シナリオガイド
君は真相に辿り着けるか? 推理のカギは、契約者達によって創られる!
シナリオ名:紅き閃光の断末魔 ―前編― / 担当マスター:
水無月へる
先日、教導団の主導する作戦で調査された、古の坑道───通称・アトラスの古傷。
かの地は契約者達の活躍により無事に踏破され、安定した機晶鉱脈の採掘ルートの確保も成功。
作戦は大成功で終了しています。
ですが、一つだけ謎が残りました。ライザーワームの残した機構です。
それはモンスターが有していただけのモノにしては、あまりに精巧な造りでした。
ひょっとすると、古王国時代に造られた未知の機晶技術かもしれない……。
そんな期待もあり、ライザーワームの機構は、研究者達によって詳しく解析する事が決定されたといいます。
ライザーワームの機構はこうして、今回の舞台となる研究所に運び込まれたのです。
今日までの研究過程で、外側を覆う装甲部の解析が完了。
いよいよ明日からは装甲を取り外し、本命である機構の内部を解析する予定となっていました。
……ですが、そこで事件は幕を開けます。
研究所にいた全15人のうち、10人もの人間が殺されるという、残虐な事件の幕が───
ドォォォォォォン!!
その爆音が研究所全体を震わせたのは、22時10分の事でした。
「「な、何事だっ!」」
「「ば、爆発……!?」」
大部屋にて、謎の機構の解析に励んでいた全部で8人の研究員達は、次々に声をあげてパニックに陥りました。
無理もないかもしれません。
爆発は大部屋からそう遠くない場所で起きており、更に室内で反響してものすごい轟音となっていたのです。
…………しばらくして轟音が過ぎ去ると、後に残っていたのは少しの耳鳴りと、完全な沈黙でした。
「ち、近くの部屋からでしょうか」
やがて沈黙を破り、研究員の1人が口を開きます。
それを皮切りに、次々と言葉を発して研究員達が続きます。
「あの音から察するに、その可能性が高いだろうな」
「僕が様子を見てきます。皆さんは研究を」
「待て、俺も行く。1人じゃ危険だ……万が一ということもある」
万が一……?
もしかして、族が攻め込んできたとか?
研究員達の間に、緊張が走ります。
「で、では、皆で行きましょうか」
それなら安心だ、といった様子で、研究員達は8人全員で大移動を開始します。
ところが、そのまま北側ゲートから大部屋を出ようとしたところで、全員が見慣れない光景に戸惑いました。
本来そこには白い扉があって、自由に開閉が可能なはずなのです。
ですが、今彼らの行く手を塞いでいるのは、赤い扉でした。扉の中央には、“緊急遮断中”の文字が。
いつものように開こうとしてみるものの、予想通り扉が開く事はありませんでした。
……そこから先はよく覚えていないんです。
確か頭上でガラスが割れたような音がして、顔をあげて、
そこで、最期に見た光景が───
紅き閃光
断末魔の叫びは……上げることができたんだっけ……?
担当マスターより
▼担当マスター
水無月へる
▼マスターコメント
■ご挨拶
初めての方は初めまして!
前回の遊覧船や、前々回の古傷にご参加して頂いた皆様は、お久しぶりです!
ゲームマスターの水無月へる(みなづきへる)です。
本シナリオは前編・後編から成るノーマルシナリオ(ミステリー)の前編となります。
特殊ルールなるものに惹かれて一風変わった要素を織り込んでいるので、少しだけ複雑な作りになっています。
そのため、本シナリオへご参加の際は、以降のマスターコメントを……特に{■特殊ルール}の項目を、よくお読み下さいませ。
お手数をお掛けしてしまい恐縮ですが、それ以上の楽しさで還元できるよう全力で臨む所存です。
よろしくお願い致します!
PS.ガイド内で登場したライザーワームの機構について詳しく知りたい! という場合は、
よろしければ前シナリオ 『アトラスの古傷』をお読みください。
■ご注意
割と本格的なミステリー路線で進行するシナリオなので、推理パーツとなる情報部分がとても多いです。
もしかしたら「あんまり頭使うのはちょっと……でも捜査してみたい」という方もいるかもしれません。
そんなあなたも大丈夫!
実は{■既得情報}の項目は、末尾にある<既得情報の総括>さえ読めば、
他の情報は読まずとも、アクションをお書き頂けるのです……つまり、問題なく捜査に参加できます!
