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マスター登録日
2010年03月06日
ページ最終更新日
2014年10月12日
作品数
21
得意ジャンル
戦争
>>自己紹介
 コチラは、ゲームマスター 神明寺 一総(じんみょうじ かずさ)の個人ページとなります。

 キャンペーン『四州島記』、無事終了しました!

 最後の外伝、お楽しみ下さい!!(≧▽≦)




 ★☆★ 更新履歴 ★☆★


最新の更新

2014.10.11 −−− 【四州島記 外伝 ニ】〜四州島の未来〜 Q&A


 〜 目次 〜

 ・【四州島記 外伝 ニ】〜四州島の未来〜 Q&A
 ・ 四州島設定
 ・【四州島記】これまでの出来事
 ・ NPC紹介
 ・ アクション判定について
 ・ 自己紹介


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 ★☆★ 【四州島記 外伝 ニ】〜四州島の未来〜 Q&A★☆★


Q.1:
はい!せんせー!質問です!
四州島が舞台のシナリオっちゅうのは分かっとるんやけど、1シーンでも地球での行動をとる事は出来へんのですかね?
俺の実家でやりたい事があるんですが地球での行動が出来ないとその部分を説明だけで補わなアカン事になってまうんで…(^^;


A:
主な行動場所が四州島であれば、一時的に他の場所での描写が入っても構いません。


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 ★☆★ 四州島設定 ★☆★


 【四州と四州公】

 四州島(ししゅうとう)は、葦原島の南、空京の西の虚空に浮かぶ島です。
 その大きさにもかかわらず、四州島の地形は変化に富み、また地方ごとに際立った気候の差があります。
 その理由はよくわかっていませんが、四州島の精霊力のバランスに著しい偏りがあるためだと考えられています。


 四州島は、

 北嶺(ほくれい)
 東野(とうや)
 西湘(せいしょう)
 南濘(なんねい)

 の4つの地方からなります。


 戦国時代にマホロバ幕府の支配下に入った四州島は、幕府の海外交易の拠点として重要な位置を占めていました。
 しかしマホロバが鎖国すると、幕臣たちも島を去らざるを得なくなります。

 島を去るに及び、当時の四州島の代官は選び抜いた家臣たちに
「幕府はいつか必ずこの島に戻ってくる。その方等は島に永住して統治を行い、幕府の帰還に備えよ」
と命じました。この命令の裏には、当時の葦原の姫に下った
「幕府はいつか必ず鎖国を解き、この島に戻ってくる」
という『御筆先』の存在があったとも言われています。
 ともかく幕府は四州島から去り、残った家臣たちもマホロバに倣い、国を閉ざしました。
そして島は『四州公(ししゅうこう)』と呼ばれる四家によって、分割統治されることになったのです。
 2020年に葦原島に明倫館が開校されることになった際、四州島もマホロバ幕府に復帰することになりました。四州は改めて、四州公を藩主とする藩となったのです。
 四州公は、島が幕府の統治下に入った後も、四州島の実質的な支配者として君臨しています。

 現在の四州島には、日本やアメリカといった地球資本も進出している他、小規模ながら米軍も駐留しています。


 【北嶺と北州公】

 北嶺は北嶺山脈の麓にある、山深い地です。四州でも特に気候が寒冷な地で、冬には深い雪に包まれます。
 この気温と、山がちな地形のために穀物の生産は盛んではなく、人々は狩猟や造林、木工など、
山の恵みに頼って生活しています。
 北嶺藩では最近、主に地球向けに木材の輸出を開始した他、地球資本による鉱山の開発の話なども持ち上がっているようです。

 現在の北州公は峯城 妙(みねしろ・たえ)(96)という老女です。
 彼女は先代の北州公である夫の死後、60年以上に渡って北州公の地位にありますが、最近は公の場に姿を現すことは滅多に無く、政務は専ら孫の雪秀(ゆきひで。せっしゅうとも)(25)が代行しています。

 領内にある北嶺山脈の白峰には、白峰輝姫(しらみねのてるひめ)という神が鎮座しており、その祭祀に携わる巫女たちを束ねる存在が、斎宮(いつきのみや)です。
 この斎宮は、つい最近まで峯城妙が藩主と兼務していましたが、最近雪秀の妹の峯城 雪華(みねしろ・せつか)(18)にその座を譲りました。

