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酷薄たる陥穽―蒼空学園編―(第1回/全2回)

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酷薄たる陥穽―蒼空学園編―(第1回/全2回)

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シナリオガイド

狙われた蒼空学園!パートナーの命を救うため、死龍を撃退せよ!
シナリオ名:酷薄たる陥穽―蒼空学園編―(第1回/全2回) / 担当マスター: 寺岡 志乃

 木々繁る密林地帯に、その崩れた遺跡はありました。
 ここが栄え絶え間ない人の訪れがあったのは、遥か、遥か、神代とさえ思える遠い昔のこと。

「月が赤いよ、母さん」

 崩れた石段に腰掛けた、歳のころ17〜18の少年が1人。
 空に浮かぶ月を見上げて呟きました。

《皆既月食だからよ、ドゥルジ》

 石段の上、月の光の届かない玉座で、彼女は答えます。

「おかしいね。月はあんなに赤いのに、降る光は赤くないなんて」

 少年・ドゥルジは右手を掲げました。
その手で月を掴み取ろうとしているかのように。

《もう行ってしまうの? さっき帰ってきたばかりなのに》

「うん。そろそろ預けていた物を返してもらう時だと思うんだ。
 でも、またすぐ戻ってくるよ。心配しないで」

 ドゥルジは軽やかに窓から飛び降りました。
 地表までは、十数メートルはあります。
 しかしこのとき。
 緑を引きちぎり、木々をなぎ倒し、風のように現れた2頭の死龍が、彼を受け止めました。

(それに、あいつからも借りを返してもらう頃合いだ)
「行くぞ。まずはツァンダの蒼空学園とやらだ」

 ドゥルジの言葉に応えるように死龍たちは猛く咆哮し、
 競い合うようにして一気に上空へと舞い上がったのでした。




 蒼空学園、放課後。

「む〜〜。ダーリンから、もう1カ月もメールが来ない〜」

 ヴァルキリーの少女・リーレン・リーンは携帯の画面を見つめながら、はーっと重いため息をつきました。

「なんだ、まだあきらめてなかったのか? 無駄無駄。そりゃ見込みないって」

 パートナーの松原 タケシは、すぐ後ろで大好物のアイスバーのソーダ味にかぶりつきながら笑っています。

「くすん。一緒に皆既月食見ようと思ってメールしてたけど、月食昨日で終わっちゃった。
 あーあ。今度こそ、運命のダーリンに出会えたと思ったんだけどなぁ…」

 パチン、と携帯を閉じたとき。
 何かに強く背中を押され、彼女は地面に倒れました。
 そのままぴくりとも動きません。

「リーレン! どうしたっ!」

 あわてて駆け寄るタケシの前で、まるで流星のようにいくつもの小さな何かが蒼空学園に降り注ぎます。
 その1つは、校庭にいた赤銅色の髪のヴァルキリーの胸にぶつかり、
 また別の1つは、窓近くで談笑していた黒髪の吸血鬼の少年にぶつかりました。

 そしてその流星を受けた者は、皆一様に声もなくばたばたと倒れていきます。
 一気に学園内が騒然となりました。

「リーレン! ――くそッ、なんだ? この穴は!」

 小さな丸い穴が、リーレンの背中にあいていました。

「前に出てない……ってことは、体内に入ったままってことか! 一体なんだってこんな…」

 そのとき、巨大な何かが上空から突如飛来しました。
 圧力を伴った風が校庭にいた者たち全員をなぎ倒し、ひざまずかせます。
 赤い炎が校庭を疾走して、サッカーのゴールを一瞬で灰燼へと変えました。

「人間! 仲間の命が惜しければ俺に従え!」

 2頭の巨大な死龍を伴い、現れた少年は、高らかにそう宣言しました。



「おまえたちがを持っているのは知っている。
 あれは俺の物だ。返してもらうぞ!」



「ちょっと、どういうこと? あれってドラゴンゾンビなわけ!?」

 突然現れた少年よりも、巨大な龍の方に、生徒たちはパニックを起こしていました。
 死龍のうち1頭は死して間もないらしく、まだ腐りかけの肉体でしたから、
 そのおぞましさは見る者に嫌悪感を抱かせるに十分です。

