なし

　それは、奇妙な夢でした。
　見覚えの無い都市、知らない人々。
　明らかに自分ではない名前で呼ばれ「あなた」はそこで暮らしているようでした。

（何だろう、これは）

　それは触れた温度まで伝わってくるような、確かな現実感を持った夢でした。
　その原因は判りません。何故そんな夢を見たのかも判りません。

　けれど、確信がありました。
　自分は、「誰か」に呼ばれているのだ……と。




　そして――それは一万と数百年も昔の出来事。

「あなたが、アジエスタ？」
　淡い金の髪、透き通った顔の瞳をした少女が、自分より頭ひとつ背の高いその少女へ首を傾げました。
「はい、媛巫女様」
　堅苦しい調子で応じて、頭を下げる夕焼け色の短い髪をした少女に向かって、巫女と呼ばれた少女は困ったように苦笑して、その深い泉の緑の目を覗き込みました。
「ティユトスでいいですよ。そう呼んでください」
　そう言って伸ばされた小さな手を重ねて、二人の少女は微笑みあっていました。

　それが出会い、それが始まり。
　その二人の姿を、三色の族長達――黄族のティーズ、紅族のオーレリア、蒼族のビディリードが、それぞれ複雑な表情を浮かべて、見守っていたのでした――……

はじめましての方は初めまして。
二度目以上の方は、またお目にかかれまして光栄です。逆凪まことと申します。

あれ？　と思われた方もいるかもしれませんが
このシナリオは先日開始いたしましたキャンペーン【真相に至る深層】の派生フリーシナリオです
物語は、本編の始まる少し前の出来事となります
第一回にて作成いただきました過去キャラクターの設定補完、軌道修正、あるいは試運転など
ご自由な用途で遊んでいただけます
※ただし、本編で有利になりそうな情報は開示されません
あくまで本編で開示されている夢より以前の生活、といった内容となります

また、第一回に参加されていない方も、こちらで過去キャラクターを作成いただきますと
第二回からの参加がしやすいのではいだろうか、と思います

現代サイドの時系列としては、調査団がエリュシオンを訪れる前の話になります
クローディス達調査団や、氏無達と会話したりも出来ますが、遺跡内部の情報は手に入りません
あくまでも交流のみになります
それぞれ、打ち合わせなどを兼ねて、トゥーゲドアの街を訪れています
登場するＮＰＣは、マスターページで紹介されているＮＰＣとなります
【真相に至る深層】とは全く関係なく、逆凪ＮＰＣと遊んだりも可能ですが
帝国サイドのＮＰＣへのアクションにつきましては、最大でもメールのやり取り程度
となりますのでご注意ください

尚、本編の詳細につきましては、お手数ですがこちらをご参照ください

今回の特殊ルールについて

１：過去キャラクターの登録（これは下記にて説明いたします）
２：アクションのかけ方について

今回は下記の方法でアクションをかけることができます

１：ＭＣを過去キャラクターのアクション枠に使う（ＭＣはリアクションに登場しません）
２：ＬＣを過去キャラクターのアクション枠に使う（ＬＣはリアクションに登場しません）
３：予約で参加する（枠に使ったＭＣ、ＬＣも、アクションを投稿できます→リアクションに登場します）

ただし、第一回でご参加いただいた方は、過去キャラクターを変更することは出来ません
また、設定いただいた関係性を変更することは出来ません
（※アクション次第で人間関係は変化する可能性はありますが）
現代側に登場するＬＣについては、人数の制限はありません


▼第一回で参加された方の過去キャラクターアクションについて

過去キャラクターのアクションには、ＭＣ、ＬＣどちらか一方の枠が必要となります
（過去キャラクターは１名のみですが、現代側のＬＣ数は特に制限はありません）
予約以外の参加の場合は、過去キャラクターのアクションとして利用した場合
そのキャラクターはリアクションには登場いたしませんのでご注意ください

※尚、初回で設定された関係性を変更することは出来ません

１：願望……初回で頂いた設定補完、こんなシーンが見たい、等の願望をご記載ください
　　　　　　　　ただしあくまで願望ですので、必ずその通りになるとは限りません
　　　　　　　　キャラクター付けのための情報、とお考えください