 また北嶺は現在、白峰輝姫の力の暴走による大寒波に見舞われており、甚大な被害が出ています。

 【東野と東州藩】

 戦国時代の東野には一面の原野が広がっており、そこでは軍馬を始めとする家畜の放牧が盛んに行われていました。
ここで育てられた軍馬は東洲馬と呼ばれ、遠くマホロバまで輸出されていました。
 しかし鎖国によって馬の需要が失われた結果、この原野は大きくその姿を変えることになります。
 鎖国がもたらした平和によって存在意義を失った侍たちは、刀を鍬に持ち替え、ひたすら原野の開拓に勤しんだのです。

 北嶺の南に広がる広大な東野平原には、冬の間北嶺に降り積もった雪が雪解け水となり、幾筋もの川となって流れ込んでいます。
この豊富な水資源を利用して営々と灌漑が進められた結果、東野は四州島全体の消費量を上回る収量を誇る、一大穀倉地となったのです。
 東野には、古王国の遺産を利用した巨大な穀物庫があり、この穀物庫に保存された穀物は一切品質が劣化することなく、何年でも保存することが出来るのです。
 また、牧畜自体は現在も行われており、特に軍馬の質の高さはつとに有名です。
 人口の多い東野には、小売業を中心とした地球資本が進出している他、安価で豊富な労働力を目当てに工場などの建設も進んでいます。
 また東野には、在留邦人の保護を目的とするアメリカ海兵隊の駐屯地『キャンプ・コートニー』があります。

 現在の東州公は広城 豊雄(こうじょう・とよたけ)(60)。
 父の死に伴い若干20歳で家督を継ぎ、以後40年に渡り当主を務めて来ました。
 政治的識見、手腕、人柄全てにおいて声望を集める老練な政治家でしたが、初春宴に出席中、葦原城内で倒れ、危篤状態に陥りました。
 このため、後継者を選ぶための四公会議が開かれましたが、その最中に奇跡的に意識を取り戻し、ただ一人の実子雄信(たけのぶ)(22)を次期藩主に指名しました。



 【西湘と西湘公】

 西湘を特徴付けるのは、南濘に端を発する大河濘河(ねいが)と、西湘の面積の1/3を占める湖、太湖(たいこ)です。
 水に恵まれた環境であることから、西湘では古くから漁業と水運が発達しました。
太湖のほとりにある西湘は、北嶺や東野の産物を出島のあった南濘へと運び、南濘からの輸入品を北に運ぶ、物流の中心地でもあったのです。
 しかしその後東野の開発が進んで経済の中心が移り、しかも鎖国も解かれた今、四州島の中でのその地位は急速に低下しています。
 その一方で、幕府時代に四州島の首府であった西湘には、自らの土地と出自に誇りを持つ人々が多く、このため西湘への地球資本の進出は進んでいません。
 唯一、風光明媚な水景と歴史ある文化財を売り物にした観光業のみが、細々と行われています。

 現在の西湘公は水城 永隆(みずしろ えいりゅう)(180)。生粋のマホロバ人である永隆は、
百数十年に渡り当主の座に座り続けています。
 既に老境に達したにもかかわらず、未だ精力的に政務を執り続けている彼ですが、西湘を離れることを極端に嫌うため、
外交のみ曾々孫の薫流(かおる)(28)に任せています。

 また薫流には異母兄隆明(たかあき)(32)がいますが、彼は四公会議で次期藩主の座を広城雄信と争って敗れたのち、藩に対して謀反を起こした東野藩主の重臣、九能茂実(くのう しげざね)の軍に身を投じ、反乱軍の盟主となりました。
 今では少しでも多くの兵を集めようと、東野藩の武士たちの切り崩しに余念がありません。



 【南濘と南州公】

 「泥濘」という言葉もあるように、「濘」という字には、「ぬかるみ」という意味があります。
そしてその字が表すように、南濘はその大部分が湿地に覆われた未開の地です。
 このため南濘の人々は、島の外に活路を求めました。つまり外国との貿易と、そして空賊行為です。
南濘公も、元を辿れば空賊の頭目に過ぎませんでした。
 幕府の支配下に入った後は流石に空賊行為は行わなくなりましたが、貿易は盛んに行われました。
鎖国した後も、南濘の出島では例外的に外国との貿易が行われていたのです。
 北嶺や東野の産物に加え、香料や薬草といった、南濘の湿地にのみ自生する珍奇な産物が、盛んに輸出されました。
 