よろしければ参考にして下さい。
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■参加について
警察的な任務を担うことがある教導団ですが、この事件は他校生徒との共同作戦の延長線上で起きました。
よって今回も契約者達と共同で捜査することになっており、参加に制限はかかりません。
参加PCは協力を申し出た契約者として扱われ、捜査によって謎を解き明かしていきます。
1人で解決できる事には限りがあるので、契約者同士でいかに連携をとれるかが重要になるでしょう。
■事件について
事件現場となったのは、ライザーワームの機構を保存・調査していた研究所です。
殺害されたのは10名(内訳は{■既得情報}にて)。
生き残りは、所長・研究員A・研究員B・衛兵A・衛兵Bの5名です。
彼らはたまたま大部屋から離れていたため、難を逃れたのだと言っていますが……。
■捜査について
教導団の捜査隊は、ガラスを破って外部から侵入した実行犯の他に、
内部にも共犯者がいたのでは? と睨んでおり(詳しくは{■既得情報}にて)、生き残った人物達を疑っています。
よって、生き残りの5名は現在も重要参考人だとして、身柄を確保されています。
共犯者は本当にいたのか? もしいるなら、それは何名で誰だったのか?
それを突き止めるため行動するのが、真相解明の近道となりそうです。
■現状について
もともと教導団が管理していた建物なので、既に捜査隊が、基盤を固める程度の情報を得ています。
また、それらの情報は、協力を申し出た契約者達にも周知されています。
ページ最下部{■既得情報}の項目に全て記載されていますので、アクションを考える際の参考にしてください。
ちなみに生き残りの5名には、記録者が所長となっている情報以外、開示されていません。
■特殊ルール
▼【行き先】と【スタンス】
本シナリオのアクションでは、捜査方法の他に【行き先】・【スタンス】の2つの要素を設定して頂きます。
【行き先】はそのまま捜査の行き先、【スタンス】は捜査中のみ有効な補助効果となっています。
設定方法ですが、アクション内にどの候補を選択したのか分かるよう、明記してお送り下さい。
サンプルアクションの書き方を見て頂けると、わかりやすいと思います。
また、【行き先】とアクションが矛盾しないようお気をつけ下さい。
例えば衛兵テントへ向かったのに、ライザーワームの機構の残骸を詳しく調べようとするなど、
不可能な行動をとっていると判断される場合は、アクションが無効になる恐れがあります。
【行き先】……捜査に向かう場所です。MCにのみ設定可能で、LCは同じ場所へ向かいます。
事件現場となった研究所の各地点と、逃げた実行犯が潜伏したと思われるヒラニプラ市街地の中から選択して下さい。
また、位置関係が明確になるよう、研究所の全体MAPをご用意しました。
マスターページの最下部に掲載しておりますので、行き先を選ぶ時の参考にして頂ければと思います。
★衛兵テント……生き残った5名が、重要参考人として捜査隊に確保されている場所です。
事件前後の時間どこで何をしていたのか等、彼らの証言を聞きたい場合はここを選択して下さい。
★屋外……研究棟の外側、外壁の内側です。衛兵Cの死体があります。
シャッターの開閉装置や簡易トイレを調べたい場合も、ここを選択して下さい。
★大部屋……ライザーワームの機構を解析していた場所です。合計8名分の研究員の死体があります。
解析に使われていた様々な機材や、搬入用のベルトコンベアなどが設置されています。
部屋の北側と南側のゲートから入る方法以外にも、シャッターを開いて中に入る方法があります。
ただし、開閉装置が外側にしか無いため、内側から閉ざされたシャッターを開ける事はできません。
★管制室……研究所全体のセキュリティ管理を行う場所です。副所長の死体があります。
通常この部屋のロックを解除するには所長か副所長のIDカードが必要ですが、捜査のため現在は開放されています。
★休憩室……研究員達が休憩時間に飲食や談話をしたりする場所です。
給水設備を始め、給湯ポット・ガスコンロ・自動販売機・ゴミ箱などが設置されています。
★仮眠室……研究員達が泊り込みの作業を行う時などに使う場所です。
やたらと広い空間に簡素なベッドがいくつも並んでいます。他にも、個人用の鍵付きロッカーなどがあります。
★偉い人ルーム……主に所長と副所長が、事務作業をする時に使っていた場所です。様々な資料などが置いてあります。
通常この部屋のロックを解除するには所長か副所長のIDカードが必要です。
