蒼空学園

　ニルヴァーナに建設され、今もなお拡張が続けられている中継基地。
　その汗と涙の結晶とも言える場所に、大きな大きな災難が降りかかっていました。

「まずいな。この状態では、中継基地はまともに稼働できないぞ」
　その状況を視察したニルヴァーナ探索隊長ヘクトルが驚愕しています。

　その視線の先には、基地の外壁や搬入口を押しつぶす形で鎮座する、超巨大イレイザーの姿がありました。
　このイレイザーは前回の作戦でヘクトル自身が指揮する部隊で戦いを挑んだ相手なのですが、首を落とされても生存するという脅威の生存力で逃げ延びたのです。
　その後、砂漠から逃げたイレイザーは地中を移動して、基地に突っ込むような形で動きを止めました。

「イレイザーによって中継基地のエネルギーが吸収されている。このままでは、中継基地の機能はやがて停止してしまうぞ！」



「あのイレイザーの中には、まだ小暮くんがいるんだって！」
　緊急的に開かれた対策会議で、金元　ななな（かねもと・ななな）は報告を伝えます。
　前回の作戦中、超巨大イレイザーの背中にある遺跡にある装置を調べるために侵入した小暮　秀幸（こぐれ・ひでゆき）が、遺跡の中で不幸にも遺跡の中で本隊と離れてしまい、生死不明の状態になっているのです。

　短期間中に行われた調査では、イレイザーの背中の遺跡はイレイザーの体内につながっているとの報告が為されています。
　しかもその内部は遺跡よりもさらに複雑な迷宮と化しており、蛇に似た凶暴なギフトが守護しているとのことです。

「きっと、小暮くんはイレイザーの体内に入っちゃったんだよ！　助けなきゃ！」



「中継基地がイレイザーにカツアゲされてるよ！」
　中継基地の光景を目撃した魔威破魔　三二一（まいはま・みにい）は、思わず叫びました。

　三二一は、バンシーのねぐらをバンチョーのねぐらと聞き間違えたパラ実生たちと共にニルヴァーナに訪れ、パラ実分校へ向かう途中でした。
　彼女自身の目的は、ニルヴァーナのどこかに夢と魔法に満ちた国を建国する事でした。
　その拠点として分校を目指しているのです。

「なんとかしなかきゃ……！」

　中継基地が機能しなくなってしまえば、ここから北へ向かうことが、また難しくなってしまいます。
　もちろん、バンシーのねぐら方面へも。
　ですが、転んでもただでは起きないのがパラ実魂。すぐに三二一はひらめきました。

「そうだ！　あたしらがあのイレイザーをなんとかすれば調査隊に恩を売れるでしょ！　それで、分校方面の開発を手伝わせれば一気に進むじゃん！」
　そして三二一により偵察に出された浦安　三鬼（うらやす・みつき）はボロボロになってひとつの情報を持ち帰りました。

「イレイザーの最深部にはどでかい水晶があったぜ……きっと、あれが、あのイレイザーの……核……だ」
　悪運の強い三鬼は最深部にまで到達したものの、ギフトに襲われて戦闘不能になり、必死の思いで帰って来たようです。



　様々な思いが渦巻く中、調査隊は基地を救うため、イレイザー討伐を決定しました。
　はたして、討伐は成功するのでしょうか？

　梅雨の季節になってまいりました。ゲームマスターの丹野佑です。

　本シナリオは創世の絆　第三回の結果を受けて発生したシナリオです。
　また、本シナリオの結果が、次回のグランドシナリオの結果に影響します。

　本シナリオの主旨は、ニルヴァーナの中継基地に取り憑いたイレイザーを倒すことです。
　このままイレイザーを放置すれば中継基地は壊滅し、調査は大きく後退することになるでしょう。

　本シナリオの主な舞台はイレイザーの体内になります。そこはダンジョン化しており、内部にはイレイザーの核ともいえる水晶があるほか、生死不明となった小暮もいると思われます。

　ヘクトルはイレイザーが移動要塞としての機能をあわせもっているのではないかと推察しており、突入に際しては大きな危険が伴うだろうと考えています。
　また、イレイザーの中にはギフトが飲み込まれており、イレイザーの影響か凶暴化
しています。

・イレイザー妥当を目指す

・木暮を救出する

・パラミタ分校のためにイレイザーを倒す