 鎖国が解かれた今、貿易におけるこうした独占的な地位は失われましたが、その進取の気性は未だ失われていません。
 現在南濘では地球資本による開発が盛んに進められており、香料を取り扱う商社や、特産の薬草などを原料に薬品の製造開発に携わるバイオ企業などが存在しています。

 この他南濘には、四州島と空京や葦原島との航路を保護するために、最近アメリカ海軍の基地が造られました。
 この基地には、大型飛空艇を改造した空母一隻を基幹とする、小規模な空母部隊が母港としています。
 また南濘の湿地帯には、鎖国する際に封印処分になった飛空艇やイコンが幾つも沈んでおり、これらの発掘が米軍と共同で進められていましたが、最近ようやく一隻がサルベージされ、現在急ピッチで修復が進められています。

 現在の南濘公は鷹城 武征(たかしろ・たけまさ)(36)。先祖である空賊の気風を色濃く受け継いだ、豪放な人物として知られています。

 また現在南濘は異常な熱波に見舞われており、作物が枯れたり、広大な湖沼地帯が干上がりつつあるなど、徐々にその影響が出始めています。


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 ★☆★ 【四周島記】 事件リスト ★☆★

 このリストは、改めて【四州島記 完結編】を始めるに辺り、これまで起こった大きな出来事についてまとめたモノです。
 シナリオ参加への判断の一助として、そしてアクション作成時の参考にして頂けると幸いです。


●東野公暗殺未遂事件と、四州開発調査団

 葦原藩の葦原城にて催された、『初春宴(はつはるのうたげ)』の席上、東野藩藩主広城豊雄(こうじょう・とよたけ)(60)公が突然倒れ、瀕死の重体に陥りました(公には、東野公は死亡したと公表されました。更なる暗殺をさけるための処置です)。

 東野公が、外国資本による開発受け入れを表明した直後の暗殺劇であった事から、東野藩の開国に反対する勢力による犯行が疑われました。
 この事態に対し、マホロバ幕府の前将軍鬼城貞継は、暗殺の首謀者についての調査を、五十鈴宮円華に依頼。
 円華の後見人である御上真之介は、四州島の経済開発の可能性について調査を行う日本の民間調査団(といっても、当然政府の肝いりですが)『四州開発調査団』を隠れ蓑に、東野で極秘裏に捜査を行う事を提案しました。

 調査団は、東野藩を皮切りに四つの藩を順番に調査する予定でしたが、東野藩で内乱が勃発し、他の藩も情勢不安定な事からこれ以上の調査は不可能と判断。解散となりました。

 東野公はその後、奇跡的に意識を回復。私室で飲んだ酒に毒が盛られていたのではないかと証言しました。
 そこで東野での調査で得られた知見に基づき、改めて検査が行われた結果、公の血液のサンプルから未知の成分が検出されました。この成分は、四州島にのみ自生する植物から取れる未知の毒素であったため、最初の検査では発見出来なかったのです。
 公に毒を盛った犯人については捜査が進められていますが、有力な証拠がなく、難航しています。

 また公自身は今も、地球のとある病院に入院しており、厳重な警備の元治療が続けられています。



●東野藩の洪水被害

 昨年、東野藩は未曽有の集中豪雨に見舞われ、藩内各地で洪水が発生。大きな被害が出ました。
 東野公は被災した領民に多くの食糧や金銭を放出。それにより飢饉の発生は防がれましたが、その結果、藩の蓄えは半減しまいました。
 しかし実際には、この援助物資の多くが横領されて反乱軍の手に渡り、兵糧や軍資金として使われていたのです。



●お狩場事件

 東野には、マホロバ将軍専用の狩猟場として、部外者の立ち入りが禁止されている禁足地「お狩場」が存在します。
 茂実は、このお狩場特有の秘匿性を利用して、この地で密かに武器を蓄え、兵を養っていました。
 洪水によって発生した流民や浪人を受け入れて私兵化し、さらに駅渡屋という商人と結託して、島外から近代的な銃火器を密輸入していたのです。

 この事実を突き止めた調査団は一斉取り締まりを実施しましたが、私兵たちの指揮官長谷部忠則はいち早くこの動きを察知してお狩場を脱出。遠野の茂実の軍と合流しました。
 
 またこの取り締まりの際に、駅渡屋が密輸した大量の武器弾薬が何者かによって強奪される事件が発生しましたが、この事件の犯人についても詳しい事はわかっていません。

 また、調査団に逮捕された駅渡屋の証言(彼は捜査への協力を条件に罪一等を減じられ、終身刑となりました)によって、東野に駐屯している海兵隊の大尉が、密輸に深く関与している事が明らかになりました。



