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終身名誉魔法少女豊美ちゃん! 『私、お母さんになりますー』

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終身名誉魔法少女豊美ちゃん! 『私、お母さんになりますー』

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シナリオガイド

豊美ちゃんの子育て奮闘記? 一方で、平和を脅かそうとする者の存在も。
シナリオ名:終身名誉魔法少女豊美ちゃん! 『私、お母さんになりますー』 / 担当マスター: 猫宮烈

 今日も、空京では【終身名誉魔法少女】飛鳥 豊美(あすかの・とよみ)、『豊浦宮』に所属する魔法少女たちが、活動を行なっていました。
 表では子供の世話をしたり、街の清掃を始めとしたボランティア活動に勤しみ、裏では事件を起こす者たちを懲らしめ、それぞれの生活を謳歌していたのです。

●昼:豊浦宮

「はぁ〜……今日も平和ですねー」
「ここ最近何かと緊張を強いられていましたが、ようやく落ち着いたようです。悪くありませんね、このような日も」

 『豊浦宮』の一室で、豊美ちゃんと飛鳥 馬宿がのほほんとしている所へ。
「……なに? ……そうか、分かった。俺が行こう」
 来訪者を告げる知らせを聞いた馬宿が訝しげな表情を浮かべ、部屋の外に繋がる扉を開けると――。

「おおおばあさまー!」

 ぱたぱた、と部屋の中に入って来た、小学校入学間近といった頃合いの女の子は豊美ちゃんを認めると、そう呼んだのでした。
「ひ、ひどいですー! ウマヤド、何がおかしいんですかー!!」
 必死に笑いを堪えている馬宿にお仕置きをして、豊美ちゃんが女の子の前に立つと、女の子はぺこり、と頭を下げて自己紹介をします。
「はじめまして、おおおばあさま! わたし、うののさらら、っていいます!」
「……え、その名前は……」

 女の子の名前を聞いて表情を一変させた豊美ちゃんが、馬宿に視線を向けます。床で虫の息だった馬宿がやっとの思いで立ち上がり、口を開きます。
「……その方、鵜野 讚良様は確かに、おば……豊美ちゃんの血筋の者です。ですが、豊美ちゃんもご存知の通り――」
「……はい。あの方はとても有能で、そして積極的な行動を尊んでいたと聞いています。ただ……」
 呟いた豊美ちゃんの表情は、苦痛に歪んでいました。
「……仕方ありませんよ。墓を暴かれた挙句、遺骨を捨てられもすれば、あのようになってしまうのは仕方ありません。
 時代が律令制から封建制に移っていたことも、あの御方の恨みつらみを増幅させたのでしょう」
 馬宿のフォローに、豊美ちゃんは頷きこそしますが、表情は晴れません。
「……コホン。当面の問題は、讚良様をどうするかです。家族の元に……というわけにも行きませんし」
 馬宿、そして豊美ちゃんに視線を向けられた女の子、讚良が、目をキラキラと輝かせて言います。
「おおおばあさま、おおおばあさまは『まほうしょうじょ』なんですよね?
 わたしもおおおばあさまのように、りっぱな『まほうしょうじょ』になりたいです!」
「ウマヤドぉ……私、涙が止まらないですー」
 実際豊美ちゃんは、えぐえぐ、と涙をこぼして泣いていました。おば上、と呼ばれてお仕置きしちゃう豊美ちゃんが『大』を付けられて黙っていられるはずもないのですが、当の本人に全くといっていいほど邪気がないので、どうすることも出来ませんでした。
「むしろ『大』が一つで済んでいることに……申し訳ございませんでした」
 杖を向けられた馬宿が、思案します。
「では、呼び方を変えてもらうしかありませんね。豊美ちゃん、では他人行儀ですし、いっそ母と呼ばせてはいかがでしょう。
 豊美ちゃんは魔法少女の母でもありますし」
「……おかあさま?」
 『母』という単語を聞いた讚良が口にすると、豊美ちゃんはなんだかあったかい気持ちになりました。
「そうですねー……じゃあ、そうしましょう。讚良ちゃんは私たちが、面倒を見ましょう」
「はい、よろしくおねがいします、おかあさま!」
 ぺこり、と頭を下げる讚良の頭を撫でる豊美ちゃんが、あ、と声を上げて馬宿に言います。
「ウマヤドも私のことをお母さんと呼んで――」
「絶対に嫌です」

