イルミンスール魔法学校

　昔々、ひとりの吸血鬼がいました。
　名をロイテホーンと言い、血が大好物だった彼は周りから恐れられる存在でした。
　そんな彼を見て、ひとりの魔女が言葉巧みにロイテホーンを説得しました。すると彼は大人しくなり、周りは平和になりました。
　時が遠すぎて、本当の話かどうかも分からない昔話です。

　蒼空学園の生徒、小谷　愛美（こたに・まなみ）は恋愛ものの話が大好きでした。
　ここパラミタに来てからもそれは変わらず、パラミタにある恋の話を見聞きしては、
「マナミンもこんなあまーい恋がしたいなぁ」
　と憧れているのでした。

　最近彼女には、とてもお気に入りの説話があります。
　それは、何百年もの間愛し合っているという、吸血鬼と魔女の話です。
　その話はノンフィクションであるという噂も、彼女の心を躍らせる一因でした。
「ねえねえマリエル、このお話、ほんと素敵だよね！　絵本とかにもなってるんだって！」
　愛美はパートナーのマリエル・デカトリース（まりえる・でかとりーす）とそんな話をしては、盛り上がっていました。

　そんなある日のことです。蒼空学園にひとつの依頼が来ました。
　蒼空学園付近にある小さな島から吸血鬼が時々やってきては、生物を襲っていくのでどうにか追いやってほしいという依頼でした。
　話によると、その吸血鬼は「リーシャ、すまない」と謎の言葉を呟きながら虚ろな目で生物に襲い掛かるそうです。
　それを聞いた愛美は驚きました。
　リーシャ。その名前は、大好きな説話に出てくる魔女の名前と一緒だったからです。
「あのお話はやっぱり本当だったの？　でも、それならなんでこんなことに……」
　説話の中では、吸血鬼と魔女は小さな島でひっそりと、ふたり仲良く暮らしているはずでした。
　今回現れた吸血鬼は、愛美が好きな説話に出てくる吸血鬼と同じなのでしょうか？
　真相を知るため、愛美は吸血鬼が住むという孤島「ロウンチ島」へ向かうことにしました。
　また、偶然にもその島では、蒼空学園の生徒数名がキャンプをしていたらしく、数日経っても戻ってこないことから行方不明ではないかという話も浮上しています。
　依頼にある吸血鬼と関係あるかは分かりませんが、こちらも放ってはおけません。

今回の舞台は蒼空学園付近にある孤島です。
孤島は地図に載っていないくらいの小ささで、2時間もあれば1周できるようです。
孤島に強力なモンスターなどはいません。いても小さな獣やコウモリレベルです。
蒼空の近く、行方不明の生徒が蒼空生であることから蒼空生を募っていますが、他の学校の方も参加可能です。
参加される際は「○○という理由で参加した」のようなことを一言書いてくださると助かります。

今回はコメディー要素やほのぼの要素よりシリアス要素が強めのシナリオです。そのはずです。
バトル要素もあるにはありますが、そこがメインではないです。ないはずです。
本格的なミステリーでもありませんが、ぜひ今回の依頼と説話の関係、そして真実を確かめてみてください。

・愛美と共に吸血鬼に会いに行き、話を聞いてみる

・問答無用で吸血鬼を倒しに向かう

・行方不明になった蒼空生徒の捜索と救助を行う