●海兵隊とエリック・グッドール

 東野には、『キャンプ・コートニー』というアメリカ海兵隊の基地があります。
「東野の在留邦人を保護するため駐屯している」というのが建前ですが、そもそもが南濘に駐屯する海軍に対抗して、上層部が無理やり派遣したという経緯があるため、かろうじて基地のま体裁を保てるだけの装備と人員が確保されているに過ぎません。

 この基地に所属しているエリック・グッドールという大尉は、以前から不審な行動を取っていたため、複数の調査団員によりその動向が調査されていましたが、駅渡屋の帳簿や証言から、裏で大量の武器密輸に関与していた事が判明しました。彼は駅渡屋や、東野に出入りしている米国系商社を利用して、茂実に大量の武器を流していたのです。
 彼のこの行動が、単に個人的な利益を追求しての事か、それともより高位の存在の意思に基づくものなのか。それがわかるよりも早く、彼は逃亡し、行方をくらましてしまいました。

 その後海兵隊の基地司令マイク・カニンガム大佐による調査の結果、エリック・グッドール大尉は、数年前の作戦でMIA(Missing in Action、戦闘中行方不明)となった後、数ヶ月前に生存が確認され、軍に復帰していた事が判明。
 しかし、軍のデータベースに登録されている彼に関する情報は、顔写真や身体情報も含めて、全て改竄されていました。MIAになる前の彼と現在の彼は、全くの別人だったのです。

 東野藩の忍びの報告によると、最近エリックは西湘に入国したらしく、彼等は今全力でその足取りを追っています。
 また、現在東野に向けて進軍中の西湘の軍隊も、既に茂実軍同様に近代化が進んでおり、これは長年開国に反対してきた西湘藩としてはまさに異例の事です。
 この事から、西湘藩へ武器を提供したのはエリックではないかと疑われています。



●広城の犯罪組織の淘汰と統一

 広城には旧市街と新市街にそれぞれ犯罪組織が存在し、長年に渡り抗争を繰り広げて来ましたが、調査団が広城に入って数日で、その統合が一気に進みました。
 東野藩に入り込んだテロリスト――これまでもシャンバラ各地で、テロ行為を繰り返してきた人物です――が、これら犯罪組織を片っ端から力づくで屈服させたのです。その結果、広城の犯罪組織は全て崩壊に追い込まれました。

 このテロリストは、支配下に置いた犯罪者たちを連れて広城を脱出。西湘との国境に近い太湖(たいこ)沿岸の洞窟を根城にし、更なる勢力の拡大を図っています。



●亡霊と首塚大神と東遊舞

 調査団が東野に来る少し前から、東野の各地では、幽霊が多数目撃されるようになっていました。
 これについて調査を行った所、幽霊の目撃談が多いのは、かつての古戦場や祠、それに神社など、いずれも曰くありげな場所ばかりでした。

 その後、東野藩に伝わる首塚大神の伝説について調査していたメンバーが、四州島における最後の内乱の戦場となった中ヶ原において、亡霊に襲われる事件が発生。この亡霊たちは、予め仕掛けられていた罠によって、喚び出されたものでした。

 また襲撃後に現れた幽霊は、ある男が、首塚明神の祠に安置されていた御神体と、首塚の下に埋められていたモノを持ち去り、更に首塚に鎮まっていた亡霊たちを支配下に置いた事をメンバーに伝えました。

 このような、神社や祠を破壊したり穢したりする行為は東野の各所で起こっており、ついには、首塚大神を祀る社の総本社である首塚大社に侵入者があり、御神体である大磐座(おおいわくら)を汚すという事件まで起こってしまいました。
 この時には、御神体が穢されたことに怒った首塚大神が眷属をつれて顕現、社内を暴れまわってあわや一大事となる所でしたが、怨霊を慰撫する力を持つ舞「東遊舞」によって慰撫され、姿を消しました。

 しかしその直後に、大神の生まれ変わりを名乗る少年が突如として現れ、一同を驚かせます。
 その少年はその後、本人の意志もあって調査員と行動を共にする事になりましたが、ある日突然一気に10歳近く成長するなど、早くもその超常能力の片鱗を見せ始めています。