●夜:空京

「豊美ちゃんの血筋の人、ねぇ。……そういう家系だったかしら」
「話では、全員がそうではない、と言ってたッスね。特殊な力を持ちやすいのかも、とは言ってたッスけど」
 その晩、馬口 魔穂香馬口 六兵衛は昼間耳にした豊美ちゃんの子孫についてを話題にしつつ、空京の街を見回りに出ていました。
 ここ最近、空京では奇っ怪な現象の目撃報告が寄せられるようになっていました。情報が毎日届けられるようになった頃、豊美ちゃんは魔穂香と六兵衛に、真相の解明をお願いしたのでした。
「多分、豊美ちゃんはお化けの類が苦手なタイプね。自分がお化けのようなものなのに、不思議だわ」
「それは、他の豊美ちゃんと同じ方を敵に回す発言ッスよ。いいじゃないッスか、どうせ魔穂香さんは昼間ぐうたらしてるんですし。やさぐれが治ったと思ったら今度はネトゲ廃人なんてホント、魔法少女としての自覚が足りないッスよ」
「うるさいわね。いいじゃない別に、夜に活動した方が怪しまれなくて」
「それじゃ魔法少女として意味ないと思うんスけどねぇ……」
 一人と一匹が、そんな話をしていると。

『……魔穂香……』

「……ん? 六兵衛、何か聞こえなかった?」
「へ? 僕は何も聞いてないッスよ」
 確かに私を呼ぶ声が聞こえたのよね、と魔穂香が首をかしげていると。

『……ろくべえ……』

「うわ! 魔穂香さん、な、何か聞こえたッス!」
「……今度は、私には聞こえなかったわ。六兵衛、名前呼ばれた?」
「呼ばれたッス。なんだか懐かしいような声だったッス」
「……なんか、漫画やゲームでありそうな展開よね、こういうの。自分の親とか大切な人が出てきて、動揺を誘うの」
「魔穂香さんの両親は今もご存命ッスからね。あー、僕もここ最近実家帰ってないッス」
「六兵衛の実家ってどこにあるの?」
「空京からそこそこ離れた所ッス。今度有給取れたら帰るつもりッスから、一緒するッスか?」
「……遠慮しておくわ。邪魔しちゃいけない気がするし。
 さてと……こんな悪趣味なことしでかしてる黒幕は誰かしらね。もしかして豊美ちゃんの関係者だったりして」
「……それ、場合によっては不敬罪じゃないッスか?」

「ついに見つけたぞ! ここで会ったが百年目、決着をつけてやる!」

 魔穂香と六兵衛の雑談は、突然現れた者によって中断させられました。しかも一人だけではなく、あれよあれよと十数人に膨れ上がった集団が、魔穂香と六兵衛を取り囲みます。
「この人達……契約者?」
「力があるが故に、力に飲み込まれる、ってヤツッスかね。僕らを何かの仇と思わされてるって所ッスか」
「……どうするの? 表立って戦うのは流石にマズイでしょ」
「そうッスね。ここは一旦引き上げるが上策ッス。後で豊美ちゃんに報告するッス」
「了解」