「返せって何を? 石って、もしかしてこの間のメール騒ぎのあれっ?」

「あれと、多分その前の洞窟で割れたやつじゃないか?
 どっちも密封処理して宝物室で厳重管理されてるって話だが…」

「――山葉はどうした?」

 そう言ったのは、赤銅色の髪のヴァルキリーの少女を腕に抱いて
 校舎に入ってきた少年・周臣 健流でした。

「分からない。でも出てこないってことは、校舎にはいないんじゃないか?」

「そうか」

「おい、どこ行くんだよ?」

「宝物室。石とやらを渡せばすむ話だ」

「立入禁止区域だぞ? 山葉と連絡がとれるまで待て!」




「ちくしょお! みんなを元に戻しやがれ!!」

 真下からタケシの放った氷術が、ドゥルジの腕をかすめました。
 触れられて、初めて彼の存在に気づいたと、ドゥルジの視線がタケシに向きます。

「突然やってきて、みんなを意識不明にして、校庭黒こげにして、石を渡せだって!?
 一体何様のつもりだ! きさま!」

 怒りに震えるタケシの足元に、パラパラパラッと小石が降ってきました。
 それは、氷術でちょっぴり砕かれた、ドゥルジの破片。
 小石はすぐさま浮き上がり、ひとりでにドゥルジの腕に吸い込まれていきました。

「人間。おまえの意見など聞いていない。
 渡すか、死ぬかだ。
 ここにいる赤龍が、石を返さない限りだれ1人、この学園から出さない。
 期限は、俺が再びここに戻ってくるまでだ。
 もっとも、おまえの隣に転がっている女の方は、それまでもつか不明だがな」

担当マスターより

▼担当マスター

寺岡 志乃

▼マスターコメント

 こんにちは、または初めまして、寺岡 志乃といいます。

 舞台は蒼空学園ですが、はじめから蒼空学園にいた、騒ぎを聞きつけて蒼空学園にやってきた、ということで他校の方も
 参加可能です。(死龍は、出ようとする者は襲いますが入る者には無反応です)

 また今回のバトルシナは、シリアスバトルです。判定はかなりきつめにさせていただきます。
 いつもに増して、ダブルアクションに気をつけてください。
 また、シナリオは全2回となっていますので、こちらでのアクション結果は後編に引き継がれます。
 ギャグに走りすぎると、場合によっては大けがを負うことになるかもしれませんので、気をつけてください。


 以下、補足説明です。PL情報として受け取ってください。


 ドゥルジは蒼空学園の宝物室で管理されている小石を狙っています。
 小石は【幸せ? のメール】と【死したる龍との遭遇】2つのシナで出てきました。
 前者はまだ力を秘めていますが、後者は力を消失しています。
 しかしドゥルジは力の有無に関係なく、何がなんでも石を取り戻したいと考えています。
 ドゥルジは外見上、人と同じ姿をしていますが、根本的に人ではなくモンスターです。
 彼に説得は通じません。価値観が全く違うからです。
 彼への説得アクションは失敗アクションとなります。

 また、LCに打ち込まれているのはドゥルジの小石です。この小石は彼の支配下にあるため、LCたちの精神に影響を及ぼし、
 覚めない悪夢に閉じ込めて体力を消耗させています。
 撃ち込まれたのはLCのみです。MCではありません。また、学園にいる全LCにではありませんから、LCの1人あるいは
 友人のLCで、自分のLCは無傷というのもOKです。

 小石には直接触れなければ影響はないのですが、今回は心臓近くに撃ち込まれているため、なまなかな方法では取り出せません。
 ドゥルジが回収するか、ドゥルジの力が弱まるかしない限り、解除は不可能です。


