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最強タッグと、『出来損ない』の陰謀 後編

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シナリオガイド

現れたのは『出来損ない』の自分を越える自分!? 能力をコピーした鋼の兵士たちを打ち破れ!!
シナリオ名:最強タッグと、『出来損ない』の陰謀 後編 / 担当マスター: 640

「くっ!?」

 弾かれた、愛用の武器が空高く舞って飛ばされていきます。
 蹲り、痺れる利き手を押さえた雅羅・サンダース三世(まさら・さんだーすざさーど)は──目の前の厄介な相手に、次第に追い詰められつつありました。
 
 なんなのよ、こいつ。苛立ちとともに睨む先、仁王立つその相手は、雅羅自身とまったく瓜二つ。
『カローニアン』……闘技場の、それぞれのリングから。外壁から、客席から。その存在は、雅羅のみならずその場すべてのひとりひとりの、完全なコピーとして、姿を現しました。
 違うのは、あちらは全身色あせているということだけ。そしてあちらのほうが、鉱物ゆえか雅羅よりずっと頑丈。おまけに一切の魔法を無効化。更には一切疲れる様子もない。
 あとはすべて、雅羅とまったく同じでした。

 つまり、そのアドバンテージのぶんこちらが不利。おまけに長いトーナメントを戦ってきたこちらは消耗している。苦戦して当然の状況です。
 パートナーのアルセーネ・竹取(あるせーね・たけとり)も、自分と同じ姿の相手に押されています。

「一体……なにがどうなってるワケ……っ?」
 
 液状化し、人型からゆらめく金属の塊へと戻った『カローニアン』が、目で追えない速度で雅羅の背後に回り込みます。──これもまた、人外のスピード。
 振り返るも、ガードは間に合わず。雅羅は自分自身の技に吹き飛ばされます。
 
 状況は──最悪でした。



 そうだ。すべて、思い出した。
 かつて読んだ旧き資料本。その記憶を、痛みの噴流の中、詩壇 彩夜(しだん・あや)は思い出します。
 
「こ……、げき、を……、」
 
 ですが喉から出るのは、掠れ声。身体のどこにも、力が入りません。
 
「しゃべらないで! あなたが一番、重傷なのよ……っ!!」
 
 力の持ち主のデータを写し取る鉱物兵器、『カローニアン』。それは身体データから、その最大攻撃力まで読み取り、学習してそこに兵器としての破壊力を上乗せしている完全な『自分の上位互換』です。
 
 彩夜が、抱き起こす李 梅琳(り・めいりん)や、皆に伝えたいこと。それは、彼らの弱点。
 たったひとつ存在する、鉱物兵器たちのウィークポイント──……『コピーした相手の最大の一撃』でした。
 その威力は彼らの装甲にとっての限界値でもあり、鉱物兵器たちはそれをよく知っている。その一撃のみならば、己が絶対に耐えられることを。
 
 それゆえ確実に耐えきれるその一撃へと、彼らは防御行動をとります。間違いなく──そう、プログラムされたかのように。
 そこに、なにか別の一撃を上乗せし、重ねれば。
 必然的に、相手の耐久限界を越えられます。
 
 誰でもいい、伝えなくては。朦朧とした微睡みの中、彩夜は動かぬ唇をか細く、震わせました。
 
 ここで倒さなければ、強力な人型兵器が野に放たれてしまいます。
 
 さあ、皆さん。自分自身と瓜二つ、自分以上の能力を持つ相手を──力を合わせ、倒してください。

担当マスターより

▼担当マスター

640

▼マスターコメント

 
ごきげんよう、ゲームマスターの640です。『最強タッグと、『出来損ない』の陰謀』後編シナリオガイドをお送りします。

 前編ラストで現れた敵、『カローニアン』。それは鏖殺寺院の技術が生み出した厄介な鉱物兵器──蒐集したデータをもとに動き、殺戮をする鉱物であり、財団首魁の老人、シュラ・ カローナがトーナメントを開いた理由はその活性化にありました。
 
 無数のセンサーやカメラが、参加者たちだけでなく、会場の観客や地下に潜入した者たちに向けられていたのも、そのためです。
 闘技場の地上にも、地下にも。すべての人々のコピーで今や溢れかえっています。
 その皮膚は、鉱物ゆえ容易に硬化できます。
 魔法ダメージも通らないために、光条兵器も通用しません。……よほどの一撃でなければ、完全に無効化されてしまいます。
 感情を持たないくせに、自分がどういった表情をすれば相手の動揺を誘えるかを、データから予測し表現します。
 単純な身体能力は、コピー元のそれを上回ります。なにしろ、鉱物兵器本来の力に加え、コピーされた人々の能力が上乗せされているのですから。
 
 彼らの弱点はたったひとつ、コピーした相手の発揮できる最大威力の一撃。そこに、更なる破壊力を加えることで、耐久限界を乗り越え、破壊するのです。
 無論相手も、肉体データだけでなく多人数戦闘を光景を学習していて、それをもとに対応してきますので、一筋縄ではいきませんが──……。
 
 現状、彩夜と梅琳は負傷していて、特に彩夜は意識すら危うく、彼女を守るため梅琳も積極的な戦闘参加は望めない状態です。そして彼女たちのコピーも、相手にしなくてはなりません。
 雅羅たちも闘技場で頑張ってはいますが、試合直後で消耗しています。それについては試合に参加していた皆さんも同じですから、うまくフォローしあっていく必要があります。
 
『カローニアン』の殲滅。そしてこの事件の首謀者たる老人の確保。これらが、今回の主な目的です。
 
 それでは皆さんの参加をお待ちしております。
 

▼サンプルアクション

・『カローニアン』と戦う!

・一時休戦! 対戦相手のペアとともに『カローニアン』に立ちむかう!

・偶然客席にいた。雅羅たちを助けに飛び込んでいく

▼予約受付締切日 (予約枠が残っている為延長されています)

2013年08月29日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2013年08月30日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2013年09月03日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2013年09月13日


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