２：行動……今回取れる行動は、交流行動のみとなります
　　　　　　　　指定できる過去キャラクターは、第一回登場の過去キャラクターのみです
　　　　　　　　ただし、交流はせず、キャラクターの家族設定などの開示のみ、といった行動は可能です
　　　　　　　　（ご指定いただいた過去キャラクターのＭＣが参加されていない場合は
　　　　　　　　　マスターによって幾らかの補正のかかったリアクションとなる可能性があります）

３：補完……自身の過去キャラクターについて、補完したい点などありましたらこちらへ
　　　　　　　　ただし、公開されたシナリオ内容の変更、関係の変更等
　　　　　　　　絶対に採用される保障はございませんので、ご注意ください
　　　　　　　　

◆過去キャラクターの登録◆

・プレイヤーは通常のアクションとは別に、過去キャラクターとしてアクションをかけることができます
　前世とは違い、あくまで「過去存在したキャラクターの記憶の追体験」となりますが
　ディバイスとの接続によって、現在に連動して過去は変動しようとしており
　過去キャラクターのアクションによって歴史は変わっていきます
　※ただし、あくまで「接続」されているだけで、当人になれるわけではありません
　そのため、アクションは「どういう存在だったのか」という点を追加していく形になり
　ご自身のキャラクターと言うよりは、半ＮＰＣといった扱いとなります
・一部のキャラクターの過去は、個別リアクションという形でお送りする場合があります
・ＭＣの過去キャラクターが誰であるかは公開いたしません
・過去キャラクターの持つ知識については、リアクション・個別リアクションで公開された時点から使用可能となります

▼過去キャラクターについて

初回参加時は、ＬＣ追加が必須となります。これは、過去キャラクターの枠となります。
※ただし、登録できる過去キャラクターは１名のみです。
初回参加時は、ＬＣ欄に、以下の項目を記載していただきます。

１：名前……過去キャラクターの名前です
２：性別……過去キャラクターの性別です
３：所属……三つの族のいずれかの所属になります
４：職業……三職業のいずれかを選択できます
５：容姿……髪の色、目の色、身長等　※指定の無い場合はマスターのお任せになります
６：呼称……一人称、二人称、口調　(他、拘りがあれば）
７：関係……過去のキャラクター誰か一名と関係を指定できます
　　　　　　　　（例：敵対・片思い・相愛・親子・兄弟・姉妹・ライバル・ファン・親友　等）
　　　　　　　　一度決定した関係は変更できません
　　　　　　　　※プレイヤーキャラクターの作った過去キャラクターとの関係
　　　　　　　　　　または逆凪ＮPCの過去キャラクターとの関係を指定することも出来ます。
　　　　　　　　※ちなみに関係性がダブった場合は複雑な人間関係になるかと思います。
　　　　　　　　※指定の無い場合はマスターのお任せになります
　　　　　　　　　　その場合は、ガイド中に名前の無かったＮＰＣとの関係となる場合があります　　　　　　　　
８：補足……自由設定となりますが、内容によって反映できないことがあります
　　　　　　　　反映できない場合は、個別コメントでその旨お伝えします
　　　　　　　　性格設定、容姿、衣装他、文字数の許す限り、いくらでも書いてＯＫです
９：願望……こちらは任意ですが、どういった立ち位置のキャラを希望するか記載できます
　　　　　　　　それによって初回登場時点でのキャラクターの状況などが変わったりします
　　　　　　　　ただしあくまで願望ですので、必ずその通りになるとは限りません
　　　　　　　　キャラクター付けのための情報、とお考えください
　　　　　　　　（例：ＮＰＣの友人を貫く・ＮＰＣと恋愛する・最後は裏切る・裏で暗躍する　等）

※第一回での過去リアクションは、頂いた上記の内容によって作られた、過去キャラクターの立ち位置と、基本的状況の説明となります。

※以下は、二回目からの過去キャラクターのアクションのかけ方になりますので、ご参考くださいませ。

▼２回目以降の過去キャラクターについて

過去キャラクターのアクションには、ＬＣ一名の追加が必須となります
（過去キャラクターは１名のみですが、現代側のＬＣ数は特に制限はありません）
ＬＣ欄は、過去キャラクターのアクション欄としてご使用ください
記載できる項目は下記の通りとなります
※尚、初回で設定された関係性を変更することは出来ません

１：願望……初回に引き続き、どういった立ち位置のキャラを希望するか記載いただきます
　　　　　　　　ただしあくまで願望ですので、必ずその通りになるとは限りません
　　　　　　　　キャラクター付けのための情報、とお考えください
２：行動……願望をかなえるために、具体的にどういった行動を取るか
　　　　　　　　下記の３つより選んでご記載いただきます
　　　　　　　　尚、備考・注釈等を追加するのは自由ですが、反映されるとは限りません
　　　　　　　　○の部分は、キャラクター、場所等自由に指定できます

