天御柱学院へ

蒼空学園

校長室

イルミンスール魔法学校へ

【カナン再生記】東カナンへ行こう!

リアクション公開中!

【カナン再生記】東カナンへ行こう!

リアクションが公開されました!

リアクションの閲覧はこちらから!

リアクションを読む

参加者一覧を見る

シナリオガイド

野生馬捕獲でヒャッハーしよう! ゆる農場で作物収穫もいいね!
シナリオ名:【カナン再生記】東カナンへ行こう! / 担当マスター: 寺岡 志乃

 東カナン領主バァル・ハダドが打倒ネルガルの宣を発して2カ月が過ぎたころ。
 彼の弟のエリヤ・ハダドは、愛する者たちに見守られながら眠るように息を引き取りました。
 アガデの都は幼い彼の死を悼み、追悼の意を込めて戸口に黒い布をかけました…。


 数日後。
 領主側近であり、上将軍のセテカ・タイフォンが、バァルの部屋を訪れました。

「……おっと。入っていいか?」

 開けたドアの内側で、形ばかりのノックをします。
 もう入っているだろう……バァルが苦笑し、立ち上がると、向かいの席に掛けていた男性も立ち上がりました。
 ナハル・ハダド。彼の叔父であり、かつて領主の地位を巡って争った政敵でもあります。

「ではバァル。屋敷で待っているからな」
「分かりました。ご家族とアナト姫によろしくお伝えください」

 バァルが身内に対する礼をとっている間に、ナハルは部屋を出て行きました。セテカとすれ違うとき、しっかりと睨みつけて。
 セテカが先だって起こした反乱がバァルとの計略であったことは既に周知の事実となっていましたが、それを気に入らない者たちはアガデ城内にも多数いました。過去例をみないほどタイフォン家とハダド家が密接に結びついていることを懸念する者たち――それは代々騎士の地位につく有力な家の者たちがほとんどで――その代表が、ナハルであると言えます。
 今の睨みも、ノックもなしに入室しようとしたセテカの無礼さというよりも、そちらを意識してのことなのでしょう。

「いつもながら、おっかない人だなぁ」

 あの人には昔、イタズラで部屋の置物を壊したときに尻を叩かれたことがあって、どうも苦手なんだよなぁ、とこぼすセテカに、バァルはくすりと笑ってしまいました。なぜなら、そのときバァルも一緒に叩かれたからです。2人の幼少のころの思い出は、ほとんどが共有できる記憶なのでした。

「そんなこともあったな」
「で、また例の話か?」
「ああ。アナト=ユテ・アーンセトとの結婚だ」

 その名を口にして、不思議とバァルに浮かぶのは10歳のときに初めて会って話した少女の姿ではなく、7年前、前領主夫妻――バァルの両親――が死んだときに、参列していた彼女の姿でした。だれもが「お悔やみ申し上げます」と口にしていた中、ひと言も発することなく花を手向けて一礼し、去って行った15歳の少女…。
 とはいえ、目にしたのはその2度だけ、口をきいたのは10歳のときの半日だけですから、うすぼんやりとした記憶でしかありません。髪は赤だったか茶だったか……目は青かったような…? その程度の認識です。
 ただ、アーンセト家もまた、由緒ある騎士の家柄。ナハルの妻アクハルの妹が嫁いだ先でもあります。ハダド家が婚姻を結ぶ相手としてふさわしいと前領主が決めたのも当然でしょうし、バァルとしても特に異存はありません。そこに大分ナハルの裏工作があったことは否めないでしょうが、それでもアーンセト家を蹴ってまで選ぶ相手がいないのは間違いないのでした。

「決めたのか」
「ああ。もういいかげん、決着をつけておくべきだろう。そうすればネルガルとの戦いに焦点を絞れる。
 4日後にリドの町にあるナハルの私邸を訪れることになった。そこで官たちとともに日程等決める手筈になっている。
 おまえは来なくてもいいぞ。退屈するだろうからな」
「そりゃ助かる。かしこまった席は苦手でね」

 家に引き取って手なずけている姪との結婚でナハルの膨れ上がった野心が治まるかどうか、かなり疑問符のつくことではありましたが、少なくともしばらくの時間は稼げるでしょう。エリヤの喪中ではあるものの……むしろ喪中の間にネルガルを倒したいと考えるバァルの気持ちは、あの場にいたセテカにも理解できました。
 ただ心配なのは、エリヤを失ってからのバァルが心の柔軟さを欠いているように見えること。中も外も、いつもガチガチに固まっているように見えることでした。

「それで、おまえは何の用だ?」

 そのとき、セテカはふと、あることを思いつきました。

「実は山岳地にあるカハとセイサ、2つの町から野生馬捕獲の許可申請がきているんだが」
「毎年のことだ。わたしの許可が必要か?」
「大戦の軍馬の補充をかねて、通年の3倍の数を捕獲したいとある。そのための馬の運搬車の貸出しと兵員を出してもらえないかと」
「なるほど」
「それで思ったんだが、シャンバラ人たちに声をかけてみてはどうかな? 山で馬と投げ縄を使って野生馬を捕獲する旅は、彼らならきっと楽しめると思うんだ」

 バァルは少し考え、許可することにしました。

「問題ない。それだけか?」
「それと、もう1つ。彼らが開拓してくれたゆる農場で、ちょっとした被害が出ている。なんでもワームの幼生が西の方で大量発生して、地下茎を食い荒らしているそうだ。農場全体に被害がおよぶ前に残りの作物を収穫してしまいたいらしい。
 こちらは、開拓に尽力してくれたシャンバラ人たちにぜひ来てほしいと、農場で働く者たちからの依頼だ」

