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マガイ物の在るフォーラムの風景

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シナリオガイド

ゆる族大集合の中に、『着ぐるみ型魔鎧』が混ざっている!?
シナリオ名:マガイ物の在るフォーラムの風景 / 担当マスター: YAM

 このほど空京西部フォーラムにて、ゆる族を対象にした大規模なワークショップが開かれることになりました。
 地球でマスコットキャラとして働いているゆる族などの講演及びセミナー、イメージキャラクターなどとしてゆる族の雇用を企画している地球の企業や自治体などが直接参加しての説明会などが予定されています。要するに、地球でのゆる族の就職を促進させる、そのために希望者に機会を与える、というのが目的です。その一方でゆる族全般の交流を目的とした、様々なテーマによる分科会なども予定されています。


*********


 同じく、空京。
 「魔鎧(に関する依頼専門)探偵」の看板を掲げる変わり者魔族のキオネ・ラクナゲンの事務所は、町の一角、一階に弁当屋のテナントの入った雑居ビルの中に小ぢんまりとあります。
 大概は「魔鎧にされた誰それの消息捜査」……といった感じの依頼の多いこの事務所に、一風変わった依頼がもたらされました。

一見着ぐるみにしか見えない魔鎧の存在をご存知ですか」
 フードのついた長い白いマントを身に着けた、顔のよく見えない、すんなりとした背の高い男――名はウルテと名乗ったが、身元は「一身上の都合で」詳らかにせず――は、キオネにそう切り出しました。
「聞いたことはありませんね。あるのですか、そんなものが」
「あるのです。しかも、あのヒエロ・ギネリアンの作だと言われています」
 それを聞いて、キオネは眉を顰めました。
 魔鎧アーティストと呼ばれるヒエロ・ギネリアンの名は、魔鎧職人なら聞いたことがないものはいないでしょう。本職は魔鎧職人であるキオネももちろん、知っています。
 しかし。
「着ぐるみにしか見えない魔鎧……もしそんなものが本当にあるとしても、ヒエロ・ギネリアンの作風とは大分隔たりがあると思いますが」
 ヒエロの作品は、数あれど概ね「美麗」な物が多いとされています。特に有名なのは、至高の美麗と謳われた、彼の発表した最後の作品群『炎華氷玲』シリーズの5体です。
「確かに。しかし、『個性的』であることもまた、氏の作品の特徴であるはずです。
 あなたもご存じでしょう。――もう千年近く、ヒエロ氏の消息は知られていません。
 噂では、その卓越した魔鎧づくりの腕ゆえに戦乱に巻き込まれ、命を狙われることになったため、姿を消したとか……」
「聞いたことはあります。けれど、あくまで噂の一つ。根拠のない伝聞は様々ありますからね」
「まぁまぁ、確かに根拠はありませんが、もう少しお聞き下さい。
 噂によると、その時にヒエロ氏は、とあるザナドゥの実力者によって匿われたそうです。
 しかし、その実力者自身もまた戦に手を染め、命の危機にあることには変わりありませんでした。
 ザナドゥからの逃亡を図った恩人に乞われ、ヒエロ氏は、敢えて自分の作風ではない、彼が身を守るための『隠れ蓑』を作ったそうです。それが」
「……着ぐるみ型魔鎧?」
「ゆる族だと思われていれば、無理に正体を暴こうとはされますまい。周知の通り、ゆる族のチャックを人が開ければ爆発が起きますからね。
 しかし、万が一の場合も考え、一通りの戦闘もできるような武装も欲しかった。だから、魔鎧なのでしょう」
 話を聞いたキオネはうーん、とこめかみを抑えて唸りました。
「いろいろ不思議な点はありますが、もし、その話が真実だとして……
 どうしてそれが、ゆる族ワークショップに紛れ込んでいる、という話になるんです?」
 フードから覗く唇が微かに、可笑しそうな笑みに歪みました。
「そこが我々にも分からないところなのです。
 装備者も、ヒエロから魔鎧を受け取った実力者なる人物本人なのか、それともそこから流れて魔鎧を手にした赤の他人なのか……」
「で、外見の特徴も“モロにゆる族”だという以外分からない、と……
 それを俺に、手に入れろと?」
「情報が揃えられなかったのは我々としても遺憾です。
 しかし、“我が主”は珍奇且つ骨董的な魔鎧の蒐集に心を燃やしているお方。何としてもそれを手に入れたい、と申されまして……。
 著名な魔鎧職人の作品傾向を悉く熟知しているという魔鎧探偵キオネ氏ならば、と……無茶を承知でお願いに上がりました」
 そう言って、深々と頭を下げました。


