蒼空学園

　

　事の起こりは１ヶ月ほど前。


「お雑煮ってそんなに美味しいんですか？」
　シャンバラ女王であるアイシャ・シュヴァーラ（あいしゃ・しゅう゛ぁーら）は首を傾げました。

「当然であろう。あの餅独特の食感をスープとともに味わうのがたまらん」
「鶏肉の風味と葉野菜の取り合わせも、良いバランスよね」

　季節行事に合わせた食べ物の話をしていた東シャンバラ代王セレスティアーナ・アジュア（せれすてぃあーな・あじゅあ）と西シャンバラ代王高根沢理子（たかねざわ・りこ）は顔を見合わせました。
　そして、雑煮を食べたことのないアイシャに美味しいお雑煮を食べさせるため、空京の宮殿前広場でお雑煮会を実施することにしたのです。
　
　参加条件は、当日必ず振袖か袴を着用していること。
　それさえ満たせば、学校、クラス関係なく誰でも参加可能な交流会として、広く参加者を募集しました。
　また、せっかくのイベントを盛り上げるため、書き初め会の同時開催の告知も出しました。


　そして迎えた当日。
　
　
「はーっはっはっはっは！　餅が逃げたぞ！！」
　空京の宮殿前広場に、セレスティアーナのやたら自信に満ちた声が響き渡りました。

　訝しげに声のほうを振り返った参加者たちが見たものは、臼から飛び出し気ままに走り回るもち米の姿。

　全員分の餅をついていては日が暮れてしまうと考えたセレスティアーナ。
　大量に炊いたもち米に『勝手にお餅になってくれる魔法』をかけたのですが、少し呪文を間違えたため、もち米が暴走して巨大なもち米モンスターとなってしまったのです。
　宮殿前広場では同時に書き初め会も行われていましたが、モンスターはそんなことお構いなしに走り回ります。

「セレスティアーナさん、どうしましょう、これ」
「安心しろ。ぶつかったところで全身がベトつくだけで命には何ら別状はない」
「それは良かったですけど……ベトつくのはちょっと……」
　おろおろと騒ぎを見つめるアイシャを見て、セレスティアーナは参加者たちに声をかけました。

「いいか、貴様ら！　そのもち米モンスターは、無事餅になれば魔法が解ける。モンスターの魔法と一緒に付着した汚れも落ちるから、安心して食べられるぞ！」

「と、いうわけで。モンスターをみんなでフルボッコだ！！！」


　そんな事態になっているとはつゆ知らず、理子たち食材班は雑煮に入れる『パラミタ巨大チキン』を狩ろうと奮闘していました。
　パラミタ巨大チキンからはとても良いスープが取れるのですが、なかなか手ごわく、大声で鳴いて痺れさせたり、クチバシで突っついてきたりします。羽をはばたかせての風圧攻撃や、口から火の玉を吐き出す攻撃も得意な厄介なチキンです。
　食材班のメンバーはパラミタ巨大チキンの鳴き声に反応して集まってくる雑魚モンスターたちを蹴散らしつつ、チキン確保に力を注ぎます。
　
　調理班はお餅の準備とチキンが届くまでの間、もち米モンスターからその他の材料や調理器具を守りながら他の料理を作って、餅とチキンの準備が整うのを待ち構えているのでした。


　

はじめまして。花井と申します。

基本的には
・餅つき班としてもち米モンスターを餅にする
・食材班としてパラミタ巨大チキンを狩る
・書き初め会参加者としてもち米モンスターの邪魔を退けつつ書き初めを続ける
・調理班として雑煮のための準備をすすめる
ことができます。

※女王や代王が登場しますが、シナリオガイドの内容に関係の無いアクションは失敗する場合があります。

所属、クラス関係なく、小さな目標に向かって
協力、交流してみませんか？

どうぞよろしくお願いいたします。


■12月26日追記
『袴』と『振袖』は、アイテムとしても存在していますが、
特に所持・装備していなくてもアクションに記入があれば大丈夫です。

・食材（肉）確保

・書き初めで大作を書ききる