イルミンスール魔法学校

　まったり平和な昼休みのさなか、一人の女子生徒が息を弾ませて教室へと駆け込んできました。
　
「ちょ、ちょっと大ニュース！」
「どうしたの？」
「さっき職員室で偶然聞こえちゃったんだけど、卜部　泪（うらべ・るい）先生が今度のお休みにデートするんだって！」
「デ、デート？！　あの卜部先生が？！」

　素っ頓狂な声に他の生徒が続々と集まってきます。
　それもそのはず。卜部　泪といえば、蒼空学園のみならずお茶の間でも大人気の女子アナウンサーなのです。
　彼女のスキャンダルとなれば、興味を示さずにいられません。

「相手は？」
「わかんない。くー、最後までちゃんと聞いてくるんだった！　でもきっとかっこいいんだろうなぁ」
「卜部先生も一人の女性ですから、恋愛のひとつやふたつ不思議ではありませんわ」
「そうだな！　せっかくだから、僕たちで先生のデート成功するように陰から力を貸してあげようぜ！」

　デートとなれば、空京のアーケード街が定番となっています。

「でも、アーケード街ってものすごく広くない？　ちゃんと先生を見失わずについていけるか心配」
「尾行班を作らないといけないねぇ。後をつけるだけじゃなくて、いくつかポイントを決めて張り込みをすると効率がいいかも。何か危ないことが起こったときに咄嗟に対処できる人も必要かなぁ」


　ところが一方、きゃいきゃいと盛り上がる一団と対照的に、浮かない顔をしている生徒たちもいました。

「うわー、俺、泪ちゃんのことひそかに狙ってたのに！」
「許せませんの！　泪様はみんなのものですの！　高尚にして不可侵な存在でなければなりませんの！」
「こうなったらデートの邪魔をするしかないよ。それがわたしたちの正義……」

　こちらは円陣を組んで、なにやらデートを妨害することを考えているようです。
　とりあえず援護派に潜り込み行動を共にすることにしたようです。

　
　そしてまた一方では、仲睦まじくひとつの弁当をつつきあうカップルがいました。

「僕たちはどうする？」
「別に先生の恋がどうなろうと知ったこっちゃないけど」
「そうだね。でもせっかくだから先生ついでで僕たちもデートしない？　みんなのおすすめのお店とか知ることができたら、これからのデートがもっと楽しくなるかもしれないよ」
「それ……名案じゃない！」


　それぞれの思惑などは露知らず、卜部　泪は職員室で紅茶をすすっているのでした。

　
　
　

はじめまして。
新しく蒼空のフロンティアのゲームマスターを務めさせて頂きます、マリツキと申します。
どうぞよろしくお願い致します！

さて、舞台となるアーケード街ですが、ファッション店、雑貨店、飲食店のほかにも様々なお店があり、ここで買えないものはない、とまで言われるほどです。
もちろん休日ともなるとかなりの人出があります。
油断しているとすぐに姿を見失ってしまうでしょう。それでは元も子もありませんね。
尾行班は意図に関わらずどちらかにとって有利に動くことはありません。

援護派と妨害派はお互い対立していますが、一般人が数多くいることをお忘れなく。
過激な行動は控えましょう。

卜部　泪のデートが成功するか失敗するかは、すべてあなた次第です。

・卜部　泪を楽しませる。

・卜部　泪の後をつける。

・デートを頓挫させる。

・気に入った店があれば作戦から離脱し楽しむ。