蒼空学園

　埼玉にある、小中高一貫のマンモス校　私立山ノ葉学園、通称・山学。
　その高等部。

「ええと……転入生の熾月　瑛菜（しづき・えいな）です」
「同じく転入生のフェンリル・ランドール（ふぇんりる・らんどーる）だ」

　言って、瑛菜とフェンリルは頭を下げました。
　拍手が起こります。

　この学校では数ヶ月前から、不可解な失踪事件が相次いでいました。
　
（必ず、あいつが関わっているはずだ……早く見つけ出さなければな）

　3ヶ月前。
　フェンリルと瑛菜は仲間達と共にゲオルクという魔術師を追っていました。
　彼は、何人もの村人をさらっては自身の研究の実験材料に使うという恐ろしい狂人でした。

　フェンリルたちが彼を空京近くの遺跡の奥まで追い詰めた、その時――
　ゲオルクが持っていた魔剣と遺跡の中にあった装置が、
　偶然、特殊な共鳴を起こしたため、空間に異変が起こり……
　気付いた時には、ゲオルクの姿は消えていたのでした。

　それから3ヶ月が過ぎ――
　山ノ葉学園で不可解な出来事が起きていると知ったフェンリルと瑛菜は、この事件にゲオルクが関わっていると直感しました。
　生徒が失踪した日、「化け物を見た」という目撃談があったのです。

　パラミタの学校を通して調べた結果、その化け物の容姿は、ゲオルクが使っていた化け物と酷似している事が判明しました。

　そこで――――
　パラミタの各校は契約者を山ノ葉学園へ潜入させる事に決めたのでした。


　◇　◇　◇

　放課後。

「あの、瑛菜さん……頼みがあるんだけど」

　瑛菜は、女生徒に呼び出され、吹奏楽部の部室に居ました。

「なに？」
「瑛菜さん、楽器が出来るって聞いたから……。
　実は、もうすぐ県の大会があるのに、メンバーが全然足りていないの。
　……例の失踪事件で、うちの部員何人も居なくなっちゃってて……。
　残った皆も、意気消沈しちゃって部室に顔を出さない人が何人も居る……。

　でも、私はきっと帰ってくるって思ってる。
　だって、皆、あんなに頑張ってた！
　だから、絶対にこの大会で上に上がって、次の大会に繋げておいてあげたいの！」

「それで、あたしに？
　でも、ごめん。あたしが弾くのはギターなんだ……」

（それに、ゲオルクの件もあるし……）

「大丈夫！
　あのね、今から練習して、まともに挑んだって勝てないのはわかってる。
　だから、いっそ変わった事でもやって思いっきり目立つ方向で上位を狙うしかないと思うの！」

「へ……？　あ、ああ、分かったよ」

　熱意に押され、瑛菜は頷いたのでした。

本シナリオでは基本的に、下記の状況から始めることが出来ます。

・生徒たちを守るため、ゲオルクを探るため、正体を隠して『一般生徒として』山ノ葉学園へ潜入。
　生徒として以外にも教師や用務員、応援団マスコットなどとしても潜入することが出来ます。
　また、パラミタ各校の後ろ盾とは別口で、独自に正体を隠して潜入している、なども可能です。

・パラミタと日本の学校との交流会目的で短期留学。
　パラミタとの交流の一環で、『契約者として』学園にお世話になります。
　こちらの場合は正体を隠す必要はありません。


　ゲオルクの事は置いておいて、
　日本の一般的な学園生活を送ってみる、としても構いません。


■山ノ葉学園
蒼空学園より少し規模は小さいですが、
小中高一貫で多くの生徒が通うマンモス校です。
広い森の中にあり、そこには生徒のための寮もあります。
ほとんどの生徒は寮から通っています。

また、バスで１０分のところにはショッピングモールがあり、ゲームセンター、映画館などもあるため、生徒たちはそこで遊ぶ事が多いようです。


生徒数が多く、年中、転校する生徒が多いため、
今回の潜入のための転入はあまり気にされません。


■化け物
小鬼のような姿をしたものから、３〜４メートルはある大鬼のような姿をしたものまでが目撃されています。

※古代種族の鬼とは関係が無いようです。


■吹奏楽部
大会が近かったのですが、
特に失踪者が多く出た事もあり、練習すらままならない状況にあります。

助っ人・部員を大募集しています。


■ゲオルク
タシガン近くに浮かぶ孤島の遺跡で発見された魔剣を盗み出し、その力を持って化け物を作っては人さらいを行なっていた魔術師です。

彼の持つ魔剣は、パラミタの裏マーケットでかなりの高値が付けられています。

・一般生徒として転入し、生徒を守る！

・契約者として転入し、情報を探る！

・転入せず忍んでフォロー

・吹奏楽部を助ける！