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幸せ? のメール

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シナリオガイド

愛を叫ぶ? スマキになる? あなたはどちらを選びますか
シナリオ名:幸せ? のメール / 担当マスター: 寺岡 志乃


「好きだ! 好きだ! 好きなんだぁ~~~!」

 朝の蒼空学園校庭で、突如ハスキーな男子生徒の絶叫が響き渡りました。

「完璧に近い弧を描くきみの丸いフォルム、銀色の輝き、打てば響くその音色! 人の頭に落下するときのきみほどぼくの心を捉える存在はいない!」

 と、天に掲げ持っていた銀たらいをギュッと胸に抱きしめます。
 ひそひそ、ひそひそ。遠巻きにして見る者たちをものともしないその姿を、校長室から御神楽 環菜(みかぐら・かんな)が頬杖をついて見下ろしていました。

「――なにあれ。見てるだけで暑苦しいわね」
「ええ、まぁ」

 背後に控えめに立っていたルミーナ・レバレッジ(るみーな・ればれっじ)が相槌を打ちます。

「そういえばこの間もああやって叫んでいるやつがいたわね。通りすがりの女生徒のふくらはぎに向かってだったけど」

 一昨日の不愉快な出来事を思い出してか、知らず環菜の眉が寄ります。その不愉快な光景を、環菜はリムジンの窓越しに目撃したのでした。もし女生徒に手をかけていれば環菜も殴り倒したかもしれませんが、男子生徒はただ校門を通り過ぎていく女生徒のふくらはぎを目で追いながら愛を語っているだけでしたので、個人行為の範囲内と思い直して通り過ぎることにしました。

「みんな、連日の暑さで頭がやられちゃったのかしら」
 誰ともなしに呟いた、その時。ルミーナから1枚の紙が差し出されました。
「何?」
「皆さん、これを受け取ったからだと思います」

 パソコンから打ち出された文字で、紙には次のような文句が書かれています。

『これは幸せのメールです。なぜなら、このメールを受け取って1両日中に校内で熱き思いのたけを告白しないと、あなたには不幸が訪れるからです。このメールを理由にして、さあ心の限りにあなたの心のうちを語ってください。例えそれで誰に何を言われても、それはこのメールのせいなのです』

「先日から皆さんの携帯やパソコンにこのメールが届いているようですわ」
「不幸のメール? 今時? バカバカしいわね」

 そう言って、親指と人差し指で紙をつまみ、ピラピラ振りました。

「それが、そうも言っていられないんです」
「は?」
「皆さんも最初のうちはとりあわなかったんですわ。こんなのバカバカしいって。そうしたら実際に、無視した2人の女学生が行方不明になってしまわれたんです」

 その一瞬に、それまで呆れ顔で紙を見つめていた環菜の目に鋭さが表れました。
 背筋が伸びて、ルミーナに正面を向けます。

「それは由々しき事態ね」
「ええ。ですが、その2人も2~3日後に校内で発見されました。服に動物の毛らしき物が数本付着していましたが、怪我もなく、衰弱している様子もないんです。ただ、行方不明中のことは一切覚えていない、言いたくない、と言い張られて。
 そういうことが起きると皆さん怖がってしまって、メールの通りにしないと同じ目にあうと考えられているんですわ」
「で、ああいう行動に出ていると。つまり、対象はべつに恋愛対象者でなくてもいいわけね」

 それであいつは人前で銀たらいに向かって思いのたけを語っているわけか、と今度は少し、あわれみのこもった視線で再度校門の男子生徒を見下ろしました。

「そうみたいですわ。ただ、それが嘘だったり、本命は別にいるのにそれを隠して2番目3番目にすると、翌朝全裸でスマキにされて3階の窓から吊るされるんです。――いえ、わたしは目撃したことはありませんけれど、そういう噂なんですわ」

 環菜にジッと見つめられ、早口で言いつくろいます。頬が少し赤いところを見て、どうも本当のことを話しているようには見えませんでしたが、環菜は不問に伏すことにしました。
 それでどうしましょう? と判断を仰ぐルミーナに、環菜は数瞬考え込んだ後、つまんでいた紙から指を離しました。

「スマキで吊るされるくらい、どうってことないわね。2~3日で出てくるんだったらたいした問題でもないし」
「えっ? でも…」
「怪我してるわけでもないんでしょう。生徒たちも、ただ叫んでるだけなら害はないわ。もちろんこんなお騒がせ犯、つきとめる必要はあるけど、そっちは放っておきなさい。どうせ全員が1回経験してしまえばそれで終結するわ。期間が受け取って1両日中ならそんなに長引くこともないでしょう」

 どうせ私が貰ったわけじゃないし。そうしめくくる環菜に

「あの……これは、環菜さんに届いたメールなんです…」

 ルミーナは机上の紙と環菜を交互に見ながら、言いにくそうに呟きました。

「なんですってぇ!?」
「今日届いた手紙の中に紛れていましたの」

 環菜の叫びに、どうしようもない、と言いたげにルミーナは両肩をすくめて見せます。
 全裸でスマキは論外として、熱い思いを校内で叫ぶか、2~3日かどわかされ、校内で倒れているところを発見されるか、そのどちらにしても、権威の失墜はまぬがれません。

「この私がそんなことになるわけないでしょう。ばかげてるわ。そんな可能性は全くのゼロ、ナッシングよ。
 だけどこの御神楽 環菜にこのようなメールを送ってきた不遜の輩を放置するわけにはいかないわね。今すぐ犯人をつきとめて、私の面前に引き立てなさい。校内で叫べということは、この学園の者に間違いないわ。いいこと? 早急に、最優先で、明日までにこの愉快犯を捕まえるのよ」

担当マスターより

▼担当マスター

寺岡 志乃

▼マスターコメント

 こんにちは。寺岡です。
 今回は何かと公表してきました、ラブコメシナリオです。
 ハイ、ラブ度が薄くなってます。おかしいです。こんなハズでは…!?

 ううう…。
 めげずに補足説明に入らせていただきますね。

 舞台は蒼空学園校内となります。
 叫ぶ場所は特に設けていませんが、指定がない場合は衆目の中での校庭がデフォルトになります。
 蒼空学園以外の学生はメールを受け取っていませんので、騒ぎを聞きつけてやって来て、便乗するという形になります。
 叫んでもいいし、犯人捜索に乗り出しても構いません。

 そして叫ばれる場合、それが本当か嘘かは、キャラクターページに書かれている内容・関連キャラ等で寺岡が判断します。
 嘘と判断された場合はスマキになります。例えそれが真実の吐露であったとしても、嘘のように感じられたら容赦なくスマキです。反論は認めません。ですので、絶対に間違われたくない場合は、アクションで【真実】の文字を入れておいてください。

 また、蒼空のフロンティアは【全年齢対象】です。叫ぶ内容があまりに過激で、ピー音の連発となった場合 天誅・ハリセン部隊 がどこからともなく現れ、ハリセンでおしおきします。
 もちろん彼等に闘いを挑むのもアリですが、本末転倒にならないようにしてくださいね。


 寺岡はラブストーリーが好き!
 ラブラブアクション、お待ちしております!

▼サンプルアクション

・愛を告白する

・熱い思いを叫ぶ

・犯人を捜して校内を探索する

・スマキで吊るされる

・行方不明になる

▼予約受付締切日 (予約枠が残っている為延長されています)

2010年08月21日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2010年08月22日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2010年08月26日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2010年09月09日


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