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【●】月乞う獣、哀叫の咆哮(第1回/全3回)

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【●】月乞う獣、哀叫の咆哮(第1回/全3回)

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シナリオガイド

イルミンスールに迫る新たな危機!?超獣の侵攻を足止めせよ
シナリオ名:【●】月乞う獣、哀叫の咆哮(第1回/全3回) / 担当マスター: 逆凪 まこと

 どことも知れぬ場所の、何時とも知れぬ時刻。
 人知れぬその場所で、「それ」は目を覚ましたようでした。
「漸く目覚めたか。起きたばかりであれだけ暴れれば、消耗もするに決まってるだろ」
 男は笑いましたが、元々理性のある相手ではないのはわかっていることなので、呆れているのではないようです。「それ」には言葉が通じていないのも承知の上で、男は親しげな調子で続けました。
「さあ、あと少しの辛抱だ……行こう。全てを取り返しに」
 だがその前に、やっておかなければならないことがある、と、槍を片手に、白い神官服を翻した男――アルケリウス・ディオンは薄く笑ったのでした。



「姿を現した、だと?」
 金 鋭峰(じん・るいふぉん)の問いに、部下は緊迫した顔で頷きました。
  トゥーゲドアでの一件 以降、度重なる調査にも見つけられず、不気味になりを潜めていた超獣が、イルミンスールの森付近で突如姿を現したというのです。
「目的は不明ですが、その進路の先にはザンスカール……イルミンスールがあります」
「辿り着かせるな」
 そう言い、超獣と実際に対峙した経験者であるスカーレッド氏無両大尉を、直ぐに現場に向わせることにしました。しかし、二人は難しい顔で答えます。
「相手はエネルギー体です。物理的な攻撃では、侵攻を防ぐのは難しいと思います」
 そうスカーレッドが言えば、
「一時凌ぎではありますが、結界を張って足を止めるべきではないかと」
 と、氏無も続けます。
 氏無の計画はこうです。元々超獣が封じられていたトゥーゲドアにあった、ストーンサークルの柱を使い、それを超獣を囲えるように設置し、結界を張ろうというのです。ただし、完成には時間がかかるため、イルミンスールの森の入り口の一部までは侵攻されるのを想定し、先回りして結界を張る必要があります。勿論、結界が張り終わる前に、超獣がそのポイントを超えてしまえば、結界も役に立たなくなるため、超獣の足を鈍らせることも必要です。
 時間が無いということもあり、鋭峰も頷き、その作戦を支持しました。
「現場は貴官らに任せる。ザンスカールへの到達を阻止せよ」
 短く命じると、部下たちに緊急要請と、各手配を任せ、自分はイルミンスール側と交渉の席に着くことにした鋭峰は、重苦しい表情で眉を寄せました。
「一体、何が目的だ……?」
 その呟きに答えられるものは、今のところは誰もいないのでした。


「仕方ないですねぇ」
 精一杯の顰めっ面をして、エリザベート・ワルプルギス(えりざべーと・わるぷるぎす)は、鋭峰の言葉にため息をついきました。
 ほんの一部とは言え、イルミンスールの森に超獣を侵入させるのは、余り気が進まないようでしたが、事態は一刻を争います。迷っている余裕はありません。
 わかりました、と、エリザベートは頷きました。
「こちらからも生徒を向かわせるですぅ」
「感謝する」
 そうして、鋭鋒と共に結界を張るポイントを相談し、短くやりとりをした後、生徒達への緊急要請を伝えたエリザベートは、ふぅ、と息をつきました。
「でも、どうしてこっちに向かっているんですかねぇ」
 鋭峰と同じ疑問にを口にしながら、ちらっと視線を向けると、ちんまりと机に腰を下ろした少女は「さぁのう」と肩を竦めました。
 イルミンスールに近付く不穏で危険な気配に、ザナドゥから帰還してきたアーデルハイト・ワルプルギス(あーでるはいと・わるぷるぎす)です。
「そのあたりは、例の”客人”とやらに聞くのが手っ取り早かろう。しかし……」
 言いながら、その顔色は優れません。いつになく緊迫した様子のアーデルハイトに、エリザベートも不安そうに眉を寄せました。
「……どうかしたんですかぁ?」
「ザナドゥでも感じておったが、この気配……何故じゃろう、酷く胸騒ぎがするのじゃ」
「何故……って、何故なんですかぁ?」
 驚くエリザベートに、アーデルハイトも眉を寄せます。
「わからん。わからんが、とにかく、この気配をイルミンスールに近付けてはいかんことだけは、妙にはっきり判るのじゃ」
 気のせいか焦りの覗くその声に、エリザベートの不安は深まるのでした。




