シナリオガイド
地下エネルギープラントを攻略し、ジュリエンヌ商会を討て!
シナリオ名:新興都市シズレの陰謀 / 担当マスター:
水無月へる
〜前回のあらすじ〜
新興都市シズレに、突如として巨大な怪物達が出現したことで、動乱が勃発した。
その怪物達は、町の住民や建物を無差別に襲って回っていましたが、集まってきた契約者達の活躍と、
シャンバラ教導団、恐竜騎士団から遅れて派遣された2つの鎮圧部隊によって、現在は抑えられています。
手がかかるのに何故、排除せずに抑えているだけなのか? その理由は、当時不明だった怪物達の正体にありました。
有志によって暴かれた、シズレの暗部にまつわる情報によると、
この怪物達は、もともと無害な剣の花嫁であることが明らかになったのです。
どうしてこのような姿に変貌しているのかは、まだ確定していませんが、
元に戻せる可能性がある以上、暴れているからといって無闇に殺傷するのは得策では無いという判断になったようです。
それに……有志によって暴かれた情報は、怪物の正体についてだけではありません。
シズレを拠点として活動していた組織・ジュリエンヌ商会が、この怪物を生み出した元凶である可能性が高い事も判明したのです。
ジュリエンヌ商会はこれまで事業に成功して大きくなった組織、という扱いでしたが、
彼らの成功の裏には、剣の花嫁を各地より不当に拉致してシズレへ運び、特殊な強制労働を課して活動力を得ていたという悪行がありました。
全ての構成員がその悪行に荷担していたわけではなく、ジュリエンヌ商会を仕切る幹部達の周辺のみによる所行だったようですが、
とにかく、この強制労働が何らかの原因となり怪物化した剣の花嫁達が、暴れ出したという線が非常に強いのです。
ならば裏を返せば、商会の暗部に接触すれば、剣の花嫁達を元に戻す方法もわかるかもしれないということ。
そして、その強制労働の舞台となっていたのは、シズレの地下に広がるエネルギープラント……
商会暗部のみが知る、隠された本拠地です。
さて、そんな敵に追われつつも、なんとか逃げ帰る事に成功したアテナ・リネア(あてな・りねあ)の証言によると、
・シズレがこんな事になった今にも関わらず、ジュリエンヌ商会暗部は未だ地下エネルギープラントに潜伏している
・パートナーの熾月 瑛菜(しづき・えいな)が、自分を逃がすために彼らに捕らわれてしまっている
・地下エネルギープラントの入り口は民家に偽装してあるが、その場所は特定できている
以上のことがわかっています。
ジュリエンヌ商会暗部を討つため。瑛菜を救出するため。あるいは、無私の剣を振るわされている花嫁達を、元に戻す手段を求め。
それぞれの想いを秘めて、契約者達は地下エネルギープラントへと乗り込むことになるのでした。
◆新興都市シズレ近郊・シャンバラ国軍野営地◆
「まさか庁舎……町の執政者まで一商会の手に落ちてたなんて。情報科少尉のなななでも、さすがに調べがつかなかったよ」
張り巡らされた簡易テントの中。
今回の鎮圧部隊の一つを率いてやってきた金元 ななな(かねもと・ななな)は、報告書を読み終えると溜め息混じりに呟きました。
契約者達が最善を尽くしてくれたとはいえ、今回の事件による町の損害は甚大……
もし先に気づき、防げたならと、思わずにはいられないのでしょう。
なななと同じ立場にあるため隣にいた小暮 秀幸(こぐれ・ひでゆき)は、本気で落ち込んだ風貌を浮かべるなななを見かねて、
「自分の分析によると、今回の事件を未然に防げる可能性は5%未満でした。
これは敵側でデータの隠蔽が徹底されていたためで、いかに情報を収集できるななな殿といえど、仕方の無いことかと」
「うん……それでも、何とかできていればって考えちゃうんだよね……。
シズレは、ジュリエンヌ商会の思惑通りに育った町かもしれないけど、そこに希望を見出して、頑張ってきた人もいるはずだから」
それに応えられなかったのが悔やまれる、と言いたいのでしょう。
しかし、秀幸の見解は少し違っていたようです。
「まだ終わってませんよ、ななな殿。今回の事件も、シズレの町そのものも。
ここからの自分達の動き次第で、少しでも住民に応えられる確率を上げられるはずです。気をしっかり持って下さい!」
「……そっか。うん、むしろこれからだよね!
