【DarkAge】エデンの贄 リアクション公開中! |
シナリオガイドそこはクランジに支配されたもうひとつの『未来』。闇の時代に見いだせるのか、光を。
シナリオ名:【DarkAge】エデンの贄 / 担当マスター:
桂木京介
雫が落ちてくる。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ すべてが狂いはじめたのは2020年の秋のことだった。 蒼空学園とイルミンスール魔法学校が、夏祭りを共同開催した夜……あれがこの世界にとって最後の、幸せな記憶だったかもしれない。 その直後、御神楽環菜が暗殺され、これを口火とするかのように様々な悲劇が世界を覆った。万人の万人に対する闘争が具現化したのだ。最悪の形で。 今や地球の大半は核兵器によって蹂躙され、人の住める地域などほとんど存在しない。 唯一、核を逃れたパラミタも、混乱に乗じた塵殺寺院によって分断され、焼かれ、その多くが寺院の支配を受けるに至った。 だがその塵殺寺院が、手勢としていた殺人機晶姫『クランジ』に支配権を奪われ、滅亡することになるなどと、誰が想像できただろうか。 かくて、呪いの時代が到来した。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 空京。 「また……」 声に苛立たしげな色が混じるのを、クランジο(オミクロン)は隠そうとしなかった。 「また私の邪魔をするのかッ……!」 οはクランジの人狩り部隊の指揮官である。黒い軍服はπと同じだが、魔女のような三角帽を斜めにかぶっていた。 本日οは、レジスタンスに参加している人間の追跡を行っていたのである。廃墟となった町外れまでたどりついて、ようやく彼女は自分たちが罠にはめられたことを知った。 「ここここれはオオゴトですよう〜!」 同行者のクランジτ(タウ)が、舌を噛みそうな口調でοに訊いてくる。τの両目は栗色の前髪の下で、その表情はうかがえないが、狼狽していることは態度と口調で十分すぎるくらい理解できた。まるで水に落ちた猫だ。 「R……」 暗がりから姿を見せたのは、οの想像通りの人物だった。 「また私の邪魔をするのか、ξ(クシー)!」 「R U(are you) OK? My SIS(sister)? 姉さんオ久しブリ!」 そのクランジ……οの血を分けた妹……クランジξ(クシー)はどこか金属的な声で笑った。 ξとοは、まったく同じ顔だ。ともに機晶姫化される以前の素体は人間で、しかも双生児だったためである。 しかし、同一なのは逆に言えばそれだけだ。黒いロングヘアのοに対し、ξは桃色と青に染め分けウルフシャギーにしたショートヘア。服装だって、軍用コートの姉とは正反対、妹はホットパンツにブーツ、迷彩柄のタンクトップである。気温がおかしくなり冬が冬らしくなくなって何年も経つとはいえ、それでも肌寒い扮装であろうに。 ついでに言えば表情もまるで逆だ。οは真顔、ξは笑顔。そして立場も一致しない。姉はクランジの一員として人間を狩り、妹はレジスタンスの一員として、そんな姉と戦っているのだ。 「なぜ人間になど手を貸す……いずれ滅びゆく連中に。我々クランジこそがこの世界の覇者だ」 「OK、OK、SIS、ソノ考え方がアタシには気に入らナイ。Don’t U understand? アタシは思い上がったヤツは嫌いなのサ、とりわけ、そいつがアタシと同じ顔しているとあっちャネ!」 量産型の数が足りない――οは手勢を振り返り思考を巡らせた。無人格な灰色の戦闘機晶姫を、この日οは二体しか連れてこなかった。あとの味方はτだけ。包囲されたとすれば危険だ。 そんなοの逡巡を見逃すξではない。 「注意一秒怪我一生のGO to Heaven!!」 ぱっと跳躍すると同時にξは、己の右腕を投げ捨てていた。実際にはその肘から下を外し、そこに仕込まれた刃を抜き放っていたのだ。 一颯。風を呼ぶような一撃がοの頭部めがけ叩き込まれる。 だがοも並の使い手ではない。瞬時にして彼女も左腕を捨て、濡れたような光沢を持つ刃を剥き身にして攻撃を受けた。激しい火花が散った。 半身を逸らし反撃に出ようとしたοだが、その眼前でξが、二カッと笑ったのに気づいた。 「SIS、アノ子を忘れてル!」 οの両脚がたちまち凍り付いた。比喩ではない。本当に凍り付いたのだ。正しくは、両足と腰のあたりが。 「……こいつを倒せば、少しでもボク、心が軽くなるよね……?」 物陰から現れたのはこの場で四人目のクランジであった。外ハネした髪は鮮やかなほどの赤毛、美少女といっていい顔立ちだろう。しかし、その顔色は冴えない。目も、不安そうにきょろきょろしている。 「あー、そういうコト。でも、なんか暗いヨネ? λ(ラムダ)ハ」 「……暗く、ないよ……だって、だってボク…………」 「Oh、ゴメン。悪気、ナイヨ。だから……その、泣くナっテ!」 ξは溜息をついた。赤毛の彼女はクランジλ、心に大きな傷を負っており、それゆえか些細なことでも、それこそ戦闘中であっても、突然泣き出すなど不安定なところがあるのだ。それでも、ξが行動を共にするようになって随分とマシになったのだが。 ξは舌打ちした。λのことではない。いつの間にかτが、体内から高い熱を発生させ、熱くなった両手でοの氷を溶かしているのに気がついたからだ。 罠に誘い込むところまでは良かった。だが、そこから畳みかけるのに失敗した。 ――SISと決着をつケるのハ、今度にシた方がいいカモ。 これがξの出した結論だ。『エデン』の襲撃計画が実行に移されるまでは、無茶をしたくなかった。 だがそれほど遠い先ではない。計画(オペレーション)は、数日後には開始される。 担当マスターより▼担当マスター ▼マスターコメント
このシナリオは『プレミアム シナリオ』となり、MCとLCの参加ポイントが他のシナリオと異なりますのでご注意ください。 ▼サンプルアクション ・政治犯として収容されているが脱獄する ・レジスタンスの一員として行動する ▼予約受付締切日 (既に締切を迎えました) 2014年02月28日10:30まで ▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました) 2014年03月01日10:30まで ▼アクション締切日(既に締切を迎えました) 2014年03月05日10:30まで ▼リアクション公開予定日(現在公開中です) 2014年04月09日 |
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