●東野で操業する外国企業

 暴動の標的となった外国企業以外にも、東野では日本とアメリカの企業が幾つか活動しています。中でも三益(みます)にある東洋縫製という企業の工場は成功例として知られ、労働者である東野の人々との関係も非常に上手く行っています。
 しかし三益は印田や遠野からそう遠くない所にあるため、暴動の標的にされたり、遠野の戦いに巻き込まれたりする危険性を指摘する声が跡を絶ちません。
 ですが、工場の責任者も労働者たちも皆、操業を停止するつもりは全くありません。調査団のメンバーの協力も仰ぎながら、少しでも長く操業が続けられるよう、不測の事態に備えています。



●農民暴動と御上真之介暗殺事件

 東野には日本やアメリカから幾つかの企業が進出して、工場などを操業していますが、その内の一つ、印田(いんでん)にあるアメリカ企業の建設中の工場で、暴動がありました。
 用地買収に不正があったとして、土地を奪われた農民たちが、工場の立退きを求めて工場に押し寄せたのです。

 この騒ぎの最中、余興として行われたプロレスで、農民側の選手が死亡した事をきっかけに農民が暴徒化。
 工場を守る警備隊と武力衝突に発展して、多数の死傷者が出ました。
 しかしこの衝突を頂点として、何故か農民たちの活動は急速に沈静化していきます。

 その後御上が調停に乗り出し、農民側の代表、大倉定綱、そして仲介役の御上という三者の間で会談が持たれ、「大人しく解散すれば、一切お咎め無し」という調停案を農民側が承諾。三者固めの杯が交わされる事になりましたが、この会談は農民側の罠でした。
 皆の盃には、毒が盛られていたのです。

 農民側の代表は死亡(定綱たちを罠に嵌めるための、覚悟の上での自死と思われます)。幸い定綱は軽傷で済みましたが、御上は毒に加えて何者かの呪詛も受けていたために危篤状態に陥り、その後数週間に渡って、生死の境を彷徨う事になります。

 その後の調査によって、この暴徒化した農民たちの多くは立退きを迫られた農民ではなく、東野の各地から集められた人々であり、会談に出席したリーダーが死亡した後は、憑き物が落ちたように大人しくなり、解散しました。彼等には、彼等をここまで連れてきた扇動者や、さらにその扇動者たちのリーダーとして、遊佐堂円(ゆさどうえん)という人物がいた事が確認されていますが、その正体や行方については、今に至るも全くわかっていません。 
 扇動されていた農民ですが、一揆を起こしていた間の記憶は非常に曖昧で、「半ば熱に浮かされていたような状態だった」と話しています。



●北嶺山脈と白峰輝姫(しらみねのてるひめ)

 四州島を南北に貫き、北嶺藩と東野藩の境にもなっている北嶺山脈。
 その北嶺山脈では一際高い白峰(しらみね)は、白峰輝姫を祀る霊山として知られ、山それ自体がご神体として、巫女以外の立ち入りが一切禁じられています。
 北嶺藩主峯城家は、先祖代々その一族から、藩主の他に白峰輝姫を祀る巫女の総責任者、斎宮(いつきのみや)も輩出してきました。

 その白峰に、御上に盛られた毒の解毒剤となる『シラミネイワカズラ』と、危篤状態にある東野公の治療の役に立つ薬草『ミヤマヒメユキソウ』が自生している事を知った五十鈴宮円華たちは、白峰の立ち入りの許可を北嶺藩に求めます。
 薬草によって東野公が回復すれば、東野の安定につながると考えた北嶺藩は、これを了承。ミヤマヒメユキソウが薬効を発揮するには、『白雪の想い』という特殊な術をかけた上で、東野公の回復を祈りながら花を手折る必要が有るため、多くの東野藩の領民がミヤマヒメユキソウを求めて白峰を登る、一大登山行が決行されました。
 途中、九能茂実の配下による襲撃などもありましたが、一行は無事薬草の自生地に到着。二種類の薬草を手に入れる事が出来ました。
 解毒に成功したことにより、御上の容態は急速に回復。3週間ほどで復帰することが出来ました。
 また東野公も奇跡的に意識を回復し、後継者に雄信を指名する事になります。

 このように登山行が成功を収めた一方で、白峰では深刻な事態が起こっていました。
 何者かによって、白峰に施されていた結界が破壊されてしまったのです。
 犯人は、登山者に紛れて白峰に入山した後、一行から抜け出して山の奥深くに侵入。結界の破壊を行ったものと思われますが、これにより抑えの効かなくなった白峰輝姫の雪と氷の力が暴走。北嶺を異常な寒波が襲ったのです。

