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合コンしようよ

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合コンしようよ
合コンしようよ 合コンしようよ

リアクション

 
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「ああ、呑気に、歌なんか歌ってるのもいるしぃ。どこかに金づるは……」
 お菓子をぱくつきながら、リリ・スノーウォーカーが参加者のプロフィールを必死に検索し続けていた。
「アーサー・レイス? あのカレー魔人であるか」
 目の前にいつの間にかおかれていたカレーを見つめて、リリ・スノーウォーカーがつぶやいた。
「トレーダーと言うことは、カレースパイスで一儲けしているかも……」
 可能性と言うよりも、儚い希望を込めてリリ・スノーウォーカーが、アーサー・レイスを探してみた。
「さあ、このホットディアボロスカレージュースを一気に飲んでくだサーイ。その後で、リンちゃんの美味しい血を……」
「誰が吸わせるかあ!」
「うぼあっ!!」
 無理矢理カレー味のラムネを飲ませようとしたアーサー・レイスが、スカートをお猪口にしてリン・ダージが放ったドロップキックをまともに顔面に受けて吹っ飛んでいった。
「ないわ、やっぱり……」
 そうつぶやくしかない、リリ・スノーウォーカーであった。
 
    ★    ★    ★
 
「えっ、一人倒れた?」
 面倒くさそうな日堂真宵の報告で、シャレード・ムーンが大谷文美を救護にむかわせた。
 現場は一面血の海だ。
「コハクー、しっかりしてー。鼻血噴くにしても、他の女の子で噴かないで〜」
 少し嬉しそうに倒れているコハク・ソーロッドを、小鳥遊美羽が掴んでブンブンとゆさぶっていた。
「ああ、血が止まらないからあ。振り回すのはやめて、やめてえ!」
 飛び散る血飛沫に、大谷文美は雷霆リナリエッタとともにあわてて止めに入っていった。
 
    ★    ★    ★
 
「ああ、ネルソンさんだあ。もしよかったらサインと、何か一言書いてもらいたいですうさ〜」
 パビモン・リラードを捜すティー・ティーだったが、先にホレーショ・ネルソンを見かけてすかさず色紙を出してサインをねだった。
「渋いおじさまにサインを求めるだなんて、駄うさぎも侮れませんわね」
 それを見たイコナ・ユア・クックブックが、負けるものかと、ちょっとホレーショ・ネルソンにウインクをする。けれども、求められるままにサインをしていたホレーショ・ネルソンはまったく気づかなかった。
 
    ★    ★    ★
 
「まあ、イコンを自分で管理しているの!? それは、凄いよね」
 ミネッティ・パーウェイスが、ちょっとわざとらしい口調でエヴァルト・マルトリッツを褒めた。なにしろ、所持金300万超えの男である。ここはぜひとも貢いでもらわなければ。
 
「なんと、エヴァルトが、女の人としゃべってるわ! これは、予想外の展開ね」
 それを見つけたアドルフィーネ・ウインドリィが、わくわくと事の行方を物陰に隠れながら見守った。エヴァルト・マルトリッツからは見えないものの、他の参加者からしたら、テーブルの陰にしゃがみ込んでちょっとお尻をツンと突き出したアドルフィーネ・ウインドリィの姿は思いっきり不審者だ。
 
「ああ、ギルド関係を通じて、通常のメンテナンスはしてもらっているが、やはり、正式のメンテナンスは蒼空学園の方でやってもらうしかないな。とはいえ、いろいろと趣味の部分は自分たちでカスタマイズしているので、意外と金がかかるんだ。蓄えも、そのためってとこかな。なにしろ、イコンで俺の格闘の技を使えるようにしたいんで、いろいろと……」
「は、はあ。大変なんだね。じゃ、じゃあ、イコンの話はまたそのうちで……」
「い、いや、格闘の話もできる……。あれっ!?」
 これは女なんかに金は使わないなと感じたミネッティ・パーウェイスが、さっさとエヴァルト・マルトリッツに見切りをつけて離れていった。
 
「ぷぷぷぷ……。予想通りすぎるわ」
 あっさりと見限られたエヴァルト・マルトリッツに、アドルフィーネ・ウインドリィがしゃがみ込んだまま小刻みに身体を震わせて笑った。
「これ、そこの女騎士殿、そんな格好は、はしたないのだよ」
 それを見かけたララ・サーズデイが、さすがに注意した。騎士同士なら話が合いそうだが、この姿はちょっと騎士としては恥ずかしい。そこをあまり突っ込んでもいけないと思ってか、ララ・サーズデイは必要以上話さずに離れていった。
 さっき、日堂真宵によって壁から移動しろと命令されたはいいが、ララ・サーズデイとしては、なかなか話しかけたいという相手がいない。
 騎士相手ならいいかと思って周りを見回して、目についたのが先ほどのアドルフィーネ・ウインドリィに、グンツ・カルバニリアンである。さすがに、普通の女の子と話した方がまだましかなと言う気になっていった。
 
    ★    ★    ★
 
「休日などは、どんな過ごし方をしているんですか?」
 料理を取り分けながら、御空天泣が屋良黎明華に質問していた。
「そうなのだなあ。あっ、ちょっとごめんなのだ」
 答えかけた屋良黎明華だったが、誰かを見つけたらしく、急いで席を外していった。
「いたいた。てつごころ、こっちよ」
 ティー・ティーたちと一緒にパビモンたちと遊んでいた源鉄心を見つけて、屋良黎明華が声をかけてきた。
「相変わらず、保護者しているのだなあ」
 さっと源鉄心の腕をとってくっつきながら、屋良黎明華が言った。
「ちょ、ちょっと、今はパビモンたちと……」
 そのまま引っぱられて、源鉄心がちょっと戸惑った。いつになく、屋良黎明華がちょっと強引だ。
「ていていの邪魔は入れさせないのだあ」
 小声で屋良黎明華がささやく。
 いつも源鉄心に近づこうとすると、ティー・ティーがセットになっていてなかなか深い話もできずにいたのだ。けれども、今はティー・ティーはパビモン・リラードとの会話に夢中になっている。これは、最大にして最後のチャンスかもしれない。少しぐらい強引でも、この際構わないのだ。
兵学舎で、いろいろなことを教えてくれて、とても助かっているのだ」
「そんなことはないさ。こちらこそ、いつもティーたちの相手をしてもらって助かってるよ」
 本当に意識してそこまでした記憶はないので、あっさりと源鉄心が謙遜する。
「やっぱり、お父さんみたいにていていたちの心配するのだ。そんなに、子供好きなのかな?」
 ティー・ティーにもらったドッグッタグ(贋うさぎのお守りを握りしめながら屋良黎明華が言った。
「そういえば、以前、月光のコンパクトをくれたりもしたけれど。もしかして、お子様の方が好みなのだ?」
 使用すると15歳若返られるというコンパクトのことを思い出して、屋良黎明華がつけ加えた。子供たちの面倒見がいいのは、もしかすると属性がそっち方向なのかもしれない。
「えっ、それは違うはずだけれど……。それにしても、相変わらずその格好なんだな」
 黎明華のフリフリセーラー服をみて、ちょっと源鉄心が視線を泳がせた。はっきり言って、たまに目の遣り場に困る。
「あっ、ちゃんと見てくれてたのだあ」
 ちょっとやったねと、屋良黎明華が小さくガッツポーズをとった。