「もう、動いて大丈夫なのか? 」
 同じ頃、イルミンスールへ一旦保護されていた”客人”、ディミトリアス・ディオン(でぃみとりあす・でぃおん)の様子を見に、クローディス・ルレンシア(くろーでぃす・るれんしあ)が訪れていました。その手に錫杖を持ち、黒い古代の神官服を纏った青年は、しっかり両の足で立って、頷きました。
 トゥーゲドアの少年ディバイスが、不用意に手を伸ばしてしまったため、それによって憑依したディミトリアスの魂の大きさに、身動きが取れないほど不安定になってしまい、イルミンスールの術者に協力を求めていたのですが、その魂もようやく体に安定したようでした。
「問題ない。力も、以前のように使える。この体の主は、随分と依代として優秀らしいな」
 受け入れられ、身を預けられたことに、何とも言えない顔をするディミトリアスに、「まだ安静にした方がいいのじゃないか」クローディスは言いましたが、ディミトリアスは首を振ります。
「時間が無い。あれを――超獣を止めるには、まだ手段が足りていないからな」
 先日の事件の折、彼はこう語っていました。
『超獣の封印が解けた今なら、その力を大地に還す事も、不可能じゃない』
 ただし、今の呪詛に塗れたままの状態では、無理に還せば大地を穢してしまうのだそうで、いずれにしても、まずは侵攻してくる超獣を止めることが先決だ、とディミトリアスは言います。 
「そのためには、情報がいる」
 情報収集のためには、超獣が封印されていた地下遺跡へ向わなければなりません。超獣が復活した後暫くして、その通り道は塞がれてしまっていたのですが、ディミトリアスにはその入り口を開くことが出来るとのことでした。
 すぐにでも向おうとするディミトリアスでしたが、それを止めたのはクローディスでした。
「情報収集が必要なのはわかる。だが、すまないが、まだ君を信用するわけにはいかない」
 何しろ彼は、超獣を復活させ、パラミタに対する敵意を露にした青年、アルケリウスに瓜二つの、双子の弟だったからです。彼は、超獣を止めることで「彼女」と呼ぶ人物を助けたいといっていますが、真実の程は定かではないのです。
「そこで、だ。悪いが、これを嵌めておいてもらう」
 そういってクローディスが取り出したのは、古い腕輪でした。精緻な紋様の刻まれたそれは、嵌めた者の魂を吸い込んで封じてしまうというものです。もし、少しでも妙な真似をすれば、これで封印するぞ、と彼女は言っているのです。
 ディミトリアスは承知の上でそれを受け取り、あっさり腕に嵌めました。ですが、ディミトリアスの関心は他のところにあるようです。この腕輪の発動条件は、呪文一つですが、それを知っているのは今のところクローディスだけです。ということは、必然的に、クローディスはディミトリアスが遺跡へ向うのに同行せざるを得ません。
「できれば、あんたはここに残っていて欲しいんだがな」
 と、ディミトリアスは不満というよりは心配げな様子で言いました。
「専門家が行かなくて、どうするというんだ。それに、まだ聞きたいことも色々あるしな」
 その様子に首を捻りながらクローディスは言いましたが、ディミトリアスは気が進まないようです。
 けれど結局はディミトリアスが折れる形で、クローディスたちは遺跡へ向うことになりました。


 唐突な幕開けの中、事態は性急に動き始めたのでした。


担当マスターより

▼担当マスター

逆凪 まこと

▼マスターコメント

はじめましての方ははじめまして
二度目以上の方は再びお目にかかれて光栄です、逆凪まことです

「光降る町で」復活した超獣が、ついにその侵攻を開始しました
止めるにはどうしたらいいのか、何故イルミンスールなのか、そしてこの双子の正体は何か
様々な謎を解明するための行動のヒントは、ガイドの中に散らばっています
皆さまご協力の上、数々の壁に挑んでいただけますと幸いです