 また、このような結界の破壊は、北嶺山脈から枝分かれして東野藩内を走る北嶺山地でも発見されており、いずれも同一犯――恐らくは由比景継――の手による者と考えられています。



●四公会議

 東野公が後継者を指名せず死亡した(と一般には公表された)事から、四藩の代表が集まって次期藩主を選ぶ、四公会議が開催される事なりました。
 四公会議とは、四州島の命運に関わるような重大事を決定する時のみに開かれる、非公開の会議です。

 藩の重臣九能茂実は、隣国西湘公の玄孫で、東野公の妹を母に持つ水城隆明を次期当主に推挙。
 これに対し大倉重綱たちは東野公の落胤である雄信を推挙しようとしましたが、雄信は何者かによって誘拐され、行方不明になってしまいます。
 そこで「雄信が見つかるまでの間」という条件で影武者が立てられましたが、DNA鑑定を要求され、窮地に陥ってしまいます。
 一時は、隆明が後継者に決まったかに見えましたが、行方不明だった雄信が突如会議の場に現れた事により、情勢は一変。
 さらに、意識を取り戻した東野公が雄信を後継者に指名した事により、他の2藩も雄信支持を表明。雄信が後継者となりました。

 その後、雄信の証言などから、彼を誘拐し監禁していたのは西湘藩の手の者である事が判明(ちなみに隆明はその事実を知りませんでした)。重綱たちは隆明を拘束しようとしますが、いち早く首府を脱出した隆明は、茂実の元に逃げ込みました。



●九能茂実の反乱

 遠野大川を拠点とし、家臣として最大の知行を有する九能茂実は、極端な守旧派であり、東野公の開国政策に一貫して反対してきました(これには東野公が、代々九能家が占めてきた筆頭家老の地位を、自分の近臣であった大倉重綱に与えた事に対する恨みもあったのでは無いかと言われています)。
 のち茂実は、逃亡してきた隆明を迎え入れると、彼を旗印とし、公然と謀反を起こしました。



●由比景継の動向

 強力な死霊術師であり、五十鈴宮円華の仇敵でもある由比景継が、この東野において活動している模様です。
 御狩場における戦いでは、東野において初めて契約者との交戦が行われましたが、この契約者は、五十鈴宮円華と敵対する由比景継に送り込まれた可能性が高いと見られています。
 また、由比景継の腹心である三田村掌玄(みたむらしょうげん)の姿が東野内で確認されています。

 この他、御上の暗殺未遂や東野や北嶺における結界の破壊などにも、景継が関与しているのではないかと見られています。


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 ★☆★ NPC紹介 ★☆★


【御上 真之介】みかみ・しんのすけ
【五十鈴宮 円華】いすずのみや・まどか
 
 この2人は、NPCとしてデータが登録してありますので、そちらを参照してください。


【神狩 討魔】かがり・とうま

 代々五十鈴宮家の身辺警護を勤めてきた、神狩家の嫡男。『討魔』とは、神狩家に伝わる一子相伝の秘剣を体得した者のみが、
名乗りを許される名である。

 この秘剣は、実体を持たぬ存在に対し絶大な威力を発揮し、文字通り『神を狩り魔を討つ』事ができると言われる。
本来は、五十鈴宮家の巫女が術を誤って、邪悪な存在と接触してしまった場合にのみ使われる物だが、討魔はより積極的に使っているようだ。

 誠実で優しい性格だが、ぶっきらぼうな物言いから、冷たい人物との誤解を受けやすい。
 竹馬の友でもある円華に、己が剣とその命を捧げている。

(外見)
 身長178cm、体重68kg。
 実年齢は円華と同じだが、老成しているため、20代後半ぐらいに見える。
 眼光鋭い、涼やかな美男子。長い黒髪を、無造作に後ろで縛っている。



【なずな】

 代々五十鈴宮家にお庭番として仕える一族の出身。常に飄々と振舞うため一見ちゃらんぽらんにも見えるが、非常に有能にであり、かつ任務にも忠実。特に変装を得意とする。

 非常に裏表のある性格で、普段はおっとりとした可愛らしい口調で話すが、ひとたび激昂すると非常に口汚くなる他、
敵に対しては徹底的に無慈悲かつ冷酷に振舞う。

 また、なずなの一族は五十鈴宮家の遠縁であり、彼女にもわずかではあるが霊能力がある。彼女自身は術を使う事は出来ないものの、
円華に術のエネルギーを供給する事ができる。

