イルミンスール魔法学校

　
「へー……随分活気づいているじゃん」

「あ、瑛菜おねーちゃんたこ焼き屋さんあるよ。明日食べに来ようよ」

　ニルミナスの村。活気にあふれる様子の村に訪れた熾月　瑛菜（しづき・えいな）とアテナ・リネア（あてな・りねあ）は歓声をあげます。

「ついに明日から祭ですからね。……瑛菜さん、アテナさん、ようこそいらっしゃいました」

　二人のもとにこの村の村長である若い女性、ミナホがやってきて歓迎の挨拶をします。

「ミナホ、祭の準備大変そうじゃん。順調？」

「はい。祭の方は順調です。出店の屋台が少し空きがあるくらいですね」

「祭の方『は』？　ミナホちゃん何か他に困ってることあるの？」

　ミナホの言葉にアテナは含む所を感じたアテナはそう聞きます。

「はい。ただ、その……ここでは……」

「了解。人に話聞かれない所行こうか」

　言いよどむミナホの様子に何かあったことを確信しながら瑛菜はミナホとアテナと一緒に村の集会所に向かいました。


「祭の客が村に来るときに街道で野盗に襲われた？」

　ミナホの説明に瑛菜はそう聞き返します。瑛菜の言う街道とはつい先日に村人と瑛菜達契約者が手伝って完成したばかりの森にある街道のことです。森にはゴブリンとコボルト達が住み、いろいろと苦労しましたが、現在ではゴブリンとコボルト達とも和解しています。

「はい、襲われた方は何も取られることなく無事に村にたどり着くことが出来ましたが……」

「ふーん……一度失敗してるならタイミング的に祭が終わるまでは襲ってくることなさそうだね。向こうとしても暴れすぎて標的が減るのは望むところじゃないだろうし」

　祭りが終わるまでに捕まえればよさそうだねと瑛菜は付け加えます。

「？　ミナホちゃん、まだ他にも気になることがあるの？」

　瑛菜の心強い言葉を聞いても難しい顔をしているミナホにアテナはそう聞きます。

「実は森のゴブリンとコボルト達が野盗達の手によって傷つけられている姿を見ているんです。自分たちの活動に邪魔だからという理由で傷つけられるのが悲しくて……それを防ぐことが出来なかったのが悔しくて……」

　自分は怪しい人影の報告を受けていたのだからとミナホは唇をかみしめます。

「ま、後悔すんのは全部終わってからにしな。……それで、このことはあたしらの他には？」

「一部の村の人達には……村の外の方には瑛菜さん達が初めてです」

「それで正解だね。大きく動くと逃げられる可能性あるし、祭にはあたしらの他にも契約者がくるだろうし、信頼出来そうな人に秘密裏に頼んで動いたほうがよさそうだ」

　そうして一応の方針が決まったところでアテナが何かに引っかかった顔をします。

「ねぇ、瑛菜おねーちゃん。野盗たちは祭の客が目当てなのかな？　それでゴブリンやコボルト達が邪魔で排除しようとした？　……何かがおかしい気がするよ」

　アテナの疑問にすぐに答えられる人はその場にはいませんでした。

初めての方ははじめまして、前回参加してくれた方はお久しぶりです。河上誤停です。
今回のシナリオは祭とライブがあるので前回まで参加されなかった方でも、息抜きをして楽しみたいという方なら誰でも参加できます。
また、森の共存を脅かす野盗が許せないという方はぜひとも参加していただけると幸いです。


■探索について
森にはある薬草が生えており、その薬草が生えている所以外では基本的にモンスターたちは襲って来ません。ただし、薬草が生えている場所では問答無用で組織的に襲ってくるので注意が必要です。
前回の街道づくりでモンスターたちと一応の共存関係を築いているので無闇に薬草の生えている所に入り、『PC』がモンスターたちと戦わないように気をつけてください。
野盗たちは５人以上の複数人で行動しているようです。森に住む普通のモンスターよりは強いので注意が必要です。
最初に森を調査した時に野盗等が隠れられそうな所はピックアップしているので探索にはそう苦労することはありません。


■祭について
祭は二日間にわたって行われます。前回完成した街道を祝う祭です。単純に楽しむことはもちろんPCが出店を出すことも可能です。
出店にはたこ焼きや綿菓子を始めとした食べ物屋から射的や金魚すくいなど定番が揃っています。

■ライブについて
二日目の最後に瑛菜たちのライブが予定されています。場所はできたばかりの街道に設置された舞台です。
ただ、それだけではせっかくの舞台がもったいないので二日目を利用して歌や漫才なんでもありのステージ企画があります。飛び入り参加も大丈夫です。

・出店の食べ歩き

・ステージで歌う

・たこ焼き屋を出店

・野盗の捕縛