イルミンスール魔法学校

　
「へぇ……もう作る準備はできてんだね」
　ニルミナスの村。音楽学校を作るという場所。村人やゴブリン・コボルトたちによって運ばれてくる木材を見て熾月　瑛菜（しづき・えいな）はそう言います。
「地均しと建築材料のほとんどを占める木材の準備くらいですけどね」
　今までの経験からこれくらいはと村長であるミナホ・リリィ（みなほ・りりぃ）は言います。
「うーん……校舎を作るのに困ってる風じゃないけど、アテナたちに相談ってなんなの？」
　自分たちが呼ばれた理由をアテナ・リネア（あてな・りねあ）は聞きます。
「どういった校舎にしていくかについては契約者の皆さんにまた相談して決めていきますけどね。ただ、瑛菜さんとアテナさんに相談しようと思っていたことは別です」
「それは？」
「単純にニルミナス村立としてニルミナスで運営していくだけでもいいんですが、ニルミナスを『休養地』として発展させていくと考えるとそれだけじゃ不便なんです」
「？　どういうこと？」
　何か問題があるのかなとアテナは聞きます。
「『休養地』ということはこのニルミナスに長く逗留する人が多くなるということです。その中で一時的にでも希望があれば音楽学校に所属できるようにできないかと思ってるんです。……それこそ地球から来た人でも」
「なるほど。そうなってくるとニルミナスくらいの小さな村だけで進めるには不便だね」
　瑛菜はミナホの言うことに理解を示します。
「はい。できれば近くにある契約者の人たちが所属する学園に音楽学校の運営に関する承認をもらえたらと思っています」
「うーん……ニルミナス周辺にある学園っていったら……パラ実とイルミンスール？」
　アテナは比較的ニルミナスに近い位置にある学園の名前を挙げます。
「……パラ実はいろんな意味でなし」
「そうなるとイルミンスールだね」
　瑛菜とアテナは消去法で承認を求める学園を決めます。
「イルミンスールですか？　うーん……あそこの学園長は気難しくてわがままという噂を聞いたことあるんですが大丈夫でしょうか」
「……比較的穏やかな噂じゃん。……まぁあれはわがままというより歳相応なんだと思うよ」
　そういう部分に関してはと瑛菜は言います。
「でも、確かに自分に興味ないことだったり利益にならないなら承認とかもらえなそうだよね」
　アテナの言葉は真実の側面を持っている為、三人は頭を悩ませます。
「そういうことなら『あの人』に相談したらどうかな？」
「あれ？　アゾートさん？　お久しぶりですね。きていらっしゃったんですか」
　声をかけてきた女性。アゾート・ワルプルギス（あぞーと・わるぷるぎす）にミナホはそう声をかけます。
「お邪魔させてもらってるよ」
「アゾートちゃんは休養しにきたの？」
　アテナはアゾートにそう聞きます。
「話に聞いた『恵みの儀式』というのを自分なりに調べさせてもらってるよ」
「ふーん……また賢者の石関連？」
　瑛菜の言葉。
「必要……とまでは言わないけど利用できれば研究が大いに進むからね。危険性から安易に利用はできなくても、その仕組みを理解するのは無駄じゃないよ」
　アゾートは言います。
「それで、『あの人』とはどなたのことでしょうか？」
　話を戻してミナホはそう聞きます。
「ボクのご先祖様だよ」


「ふむふむ……ニルミナスに音楽学校を作るんじゃな。その運営に関してイルミンスールの協力と承認が得たいから、ニルミナスを視察してくれないかと」
　アゾート経由で渡されたニルミナス村長の手紙を見てアーデルハイト・ワルプルギス（あーでるはいと・わるぷるぎす）はそう内容をまとめます。
「１０年か……短いようで長いのぉ。やっとニルミナスを見に行くことができるんじゃな」
　そう言いながらアーデルハイトは視察の為の身支度を始めます。
「……ミナスは元気にしてるかの」
　地球で出会った友のことを思い出しながらアーデルハイトは身支度を進めるのでした。

初めての方ははじめまして、前回参加してくれた方はお久しぶりです。河上誤停です。
今回は村おこしシナリオ兼休日シナリオになります。ニルミナスに音楽学校を作ることが目的となります。休日シナリオでもあるため村でのアクションであれば音楽学校関係のアクションでなくても大丈夫ですが、基本的には校舎を作ったり、学校の制度を整えたりするのが主目的になります。
また、マスターページにてニルミナス関係の設定をまとめております。リアクション中では触れられていないこともまとめられていますが、こちらはＰＬ情報ではなくＰＣ情報としてアクションで使用できます。


■今後の予定に関して
音楽学校に関するシナリオは
１：校舎・制度作り（今回）
２：生徒集め
３：開校イベント
の全三回になります。その間に問題発生シナリオ、余裕があれば休日シナリオが挟まれます。

■校舎作りに関して
音楽学校の校舎を作ります。基本的に木造の校舎になります。
既に地ならしは済んでおり、基本的な建築材となる木材の用意はできています。珍しいものでなければ村側で木材以外の材料も用意します。
どのような施設ができるかはＰＬの皆さんのアクションによって決まります。
また、音楽学校は村の北端に作られます。現在は周りに民家等なく問題ありませんが、今後村が大きくなるのを考えると音楽学校になんらかの防音対策が必要です。

■制度作りに関して
音楽学校の校則や奨学金制度など、音楽学校の制度をミナホと話し合って決めていきます。
現状、逗留期間の一時入学以外は一般的な項目以外決まっていません。
また、一時入学もアーデルハイトの視察の結果次第では限定的なものになります。

■アーデルハイト、またその視察について
アーデルハイトは地球を彷徨っていたころにミナス（ミナホの母親であり、ニルミナスを作り始めた魔女）と面識があります。ニルミナスという村の名前を考えたのもアーデルハイトです。ミナスとのニルミナスが大きくなったら招待するという約束を守り、今までニルミナスの地を踏むことはありませんでした。
アーデルハイトは既にミナスが死んでいることを知りません。

視察は建設中の音楽学校をはじめ、ニルミナスの村全体を見て回ります。その案内役を藤崎　穂波が受けています。彼女と一緒にアーデルハイトを案内することは可能です。
また、アーデルハイト同様、村を一緒に案内されるというアクションも可です。


■恵みの儀式の調査について
今回、音楽学校を作っている裏側でアゾートが恵みの儀式の研究を行っています。ＰＣはこちらに共同で研究することも独自に調査することも可能です。

■その他アクションに関して
休日シナリオでもあるため上記にないアクションでもニルミナスに関係するものであれば採用されます。今までのリアクション、マスターページにあるニルミナスの設定など、気になることがあればそれにアクションをかけられます。

■ＮＰＣの動向
公式ＮＰＣ・登録済みマスターＮＰＣ
瑛菜・アテナ：校舎作り・制度作り
ミナホ：校舎作り・制度作り・視察
穂波：視察
アーデルハイト：視察
アゾート：恵みの儀式の研究

非登録ＮＰＣ
ラセン・シュトラール（アスター）：住処でのんびり
ニルミナス防衛団：村の警護・校舎作り

ミナホと穂波に関してはアクション次第で他の行動もします。

・施設提案

・アーデルハイトを案内する

・アゾートと共同研究