　◆情報……過去キャラクター（１名指定できます）から○○の情報を手に入れる
　◆交流……過去キャラクター（１名指定できます）と○○をする
　◆調査……場所を一箇所指定して調査を行います
　　　　　　　　
　　　　　　　　頂いたアクションはどのような手段であれ、基本的に全採用となります
　　　　　　　　そのため、意図と異なるような辛辣な結果となる場合も有ります
　　　　　　　　※ただしダブルアクションは自動的に不採用となります


＜＜ＮＰＣ＞＞

ティユトス
神殿に仕える巫女の頂点である「姫巫女」の少女です
前世は龍の恋人で、病気で死亡したのですが
その際、生まれ変わった後の約束を龍と交わしていたため
ティユトスとして転生後、龍の加護に守られ、契約の時まで何をしても死ぬことがありません
都市のために死を望んでいるのですが、ままならない自分に苛立ちと焦りを抱いているようです

アジエスタ
茜色の騎士団の騎士団長であり、ティユトスの幼馴染でもある女性です
ティユトスを殺すことを使命として与えられており
何度も実行しているものの叶わないでいることに、焦りと迷いが生じているようです
気丈である反面、その優しさゆえに揺れています

ビディシエ
藍色の騎士団の騎士団長であり、アジエスタの同期です
蒼族の当主、ビディリードの弟でもあります
龍を倒し、人がその主導権を握るべきだという意思を持っているようです
一見してはお調子者ですが、頑固な側面もあります

龍／ポセイダヌス
ティユトスの前世と恋仲で、恋人の遺言を守るために
ずっと永らえてきた古代龍（エンシャントドラゴン）です
島ひとつ分程度の巨大な体を持っていますが人前に出るときは青年の姿を取ります
老齢のため、普段は巫女達の祈りによって眠りについています


＜＜所属＞＞


＜黄族（おうぞく）＞
ティユトスの一族で、神職につく者を多く輩出する一族です
中央の神殿の持ち主の一族でもあります
現在の当主はティユトスの父親「厳格」のティーズ
ティユトスを殺し、再び輪廻の中へ返すことで、龍との契約の継続を考えています
親衛隊として光輝の騎士団を擁し、中央の塔と巫女達を管理しています

＜蒼族（そうぞく）＞
ビディシエの一族で、騎士を多く輩出する一族です
神殿の内外を警備する役割を負っています
藍色の騎士団が所属している、蒼の塔の管理者一族でもあります
当主はビディシエの兄で、「豪胆豪腕」のビディリード
龍を倒し、都市を人の手に奪還し、独立すべきだと考えています

＜紅族（こうぞく）＞
アジエスタの一族で、官吏を多く輩出する一族です
都市の管理、警備する役割をしています
茜色の騎士団が所属している、紅の塔の管理者一族でもあります
当主は「毒の貴婦人」オーレリア
ティユトスの犠牲を止むなしとし、巫女の命によって龍を繋ぎとめようとしています


＜＜職業＞＞

【巫女】
謡巫女と呼ばれ、神殿に仕え、龍に歌を捧げる人たちです
龍の心を安らがせ、魂を宥めることのできる歌い手たちで
龍と直接接触することのできる職業です

【騎士】
それぞれの一族の当主を主と仕える騎士です
龍の骨で出来たという武器を持ち、半魚人の侵略を防いでいます
彼らは強力な武器を真に扱える職業です

【官吏】
三つの家のいずれかに所属している貴族であり役人です
塔、あるいは神殿の一部機能を起動させる力を持っています
都市構造を熟知し、階級に応じた権利を持っている職業です


以上、長くなりましたが、簡単に言えばプレイヤーさまには「過去にこんな人がいた」という設定を作っていただき
マスターが「そのキャラクター過去はこんなことをしたんだよ」とお返しする、という形となります
そのため、いただいたキャラクターや設定などで、過去が色々な変化を見せます

大変お手数ですが、基本的な情報につきましてはこちらと
マスターページご参照ください


尚扉絵はＮ（なの）様に描いていただきました！

・【過去キャラクターサンプル】

・過去キャラクター補完

・過去キャラクターと交流