*********


 一方、ワークショップ開催を前に、空京警察が密かに動き出していました。

『ゆる族ワークショップに、コクビャクが紛れ込んでいるらしい』

 という極秘情報が入ってきたからです。
 『コクビャク』とは、最近空京警察と日本の警察が合同で追いかけている、大掛かりな「契約詐欺」集団です。パラミタからメンバーを送り込み、地球人とパラミタ種族との契約を強引に推し進めています。しかし契約後、地球人に対するアフターケアの類は一切なく、契約相手に会わせてもらった者もいないのだとか。未確認情報ですが、契約相手に一度も会わぬままロストのものと思われる症状を発症した者もいる、などという話が出ています。
 2週間ほど前、そのメンバーの一人が地球で逮捕されました。ほとんど使い走りのような末端も末端の下っ端だったため、組織の重要な情報などは分からずじまいでしたが、締め上げたところ、地上で活動するメンバーの名前と顔、背格好をかなり割り出すことができました。
 そのため、日本、殊に空京では現在、パラミタからの来訪者をチェックする警備体制が敷かれ、コクビャクは地球に入りにくい状況にあるのですが……

「今回のワークショップで、地球の企業や自治体は、見込みのあるゆる族の就職希望者を何人か選出し、研修として大会後に地球に招待する予定があるらしい。
 それを利用し、ゆる族に扮して姿を隠して、地球に入ろうという魂胆なのだろう。
 考えたくはないが、参加する企業側にコクビャクの協力者がいるという可能性も……」

 しかしそこまで分かってはいますが、ワークショップ自体には様々な企業が手を貸しており、警察の介入を好まぬ者も多く、警察も確信があると断言できるわけではない情報だけでおいそれと手を出す訳にはいかないのです。
 調べたところ、参入している企業や団体の多くは、一見したところ身元に不審な点はありません。参加するゆる族も多くは、何の邪心もなく普通にセミナーや講演を目当てに来るはずです。大会ぐるみで不正を働こうというわけではなく、大多数の「問題のない」参加の中に、よからぬ組織の関係者たちが紛れ込んでいる、ということになります。
 しかし、多数のゆる族の中に紛れ込んだ一握りの「着ぐるみの偽ゆる族」を探り出すのは、容易なことではありません。

 空京警察は各校の校長に連絡し、会場で件の組織のメンバーを見つけるための極秘調査に、契約者の協力を要請しました。


*********


 キオネの事務所では、依頼人が満足げな顔をして去った部屋で、キオネがひとり難しい顔をしていました。
「……蒐集家が、聞いて呆れるな」
 呟くキオネは、依頼を引き受けたものの、どうやら依頼人に対して不信感を持っているようです。
(本当は何があるんだ?)
 この依頼にはどうやら、自分には明かされていない「含み」があるようだ、という、強い疑いも。


*********


「……コクビャク、か」
 フォーラムの、立ち入り禁止の部屋の暗がりで呟くように言った者がありました。
「それが一体……“あいつ”とどう繋がるんだか」
 ちらりと見えたその影は、ゆる族でも、ワークショップスタッフでもありませんでした。
 赤い髪を虹色に光るリボンで一つに束ねた、ハーフパンツにパーカー姿の少女。魔鎧・刀姫カーリアです。
 ヒエロ・ギネリアンの手による『炎華氷玲』シリーズの一体で、同じ魂を分かち作られたある魔鎧の修復を頼むため、製作者のヒエロを捜して一人でパラミタを放浪しているのですが。

「……まぁ、情報の真偽も何も、探ってみなきゃ何もわからない、か」
 彼女もまた、このワークショップに何か思うところがあるようです。

 ――やがて彼女は、この場に潜り込むための“偽装の衣”を手に入れたようでした。

担当マスターより

▼担当マスター

YAM

▼マスターコメント

 こんにちは、YAMです。
 8作目のシナリオです。よろしくお願いいたします。

 今回登場する魔鎧探偵キオネ、刀姫カーリア、名前のみ登場の魔鎧アーティスト・ヒエロは、以前のシナリオ「千年瑠璃の目覚め」に登場しています。マスターページにも紹介してありますので、参照してください。
 もちろん、知らなくても特に問題はありませんし、先のシナリオに参加されていなくても、どなたでも参加できます。

 今回の、ゆる族ワークショップを巡るシナリオの主眼は、

・(ヒエロ作?)着ぐるみ型魔鎧の存在確認
・ゆる族に成りすました契約詐欺集団「コクビャク」メンバーを捕縛する
・その他(セミナーや講演に参加する←ゆる族)

 となるかと思われます。


【ワークショップ概要】
 基本的にゆる族のみの参加になります。

午前:
 空京西部フォーラム大講堂において、まず、地球で活動しているゆる族やゆる族を雇用している企業のお偉いさんなどの講演。
 そこから、地球での活動に関してセミナーになります。意見交換も行われるので、出席者も発言できます。
 基本的に参加対象はゆる族ですが、それ以外の種族も希望すれば後方の席で講演を聞くことができます。

 お昼休憩を挟んで。

午後:
 同じ大講堂にて、各企業や自治体の説明ブースが各自設けられ、ゆる族の就職希望者が自由に訪れることができます。
(※就職説明会のようなイメージです)

