蒼空学園

「ふう、どうしたものかね……」
　一通の封筒を見ながら薔薇の学舎の校長、ジェイダス・観世院（じぇいだす・かんぜいん）は、ゆっくりと溜息をつきました。
　そのピンク色の封筒には、可愛らしい文字で、こう書かれていました。

『ご無沙汰しております。百合園女学院の校長、桜井　静香（さくらい・しずか）です。この度の六校共同体育祭では、薔薇の学舎様と合同で催し物をしたいと思い筆を取りました。紳士であられる薔薇の学舎様の生徒と、淑女を育成していると自負しております、我が校で楽しい催しが出来ればと思っております。ですが、男性と女性ですのであまり勝負に拘らない、競技にして頂けると嬉しいです。よろしくお願い致します。それでは、失礼致します』

「勝負に、拘らない競技……しかし、勝負に全く拘らないと言うのもつまらんな……。しかし、百合園のお嬢様と我が校の生徒が普通に勝負しても問題があるのも確か……」
　一人呟き、ジェイダスはまた、溜息を一つつきます。
　その時、控えめな『コンコン』というノックの音が校長室に響きます。
「入れ」
　ジェイダスは、扉の向こうの相手に入室を促します。
「ジェイダス様、新しいコーヒーをお持ち致しました」
　扉から入ってきたのは、ジェイダス付きの執事の中でも、その能力に秀でた青年でした。
「うむ。ご苦労。お前は、丁度、私がコーヒーを飲みたいと思った、タイミングを本当に外さないな」
　ジェイダスは、執事が差しだしたコーヒーを受け取ると、一口飲み執事に賛辞の言葉を贈ります。
「我が校には、お前の様な執事が大勢居るから、安泰だな。……これは使えるかもしれん」

　翌日、ジェイダスは百合園女学院校長、櫻井静香に宛て、筆を取りました。

『百合園学園校長、櫻井静香殿。先日は、体育祭のお誘い、ありがとう。こちらとしても、そちらの学園の淑女達との交流は有意義になると思い、申し出をお受けするが、競技については私に一任して頂きたい。競技内容は、そちらの淑女を我が校が誇る執事達に仕えさせて、種目ごとに優勝者を決めるというものにしたい。淑女の諸君は、我が校の執事達の最高のもてなしを受けに我が校に来て頂きたい。こちらとしては、我が校の執事の能力を確かめる意図もあり、そして貴校の淑女達がどれだけ洗練されたレディーなのかを見極めることにもなる。当日を楽しみにしている』
　
　筆を置くと、ジェイダスは、悪戯が思いついた少年の様な顔で呟きました。
「さて……どんな競技で生徒達を試そうか。百合園の淑女とやらがどれだけのものなのかも楽しみではあるな」
　言うと、ジェイダスはダシガンコーヒーを一口含むのでした。

　初めまして、新人マスターの城北広海と申します。
　これから、蒼空の世界を皆様と一緒に造っていければと考えております。
　どうぞ、よろしくお願いします。

　という訳で、今回は薔薇の学舎と百合園女学院の体育祭シナリオです。
　と言っても、この２校が競技でぶつかり合うのはジェイダス様の美的センスが許しませんでしたので、最高の執事と美しい淑女の座を競い合って頂きます。
　ちなみに、クラスが執事（バトラー）でない方もふるってご参加下さい。
　なんちゃって執事ＯＫです。
　若干、クラスが執事（バトラー）の方が有利ですがアクション内容によって、覆せる誤差の範囲です。

競技内容は。

・お嬢様のお着替え。コーディネートはお任せ。
・お嬢様のティータイム。紅茶とおやつは準備あり。
・お嬢様のご相談。執事はお嬢様の相談役。
・お嬢様の我が儘。どんな時でもお嬢様の味方です。
・お嬢様のお眠り。お眠りするまでが執事のお仕事です。

　となっております。
　競技は一つをお選び下さい。
　男性でお坊ちゃまで参加なさりたい方も歓迎です。
　他校生で噂を聞いたなどの参加理由も大丈夫です。

　お世話をしたい、して貰いたいお相手が居る場合は、アクションにお相手のお名前とキャラクター番号をお書き添え下さい。

　一人称が僕・俺等の方で今回に限り、執事っぽく私・わたくしめに変えたい方はアクションにご記入ください。
　それに合わせて、語尾もです・ます調やございますに変更します。

　執事の皆様の主人にお仕えする熱い姿勢やお嬢様方の気品ある、時に我が儘なアクションを楽しみにしております。
　ジェイダス様プレゼンツの変わった体育祭をお楽しみ下さい。

・お嬢様のお着替え。に執事として参加。

・お嬢様のティータイムに執事として参加。

・お嬢様の我が儘。にお嬢様として参加。

・競技には、参加せず観戦する。