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絶望の禁書迷宮  追跡編

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絶望の禁書迷宮  追跡編

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シナリオガイド

魔導師の目指す書、魔道書の抱える秘密。灰と苦悩の渦巻く、書庫の最奥。
シナリオ名:絶望の禁書迷宮  追跡編 / 担当マスター: YAM

【前回のあらすじ】
 地球上の魔法界勢力図を塗り替えることを企む魔導師集団『石の学派』は、そのために必要な魔道書を求め、シャンバラ大荒野の只中、パラ実の元敷地内にあって忘れ去られた地下書庫を訪れました。そのために彼らに利用され、重傷を負い、パートナーを失って倒れた契約者・杠 鷹勢(ゆずりは・たかせ)は、契約者たちによって空京の病院に搬送され、一命を取り留めました。
 一方、『石の学派』は、地下書庫が人間嫌いの魔道書の巣窟であるとも知らずに乗り込み、彼らの侵入を激しく拒む魔道書『森の祭祀録 ネミ』の幻想空間に飲み込まれ、追ってその中に入った契約者たちによって大半が捕縛されました。が、契約者の説得で幻想空間が解除された際に、首謀者だけが一人逃れて、魔道書達が結界で守るその奥を目指して姿を消しました。
 彼が結界を貫いて目当ての魔道書の在り処を探り当て、そこへと進めるのは、その本の著者が施した血による秘術によるもので、彼は著書の子孫のようです。
 人間嫌いの魔道書達は、契約者の活躍に一定の感謝と敬意を示しながらも、あくまで侵入者たちと対峙するのは自分たちの仕事、と結界の向こうに姿を消します。


****


 書庫の最奥の間に、魔道書『パレット』と『リピカ』が入ると、
「『パレット』ー!」
 チャイナ服を着た幼い少女姿の魔道書が、『パレット』に走り寄り、抱きつきました。
「『お嬢』、『リシ』。……“司書”の様子は?」
 『お嬢』を抱き止めて頭を撫でながら『リピカ』は、クルタパジャマ風の衣装を着た浅黒い肌の少年姿の『リシ』に尋ねます。『リシ』は顎をしゃくって、指し示しました。

 奥の間は別名『灰の間』
 広い空間に砂漠のようのように灰が積もっています。
 その中にいるのは、魔道書達が“灰の司書”と呼ぶ存在。
 膨大な灰でできた体は、辛うじて骸骨のような形の頭がついていますが、巨大な体躯と節足動物のような無数の足がついた、何者とも分からぬ異形の姿です。
 そうして、その体からは時折「ズサッ」と音を立てて、灰が落ちます。
 その灰を、空洞のような口に吸いこみ、ちみちみと何かを吐き出します。それは塵のような、とてもとても小さな紙片です。
 それを舌で繋ぎ合わせていきます。
 彼の体を作っているのは、中世の異端弾圧の時代に焚書された多くの魔道書の灰。
 その灰から彼は、元の魔道書を復元しようとしているのです。
 それは気の遠くなるような地道な、そしてカタツムリの歩みよりものろい、果てしない作業。


「……やっぱり、もう、理性も判断力も残っていない、か。百年以上、まともに話できてないし」
 少し寂しげに呟き、『パレット』は、灰の中に落ちていた古めかしい装丁の、本の表紙を拾い上げました。
 『無限宇宙の秩序と軌道』と書かれています。が、表紙しかないので、内容は分かりません。
「侵入者が狙っているのは、それなのですね」
 『リピカ』の問いかけに、『パレット』は頷きました。
「四百年かけてやっとこれだけ復元した、その途端にまさか、狙われるとはね……」
「けれど、表紙しかないと分かれば、侵入者も諦めるのではないですか?」
 その『リピカ』の言葉に、しかし『パレット』は、
「けど、“司書”がいれば復元できるかもしれないって知ったら、どうするだろう」
「それは……」
「数百年でようやく表紙だけなんだ。全部を復元するのに何万年かかるか考えれば、奴だって」
 『リシ』が口を挟みました。
「確かにね。……けど、本当にこれで……このままでいいんだろうか……」
 『パレット』の言葉は、飄々とした風を装いながら、どこか物憂げでした。
「『パレット』、怖い人来るの? 私また破かれちゃう?」
「心配いらないよ『お嬢』。誰も君を破ったりはしない」
「皆は破かれない? 『パレット』は燃やされない?」
「大丈夫だよ。だから」
 と、魔道書達が話しているのをよそに、突然、灰の司書は顔を上げました。
 そして、恐ろしい咆哮を上げた途端、積もった灰が――正確には灰に残留した元の魔道書の魔力が、迸って暴走し始めました。


