イルミンスール魔法学校

　総奉行ハイナ・ウィルソン（はいな・うぃるそん）がある時言いました。
「御前試合をするでありんす」
　彼女の目の前には、どーんとハイビジョンテレビが置いてあり、日本で作られた時代劇が流れていました。その中では、将軍の目の前で剣豪たちが剣術の試合をしています。どうやらバッチリ影響を受けたようです。
「まあ……構わないでしょう」
　葦原房姫（あしはらの・ふさひめ）は寸の間考え、同意しました。子弟たちの実力を測るのに、いい機会でもあります。
「きちんと決まりごとを決めた方がよろしいでしょう」
　房姫は硯を取り出し、墨を磨り始めました。ハイナはうむむ、と考え込んでいます。
「そうじゃな。殺すのは禁止！」
「他に？」
「他？」
　房姫は嘆息して付け加えました。
「スキルを使ってもいいのか、パートナーはどうするのか。サムライだけなのか……」
「御前試合は他流もウェルカムと決まっているでありんす。その方が面白いでありんす」
　筆を取り、和紙の上に綺麗な文字で決まったことを書き留めていきます。――達筆すぎて、ハイナには読めません。
「コンビネーションも見たいところでありんすが、やっぱり最強は一人だけでありんす」
「では、一人ずつ参加。パートナーも個別なら参加可能としましょう」
「スキルも使えねば意味がないでありんす」
「ただし、相手を殺したり、再起不能にしたりするのは禁止しましょう」
「確かに、死人が出たら次の御前試合に人が集まらないでありんす」
　ハイナはこの御前試合を何度も行うつもりのようです。
「……して、褒美は？」
　ハイナは、じっと考え、言いました。
「わっちのキスをあげるでありんす！」
「……」
　房姫は少し考え、こう書き足しました。
『優勝者には、「第一回葦原明倫館御前試合“覇者”」の名を授ける』
　更に房姫は、ハイナが考えようともしなかったルールを作ることにしました。
　数日後、以下の掲示が高札に張り出されました。

「この度、第一回葦原明倫館御前試合を執り行うことに相成り候。腕に覚えありし者は、挙って参加されたし」

壱．試合は一対一。パートナーも参加可能だが、別々に登録すること。
弐．急所の攻撃は許可するが、相手を殺したり、再起不能にしてはならない。
参．武器はこちらで用意する。殺傷能力のある物は使わない。
肆．勝ち抜き制。攻撃がヒットするか、審判が止めると一点。相手が「参った」と言うか、気絶をした時点で試合終了。

　この試合に勝ち抜けば、「第一回葦原明倫館御前試合覇者」の称号が手に入ります。
　腕に覚えのある者、単に試してみたい人、面白そうだから応援したい人、審判をやってみたい人等々。
　皆様のご参加をお待ちしております。
　なお、詳しいルールはマスターコメントをご覧下さい。

　こんにちは、或いははじめまして。泉　楽です。
　今回のシナリオは、文字通り、葦原明倫館で行われる御前試合です。どの学校の生徒でも参加出来ます。
　以下、ルールを記しておきます。よくお読み下さい。


・勝ち抜き制です。組み合わせは、適当に選びます。

・試合は一対一で行われます。ＭＣもＬＣも何人でも参加できますが、どこかでパートナーと戦うことになるかもしれません。

・勝負はじゃんけん方式です。上段、中段、下段、攻撃スキル（一回のみ）の四つの内、好きなものを三つ選んでください。
強さは、上段＞中段＞下段＞上段＞中段〜となります。ただし攻撃系スキルだけは、相手がどれを選んでいても勝てます（スキル同士がぶつかれば、相打ちです）。二ポイント先取した方が勝ちです。
例：１．中段　２．攻撃系スキル（技の名前を書く）　３．上段　または、１．下段　２．下段　３．中段といった感じになります。
スキルが二回書かれていた場合、二度目は問答無用で相手方のポイントとなります。

・三回戦って引き分けだった場合、挨拶掲示板で書き込んだ際のダイス目の合計で判定します。書き込まれない場合、平均値「７」として判定します。それでなお引き分けだった時は、二人とも次の試合に進出とします。

・武器はこちらで用意します。刀であれば竹刀、薙刀や槍は競技用を使用します。銃はコルク、手裏剣などの飛び道具もゴム製で致命傷を与えられない物としますので、得物（使う武器）をお書き下さい。記載がなければ、クラスから判断します。

・必殺技の決めゼリフや、勝った時、負けた時のセリフがあれば目立ちやすいです。同じように、補助系、回復系のスキルは、戦闘自体には関わりませんが、「回復しながら戦う」といったアクションであれば、描写される可能性が高くなります。

・審判も合わせて募集しますが、誰もいなければハイナか房姫、或いは他のＮＰＣが行います。

・優勝すると、「第一回葦原明倫館御前試合覇者」の称号がつきます。


　なお、房姫につきましては、このシナリオ中では葦原明倫館におります。ご了承下さい。
　それでは皆様、ぜひ挙ってご参加下さい。お待ちしております。

・試合に参加して戦う。

・審判になる。

・選手の応援をする。