 【アクション1 ドゥルジと戦う】
 
 ドゥルジは主にエネルギー弾を使います。強力なサイコキネシスの持ち主と思ってください。
 全身がエネルギー体なので、その強弱は彼の精神状態や体力に比例します。
 現在は満タン状態です。

 防御にはフォースフィールドを使いますが、常時張っているわけではありません。
 彼の使用するフォースフィールドは張る大きさによって層の厚さが変わり、小さいほど厚く、大きいほど薄くなりますが、
 全身を覆うほど薄くても、至近距離から撃たない限り拳銃の銃弾は貫通しません。

 遠距離攻撃はできませんが、30メートル程度の距離でしたらエネルギー弾を撃ち込んできます。
 でも人とそう変わらない視力なので、視認距離によって精度は落ちます。
 また、その強さは一度に撃ち出される個数によって変化します。数が多いだけ、力は分散されます。連射も同じです。
 1発だと5センチ程度の鉄板を軽く貫通します。複数個でも、銃弾並の威力があります。
 まず1対1では勝ち目はありません。

 彼は今回空中にいて、地上には降りません。
 さらにどこかへ行こうとしていますので、長く蒼空学園にはとどまりません。
 彼と戦うには飛行系のアイテムかスキルが必要になります。

 彼は浮いたり飛んだりできて空中をアグレッシブに動きますが、エネルギーを使うと疲労しますので
 長距離の移動にはもっぱら死龍を使っています。
 今回彼が使用しています死龍の飛行速度は〜100km/hぐらいです。でもいきなりトップスピードは出せません。
 また、こちらの死龍は風系です。全長30メートル弱。風刃を飛ばしてきます。


 【アクション2 死龍と戦う】

 ドゥルジが残して行くのは全長50メートルはありそうな、巨大な赤龍です。
 今回、死んで間がないため、外見はゾンビです。肉は腐り、骨がちらほら見えています。
 死龍の弱点は右の鉤詰めに握られた龍珠です。この中に生前たくわえたエネルギーが尽きるか、
 体から切り離されればその瞬間に死龍はただの死体になります。

 この死龍は炎系の技を使います。
 遠距離には火の弾を撃ち、近距離には炎を吐きます。ファイアストームも用います。
 火の弾は東壁から西壁まで届きますが、威力は距離が広がるだけ落ちます。
 10メートルの距離では防げない火の弾も、50メートルの距離なら弾けます。
 尾、爪、噛みつきもあります。防御はファイヤーウォールです。

 前回の死龍は探索だけでしたが、今回ドゥルジからは学園から生徒を出さないように命令されています。
 そのため攻撃的です。門に近づいたり、壁をよじ登ろうとしたら攻撃されます。
 上空にいて、裏門も見張っています。まずは地表へ下ろす必要があるでしょう。
 こちらにはNPC・松原タケシが加わります。


 【アクション3 宝物室に向かう】

 宝物室までの道には、防御システムが築かれています。
 防御システムには自動迎撃のレーザーや、防御壁、神経ガス等があります。
 そしてクイーン・ヴァンガードもいて、彼らを突破しないと宝物室へはたどりつけません。

 現在山葉は学園にいません。移動中のため、携帯でも連絡がとれない状況です。
 こちらにはNPC・周臣健流が加わります。


 【アクション4 宝物室を守る】

 クイーン・ヴァンガードとともに宝物室を死守します。
 場合によっては皇 彼方とテティス・レジャが加わります。



 蒼空学園の危機、LCたちの危機です。
 皆さんのご参加をお待ちしております。
 (でも舞台は蒼空学園で、ほかの生徒たちもいますから、校舎等の施設破壊はなるべく気をつけてくださいね)

▼サンプルアクション

・ドゥルジと戦う

・死龍と戦う

・宝物室に向かう

・宝物室を守る

▼予約受付締切日 (既に締切を迎えました)

2010年11月01日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2010年11月02日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2010年11月06日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2010年11月24日


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