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　春です。
　今年もパン…の季節がやってきました。
　日本の一般家庭では、何故かこの時期には、食卓にパンが並ぶことが多くなるそうです。
　というわけで……。
「今年は、アルカンシェルでパン、パーティを行おうと思う。皆や、一般の方々にも協力してもらって」
　ロイヤルガードの隊長となった神楽崎　優子（かぐらざき・ゆうこ）が、友人達に言いました。
　シャンバラ古王国時代、十二星華の住処として使われていた浮遊要塞アルカンシェルは、現在、パラミタから月への物資を運ぶ役割を担っています。
　最初の激戦以来、パラミタから月への運搬には大きな障害もなく、アルカンシェルの修理も順調に進んでいます。
　つい先日、制御室も最低限の復旧に至りました。
「パラミタの人々に、もっと世界のことを知ってもらいたいと思うから。余裕のある時には、一般人の見学会も行っていく」
　優子は大荒野での自称パラ実生達との交渉を経て、関心のない人々、不安におびえる人々に、希望への架け橋であるアルカンシェルのことや、ニルヴァーナの探索について伝える必要性を感じました。そのため、アルカンシャルを一般人に解放していこうと考えたのです。
「あと、今回は……ジークリンデ・ウェルザング（じーくりんで・うぇるざんぐ）さんも招待するつもりだ」
　言って、優子はパートナーのアレナ・ミセファヌス（あれな・みせふぁぬす）に微笑みを向けました。
「！？」
　ビクリと、アレナは驚きました。
　ジークリンデ……シャンバラ前女王アムリアナ・シュヴァーラは、アレナにとってとても大切な人でした。アレナは現在優子に向けている深い愛情を、かつてはアムリアナに向けていたのです。
　また、ジークリンデと同居しているミルザム・ツァンダ（みるざむ・つぁんだ）も招待されています。護衛の為テティス・レジャ（ててぃす・れじゃ）と皇　彼方（はなぶさ・かなた）が同行予定です。

　ヴァイシャリーの街中にある塔に、女王と十二星華のグッズを扱う店があります。
　事件により、閉店すると思われていたその店ですが、塔のオーナーチェンジにより、この度新装オープンをすることになりました。
　塔を丸ごと買い取ったのは、白百合商会という名で、手広く活動をしている団体です。
「この度、この塔のオーナーであるこの私は、私は！　あの星華ちゃんたちの住処であった、アルカンシェルへの取材を申し入れ、その権利を勝ち取ることに成功した！」
　塔の中の会議室。会長の威厳に満ちた言葉に、歓声があがりました。
「更に、更にだ！　我々は同志の活躍により、秘薬を手に入れた」
「これだ！」
　ドンと、隣に座っていた青年がテーブルの上に置いたのは、ボトルに入った白い粉薬でした。
「これは、俺が、俺がッ！　数千年生きている、極悪非道な魔女から、命を賭けて入手した『幼児化』する秘薬だ！」
　彼の名はブラヌ・ラスダー。今回の功績により、白百合商会幹部に昇格した男です。
　この薬は、飲んだ後、長時間寝て起きるまで心も体も幼児と化してしまう薬です。
　しかし、幼くなりすぎない限り、記憶は残ります。
「さて、星華ちゃんたちのお家、アルカンシェルだが。許しがたい事に、乗り込んだ凶暴な契約者が、居住区の一部を吹き飛ばしたり、ことごとく家具をバリケードに使うなどという卑劣極まりない行動に出たそうだ。そのため、シャンバラの超超重要文化財である、十二星華の所有物、衣類のほとんどが廃棄されてしまったという！！」
　会長の言葉に、会員達は悔し涙を浮かべます。契約者は固いんだから、重要文化財を守るために、むしろ盾になるべきだろうがッと。
「やむを得ぬ。星華ちゃんや有名ぷりちーな女の子たちを、我等の手で汚して、神聖なる生パンを手に入れるのだ！　これはシャンバラ国民としての正当なる権利である！！」
　おおーと、声が響き渡ります。アルカンシェル内には浴場やシャワールームがあるはずです。彼らの作戦は……志を同じくする者なら分かるはずです！
「朗報もある！　私は、この私は！　十二星華のリーダーであった、あのティセラ・リーブラ女帝を、この塔に招くことに成功した！　アルカンシェルでパーティが開かれる日限定だが、ティセラちゃんがショップの一日店長さんだ〜☆」
　うおおおーと、再び、歓声があがります。
　当日は、幼児化して、取材に同行してアルカンシェルの一日体験学習に参加する会員と、塔でティセラと共にショップを運営する会員に分かれて、お宝のゲットを目指すことにしました。


