シナリオガイド
正体不明の怪物が出現―――逃げ遅れた町の人々を救助せよ!
シナリオ名:新興都市シズレの動乱 / 担当マスター:
水無月へる
新興都市シズレにて。
熾月 瑛菜(しづき・えいな)はアテナ・リネア(あてな・りねあ)の手を取り、舗装された道路を全力で駆け抜けます。
何故そんなに急いでいるのか……その理由は、彼女達の背後に“居”ました。
「何なんだ、この怪物は……!?」
「アテナにもわかんないよっ……でも、とにかくこのまま町の外に連れ出した方がいいと思う!」
「それに関してはあたしも同感だよ。町中に被害が出ないように、ねッ!」
言いながら、瑛菜とアテナは左右に分かれるように跳躍しました。
怪物が進路上にあった石像を握りつぶして、石つぶてとして放ったからです。
降り注ぐ瓦礫の雨を間一髪のところで避けると、再び合流して走り続けます。
「くそっ、見境無いな。目に付くもの全て壊す気なのか!?」
この怪物は、シズレの町中に突如として現れました。
瑛菜とアテナはたまたまこの町に滞在していたのですが、怪物が住民に襲いかかろうとしたところを反射的に阻止し、
わけもわからないまま、囮となって逃げているところなのです。
「外まで上手く誘い出せたとしても、あの馬鹿力……正面から戦っても勝機は無さそうだな。どうする……?」
「瑛菜おねーちゃん、前!」
アテナの叫び声に、はっと顔をあげた瑛菜は、割と本気でめまいを起こすような光景を目にします。
前方。
町の中心に程近い十字路の先に、追ってきている怪物と似たような怪物が3体もいたのです。
こちらに気づいてはいないようですが、周囲の建物を滅茶苦茶に破壊しています。
それに、瓦礫の合間をよく見ると、犠牲になった人達の姿も……。
「ッ……、本当にどうなってるんだ。何の前触れもなく、こんな巨大な化け物が一斉に発生するなんて―――」
と、瑛菜が前方に気をとられている隙の出来事……
後ろから追ってきていた怪物が、なにやらエネルギー弾のようなものを生成し、投げつけてきていました。
気がついた時には、もう手遅れ。
「しまっ
ズドォォォォン!!!
エネルギー弾は瑛菜の足元に直撃し、アスファルトごと道路を抉り取りました。
うまいこと衝撃を逃すよう飛び退いた瑛菜でしたが、それでも脚に大きな傷を負ってしまいます。
「おねーちゃんっ!!」
不幸中の幸いか、咄嗟の機転でインパクトの直前、瑛菜に投げ飛ばされていたアテナはどうやら無傷です。
すぐさま追撃がくる―――!
そう思ったアテナは、動けなくなってしまった瑛菜に賭け寄り、背負って逃げようとします。
「だ、大丈夫!? 歩ける!?」
「くうっ……これは、ちょっと辛いな……」
こうなったらアテナだけでも。
瑛菜は一瞬そう考えましたが、やがて異変に気づきます。
「……?」
追撃が来ない。
見ると、エネルギー弾を放ったあの怪物が、苦しそうに呻いています。
原因はわからなかったものの、今の状況から逃れるには絶好の機会です。
アテナの力を借りて、瑛菜達は角を曲がった先にある民家に逃げ込みました。
「なんとか、撒いたよね……? 瑛菜おねーちゃん、脚は―――」
「へーきへーき。ちょっと痛むけど、動かせるから。でも、次に見つかったらおしまいかもね」
そう、見つかるのは時間の問題でした。
あの怪物達は、目に付くもの全てを破壊して回っていた……この建物が狙われるのも時間の問題でしょう。
そして、脚を怪我した状態の瑛菜は、今度こそ逃げ切れないはず。
「アテナ達だけじゃどうしようもないよ……瑛菜おねーちゃん、助けを呼ぼう!」
「そうだね。今この町で何が起きているのか、サッパリわからないけど……
とにかく住民のみんなも救出しないといけないし、これはもうあたしらだけの問題じゃない……!」
こうして瑛菜は携帯電話を取りだすと、
教導団とシズレ近辺の契約者達に宛てて、SOSメールを送信したのでした。
担当マスターより
▼担当マスター
水無月へる
▼マスターコメント
初めての方は初めまして、これまでのシナリオに参加してくれた事のある皆様は、お久しぶりです。
ゲームマスターの水無月へる(みなづきへる)です。
今回はバトルがメインのお話になります。よろしくお願いします。
■アクションについて
今回の事件ですが、ガイドにもあるように瑛菜からのSOSメールが発端です。
参加PCは、
・瑛菜の連絡を受けてすぐさまシズレへ向かってきた
・何らかの理由でもともとシズレにいて、事件に巻き込まれた
・教導団サイドから、鎮圧部隊として参戦する
などの状況から開始することになると思います。
特にアクションに記述が無い場合は、瑛菜の連絡を受けてすぐさまシズレへ向かってきた扱いとなります。
■シズレについて
キマク・ヴァイシャリー間の旅路を少し外れた場所にある町です。
大荒野を往来する遊牧民達や、彼らを対象とした商隊などが滞在し、賑わっていました。
もともと人口は少なく、栄えているとは言い難い場所でしたが、
数ヶ月ほど前から何故かめざましい発展を遂げ、交易の場として急成長したといいます。
それを受けてか、人々の間では新興都市と呼称されているようです。
■怪物について
シズレ全域に突如として現れた、巨大な人間型の怪物達です。
全長7mほどの巨躯にもの凄いパワーを秘めており、いかに屈強な契約者でも真っ向から対峙すれば苦戦を強いられるでしょう。
ただし知能は低いようで、工夫して戦えば単独でも相手取る事は可能かもしれません。
また、ガイドにあったような隙も存在します。
怪物の正体や性質に関しては、どこからどうやってどうして沸いて出たのか、今のところ全てが不明です。
■SOSメールについて
瑛菜から届いたSOSメールです。
内容は『シズレ町中に謎の怪物が大量発生。町を破壊して回っています。至急応援願います』といった簡潔なもの。
契約者同士での転送などを経て、広域に知れ渡っています。
このSOSを受け、教導団も鎮圧部隊の編成を開始したようですが、到着までしばらく時間がかかります。
怪物達は破壊活動を繰り返し回っているので、鎮圧部隊が到着するまで放っておけば、
町の人々はおろか、シズレの町そのものも、壊滅は必至といえるでしょう。
また、瑛菜とアテナからSOSメール以降の連絡は無く、こちらからの連絡も何故か繋がりません。
怪物達をどうにかしつつ、彼女達を捜索・救助する必要もありそうです。
▼サンプルアクション
・救助に専念する!
・瑛菜達を探す!
・怪物どもを片付ける
・怪物について調べる
▼予約受付締切日
(予約枠が残っている為延長されています)
2013年03月05日10:30まで
▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)
2013年03月06日10:30まで
▼アクション締切日(既に締切を迎えました)
2013年03月10日10:30まで
▼リアクション公開予定日(現在公開中です)
2013年03月22日