 こちらもまた、特に問題はなさそうなので、バァルは許可を出しました。

「じゃあサインをこことこことここ」

 言われるままにペンを走らせ……ん? と不審に思います。

「……3箇所?」
「カハとセイサで2つ、それにゆる農場で3つだ」
「ああそうか」

 なにしろ、セテカを全面的に信頼しているバァルです。野生馬捕獲でまとめて1つで済むはずでは? とは考えません。
 セテカはさっさと退室し、さっそくシャンバラ人たちに向けて招待の手紙を書きました。


『――ところで野生馬の中には伝説の黒馬グラニに酷似した馬がいるらしい。バァルへの結婚祝いとして、グラニを捕まえに行かないか?』

担当マスターより

▼担当マスター

寺岡 志乃

▼マスターコメント

 こんにちは、または初めまして、寺岡 志乃といいます。
 こちらは「【カナン再生記】東カナンへ行こう!」となります。
 扱い的には東カナン番外編となります。本編とはほとんど関係のない話で恐縮ですが、よろしくお願いいたします。


 舞台となる東カナン山岳地・カハとセイサの町について。
 エリドゥ山脈、南カフカス山のふもとにあります。山岳地の村や町は野生馬を捕らえて調教し、それを品評会で売ることを生業としています。なかでもカハとセイサは代々軍馬を専門に調教してきている町です。
 東カナンでは子馬の段階で山岳地に放し、2〜3歳馬を捕獲して調教するというやり方をとっています。その方が筋力や野生味が残った良馬になるという考え方です。特に優良な馬は騎士の家に献上されるか、種馬として残されます。
 今回、カハとセイサの町、2つで人員の募集が出ていますので、どちらの町についても構いません。競い合うもよし、力を合わせて捕獲するもよしです。ただし、馬の捕獲が目的ですから、馬が死んだり大けがを負うようなことは謹んでくださいね。人間を怖がるようになってはのちの調教に影響が出ます。

 野生馬は通常5〜20頭程度の群れで暮らしており、群れのリーダー以外は牝馬と仔馬で形成されています。軍馬には主に牡馬を使用しますが牝馬が全く使用されないということはありません。なお、去勢されていない牡馬は特に気性が荒く、馬の姿をした猛獣です。噛みつきと蹴りで暴れますので注意が必要です。
 日程としては3泊4日。希望者には馬追い用に調教された馬と投げ縄が支給されます。捕獲された馬は、町の者が運搬車に乗せて1日1回町へ下ろしに行きます。


 伝説の黒馬グラニについて。
 5000年前、東カナンを武力統一したハダド家の始祖が女神イナンナより賜ったとされる黒馬です。始祖の愛剣グラムよりその名前がついたとされています。
 始祖の死後、だれに所有されることも嫌ったグラニは山岳地に姿を消し、遭難者を救ったりするなどしてときどきその姿を確認されたものの、二度と人里に下りてはきませんでした。
 基本的に東カナンの馬は全てこのグラニの子孫とされています。
 町からきた書状によりますと、グラニに酷似した黒馬のリーダーがいる群れが目撃されています。とても賢い馬で、2年間ランサー(馬捕獲人)の手を逃れてきています。
 その美しさ、賢さから「あれは伝説の馬グラニそのものではないか?」とさえ言われています。

 作戦をたてることを推奨します。普通にやっても地の利を持つ黒馬の方が上手で捕まえられません。派手に蹴り飛ばされたいなら玉砕覚悟で突っ込んでください(笑)

 今回、バァルが政略結婚をすることになりました。式自体はまだ先の話ですが、セテカはその前祝いとしてこのグラニをシャンバラ人からのサプライズ・プレゼントとする計画を立てています。バァルは何も気づいていません。部下たちとともに馬車でリドの町へ向かうことになっています。バァルと接触する人は、くれぐれもご内密に。
 なお、セテカは野生馬捕獲自体には参加しません。あくまで引率者の1人としての参加になります。どうやら彼には彼だけの目的があるようですが…?


 ゆる農場について。
 皆さんの尽力によって、東カナンに開拓された農場です。作られている作物はサツマイモ・じゃがいも・にんじんといった、主に地下茎野菜となります。トウモロコシもありますが、こちらはまだ収穫に至っていません。
 ワームの幼生はどうやら西の方で大量発生しているらしく、そちらからやって来ているようです。体長3〜10センチ程度のため、地下30センチぐらいまでしかもぐれません。ミミズみたいなものと思ってください。
 農場からは収穫のお手伝いに来てほしいという要請ですが、駆除あるいは何か対策をしないと抜本的解決はできないかもしれないですね。
 なお、今回それ目的として農場に集まりますので、手に持てる範囲でなら何を持ち寄っても構いません。収穫用の手袋とカゴは貸し出されます。


 それから。
 今回判定はゆる〜くいきます。コメありギャグありシリアスありで楽しくいきましょう!
 野生馬の群れ相手に投げ縄でヒャッハーするもよし、農場で気持ちのいい汗流して作物を収穫するもよし、セテカやバァルと会話するもよし。

 皆さんの個性あふれるアクションをお待ちしております。

▼サンプルアクション

・野生馬捕獲に参加する

・グラニを捕獲する

・ゆる農場で収穫作業をする

・バァルと話す

・セテカと話す

▼予約受付締切日 (既に締切を迎えました)

2011年03月28日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2011年03月29日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2011年04月02日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2011年04月19日


イラストを設定する 設定イラストを編集/解除する

リアクションが公開されました!

リアクションの閲覧はこちらから!

リアクションを読む

参加者一覧を見る