 円華・討魔とは竹馬の友であり、円華を『お嬢様』、討魔のコトは『若』と呼ぶ。
 討魔への想いを公言してはばからないが、それが決して叶わぬモノである事も知っている。

(外見)
 身長156cm、体重43kg。スリーサイズは86・58・87のDカップ。
 円華より、1歳年上。
 「瞳の大きい、クルクルと表情のよく変わる目に猫口」という、非常に愛嬌のある顔をしている。
 瞳の色・髪の色は共に黒。髪は長く伸ばし、後ろで束ねている。



【宅美 浩靖】たくみ・ひろやす

 地球出身の元軍人。
 陸上自衛隊を皮切りにアメリカ海兵隊や各国の外人部隊を渡り歩き、つい最近までシャンバラ教導団に在籍していたという
異色の経歴の持ち主。その軍歴は30年以上に及ぶ。

 第一次二子島紛争で、その手腕を見込んだハイナよって二子島攻略部隊の司令官に抜擢。
金鷲党の奇策に翻弄されつつも、辛くも戦いを勝利に導く。

 第二次二子島紛争には、空賊をおびき寄せるための囮の輸送船の船長として参加。
司令部を離れた御上たちに代わり、なし崩し的に作戦全体の統括に当たる。

 合理的精神と長い経験とに裏打ちされた、的確かつ大胆な采配とには定評がある。
 また無意味な損害を極端に嫌い、拷問を忌み嫌う人道主義者でもある。
 戦場を一歩離れれば、パイプとウィスキーをこよなく愛する、気のいいおじ様である。

 幾つかのシナリオを経て、
「好き放題に生き過ぎた挙句、心配疲れした娘に勘当され、孫娘と会えなくなってしまった」
という追加設定がついた。



【由比 景信】ゆい・かげのぶ

 故人。
 五十鈴宮家前当主の知信(とものぶ)と当主の座を争って敗れ、恋人であった純華(すみか)を奪われた上、半ば強制的に臣下筋の由比家に婿入りさせられる。

 由比家は代々五十鈴宮家の家宰(かさい:その家の一切を主人に代わり取り仕切る役職)を務める家柄であり、景信も病弱な知信に代わって、五十鈴宮家の一切を執り仕切ると共に、円華の後見人を務めた。

 実は、円華の本当の父親であると共に、葦原藩の反体制武装勢力『金鷲党(きんじゅとう)』の思想的指導者、遊佐 堂円(ゆさ・どうえん)でもあった(『過去シナリオ概略 【金鷲党事件 一】 〜『絆』を結ぶ晩餐会〜』も参照の事)。

 第一次二子島紛争で死亡した後も、霊魂のみの姿で二子島に留まり続けていたが、第二次二子島紛争で全ての力を使い果たしてしまう。最後は娘を御上と友人たちに託し、天へと召されていった。



【五十鈴宮 知信】 いすずのみや・とものぶ
【五十鈴宮 純華】 いすずのみや・すみか

 共に故人。
 知信は五十鈴宮家の前当主で、由比景信の異父弟。円華にとっては、表向きの父に当たる。
純華は円華の母で、景信の元恋人。知信の妻となった時既に、景信の子である円華を宿していた。
 知信は景信の死の直前に、持病が元で死去。そして純華も、景信の後を追うように癌で死去した。



【海棠】 かいどう

 なずなの父であり、忍術の師。その変装の腕前は娘以上。
 長い間死んだ景信の影武者を務めていたが、御上が正式に円華の後見人となった事によりその任務から解放され、ホッとしている。
 最近では御上の影武者となるべく、研究に余念がない。



【由比 景継】 ゆい・かげつぐ

 由比家の分家出身の男。当時の由比家当主には男子がなかった事から、次期当主と目されていたものの、
知信の横槍によって、その座を景信に奪われてしまう。

 これに不満を持った景継は、藩の重鎮に裏工作を試みようとするが、これを察知した海棠に刺客を差し向けられる。
 重傷を追いながらも奇跡的に逃げ延びた景継だったが、五十鈴宮家と葦原藩を憎悪するあまり精神を病み、
自分を認めようせず、あまつさえ自分の存在を消そうとさえした世界全てを憎むようになる。

