蒼空学園

「環菜！」
　ドアが開く騒々しい音と共に、蒼空学園校長室にラス・リージュンが入ってきました。金儲けのノウハウを盗もうと、最近、御神楽　環菜（みかぐら・かんな）に纏わりついている自称トレジャー・ハンターです。
「どうしました？　お話ならわたくしがお聞きしますわ」
　そこで、ルミーナ・レバレッジ（るみーな・ればれっじ）が彼の進路を遮りました。
「こっちには影響が出ていないようだな。実は、携帯が……」
　ズボンのポケットに手を入れながら言う彼に、環菜が一瞬だけ視線を向けます。直後――
「あ……！」
　ルミーナが悲鳴を上げて頭を抱え、その場にしゃがみこみました。
「ルミーナ！」
　環菜が立ち上がり、デスクを周り込みます。ポケットから携帯を出したラスも、膝をついて彼女に声を掛けます。

『『……たすけて……』』

「え？」
　突然聞こえてきた微かな声に、環菜とラスは動きを止めました。

「『『うけとって……わたしが……まものになるまえに……』』」

　声はルミーナの口と、二人の携帯電話から発されていました。環菜の携帯には電波が立っていますが、ラスの携帯は圏外表示になっています。
「どういうこと……？」

　学園中の携帯電話が圏外になっていました。その電話全てから女性の声が流れています。

「ＳＯＳであることは明白だけどな……この言い方じゃあどこへ行けばいいのかもわからないし、魔物とか物騒な単語が出ていることから危険が伴う場所であることは確実だろうな。何の報酬もなしに出向きたかねーけど」
　携帯を見詰めて言うラスに、環菜の平手が飛びました。
「ルミーナが危険なのよ！　すぐに調査をしましょう。あなただって、ピノちゃんが同じことになったらそんなことは言ってられないでしょう？」
「……わかってるよ」
　
　急遽調査したところ、アトラスの傷跡近くで巨大な人型の遺跡が動いていることがわかりました。機晶石と酷似した波動を放つそれは、どうやら機晶姫のようです。また、携帯基地局をジャックした電波はここから発せられていたもので間違いないようです。機晶姫はツァンダに向かって進んできています。

　これ以上の侵攻を止めるため、各地から人が集まりました。

　そして。
「ルミーナ……？」
　電波の影響を受けて意識不明になったルミーナが動き始めました。そこに意思はないようで、ふらふらと外へ出て行きます。彼女はどうやら、巨大機晶姫を目指しているようです。
　
　ルミーナを操っているのは、何者なのでしょうか？　　
　

こちらのシナリオは全３回の予定です。スタートは蒼空学園ですが、全学校参加可能です。

巨大機晶姫を攻略するのが、主な目的となります。
機晶姫の大きさは、大体１０階建てのオフィスビルくらいです。
これを崩さないと、中に存在する機晶石と話をすることはできません。

＜表面について＞
基本構造物質が無機物（土や石壁、金属など）なので、攻撃をしたからといって血や体液が出ることはありません。

＜内部について＞
内部から入ることも可能で、直接入れる所は口だけです。ただ、任意の場所に穴を開ければ侵入することも出来ます。
中には電気コードのようなものが多数あり、それを切るとダメージを与えることができます。ただし、切った瞬間には凄まじい熱気が吹き出てきますので注意が必要です（ＰＣはこの情報を知りません）。

携帯の電波は、完全圏外です（契約者同士は話せます）。

ガイドに出てきた「ピノちゃん」はラスのパートナーですが、リアクション内での登場はありません。「ピノちゃん」関係のアクションは没になります。

・ツァンダへの進行を止める

・外から機晶姫を崩す

・内部から入って攻撃するｏｒ中心を目指す

・ルミーナに付き添う