 エルド・ダングレイ――この事件の首謀者にして『石の学派』党首の血統を自負する若き魔導師は、完全に魔力だけで構成された道を進んでいきます。プリズムでできた通路のようなそれは、自分が持つ『地の導き』を魔力と、魔道書達の結界の魔力がぶつかり合い拮抗した結果として具現化した形象です。
「我等が四百年の悲願……ついにあの書を取り戻す時が来た。星もちょうど良い。あの『無限宇宙』の研究書さえ戻ってくれば、……!?」
 突然、魔法の火炎弾が、エルドの目指す方向から無数に、そして無秩序に飛んできました。
「何だ!?」
 が、それに応える者はなく、却って火炎弾に加えて、雷撃までが彼に襲いかかります。
「……何者かは知らんが、契約者からも逃れえた我の行く手を阻むことは出来ん!!」
 バリアを張り、応戦し始めたエルド。魔力のぶつかり合いに、結界の隙間にできた通路が震えました。


「司書が暴走……『パレット』の予測が的中しちまったか」
「侵入者の気配で魔力が暴走……って、自分が復元したものを奪われると感じたからってこと?」
「それもあるだろうけど、昔の本の持ち主イコール本を手放して焚書にさせた裏切り者っていう思考じゃないかって、『パレット』が」
 結界の中には、魔道書達がそれぞれに作った「房(ぼう)」が幾つもあります。その一つに、何人かの魔道書が集まっています。
「一応、『獣』を放っておくか」
 そう言ったのは『揺籃(ようらん)』。彼が着ていた黒いロングコートを脱ぐと、それが真っ黒な四足獣の姿となり、走り去っていきました。
「他に『パレット』からの指示は?」
 『騾馬(らば)』が尋ねると、灰の間から『お嬢』とともに移動してきていた『リシ』は淡々と答えました。
「書庫の蔵書を分けて房に運んで保管して。あとは房で、結界の様子を監視しつつ待機」
「で、あいつはどこにいるんだ?」
 『オッサン』に訊かれ、『リシ』の後ろにいた『お嬢』がおずおずと、
「『パレット』、灰の間にずっといるって……」
「またあいつのことだから、司書のこと、自分で全部背負いこもうってハラなんだろ」
「ほんっと、肝心な時に限って僕らのこと頼らないよねー『パレット』は」
 呆れたように呟いた『姐さん』の言葉に、『ヴァニ』が乗っかります。
「というか、俺らも考えないとなぁ、司書のことは……このままでいいのか」
「このままでって……俺たちに、何をどうできる?」
 魔道書達は、灰の体の異形の、その魂のことを考えてしばし沈黙しました。


「『リピカ』、お前ももう自分の房に戻って」
「しかし、『パレット』は」
「俺はここに残る。それでね、函(はこ)を渡しておくから」
 そう言って『パレット』は、厚紙でできた函と、鍵を『リピカ』に渡しました。
「もし、結界内の空間がいよいよやばくなったら、その鍵で扉を開けて、蔵書を外に搬出して。
 契約者がいるだろうけど、普通の本に酷い扱いをする連中じゃなさそうだし。お前の判断で、協力を仰いでもいいよ。
 で、俺は『灰の間』に結界を張るから。
 もし、侵入者がこの部屋に辿りついた時は、その函に、この空間ごと封印して
「えっ」
「それで、う〜ん……どうするのがいいかな。
 生きても死んでもいない彼を『送る』方法は、俺たちにはないし……
 あ〜〜しょうがない。この近くに『アトラスの傷跡』あるよね。あの火口にでも、函を投げ捨てて
「『パレット』っ!?」
「一回火刑に遭ってる人をまた火に投げ入れるなんて、非道もいいとこだけど。他に方法考え付かないし。
 司書の暴走が俺の結界を壊せば、書庫が崩壊する。それを免れても、侵入者の手に彼が捕まってしまう事態は避けたいからね
「そ…そんなこと……第一、貴方まで……っ!」
「俺はいいよ。どのみち、ここに在る灰と紙一重の運命だったんだし。
 それに、こんなところに連れてきてこんなことに巻き込んじゃった責任も取らないと
「けれど、貴方が連れてこなかったら、彼は化け物として人間に追われていたのでしょう?」
「まぁ、それもあるけど。ぶっちゃけ、俺にスケベ心がなかったとは言えないし」
「……私には、貴方を責めることはできません。
 司書の力で貴方が、焼失した自分の表紙を――素性を取り戻せるかもしれないと、考えたとしても」
 『リピカ』の言葉に、『パレット』は寂しげに苦笑します。
「俺も侵入者と同じ、あの人を利用しようとしてるんだな」
 言いながら頭を掻いた時、腕に巻かれた包帯の隙間から、微かな灰がぱらぱらと散りました。
「――とにかく、いざという時には頼むね、『リピカ』」