「少し……窮屈ですわ」
「それでは、こちらのサイズをお試しください」
　ティセラ・リーブラ（てぃせら・りーぶら）は、ショップで１日店長を努める為、ユニフォームの試着を行っていました。
　塔の中には、若い女性向けのランジェリーショップもあるのでと、下着から靴下まで、全てお店の物の着用を求められましたが、サイズが合わない、ティセラに似合わないなどの理由で、何度も着替えをさせられていました。
「ところでティセラ様。貴女様は今後、どのように売り出していくおつもりですか？」
「売り出す、ですか？　そのような予定はありませんが」
　女性店員の質問の意味が解らず、ティセラは軽く首を傾げました。
「ティセラ様……誠に申し上げにくいのですが、アイドルとしても、戦士としても、貴女は完全に落ち目です。落ち目アイドルが世間の注目を集めるには――そう、脱ぐしかないんです。
　このまま、世間に忘れ去られてもいいんですか！　捨てられてもいいですか！　いいえ、あなたはまだまだ輝ける、稼げるんです！」
「は、はい……？」
「当店では、下着モデルを募集いたしております。ティセラ様の等身大下着パネルを、当店に置かせていただきたいのです。わ　か　り　ま　す　ね？」
「は、はあ……」
「ティセラ様にぴったりの下着をご用意するためには正確なサイズが必要です。のちほどきっっちり計らせていただきます。あ、お召の服はレンタルですので、仕事が終わりましたら全てお返しくださいね〜」
　そう言うと、店員はティセラが試着した数々の服や下着を持って、事務所へと向かって行きました。
「１日、店長に、モデルですか……」
　ティセラはそっと息をつきました。
　彼女も、アルカンシェルのパーティに招かれてはいたのですが……顔を会わせにくい相手がいる為、断る口実としてこの仕事を受けたのです。
　親友のパッフェル・シャウラ（ぱっふぇる・しゃうら）とセイニィ・アルギエバ（せいにぃ・あるぎえば）には、代王を護衛し、それぞれの友人とパーティに出るようにと勧めてあります。
「わたくしたちのお店ですもの。パラミタの皆さんに親しんでいただけるよう、頑張りますわ」
　ティセラは純粋に、店の為……かつての仲間の為に頑張ろうと思っていました。

「こちらが、試着済みの服です」
　店員は事務所――白百合商会、会長の元に戻って報告します。
「仕事の合間に、この手でじっくり採寸と撮影をさせていただきます」
　店員……希少な女性の白百合商会会員は、手をぐーぱーぐーぱしながら、言いました。
「ポスターやパネルもいいですけれど、写真集も捨てがたいですねぇ。ぐふふふふっ」
「タッチ会やぱんつサイン会もやりたいのぉやりたいのぉ。げへへへへっ」
　会員と会長はさわやか〜に微笑み合いました。

十二星華の住処であった、浮遊要塞アルカンシェルで、パン…パーティが行われます。
故障でしょうか、パンの後に、時々、何故か…が入ってしまいます。
これまでアルカンシェルに関わりがなかった方も大歓迎ですし、塔の方に遊びに来てくださる方、巻き込まれてしまう方も大歓迎です！
お気軽にご参加くださいませ〜。

こちらのシナリオでは、キャラクタークエストエリュシオンに流れた物で入手できる、「古代文字解読辞典の切れ端」をゼスタか優子に渡すか、もしくは捨てる（渡さない）かを選択できます（ご選択いただきましても、アイテムそのものは消費しません）。
アイテムは必ず、装備欄に装備して、アクションを送信してください。
装備１つにつき、１ポイントと換算いたします。

「古代文字解読辞典の切れ端」をどうするかにつきましては、誰に渡すかと、簡単な心情や提案のみのご記入場合、１アクションとしてカウントいたしません。
ただし、それがメインアクションではない限り、渡したシーンや心情などの描写は今回のリアクション中では行われません。
描写が必要な場合は、渡す相手へのご提案や心情のみのアクションとしてください。
装備しているけれど、どうするのか未記入だった場合は「捨てる」としてカウントいたします。

ゼスタへのポイントが一番だった場合は、古代の魔導砲の設計図を読み解くことに成功し、主砲である魔導砲が復活します。古代の設計図のままの作成となります。改良などは現在の技術では行えません。
魔導砲は生命力（主に剣の花嫁）をエネルギーに発動する、極めて強力な兵器です。
（参照：浮遊要塞アルカンシェル（後編））