 一方で、地球での就職を特に希望しないゆる族の交流のため、小講堂が開放され、「よろず分科会」なるものが開催されます。
 いろんなテーマに分かれて話し合いをする小さな会が幾つもあり、それぞれが好きなテーマのところで話を聞いたり、意見を交換したりできます。
 「流行りのお店について」「カードゲーム必勝法」「卵焼きの味付けは醤油か塩か」「お肌に優しい石鹸はどれ?」のようなゆる〜い議題がほとんどです。
 ちょっと真面目に「今後のニルヴァーナについて考える」みたいな社会的な議題を出す会もあるでしょう。
 参加するゆる族LCの方で「自らこんな議題を用意して主宰する」という方もウェルカムです(資料など必要に応じて用意して下さい)。
 よほど反社会的なものでなければ大体どんな議題でもOKです。どれだけ参加者が集まるかはとっつきやすさ、食い付きやすさによるでしょう。
 主催しなくても参加したい方は「こんな会に参加してみた」というのを書いてください。
 小講堂内で、仕切りを設けて各会ごとのスペースを作り、その割り当てられた中で発表やディスカッションをしていただく形です。
 この分科会も基本的にはゆる族のみの参加ですが、それぞれの主催ゆる族が必要と判断すればそれ以外の種族も立ち会えます。  


【フォーラム内】
 大講堂と小講堂が催事の中心となります。
 建物内には他にロビーや幾つかの会議室、売店などがあります。食堂もありますがランチタイム(昼休憩の時間)のみ開いています。
 会議室の多くは、参加している企業や団体の控室になっております。これらは基本的にスタッフオンリーですが、就職説明を受けての流れ次第では幾つか入れる部屋が出てくるかもしれません。
 完全に立ち入り禁止になっている部屋や廊下もあります。
 なお、大講堂にはガラス越しに中の様子を見下ろすことができる二階ロビーがあり、ここは立ち入り自由の場所です。


【フォーラム内で各PCの動ける範囲】
・すべての催事に出入りできるゆる族単体が最も広い範囲で動けるということになります。
 それ以外の種族と一緒に行動している場合には(それがパートナーであっても)制限を受ける場合もあります。
 立ち入り禁止の部屋・廊下には入れません。

・空京警察に協力している(ゆる族以外の)PC
 午前中の講演・セミナーには上記のとおり、出入り自由です。
 午後の説明会及び分科会(大講堂)には、「場内警備」としてのみ入ることができます。
 ただし、表向きは警備員なので、あまりいろいろ嗅ぎまわると目につきます。自由に動きすぎるのは禁物です。
 また、あまり大人数で入っても不自然になるので、交代制になるでしょう。
 なお、あまり物々しい感じを出さないように、との意向で、警備は制服を着用せず、腕章だけを付けて行います。
 
・警察とは関係なくやって来たゆる族以外のPC
 基本的に午前の講演の見学以外は、廊下、ロビーくらいしか入れる場所はありません。
 パートナーのゆる族と一緒にやってきて途中で別行動になった、という場合もこれに相当します。

 この範囲外で動こうと思ったら、それぞれ「こっそり忍び込む」ことになります。
 立ち入り禁止の部屋や廊下は、関係者が前に立ち塞がって通せんぼしている「分かりやすい」見張りもあれば、一見、見張りは誰もいないかに見えて……という「分かりにくく」見張られている場合もあります。


【PCの持つ情報とNPCの動き】
 空京警察に協力する(警備に当たる)PCには、コクビャクの潜伏について一通りは知らされています。
 それ以外の形でフォーラムに来たPC(単純にワークショップに参加するつもりだったゆる族、など)は、他の誰かから教えてもらうまではコクビャクのことは知りません。
 『着ぐるみ型魔鎧』については、キオネと接触しない限り情報は得られません。

・魔鎧探偵キオネ・ラクナゲン:
 彼もまた、ゆる族ではないので潜入には工夫することになりそうです。
 ※PL情報となるヒント:
 昼休憩中、企画や団体側には主催が用意した弁当が配られます。
 おや? なんだかふらふらと弁当を抱えて慣れない様子で各部屋に運び入れている弁当屋の店員さんが……
 そういえば、魔鎧探偵の事務所のある雑居ビルには……

 ちなみに、依頼を受けて動いているキオネですが、この依頼を全体的に胡散臭いと思っているようです。

・魔鎧・刀姫カーリア
 彼女に関しては「偽りの衣に身を包んで潜入している」というだけで、ノーヒントです。
 戦うことを恐れぬ猛々しい性質と、呪いの力を固めて出来た大剣を持つ彼女ですが、無闇やたらに仕掛けてくることはありません。
 ただ、彼女の目的の前に立ち塞がる時は、戦うことを辞しません。

 先のシナリオでこの2人と面識を持った方は、出会った時に顔見知りとして会話することができます。
 ただし、それによってシナリオ上特別有利になるということはありません。ご了承ください。

▼サンプルアクション

・空京警察に協力して警備

・キオネと接触

・ワークショップに参加する(ゆる族)

▼予約受付締切日 (予約枠が残っている為延長されています)

2013年05月02日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2013年05月03日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2013年05月07日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2013年05月17日


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