****

 書庫前。
「…やあっと、入る算段が付いたですぅ……!」
 エリザベート・ワルプルギス(えりざべーと・わるぷるぎす)は、地下書庫の奥の扉の横に立っていました。
 ここが倒れた棚や崩れた天井で埋まってから、約半日が立っています。パラ実に応援を頼んで重機などを出してもらい、瓦礫を片付けたり書棚を動かして中身を箱に詰めて持ち運んだりしてようやく、人が近づけるまでになるのに、それだけの時間がかかったのです。
 もっとも、エリザベートもそれまでの間、ただぼんやりしていたわけではありません。錬金術への情熱から中世の魔法結社や魔道書の類にはそれなりに造詣があるはずのアゾートに連絡し、『パレット』の言っていた血の導きなる技や、『石の学派』の素性について調べてもらっていました。
 その結果、エリザベートは、侵入者が通っていった「血の導き」による道の跡(トレイル)を、開くことに成功したのです。
「これで、追いかけることができますぅ。でも……何だかこの中、不穏な魔力が吹き荒れてるみたいですねぇ」
 首を傾げたその時、突然、今まで閉ざされていた扉ががちゃりと開きました。

 出てきたのは、『パレット』の過酷な指示に苦悩する『リピカ』でした。


 『リピカ』はエリザベートに事情を打ち明け、助力を乞いました。

 

担当マスターより

▼担当マスター

YAM

▼マスターコメント

 こんにちは、YAMです。よろしくお願いいたします。
 4作目のシナリオは、前作「絶望の禁書迷宮  救助編」の続きになります。
 前作から少し間が空いて申し訳ありません。『石の学派』にまつわる事件は、今回で終了となります。

 前作で救助された杠 鷹勢にまつわる諸々はひと段落、今回は地下書庫の奥に魔道書達が築いた異空間が舞台になります。
 続きものではありますが、前回参加されていない方も自由に参加いただけます。
 前作の終わりから半日経ったところからのスタートになります。
 なので、前回「怪我人を搬送する」アクションをかけられた方も(空京に行ったことになっていますが)、適切な移動手段によって再び地下書庫に戻ってきた、という形で参加可能です。
 もちろん、どの学校の生徒さんでも参加していただけます。


【“灰の司書”について】
 ガイド本文の通り、膨大な灰でできた体を持つ異形の存在です。
 異端弾圧の時代に、異端として火刑に処された魔導師の魂と焚書された何百冊もの魔道書の灰とが合体して生まれました。
 その灰の体を少しずつ崩し、元の書物ごとに選り分け、少しずつ灰から元の紙を復元していくという、気の遠くなるような作業を数百年続けています。
 ですが成果は、何百冊もの書物が入り混じっているために芳しくなく、また灰から紙を復元するにはほんの少しの量でもかなりの魔力を使うらしく、それぞれの書籍別で一ページにも満たないようです。
 一番進んだのが、『石の学派』の狙う書物『無限宇宙の秩序と軌道』ですが、表紙がほぼ復元されたというだけです。

 彼を突き動かすのは、自分を死に追いやった異端審問の関係者への復讐や、魔導師にとって尊いものである魔道書への敬意などが混じり合った“強い執着”……だったかもしれません。
 しかし長い年月ただ繰り返し続け、彼の情熱もしくは執着はすでに形骸化しています
 もはや理性も感情も正常な判断力もなく、盲目的に灰をいじり続けている彼の姿は、一部の魔道書の目からも痛々しく映っています。

 魔道書達が契約者の介入を拒むのは、人間嫌いというのももちろんですが、この司書が人間の目に晒されることでどうなるのか分からないから、というのも実はあります。
 彼らはそれぞれに考え、密かに悩んでいます。司書はこのままでいいのか、自分たちは何をすべきか――と。
 灰となった同胞を蘇らせてくれるという行為は有難い、しかし、そのために膨大な年月現世に縛られ、生きているとも死んでいるともいえない状態。
 いっそあの世へと送るのが慈悲ではないかと思えても、どうすればこの異形の魂をこの世から解放できるのか、その知識は魔道書達にはないのです。