建物とかが軒並み壊されちゃったのは残念だけど、また建て直せばいいんだもんね」
「ええ。そのためにもまずジュリエンヌ商会を制圧して、暴れている怪物を元に戻す方法を、早く見つけなくては」
事件直後は正体がわからなかった怪物……しかし今は、罪の無い剣の花嫁が正体なのだという事がわかっています。
そのため、今は極力殺傷を避けつつ部隊が抑え込んでいる形になっているが、それも無期限ではない……。
これ以上の持久戦は無理だと現場が判断すれば、新たに罪の無い剣の花嫁が犠牲になってしまうかもしれないのです。
「もう犠牲はこりごりだよ。なななもエネルギープラントに乗り込んで、その方法を探る!」
一時前まで落ち込んでいたのが嘘のように、なななは奮起してみせます。
その目には強い光が宿っていました。
秀幸はもう大丈夫だと見ると、すっと手を引くように体を翻して、
「さて……ご一緒したいところですが、町中もまだ完全に落ち着いたわけではありません。
自分の部隊は外で持久戦を展開している場所を回り、手が足りない所へ助力していこうと思います。……そちらは任せましたよ」
最後の一言だけ振り向き言い残してから、テントを後にしました。
なななはテーブルの上に用意されていたインスタントコーヒーを一気に飲み干すと、
「確率クンのくせに格好付けちゃって……言われなくても、わかってるんだから……!」
立ち上がり、秀幸よりも勢いよくテントを出て行った。
◆新興都市シズレ・地下エネルギープラント入り口◆
アテナ・リネア(あてな・りねあ)は現在気を失っているものの、彼女が契約者の手によって救出されたことで、
ここ、地下エネルギープラントへの入り口の位置は、幅広く周知されることになりました。
デュオも、その情報を元にやってきた契約者の1人です。
「ククッ、再びここに戻ってくる事になるとはな……運命の歯車とは恐ろしいものよ」
デュオは突入するために集まってきた契約者達に紛れて、感慨深そうに町並みを眺めています。
もっとも、その町並みは怪物達の手によりボロボロになっているわけですが、
彼がシズレにいた頃は蛮族の襲来なども多い時代だったので、記憶と照らし合わせた場合、図らずも景観が一致するようです。
「教導団も恐竜騎士団も、怪物の対応に追われているらしい。
地下エネルギープラントに派遣される隊も一部あるようだが、攻略の鍵となるのは我々契約者だろうな」
ここに集まっている契約者達はそれぞれ立場はバラバラですが、もともとは瑛菜のSOSメールを受けてやってきたのです。
つまり、義勇に基づく優秀な者ばかり。
全員の力を合わせたなら、単純な戦力として見ても、教導団や恐竜騎士団の部隊に及ぶかもしれません。
言うなれば、フリーの契約者達による混成部隊です。
と、そこで周囲がざわついている事に気づき、意識をそちらに戻すデュオ。
「フッ、間もなく突入の時間、というわけか。
せいぜい楽しませてもらおう……歴戦の覇者である俺様を退屈させるなよ、ジュリエンヌ商会!」
担当マスターより
▼担当マスター
水無月へる
▼マスターコメント
初めての方は初めまして、これまでのシナリオに参加してくれた事のある皆様は、お久しぶりです。
ゲームマスターの水無月へる(みなづきへる)です。
本シナリオは『新興都市シズレの動乱』の続編に当たりますが、今回からのご参加も大歓迎です。
おおまかな目的は、瑛菜救出とジュリエンヌ商会暗部撲滅の2つになるでしょうか。
もちろん、あえて乗り込まずに何かをする等々、特殊な行動を取ってもよし、です!
皆様の多彩なアクション、お待ちしております。
■アクションについて
今回の作戦では、地下エネルギープラントに向けて、教導団より金元 ななな率いる部隊が送り込まれます。
また、もともとは瑛菜のSOSメールを受けてやってきた契約者達による混成部隊も、合わせてエネルギープラントへ乗り込みます。
小暮 秀幸は町中を回るようですが、特に名指しのアクションが無い限りガイドのみの登場になりそうです。
参加PCは、
・教導団の部隊に合流して、なななと一緒に乗り込む
・混成部隊の一員として、独立して乗り込む
正統派にいくならば、これらの状況から開始し、各自の目的のため行動することになると思います。
なななと一緒に乗り込んだ場合は、人手が必要となる目的を達しやすくなり、
独立して乗り込んだ場合は、隠密行動などの小回りが必要になる目的を達しやすくなるでしょう。
特に記述が無い場合は後者として扱われます。
■デュオについて
『紅き閃光の断末魔』シナリオで登場したNPCです。
本シナリオでは、単に地下エネルギープラントに敵が潜んでいる事を聞いてやってきた契約者の1人となります。
教導団と協力関係にある民間軍事会社・ラインハートのエージェントですが、今回は混成部隊の一員として、単独で行動しています。
正義感だけで動いているのではなく、何か目的があるようです。
■地下エネルギープラントについて
狭い通路から広い部屋まで、様々な空間によって構成されています。光景としては工場や実験場のように見えるかもしれません。
シズレの地下全域に広がるほどの面積があるので、単独で総当たりを行うのは不可能でしょう。
アクションの際は、ある程度目的を絞って動いたほうが良いかもしれません。
また、ところどころに謎の機材が設置されていますが、用途は商会暗部の人間から聞き出さない限り、全て不明です。
■ジュリエンヌ商会暗部について
ジュリエンヌ商会のトップ・ジェラルドと、その取り巻きであるカルロス、モルガナがこれを仕切っています。
地下エネルギープラントに籠もっていますが、正にそこが彼らの活動拠点なので、すぐに動かせる人員を相当数抱えているようです。
よって、契約者達が突入してきても、堂々と待ち構えている可能性が高いです。
■瑛菜とアテナについて
瑛菜は、現在ジュリエンヌ商会暗部によって拘束され、捕らわれています。
地下エネルギープラントのどこかに収容されているようですが、詳しい位置は不明なため、捜索する必要があるでしょう。
前編においてカルロスの手で一度瀕死の状態にまで陥りましたが、モルガナの治療を受けて、現在ははっきりと意識があります。
ただし、全ての持ち物が没収されているようで、携帯電話への連絡などは無意味です(そもそも地下なので電波が届きませんね)。
アテナは、契約者達によって保護され、現在は療養中です。
命に別状はありませんが、気を失っており、瑛菜と意思疎通をしてもらう等のことはできません。
▼サンプルアクション
・正面突破だ!
・瑛菜を探す!
・花嫁達を元に戻す方法を探す
▼予約受付締切日
(予約枠が残っている為延長されています)
2013年04月11日10:30まで
▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)
2013年04月12日10:30まで
▼アクション締切日(既に締切を迎えました)
2013年04月16日10:30まで
▼リアクション公開予定日(現在公開中です)
2013年04月26日