しかし、中に人がいる時はいつもロックをかけていなかったようで、現在も開放されています。
ちなみに、部屋の名前は研究員達によって考案されたらしいです。
★武器庫……本来は、緊急時に防衛を行うための武器が保管されている場所です。
ですが現在は、部屋中が破壊されて酷いことになっています。
通常この部屋のロックを解除するには所長か副所長のIDカードが必要ですが、捜査のため現在は開放されています。
★冷蔵庫……庫内の温度は5〜7度。研究員達が持ち込んだ缶コーヒーやらペットボトル飲料やらが保管されています。
他にも研究で用いると思われる薬品類などが瓶詰めにされていて、専用の棚にズラッと並んでいます。
★動力室……建物全体の動力をまかなう場所です。
巨大なモーターや冷却装置など、それらしき物が設置されています。
ただし、セキュリティに関する装置は、全て別動力で機能しているそうです。
★ヒラニプラ市街地……実行犯を追いたい場合は、ここに向かうと良いでしょう。
非常に広域ですが、アクション次第では何らかの手がかりが見つかるかもしれません。
【スタンス】……捜査に臨む姿勢です。MCとLCにそれぞれ設定可能です。
肯定型・否定型・記録型の3種類から選択して下さい。
★肯定型……【行き先】で情報を取得する能力が高まります。
肯定型PCが少なすぎると情報が不足し、真相に辿りつけない状態で捜査が終わってしまう可能性があります。
逆に、多すぎると次々にダミー情報を取得してしまい、事件が難解になる可能性もあります。
★否定型……【行き先】で取得された情報を推理し、ダミー情報をその場で1つ切り捨てる事ができます。
ただし、真偽を確かめる方法が無いダミー情報は、切り捨てる事ができません(犯人しか知らない嘘など)。
★記録型……【行き先】で取得された全ての情報を整理し、要点をまとめて書き出す事ができます。
書き出された情報は、最終ページで記録者名と共に列挙されます。
※記録型はその性質上、各【行き先】において2人以上いても、特に効果がありません。
もし記録型を選択なさる場合は、掲示板で「×××の記録を担当する予定です」など、軽く挨拶しておくと良いかもしれません。
▼スキルについて
捜査に影響を与えると思われる3種類のスキルについて、独自に定義させて頂きます。
アクションで使用される場合は、ご注意ください。
【嘘感知】……有効です。
ただし万能ではなく、誰かを騙すことを第一目的とした嘘のみ看破できます。
例えば「お前が犯人なんだろ!」という発言に対し、犯人が「ち、違いますよぉ!」と答えた場合、
この嘘の第一目的は自分を守るためとなり、【嘘感知】では看破する事ができません。
【ナゾ究明】……有効です。
各【行き先】において、その場の全員が見落とした情報があった場合、
このスキルを所有するPCは、アクションに関わらずそれを取得する事ができます。
また、【ナゾ究明】による取得では、ダミー情報を取得する事がありません。
【サイコメトリ】……犯人による何らかの偽装工作があったようです。
その影響で、研究所の各地点では、【サイコメトリ】を使ってもノイズしか読み取れない状態になっています。
ただし、ヒラニプラ市街地を【行き先】としている場合は、正常に効果を発揮します。
■既得情報
<研究所について> 記録者:所長
事件現場の研究所はヒラニプラ市街の外れにあるが、もともとは資材保管用の倉庫だった。
巨大なライザーワームの機構を解析するにあたって格納スペースが必要になったため、
大部屋があるこの倉庫を改造して、研究棟として使っていた。
<爆音について> 記録者:所長
爆音があがったのは、22時10分で間違いないという。
<機構の残骸> 記録者:所長
解析中だったライザーワームの機構だが、完全に破壊されていた。
一応これまでの解析で、この機構は人工物である事が明らかになっている。
今回の事件は、何らかの理由でこれを狙った犯行である可能性が高い。
<大部屋の死体> 記録者:捜査隊員
大部屋から、合計8名の研究員の死体が発見された。
ほぼ全員に激しく抵抗した痕跡があるが、例外なく一撃で即死している。
教導団の鑑識によると、死因は全員が鋭利な刃物による斬殺か刺殺だった。
<副所長の死体> 記録者:捜査隊員
死体が発見されたのは管制室。
後頭部から銃弾が検出された。
教導団の鑑識によるとこれが死因で、ほぼ即死だった模様。
着衣の乱れなど、死亡直前に抵抗したような痕跡は見当たらない。
<衛兵Cの死体> 記録者:捜査隊員
死体が発見されたのは屋外で、正門から見て研究棟を挟んだ反対側にあたる位置。
正面から首元を鋭利な刃物で一閃されている。