【『石の学派』魔導師・エルド・ダングレイ】
 前回のシナリオで唯一人逃れた、今回の事件の首謀者です。
 目指す魔道書『無限宇宙の秩序と軌道』の著者の子孫です。
 異端弾圧の時代に手放し、焚書に遭って失われたと思われていた先祖の著作を諦めず捜していたところ、“血の導き”によって現存すると確信するに至り、ここまでやってきました。
 ――それが灰から復元された表紙のみ、とは、まだ知りません。
 非契約者のため、強さはそこそこという風ですが、まぁ腕は立つといっていいでしょう。
 あと、前回同様隠し玉を持っている可能性もあります。あくまで可能性ですが。

 ちなみにアゾートの調べによると、『石の学派』はもともとは占星術の学者集団から出発した魔術の秘密結社だったようです。


【エルドを追う場合】
 エリザベートが開いた「トレイル」を行くことになります。※下記の「扉から入る」とは違うので、お気を付けください。
 エルドが通った道を後から追いかける形になるので、順調に進めば確実に追いつけます。
 但し、灰の司書が迫り来るエルドの気配に暴走し、己の魔力と魔道書の灰に残留する魔力とを使って遠隔攻撃をしてきます。
 具体的には、各種魔法属性の魔力の塊の弾が無数に飛来する状況を考えてください。
 エルドに向けられた攻撃ですが、相手は理性もなく暴走しているので、流れ弾が遠慮なしに飛んできます。
 もちろん追いつけば、本人が思いっきり抵抗します。

 また、魔道書『揺籃』が放った黒い獣も、侵入者と見ればエルドも契約者も見境なしです。
 この獣は、対峙した者が最も恐怖を抱く者の姿をとって襲いかかってきます。
 恐怖すればするほどその力は強大になりますが、恐怖を克服して心に平静を取り戻せば無力化できます。

 魔力で紡いだ幻の獣なので、倒しても完全に消滅するということはなく、また別の場所でけろりと復活したり、分裂して敵の数だけ増えたりもします。
 (無力化に成功した相手の前からは完全に消えます)


【扉の解放】
 『リピカ』は、渡された鍵で、契約者たちに対して閉ざされた扉を開放することにしました。
 この扉からは、どこかの「房」に飛びます。
 それぞれの房には二人の魔道書がいて、どちらかの、もしくは二人共通の特色(書の内容?)を反映した空間が形成されています。

 また、書庫の蔵書(魔道書ではない、普通の本)が分けて安置されています。万が一戦闘で空間が壊れた時に本が被害を受けないように、です。

 扉にかけられた呪の作用で、入ったキャラの中の適性だの無意識の意思だのを反映して、どこか一つの房に飛ばします。(※つまり、PLによる行き先選択)
 それぞれの房から、灰の間を開いてもらうよう交渉することができます。
 灰の間は現在、『パレット』の意志によって閉ざされているので、仲間とはいえ他の魔道書が意のままに開けることは難しいのですが、方法を探ってもらえれば手が見えてくるかもしれません。
(あるいは、一つの房の魔道書だけではなく、何組かが力を合わせないと駄目、ということもあるかもしれません)
 それには、灰の間を開くことでどうしたいのか、何を為すのか、魔道書に対してしっかり話せる考えがないと、魔道書の方も納得はしないでしょう。
 もちろん、『パレット』の依頼通り、書物を扉の外へ運び出す(入り口に戻る形)もアリです。

 どちらにしろ、魔道書の了解を取り付けなくては、思うようには動けません。彼らが納得するよう、お喋りだの挑戦だのに付き合ってやってください。

 ※注意※
 扉をくぐって書庫から飛べるのは一つの房だけです。
 MCとLCは同時に入るのではぐれず一緒の房に行く、となります。


 アクションに、下記の1〜6のどの房に飛んだか、明記してください。
 ※書物名は、魔道書達の間の呼び名で、正式な書名ではありません。


[1]『オッサン』と『騾馬』の房:錬金術の研究室風の部屋
  研究室なのに、何故かテーブルの上には無数の酒瓶。
  飲まされる可能性あり。イケる口のキャラはいいですが、バツ!という方は、せめて相手の酒トークに付き合えればいいかも。
  露骨に人間嫌いな二人ですが、変にひねくれた言動はしないでしょう。良くも悪くもストレートです。

[2]??:ひたすら真っ白な世界
  地平も何もありません。ただただ白い世界。一人で長時間、何もなしにこんなところにいたら精神に異常をきたしそうです。
  何とか呼びかけて、ここの魔道書に出てきてもらいましょう。そうしないと何も始まりません。
 (PL情報:ここにいるのは『お嬢』と『リシ』です)

