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【5周年記念】スペシャル番組『パラミタ大陸』

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シリウス・バイナリスタ(しりうす・ばいなりすた)の一日】

「おはようございます!」

―おはようございます。

「じゃあ今日一日、宜しく頼むz……頼みます!」
 どうやらあまり敬語は得意ではないらしい。無理をしなくてもいいのだが、パートナーサビク・オルタナティヴ(さびく・おるたなてぃぶ)の視線がそれを許さないのだろう。
「じゃ、食堂に行くとしますか」

―お料理はされないんですか。

「ん、いや料理はできるよ? ただ何もない時は、できるだけ生徒と一緒にって思っててな」
 成程、生徒思いのいい先生だ。
「ん? おい、顔色悪いぞ。大丈夫か?」
「……平気」
 とぼとぼと具合が悪そうに歩いていたリナリエッタに声をかけるシリウス。
「そうか? 平気そうなら、お祈りもやっておくんだぞー」
「イケメンがもらえる、あるいは神様がイケメンなら、考えておくわ」
 そういい残して、ふらふらとどこかへ言くリナリエッタ。シリウスはそれを放っておけず、「ちょっと行ってくると!」と言い残してリナリエッタの後を追った。
 その背中からは優しさがあふれ出ていた。

 シリウスは今日の予定をざっと確認する。
「……座学と実技があるのか。切り替えていかないとな」

―何でも教えられるのですか。

「ああ、大体はな。割と何でもこなせるから、助っ人であちこちに行くんだ。
 そうだ。サビク、実技は頼むぜ」
「任せて」
 そう言った彼女は教室へと向かった。
 そこで我々は、“教師”シリウスを改めて実感することになる。
 勉強を教える彼女は、普段とはまったく違い、理知的に物事を考え教えていく。
 彼女は生徒たちに『それに何の意味があるのか』『どう考え、生かしていけばいいのか』、そう言った根幹部を想像し、理解させるように丁寧に説明し、教えていく。
 実に素晴らしい教師である。

 夜になり、全てを終えたシリウスは自室へと戻る。
 戻った途端、床にどかっと座りこんだ。
「今日も一日、お疲れ様でした!
 よーしビールビール、いやーさすがに生徒たちの前で晩酌はできねぇからな」

―テレビの前ではしていいのでしょうか。

 ふと我々が疑問をぶつけると、シリウスの顔が真っ青に染まっていく。
「や、やべ!! カメラさん、カット! ここカットな! 放送されたらやばい、やばいから!」
「……あ、もしもし?」
「あーサビクもたんまたんま!」
 我々としては面白い絵なのでそのまま放送したいところだが、本人の意思を尊重しカットということにしておこう。

 これがシリウス・バイナリスタの一日――


 ☆お知らせ☆
 カットし忘れました。ごめんなさいっ。 〜編集部一同〜