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レターズ・オブ・バレンタイン

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レターズ・オブ・バレンタイン
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リアクション

41)

酒杜 陽一(さかもり・よういち)に、
指名された、高根沢 理子(たかねざわ・りこ)は、
自分が呼び出されたことにびっくりした様子だった。
「あたし、今回は裏方のつもりだったから、驚いたわ。
でも、ありがとう」
「理子さんのおかげで、皆が笑顔になっていますよ。
だから、理子さんも楽しまなければ」
陽一に微笑まれ、理子はうなずいた。
「うん、そうね。
今日は思いっきり遊びましょう!」

2人がやってきたのは、
空京のスポーツセンター「パラスポ」だった。
たくさんのスポーツ遊具が揃う施設である。
「では、高得点勝負と行きましょう!」
「望むところよ!」
陽一と理子は、バッティングセンターに立った。

「ホームランだか何だか知らないけど、
そんな記録、あたしが塗り替えてやるわ!」
理子は、そう宣言し、
思いっきりバットを振りかぶった。

鮮やかな金属音とともに、ボールが飛んでいき、
ネットに直撃する。

「ホームランですよ、理子さん!
俺も負けませんよ!」
そう言って、陽一も、バットをスイングする。

再び、ボールが高く舞い上がり、
理子の直撃させたのと同じ場所にヒットする。

「同点ってところね」
「はい。次はボーリングで勝負です!」

こうして、2人は、今度はボーリングで対決した。
「やったあ、ストライク!」
「まだまだ追い上げますよ!」
「そんなあ、1本だけ残っちゃった!」
「ふふ、勝った方がジュースをおごるっていうのはどうですか?」
「えー、絶対、負けないんだから!」

こうして、2人は、1日中、楽しく汗を流した。

そして、1日の最後に。
「今日はありがとうございました、理子さん」
「どういたしまして。あたしこそ、とっても楽しかったわ」
陽一は、手作りのチョコレートと、手紙を差し出した。
「レターズ・オブ・バレンタイン。本当に、素適な企画ですね」
「……どうもありがとう」
理子ははにかみながら、チョコレートと手紙を受け取った。

「これからも、頑張ってくださいね」
「うん、これからもよろしくね!」
陽一と理子は、夕日を背に、笑顔を交わしたのだった。