[3]『姐さん』と『ヴァニ』の房:英国庭園風のあずまや
  お茶の準備ができています。付き合うしかないでしょうが、気を付けないとテーブルの上に果物に紛れてしゃれこうべが乗ってたりします。
  骸骨と踊る羽目になるかもしれません。けれど、攻撃というわけではありません。ちょっとした嫌がらせのようなものです。
  いちいちカッとなると疲れます。『ヴァニ』の人を小バカにした物言いにも動じずに、お茶を飲んで話しましょう。

[4]『揺籃』と『ベスティ』の房:動物だらけの倉庫(?)
  犬や猫や馬や鳥や、とにかくわらわら。実物ではなく本の中から出てきたものらしく、簡単に出たり消えたりしてます。
  『ベスティ』は前回にもガイドにも出てきていませんが、物静かで大柄な青年姿の魔道書です。
  どちらも口数は多くなく、お喋り好きではありません。同じ空間に人間がいるのが「鬱陶しい(揺籃)」&「持て余す(ベスティ)」状態。
  動物を引き合いに出しながらぼちぼちと話しかけるのがいいでしょう。

[5]『爺さん』と『キカミ』の房:本だらけの応接室風
  どちらも、前回にもガイドにも出てきていません。『爺さん』は呼び名通りの白髪の老人。
 『キカミ』は、白いワンピースに上から何故かツタのような木の枝を絡みつかせた服装の若い女性です。
  何故かこの房だけ、預かっている蔵書が見える場所に積んであります。
 『キカミ』は、それらの本に興味深々のよう。人間に対しては憎んでいるというより苦手で避けたいという雰囲気。
  本や読書の話で打ち解けられるかも。『爺さん』は終始、沈思熟考しており、話しかけにくい雰囲気です……

[6]『リピカ』の房:星空の見えるテラス
  無理難題を吹っかけられることはありません。結界内の様子を感応で監視しつつ、ひたすら懊悩しています。
  侵入者が『灰の間』に到達すれば、彼は『パレット』の指示に従わざるをえません。それを心底恐れています。
  知りたいことを訊けば(他の魔道書のプライバシーに関わること:書名などについては言葉を濁しますが)大体は教えてくれます。
  一番、この事件の本質的な解決について相談できる相手でしょう。
  ちなみに前回のシナリオで活躍(?)した『ネミ』がこの房にいますが、休眠状態なので出てきて関わることはありません。

 誰も行かない房は、[6]以外描写を省きます。
 マスターページにある魔道書の説明も参考にしてください。


【情報】
 以下の情報は、エリザベートが(『リピカ』から聞いたりして)契約者に伝えた内容で、全員が情報として持つことができます。
・上記の、灰の司書の素性、および、エルドの目指す表紙しかないこと(※エルドが実物を見ずにそれを信じるかどうかは期待薄ですが)
・『パレット』は灰の司書が誕生した焚書&火刑の際に、焼かれかけたのを危うく免れたが、表紙や序、奥付などを炎で失い、正式な書名は分からない。
・『リピカ』はその焚書のことを直接には知らない(生まれた場所、時代の差)。知っているのは『オッサン』『騾馬』『姐さん』。
・『リピカ』に渡された函には特殊な呪があり、司書のすべての灰を収められる。一見すると分厚い本の函のようであり、その中に司書を入れて本に偽装し、『パレット』が運んできた。
・他の魔道書は『パレット』が、司書に対する責任感から己が滅ぶことを承知の指示を出していることを知らない。
・→しかし、この問題に関しては考え方が様々であるため、『パレット』の姿勢に対して考えることも様々であろうと『リピカ』は推測している。
 (それでも、基本的に魔道書達は皆仲間を大切に考えている)

 『リピカ』からの情報ではありませんが、『石の学派』が占星術に端を発する集団であることも。エルドの名も、前回捕縛された魔導師から聞きだされています。


【その他】
 エリザベートは今回も事態の推移を見守るため、入り口にいることになります。
 が、手が足りなければ、展開次第で自ら出ていくこともありえます。
 今回は、さらに強い結界によって遮断されているため、別々の場所にいるキャラ同士が連絡を取り合う手段はありません(精神感応も×)。
 房同士なら、そこにいる魔道書達を通じて連絡を取り合うことができます。打ち解けていることが前提ですが。

▼サンプルアクション

・トレイルを行き、エルドを捕まえる

・扉から入り、いずれかの房に飛ぶ

▼予約受付締切日 (予約枠が残っている為延長されています)

2012年07月12日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2012年07月13日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2012年07月17日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2012年07月27日


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