教導団の鑑識によると、死因は出血性のショック死。
彼の物である『紅蓮の槍』が壊れた状態で落ちているなど、死亡直前に抵抗した痕跡がある。
<割れた窓ガラス> 記録者:捜査隊員
大部屋の北側にある大きな窓ガラスが、1枚だけ完全に割れていた。
落ちた破片を見たところ、外側から大きな衝撃が加わって割れたようだ。
この窓はとても高い所にあり、本来開くようには作られていない。
研究所内に存在する窓は、全てこれと同じ形状である。
<セキュリティスイッチ> 記録者:シャンバラ教導団
この研究所に勤める職員は、出勤時に正門でセキュリティスイッチを受け取る事になっている。
セキュリティスイッチは常に携帯するよう義務付けられている小型機器で、不測の事態が起きた場合、
誤発防止用のカバーを外してボタンを押し込むことで、教導団に緊急信号が送られるようになっている。
この信号は特殊な回線を使用しており、発された場合は絶対に妨害できない。
<赤外線センサー> 記録者:シャンバラ教導団
研究所を囲む外壁には、上空まで届く防犯用の赤外線センサーが設置されているという。
何かが外壁を乗り越えると反応し、教導団に緊急信号が送られるようになっている。
この信号は特殊な回線を使用しており、発された場合は絶対に妨害できない。
これにより、外部からの侵入は正門を通らなければ難しいと思われる。
<防犯カメラについて> 記録者:シャンバラ教導団
研究所内の全ての部屋には、防犯カメラが1台ずつ設置されていた。
ただし、広すぎて全体が映らないため、大部屋にだけは2台設置されていたという。
性能は標準的で、細部まで明確に映し出すことはできない。
また、各部屋以外(廊下や研究棟の外側など)に、防犯カメラは存在しない。
<破壊された防犯カメラ> 記録者:捜査隊員
研究所内に設置されていた防犯カメラ9台のうち、4台が壊れていた。
『大部屋北の防犯カメラ』……鋭利な刃物の一突きによる破損。
『大部屋南の防犯カメラ』……鋭利な刃物の一突きによる破損。
『管制室の防犯カメラ』……数発の銃撃による破損。
『武器庫の防犯カメラ』……強い爆発による破損。
<防犯カメラの映像> 記録者:捜査隊員
壊れていない5台の防犯カメラは、今も各部屋に残っている。
本体にモニターが搭載されているので、現地でも録画された映像を確認することができる。
<ゲートの緊急遮断> 記録者:シャンバラ教導団
族に衛兵が倒されるなど、正門を突破された場合に使用する機能。
研究所内に存在する全てのゲートの中から、任意の場所を選んで緊急遮断することができる。
解除方法は管制室で操作する以外には存在しない。
<管制室の機能> 記録者:捜査隊員
研究所の全てのセキュリティは、管制室で管理されている。
セキュリティスイッチ・外壁の赤外線センサー・防犯カメラ・ゲートの緊急遮断。
これらの機能は、この部屋の機器を操作することで、ON/OFFの切り替えができる。
捜査隊が最初に踏み込んだ時、機器の状態はOFF・OFF・OFF・大部屋のみONとなっていた。
また、この部屋のロック自体はかかっていなかった。
<通報後の動向> 記録者:捜査隊員
所長からの通報を受けた教導団は、すぐに捜査隊を送り込んで現場を保全した。
また、通報を行った直後から、生き残りの5名はずっと一緒に衛兵テントにいたらしい。
よって、現場が保全されるまでのタイムラグで、犯人が何らかの証拠を隠滅したりする事はできなかったと思われる。
もっとも、5名全員が共犯で、口裏を合わせているのなら話は別だが……。
<既得情報の総括> 記録者:捜査隊長
これまでの情報から、ガラスを破って侵入してきた外部の実行犯の存在は、確定的である。
ただし、外部の実行犯だけでは、張り巡らされた強固なセキュリティを破れない事も、確定的である。
つまり、この外部の実行犯を研究所内へ招き入れたと思われる、内部の共犯者がいるハズだ。
今回、契約者達に期待するのは、その共犯者を突き止める事になるだろう。
おそらく生き残った5名のうちの誰か……いや、1名だけとは限らないかもしれない。
▼サンプルアクション
・衛兵テントで聞き込み
・ヒラニプラ市街地を捜査する!
・大部屋を捜査する!
▼予約受付締切日
(予約枠が残っている為延長されています)
2012年11月27日10:30まで
▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)
2012年11月28日10:30まで
▼アクション締切日(既に締切を迎えました)
2012年12月02日10:30まで
▼リアクション公開予定日(現在公開中です)
2012年12月12日