蒼空学園

　川の傍に立てたテントで、優雅にお茶と談笑を楽しんでいた白百合団の乙女達ですが、テントの外が騒がしいことに気付きました。
　別荘に調査に向かっていた【ＳＯＳ班】の報告をミルミ・ルリマーレン（みるみ・るりまーれん）もようやく聞く気になりました。
「ミクルちゃんは？　一緒じゃないの？」
　彼女がまず心配したのは、友人のミクル・フレイバディのことでしたが、ミクルの姿は見られません。
　ＳＯＳ班の青　野武（せい・やぶ）は、別荘のポストから回収したミルミ宛の小包を渡した後、神妙な顔でこういったのです。
「別荘で鏖殺寺院が大規模なバイオテロを計画しておるのじゃよ！」
　彼の言葉に、ミルミはぽかあんとしていました。
　しかし、テントの外では、鏖殺寺院やパラ実という単語が飛び交っており、解体に訪れた工事の人達が色めき立っています。
「そ、その小包は何？　危ないものじゃないよね？」
　学友の高原瀬蓮（たかはら・せれん）も、事態に混乱しながらミルミに訊ねました。
「ラザン、開けてーっ」
　ミルミは執事のラザン・ハルザナクに小包を渡して、瀬蓮のパートナーのアイリス・ブルーエアリアル（あいりす・ぶるーえありある）の後に隠れました。
　ラザンは皆に被害が及ばないよう、少し離れて小包を慎重に開けました。
　中には……色とりどりの花が敷き詰められていました。
　そして、中央にメッセージカードが入っていたのです。
「ラズィーヤ・ヴァイシャリー（らずぃーや・う゛ぁいしゃりー）様に届いた小包もこのように花が沢山入っていたんですよね……？」
　言いながら、ラザンはメッセージカードを取り出して、文面に目を通しました。
「何て書いてあるの？」
「差出人の名前は掠れてよく読み取れませんが……」
　ラザンは眉を顰めながらメッセージを読み上げました。

「ハロウィンの夜、私の最も大切にしている物をお見せに上がります。――かい、とう、……仮面？」

　ミルミは目を見開いて、泣き出しながらパートナーの桜谷　鈴子（さくらたに・すずこ）に電話をかけました――。
　なんということでしょう……！
　どうやら秘宝ではなく、ミルミ自身も狙われているようです。
　テントの外からは、１００を超える鏖殺寺院のメンバーが臨戦態勢にあるとの声が響いています。
　鏖殺寺院の幹部と別荘が写った動画を見たという話や、パラ実の契約者らしい集団を見たという証言も続々と届いてきます。
「ヴァイシャリーの方も大変な状態で、加勢には殆どこれないっていうの」
　ミルミは電話を切ると、涙をいっぱい浮かべながら皆にいいました。
「ミルミ、皆を信じる。とにかくぶっ壊そう！　跡形もなく壊しちゃおう！　その後は全力で逃げればいいだけだし！！　ミルミ、一番派手にぶっこわす計画立てた人に全権を任せる！！」
　全部人任せにしてしまいたい、とにかく自分は逃げたい、そんな彼女の心が表れている純粋な言葉でした。
　もう既に、ミルミは混乱のズンドコに陥っているのです！

　――一方別荘の中でも。
「姐御！　奴隷達も聞け！　俺らはこの屋敷を死守する。一番功績をおさめた奴が、次の総長だー！」
　ガートルード・ハーレック（がーとるーど・はーれっく）率いるパラ実の女性陣が現れてから、発言力を失くしてしまったブラヌ・ラスダーが、最後の雄叫びを上げました。

【重要なお知らせ】
手違いにより先々週までマスター川岸の個別コメントが全て反映されておりませんでした。
第１回にご参加いただいた方は予約の前に必ず第１回の個別コメントも確認の上、ご参加下さい。
大事なお知らせが載っている可能性があります。
その他、先々週までに公開された川岸のシナリオに参加されていた方は、一度個別コメントの確認をしていただければ幸いです。殆ど定型文一言ですが、現在までの川岸担当のシナリオでは全員分記入をしております。
お手数おかけしてしまい、大変申し訳ありません。
どうぞよろしくお願いいたします。

【ご案内】
こちらは、百合園女学院キャンペーン、別荘編の第２回です。百合園女学院のキャンペーン扱いではありますが、どの学園の方も大歓迎です。
所属学園関係なく、ふるってご参加いただければと思います。

このシナリオは『コメディ』です。
なんだか大変なことになっているように見えますがあくまで『コメディ』路線ですので、どーしてこんなことになっているのか、ご確認の上ご参加いただければと思います。
綺麗に活躍したいとか、恋人と甘い一時を過ごしたいとか、素敵に救出されたいとか……無理ですから！（にこっ）　もれなくオチがついちゃいそーですが宜しくです♪
あっ、でも一応キャンペーンであることは心の片隅に留めておいて下さい。

ガイドは直後の話になっていますが、集落で準備をしてから向かうことになるため、双方それなりの準備期間があります。
小さな集落で手に入るようなもの、借りれるものは、常識的範囲で持っているとして行動して構いません。

楽しいアクションをお待ちしております！

【お知らせ】
百合園女学院のキャンペーンは、２部構成となっております。１部（前編）「狙われた乙女」は全３話、２部（後編）は全５〜６話を予定しています。
且つ、前編の「狙われた乙女」は、ヴァイシャリー編と別荘編の２分割となります。既にヴァイシャリー編の方へご参加いただいた方（アクションをかけた方）は、物語が同時進行になるためこちら別荘編への参加はご遠慮下さい。万が一間違って参加された場合は、ヴァイシャリーから食料程度の物資を送るといった行動のみ、採用させていただきます。別荘へ行くことは出来ません。また、これはあくまで間違って参加された場合であり、物資を送る行動なら遠慮しなくていいという意味ではありません。どうぞよろしくお願いいたします。

・全力で平和的解決を求める！

・知的生命体を追い出す

・応戦する

・地下に興味がある

・見守ります