注意事項
今回は、【1】、【2】の場所は遠く離れているため、アクションはどちらか一方でお願いします
両方に股をかける行動、MC、LCが分かれるという行動は、高確率で不採用となりますのでご注意ください
また、それ以外の場所で行動される場合も、あまりにシナリオ外の場所となりますと、不採用となります

尚、今回のシナリオは、内容的にイルミンスールと教導団の方が受かりやすくなっていますが、どの所属の方でもご参加いただけます



【1】イルミンスールの森

超獣がイルミンスールへ到達する前に、結界を張って足止めをすることになりました
結界の準備は氏無大尉が担当し、スカーレッド大尉は正面から足止めをしています
ですが、巨大な上にエネルギー体である超獣は、一筋縄では止まりません
できるだけ人手が必要、ということで緊急の救助要請を各地に送っています
協力して結界を完成させ、侵攻を阻止してください


<<氏無大尉の超獣関連レポート>>

大地に循環するべきエネルゴーが凝り固まって、意思のようなものが生まれて出来たのが超獣だといいます
元は神聖なものとして扱われ、一つの町が守っていたらしいですが、今は呪詛に塗れ、見る影もありません
超獣は、殆ど黒に近い灰色で、ゼリーのようにぶよぶよとした体をし、尻尾側の長い三角形状の、爬虫類に似た平べったい胴体は、淡い光に覆われています
側面からは無数の手が伸びて足代わりをし、這いずるように移動するそれの形状は、人間のそれと同じです
一部の手は地面の中へ伸び、地面から地上へと伸びてくる場合があり、注意が必要です
頭部は丸く、灰色に濁った目がずらりと側面まで一列に並び、そのすぐ下を、一文字に割いたような口があります
歯はなく、広範囲を丸呑みにしてしまう用途で使われるようですが、構造から超音波の類を発生させる可能性があります
ただし、目はあっても視力は無い様で、フライシェイド同様、熱で探知しているようです
表面は柔らかく、全ての攻撃は通るようですが、攻撃を受けた場所は霧散するものの、暫くすると修復されてしまいます
原因はどうやら、無数の腕が、触れたもののエネルギーを取り込んでいるためと思われます


【2】トゥーゲドア

超獣を結界で足止めする傍ら、根本的な解決策を探るため、遺跡を調査に向います
こちらも方々に情報が開示されているので、ディミトリアス達と同行するか、自力で到着するかになりますが
遺跡の内部はディミトリアスの魔法を利用して入り口を開くため、開かれる以前から独自に入ることはできません
ただし、必ずしも遺跡に向わなければならないということはありませんし、ディミトリアス達と同行しなければならないわけでもありません


<<遺跡の内部について>>

ディミトリアスの開いた地下遺跡に続く洞窟は、壁の表面が入り口であるストーンサークルと同じ素材でできており、壁面には呪文を増幅する古い呪文が刻まれています
中は真っ暗で、四人が横一列になれる程度の広さをしたやや傾斜のある通路が、地下に向かってまっすぐ奥へ続いています

その最奥では、ドーム状の巨大な空間が広がっており、その壁側に八本の柱が円を描いて並んでいます

そこに刻まれた碑文は、クローディス達によって復元され、ストーンサークルにあったものとまた違う文章が並んでいます
柱の下には、柱と同じ太さの溝が複雑に走っており、柱が動かせるようになっているようです
また柱が作る円の内側には、八つの模様が円を描いており、それはそれぞれ時計回りに月の満ち欠けを表しており、窪みになっており、その窪みには、柱から続く溝が繋がっています
その上に以前封印の要が乗っていたようです
そして更にその円の中心の床は砕けてしまっており、事件の前には眠る女性が横たわっていましたが、超獣と共にいなくなってしまっています

※他NPCの詳細は、マスターページに記載しています。 

▼サンプルアクション

・【1】超獣の足止めをする

・【1】結界を張る手伝いをする

・【2】遺跡調査の手伝いをする

・【2】ディミトリアスに話を聞く

▼予約受付締切日 (予約枠が残っている為延長されています)

2012年06月14日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2012年06月15日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2012年06月19日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2012年07月03日


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