かはく）の隣で、鼠白は重々しく頷いています。

　ここは、ザナドゥのなかでも特異な、女だらけの都。タングート。
　その大通りに面した店には、『紅華飯店』と筆文字も雄々しい看板が下がっています。
　先日の都での戦に伴い、もともと古くなっていた店は半壊してしまいました。それでも営業を続けていくうちに、メインシェフである鼠白が戻ったことや、戦のさなかでの花魄の働きが認められ、みるみるうちに紅華飯店は以前の評判を取り戻しつつあります。
　いくばくかの蓄えもできたということで、思い切って店を以前より大きなものに立て替え、ようやく、今日それが完成したというわけです。
「店長、あの……それで、ご相談なんですが……」
　おずおずと、花魄はとある考えを鼠白に打ち明けました。

　それは、このタングートを守るために協力してくれた地上の人々を、紅華飯店のオープンにあわせて招待できないか、という内容でした。
「なるべくたくさんの方に、招待状をお届けしたいのですが……どうしたらいいでしょう？」
「それなら、親切なお友達に頼ると良いのではないか？」
「……そうですね！　お手紙を届けにいきます！　きっと、しかるべき方にお渡しいただけると思いますし……きゃ！」
　早速手紙を書こうと振り返った花魄は、途端に小石に躓いて転びました。こういうところは、相変わらずのようです。


「タングートのお店から、招待状？」
　花魄からの招待状は、花魄の友人たちを介して、喫茶室にいたレモ・タシガン（れも・たしがん）のところまで届けられました。
　なるべく多くの方に来て欲しい、ということでしたので、ならば今回協力してくれた他校の人々にも届くようにしなければいけません。
「ルドルフ校長に、お願いしないとね」
「……たんグートって、どんナところ？」
　カルマ・タシガン（かるま・たしがん）が小首を傾げて尋ねます。
「んー、少し葦原島とかに似てるかな。でも僕も、あんまり出歩いてはないんだよね」
「カルマの初旅行に、ちょうどいいんじゃないか？」
　カールハインツ・ベッケンバウワー（かーるはいんつ・べっけんばうわー）はそう勧めて、コーヒーを口にしています。
「カールは、どうするの」
「俺は遠慮する。女ばっかりなんだろ？」
　カールハインツが肩をすくめ、首を横に振りました。
「ふぅん。……後で寂しがらないでよね」
「しねぇよ」
　どうだか、とレモは小さく口の中で呟いて、カルマにむきなおりました。
「どんな風になってるのかな、楽しみだね」
「うン！」
　カルマはぎゅっと枕代わりのぬいぐるみをかかえ、嬉しそうに笑うのでした。

　今回は、キャンペーンのオマケ的な、あくまで軽い後日談シナリオです。
　タングートの街を舞台に、紅華飯店でご馳走を楽しむもよし（今回は花魄の招待なので飲食代は無料です）、街を観光するもよし、お好きに楽しんでください。
　みなさんのアクションで、タングートの都に名所ができれば嬉しいです。

　キャンペーンに登場したＮＰＣはお誘い可能です（カールハインツも、嫌がりつつも誘えば着いてきます）。ただし、ルドルフは薔薇の学舎で留守番になります。なお、彼らの現在については、マスターページを更新しておきますので、ご確認ください。

　また、タングートは以前ほど男性に対して風当たりが強くありません。また、キャンペーンでの協力により、パラミタの住人に対しても好意的です。観光程度なら、危ないことはないでしょう。
　とはいえ、基本的に女性のほうが男性よりモテます。

　
以下は、ご注意とお願いです。

・ほのぼのシナリオですので、政治や戦闘関係のアクションをいただいても、不満足な結果になるかと思われます。
・ダブルアクションはご遠慮ください。「ルドルフと話し合ってから、紅華飯店にいってパーティする」などはダブルアクションになります。必ずひとつの行動で、アプローチをお願いします。
・このシナリオでは、同性愛描写がある場合があります。ご了承ください。

・紅華飯店でパーティ

・タングートを観光