優子へのポイントが一番だった場合は、白い…が後のキャラクエでプレゼントされます。からなず１枚さしあげます。
物語の内容は、今回の話の続編（コメディ系）です。

捨てるへのポイントが一番だった場合は、アルカンシェルは古代の知識に頼らない改良がされていくことになります。

・魔導砲が復活した場合は、バトル系のシリアスな話（マスターシナリオかキャラクエ）を書かせていただくと思います。

・白い…プレゼントのキャラクエを行う場合は、ＰＣに何人か登場していただくかもしれません。

・辞典が利用できない（捨てるが多かった）場合は、アルカンシェルが兵器として使われることは以後ないかと思います。

■ＮＰＣと動き（必要に応じての登場となります）
神楽崎優子…パーティ取り仕切り。パンを焼いたり、接客したり。
アレナ・ミセファヌス…来客おもてなし。パン…の準備。ジークリンデ見守り。
ゼスタ・レイラン…本人いわく、試食と女性のエスコートの担当。
ファビオ・ヴィベルディ…雑用係。ジークリンデをそっと見ている。
パッフェル・シャウラ…ＰＣから誘いがなければ、セレスティアーナの護衛。
セイニィ・アルギエバ…ＰＣから誘いがなければ、理子の護衛。
ジークリンデ・ウェルザング…招待されて、パン…パーティ参加。
ミルザム・ツァンダ…招待されて、ジークリンデとパン…パーティ参加。
テティス・レジャ…ミルザム達の護衛。
皇　彼方…ミルザム達の護衛。
高根沢　理子…アルカンシェルに招待される。子供の世話を手伝う。
セレスティアーナ・アジュア…アルカンシェルに招待される。見学したり、パン…パーティ出たり。
ブラヌ・ラスダー…塔で、店長補佐としてティセラに付きまとう。
リーア・エルレン…塔の上階の個室でのんびりお茶を飲みながら、状況を見守っている。
白百合商会会長…塔での仕事（監視カメラで覗き）を終えた後、子供達を連れてアルカンシェルへ向かい取材！

リストに名前のないＮＰＣに、シナリオで絡むことは出来ません（白百合商会メンバー除く）。
白百合商会会長が不慮の事故か何かでアルカンシェルに行けなくなってしまった場合は、別の人物（白百合商会会員）が代表となり子供達を率いてアルカンシェルに向かいます。

■その他説明
アルカンシェルで任務についている、臨時で勤めているなどの設定はＯＫです。
アルカンシェル内に、割り当てられた部屋があるとしていただいて構いません。

称号「白百合商会会員」を表示の方は、塔で働いている、アルカンシェルに取材や見学に来たという設定もＯＫです。
幼児化する場合、年齢は自由に決めていて戴いて構いません。
（会員の称号は、キャラクタークエスト白百合商会との接触で入手可能です）

コメディよりのシナリオの予定ですが、シリアスなシナリオの後日談でもありますので、今回はシリアスなシーンも必要になると思われます。
ただ、シナリオに関係のないご提案、世界的な事、政治的な事にはお返事することはおろか、シナリオに載せることも難しいので、どうかご遠慮ください。

◆お願い事項
こちらのシナリオでは、いくつものシーンに跨る行動、ダブルアクションはご遠慮ください。アクションはＭＣ、ＬＣ一緒に１つの場所、１つの行動に絞っていただけますようお願いいたします。
「ティセラと会話をしてから、パーティに参加」や「ＭＣは剥ぎ取りメイン、ＬＣは洗濯メイン」などは行えない行動となります。
但し、例えば「準備の調理をメイン」とし具体的な行動をご記入の上、「パーティ中は給仕をしている」などと、１文だけ書いておくことは問題ありません。その際には軽く描写される可能性もあります。
また例外として、皆を楽しませる変態行動の場合、いくつものシーンに登場する可能性があります。

原則、ＬＣはＭＣと一緒に行動し、同じことを行う場合にのみの追加でお願いします。
以下は例外として、このシナリオでは問題のない追加とさせていただきます。
・ＬＣのみシナリオに参加したい場合（ＭＣ欄にＬＣのアクションを書いて構いません）。
・経験値目的（描写不要とお書きください）。

それでは皆様のアクションを楽しみにお待ちしております。

・彼女と密室で二人きり

・アルカンシェルでほのぼのする。断固ほのぼのする

・子供達を躾ける、かもしれない

・等身大パネルが欲しい！