 虚ろな目をした契約者が二人を補足する前に、魔穂香と六兵衛は素早くその場から身を引きます。

「フン……何が魔法少女よ。そんな遊戯に戯れてるなんて、この国も終わってるわ。
 いいわよ、あたしがこの国を、正してあげる。昔のあの時みたいにね!」


 二人を見送るように、ぼうっ、と人影が現れ、夜空を見つめます――。

●翌朝:豊浦宮

「……そうですか。これは本格的に調査をする必要がありそうですね。皆さんにも協力をお願いしてみましょう」
「よろしく頼むッス。……ふわぁ、僕は寝るッスよ。まったく、魔穂香さんったら僕に報告書書かせて、自分は早々にお休みなんていい身分ッスよ。
 今晩は僕の分まで頑張ってもらうッス……」
 ブツブツと愚痴をこぼしつつ部屋を後にする六兵衛を見送って、馬宿が豊美ちゃんに問いかけます。
「では、所属の魔法少女にこの件、伝えておきますので。……今日は如何様に?」
「そうですねー。讚良ちゃんに魔法少女としてのお仕事を見せてあげようと思います。ちょうど、公園でのイベントが今日ですし」
 カレンダーを見、今日が前々から計画されていたイベントの日であることを確認して、豊美ちゃんはそれに、と言葉を続けます。
「この子がたとえ、あの御方に関係する子だったとしても、魔法少女を志す気持ちに、偽りはないと思いますから。
 私は、讚良ちゃんのお母さんですー」

 豊美ちゃんが視線を向けた先。
「すぅ……すぅ……」
 そこには、安らかな寝息を立てる讚良の寝姿がありました――。

担当マスターより

▼担当マスター

猫宮烈

▼マスターコメント

随分と久方振りになりました、猫宮 烈です。
これからまた、少しずつシナリオを手がけていければと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします(ぺこり

今回は、最後に運営したのが何時だったかと思い返してしまうくらい振りな、魔法少女シナリオです。
『あなたの街に、魔法少女。』から登場した魔穂香と六兵衛を加え、お届けします。

●シナリオについて
大まかに、昼パートと夜パートに分かれています。

昼パートは、豊美ちゃんと馬宿、新しく登場の讚良ちゃんと一緒に公園でのイベント参加、がメインとなります。『豊浦宮』(もしくは『INQB』)所属の魔法少女はこのイベントのことを事前に知らされています。また、空京のお知らせ掲示板やインターネット上にもこのイベントの情報は流れています。
イベントの内容は、ちょっとしたお祭りをイメージしていただければ幸いです。『みらくるレシピ』『虹色スイーツ≧∀≦』を使用しての屋台営業や料理教室、『リリカルソング♪』『マジカルステージ♪』を使用してのステージ披露などが考えられるでしょう。
また、『あなたの街に、魔法少女。』で関わったイベントや施設に改めて関わってみるのもいいでしょう。もちろん、一参加者として楽しむのもオッケーです。

夜パートは、魔穂香と六兵衛と共に、街を不安がらせている出来事への対処がメインとなります。
報告では、『なんだか懐かしい感じのする声が聞こえる』『操られたような感じの契約者と思しき者たちが街を徘徊している』『ぼんやりと白い影が見える』が寄せられました。実際に魔穂香と六兵衛も前2つは体験しています。
出来事への真相に迫るため解決する側につくのもいいですし、あるいはあえて操られる側についてみるのもいいでしょう。黒幕らしき人物ともお近づきになれるかも……?

あ、昼パートと夜パート、両方に関わろうとするのは流石に欲張りですよ?
どちらか1つにしてくださいね。


●舞台について
『あなたの街に、魔法少女。』と同じです。
上シナリオで設定されたものについては、可能な限り反映させます。


それでは、どうぞよろしくお願いいたします。

▼サンプルアクション

・魔法少女として、公園でのイベントに参加する

・これまで関わってきたものに関わる

・魔法少女として、街の平和を脅かす事件の真相に迫る

・事件に関わって(巻き込まれて)みる

▼予約受付締切日 (予約枠が残っている為延長されています)

2012年02月19日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2012年02月20日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2012年02月24日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2012年03月09日


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