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【GWSP】サルヴィン川、川原パーティ

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第9章 輝く妖精達

 自ら水に入って、遊ぶ少女達の姿もあった。
 あらかじめ水着を用意してきた子はとても少なかったけれど、それを予期してお姉様の分とか、可憐な乙女の分とか、用意してきた者もいた。
 そう、運命のお姉さまを探している姫野 香苗(ひめの・かなえ)だ。
「香苗、ちゃん。この水着、ちょっとキツイですー」
 広瀬 ファイリア(ひろせ・ふぁいりあ)が着ている水着は露出度が高い。胸もはみ出そうだった。
 受け取った時はよく分からなかったけれど、着てみてびっくりだ。
「それは、ファイリアお姉さまの、お胸がっ、胸が大きすぎることが原因なの」
 香苗は両手を合わせてうっとりとファイリアを眺めている。
 香苗より少し身長が高くて、明るくて可愛くて、すごくすごく好みのお姉さまだった。香苗は悩殺されてしまいそうだった。されてもいいくらいだった、寧ろ今すぐ飛びつきたい!
「なんだか……いや、よろしく」
 九頭 御影(くがしら・みかげ)もまた、香苗に水着を借りたのだが、こちらはスクール水着だ。
「御影も可愛い、可愛い。スク水似合ってる〜っ」
 外見年齢が自分より若く、身長も自分より小さて小柄、胸も小さめな御影は香苗にとってお姉さまではなく、妹だった。
「じゃ、遊ぼー!」
 真っ先に川へと足を入れたのは、どりーむ・ほしの(どりーむ・ほしの)だ。彼女は白いビキニを着て、赤とピンクのチェック模様のパレオを巻いている。
「えーいっ」
 どりーむが水を掬って皆の方へと飛ばす。
「きゃっ、冷たいっ。香苗を守ってお姉さまーっ!」
 香苗は即、ファイリアに抱きついた。
「入ればなれますですー」
 ファイリアも川の中へと足を踏み入れていく。
「気持ちいいです〜♪」
 そして笑顔を浮かべる。
「御影もーっ!」
「っと、わ……っ!」
 続いて香苗は御影に飛びついて、腕を抱きしめながら一緒に水の中に入り、わざと転んで御影を水浸しにするのだった。
「それそれ〜」
 どりーむがばしゃばしゃと少女達に水をかけまくっていく。
「わわっ。それじゃ、お返し」
 御影は元々水遊びをしに来たわけではないけれど、香苗やどりーむがあんまりにも楽しそうに誘うものだから、つい話を聞いてみたら、いつの間にか水着を着ることになっていて、今は水の中に引き摺りこまれている。
「そりゃ!」
「あははっ」
「つめたーいっ」
 思い切り水をかいて浴びせると、女の子達はきゃあきゃあと声を上げ、水を浴びてキラキラ輝く。
「楽しそうねっ!」
 ぴゅっと水が飛び、香苗の背にかかった。
 振り向いた先にいたのは、夏野 夢見(なつの・ゆめみ)だった。水鉄砲を手に持ている。
「そんな、控えめじゃなくてもっ、水も、格好もー!」
 夢見はTシャツに短パン姿だ。
 そんな格好のお姉さまを、水辺で見かけたら。
 香苗としては、それはもう、水をかけてぬらして、服を脱がすしかないわけでっ!
 香苗は即座に、小さな両手で思い切り水をかいて、夢見にざぶざぶかけていく。
「うわっ、あはは、冷たい。そんな思いっ切りかけなくても〜」
 笑って避けながら、夢見は水鉄砲で応戦する。
「元気が足りないよー! ほらほら〜」
 どりーむは御影に水をかける。
「わっ、冷た……っ」
「きゃあっ」
 水をかけていたどりーむが体勢を崩して、御影に覆いかぶさる。
 ざばんと沈み、どりーむはしがみ付くかのうように、御影を抱きしめた。
「水着、ちょっと大きいんじゃない。ほらこんなに」
 抱き合いながら起き上がった御影の肩に、どりーむは手を伸ばして、水着を掴んで伸ばす。
「ちょ、ちょっと、確かに緩いけどっ、やめて」
 肩があらわになり、御影が抵抗する。
 直後、ぴゅーっと水が飛んで、ドリームの顔に直撃する。
「やりすぎはダメだよー」
 夢見の水鉄砲による射撃だった。
「やらなすぎもダメでしょ。その格好はここでは反則〜!」
 どりーむは水の中を走って、夢見に近づき水を飛ばしていく。
「ファイリアお姉さま、香苗は怖いですっ」
 香苗もがばっとファイリアに抱きつく。
「香苗ちゃんどうしたですか? 巨大魚でもいたですか!?」
 ファイリアは震える香苗を片手で抱きしめながら、周囲を見回す。
「ううん、お姉さま達が素敵すぎて、香苗は香苗はどうにかなっちゃいそうですぅ〜。ああっ、自分が怖いーっ」
 ファイリアのはみ出そうな胸に、ぎゅううっと香苗は抱きついて至福の笑みを浮かべていく。
「それじゃどうにかしちゃう」
 そんな香苗の後に、どりーむが近づいて抱きしめた。
「どりーむちゃ……っ」
 どりーむは香苗の耳をかみながら、手を胸の位置へと持っていく。
 そしてもう片方の手で、ファイリアの首の後ろの紐を解いていく。
「はわわわっ!? ここで着替える必要はないですー!?」
 ファイリアは露になりそうな胸を押さえながら、2人の手から逃れて後ろへと下がる。
「はいはい、やりすぎやりすぎー! 注目されてるよ〜」
 びちょびちょ姿の夢見がどりーむの顔に水鉄砲で水をびゅうびゅうかけてく。
 バーベキューを行っている少年達の目が遠くからいくつもこちらに注がれていた。
「あーんもう、冷たいー、おねーさまーーっ!」
「順番待ちきれないのかな〜っ。後でたっぷり楽しませてあげるのに」
 香苗とどりーむが、一緒になって夢見に水をかける。
「ほどほど賛成〜。楽しいけどっ」
 御影は珍しく笑い顔を見せながら、夢見側について、香苗とどりーむに水をかけていく。
「ファイも香苗ちゃんとどりーむちゃんにお礼するですー」
 と言って、ファイリアも香苗とどりーむに水をかけていく。
 水がキラキラと舞って、少女達をより輝かせる。
 きゃあきゃあ騒ぎ、戯れる妖精のような少女達に川原に集まった少年達の目は釘付けだった。