 真の狂気へと至った景継は、狂人のみが持ちうる直感的な叡智に導かれ、失われて久しい死霊術の秘儀を発見。
恐ろしいまでの執念でこれを体得すると、五十鈴宮家と葦原藩への復讐に乗り出す。

 その手始めとしてハイナ・ウィルソンの呪殺を画策。
 死霊術に必要な膨大なエネルギーを手に入れるため『第二次二子島紛争』を起こすが、結局力の獲得には失敗。
 現在は四州島に潜伏し、力の源となる「恨みを抱いて死んだ者の魂」を得るために、世界に死と破壊を撒き散らすべく、暗躍しているものと思われる。

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 ★☆★ 自己紹介 ★☆★


 政治・軍事・経済的要素のあるお話を書くのが好きです。陰謀モノというか。
シナリオでも無駄に伏線張って、あとでウンウン唸りながら必死に消化するようなコトがあったりなかったり……(笑)
 得意ジャンルと言われると悩みます。この手の『陰謀モノ』というシナリオジャンルが蒼フロにはないので……。

 シナリオでは、必ずシナリオガイドやサンプルアクションでも一切触れていない「伏兵」を、必ず一つは出すようにしています。
 自分のシナリオに参加される方には、是非その辺りの「読み合い」や「意外性」を楽しんで頂けたらな〜と思っております。


「ひたすらリアリティを積み重ねて行った所に見えてくる、凄味」
 あるいは、
「ひたすらお約束を積み重ねて行ったトコロで感じられる、快感」
 を表現できたら、と思っています。


 オリジナルのNPC『五十鈴宮家円華』『御上真之介』の登場するシナリオを中心に執筆しています。
 現在は、新たに設定した『四州島』を舞台としたキャンペーンを展開中です。


 感想スキーです。リアクション公開後しばらくは、毎日欠かさず感想掲示板をチェックしています。
好評不評にかかわらず、何か書いて頂けると非常に喜びます。
 掲示板はプレイヤーさんのナマの意見が聞ける数少ないチャンスですので、大切にしています。 
自分のやる気に繋がりますし、何より参加して下さるプレイヤーさんあってのマスターですからね♪

 そのお礼、という訳ではないですが、個別コメントは出来る限り書くようにしています。


 
 ツイッターをしてます。アカウントは『@jinmyoji』です。主に蒼フロ関係のお知らせを発信しています。

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 ★☆★ アクション判定について ★☆★


 「判定が甘いか厳しいか」と聞かれれば、恐らく厳しいのだろうとは思いますが、よくわかりません。
 ただ「シリアスなシーンでは合理性を重視し、ギャグシーンの場合はお約束を重視する(笑)」
という基準がありますので、覚えておくと役に立つと思います。


 アクションの成功失敗は、パラメーター、《スキル》と《特技》、【武装(アイテム)】、そして具体的なアクションの記述を
総合的に勘案して決定します。
 個人的に一番気をつけて頂きたいのは《スキル》と《特技》です。

 例えば爆発物の解除を行わなくてはなった時、壁に貼りつけてある爆弾を引き剥がすだけなら誰でも出来るでしょうが、
起爆装置そのものを分解して無効化するというのなら、適切な《スキル》か《特技》が不可欠です。 


 ダブルアクションは原則禁止です。複数のアクションが書かれていた場合には、基本的に一番最初に書かれているアクションを採用して、それから後の記述は不採用とします。
 ただ、自分は合理性を重視しますので、一度登場したキャラクターでも、必要があれば何回でも出しますし、
他に適切な人がいなければ、同じキャラクターに何回も活躍して頂くこともあり得ます。

 ですので、もし字数と時間に余裕があれば、何か書いておくといいかもしれません。


 最後もう一つ。「シナリオが開始前に、事前に○○しておいた」というアクションは、不採用になる可能性が高いです。
「他のPCに先回りして、敵を倒しておいた」とか「(初登場の)NPCと前から友人である」というようなアクションは、
結果的に他のPCの活躍の場を奪うことになったり、著しい不公平を招く事になってしまうからです。

 《根回し》のような、事前の使用を前提としたスキルもありますが、根回しなら「実際のアクションの判定を有利にするだけ」など、
その効果は非常に限定されたものです。

 せっかくのアクションが、こういった理由で不採用になるのは勿体ないですので、くれぐれも注意して下さい。